今回のバルドルで、北欧神話由来の幻神もあとはフレイヤだけかな。ちょっと長文で読む側にも負担を強いるでしょうが、お付き合いお願いしますね。


<バルドル>(古ノルド語: Baldr、Baldur、英語: Balder)は北欧神話の光の神であり、裁きの神でもある。
 両親は最高神オーディンと豊穣の女神フリッグ、妻はナンナで、彼女との間に息子フォルセティがいる。ログ湖現在のスウェーデン・メーラレン湖のほとりにあるブレイザブリク「幅広き輝き」の意という館に住み、フリングホルニという船を所有している。
 『スノッリのエッダ』では、最も賢明で、美しく光り輝く美貌と白いまつ毛を持ち、雄弁で優しいとされ、やや優柔不断な面もあったが彼の裁きは不変であるといわれる。

幻神バルドル  ブレイザブリクの光神
幻神バルドル1
  ★3スタイル  金の鎧姿から白の装いに。
幻神バルドル2


<フリッグ>(古ノルド語: Frigg)
 愛と結婚と豊穣の女神で、優れた予言の能力を持っているが決して口にすることはない。奔放で派手なフレイヤとは正反対の物静かな賢母である。英語で金曜日を意味するFridayは、フリッグの日という意味(フレイヤの日という解釈もある)。フリッグが愛の女神という点でローマ神話のウェヌスと同一視されたためである。 女神フレイヤはフリッグの別名フリーンと名前が似ており、それぞれの夫(オーズ、オーディン)も名前が似ていることの他、魔術の使用や神話上の役割的に2人が同一視されることがある。
 下図wikiから:ジョン・チャールズ・ドールマンが描いたフリッグ
Frigg



【エピソード】  『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』
 バルドルは神々の中でもっとも美しく万人に愛された。ある日から悪夢を見るようになると、これを心配した母フリッグは世界中の生物・無生物に彼を傷つけないよう約束させた。そのため、いかなる武器でも彼を傷つけることは出来なくなった。だがこのとき実は、ヤドリギだけは若すぎて契約が出来ていなかった。 そしてそのことは老婆の姿に化けたロキにフリッグの口から知られることとなる。

 神々はバルドルに様々なものを投げつけるという娯楽にふけっていた時、ロキは盲目のために遊戯の輪から外れていたバルドルの兄ヘズをたぶらかし、ヤドリギ(ミスティルテイン)を投げさせ、バルドルは命を落とした。
下図wikiから 盲目のヘズの手で刺殺されるバルドル。18世紀のアイスランドの写本『SÁM 66』より。
Baldr
 これを嘆いたフリッグに応えて、バルドルの弟ヘルモーズは死の国ヘルヘイムへ向かい、女王ヘルに彼を生き返らせてくれと頼んだ。ヘルは「本当に、全世界の者が彼のために泣いているというならば生き返らせてやろう」と約束した。

 フリッグの頼みで、本当に全世界のあらゆる生物・無生物が彼のために泣いた。ところが、たった一人、巨人の女セック(ソック)が泣かなかったのでバルドルは戻ってこなかった。このセックの正体は実はロキで、このことから彼は神々に捕らえられ罰を受けることになった。 

 バルドルの死によって光を失った世界は、やがてラグナロクを迎える。オーディンをはじめ多くの神が死に、世界は滅ぶ。やがて新しい大地が浮かんでくると、バルドルはヘズと共によみがえってくる(※1)


他にも『古エッダ』の詩『バルドルの夢』やサクソ・グラマティクスが著した歴史書『デンマーク人の事績』などにもバルドルは登場する。別ゲーでゴット・オブ・ウォー(2018)ってのが北欧神話を舞台にしていると前に話したけど、ここでのバルドルは不死身設定はあるけど美男子とは程遠いキャラになっているようですね。



北欧神話での植物  独立記事にするは調査不足なので3例だけ。
ユグドラシル:(セイヨウ)トネリコ(※2) (学名:Fraxinus excelsior L.)
 セイヨウトネリコは、落葉樹であり、紅葉はせず暗い緑色で落葉する。ドーム状の樹冠を生成し、樹高20-35m、直径2mにも達する。花は、淡い紫色であり、花弁はなく風媒花である。果実は、翼がついた形状(翼果)であり、 冬の間枝にぶら下がっているが、その状態をash key(トネリコの鍵)と呼ばれている。回復力があり、成長が早いので林業者にとって重要な資源である。  木材としての特徴は固く丈夫だが、オークより腐敗しやすい。 曲げやすく弾力性があり、衝撃に強い。生木でもよく燃える。 下図はwikiにあったトネリコの画像。
セイヨウトネリコFraxinus_excelsior_-_Ardenne

・ミスティルテン:(セイヨウ)ヤドリギ 被子植物ビャクダン科ヤドリギ属
 ヤドリギ類はヨーロッパおよび西部・南部アジア原産。半寄生の灌木で、他の樹木の枝の上に生育する。日本のヤドリギはセイヨウヤドリギの亜種とされる。      下図はwikiにあった日本産ヤドリギの画像。
Yadorigi_Japan

・人間の誕生:アスクとエムブラ
 (セイヨウ)トネリコから造られた男性アスク(古ノルド語: Askr、英語: Ask)と、ニレから造られた女性エムブラ(古ノルド語・英語:Embla)。
楡(ニレ):被子植物バラ科ニレ科ニレ属
 広葉樹であり、かつ基本的に落葉樹だが、南方に分布する一部に半常緑樹。10m未満のものから大きいと40mを超すものまである。湿潤で肥沃な所を好む種が多い。また、陽樹であり日当たりを好む。花は風媒花であり、ほとんどの種類は春に花を咲かせる。  下図はwikiにあったニレの画像。
ニレUlmus_glabra_Lutescens
 『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』第231章においては、オーディンとその兄弟ヴィリとヴェーが旅の途中で、浜辺にあった2本の流木を拾い、それらに人間の形を与えた。 オーディンはそれに息吹を与えた。ヴィリは感情と知性を与え、ヴェーは言葉と感覚を与えた。


 トネリコとニレの見た目や用途・性質などに男女の特徴を見出せたりするのでしょうかね。エムブラ(Embla)はゲルマン人には「つた植物」を意味する語であったと言う解釈もあるそうです。


※1 スコットランドやアイルランドでは、バルドルの像が火祭りの日に焼かれる風習があるという。スカンジナビアではこれを「バルドルの大篝火」と呼び、これは火によって再生する英雄としての性格を反映してのことだそうだ。(ムー謎シリーズ 世界の神々と神話の話 2006 学習研究社)
※2トネリコ(梣、学名:Fraxinus japonica)はキク亜綱- ゴマノハグサ目- モクセイ科に分類される落葉樹であるトネリコ属中の、日本列島を原産地とする1種。同じモクセイ科トネリコ属でもセイヨウトネリコと日本のは違う種。