新しいネーミングを考えるとき、考慮する点は様々あると思います。

まず、インパクトがなければお客さんの目を引きつけることができませんし、目を引きつけてもあまりにも難しい名前では覚えてもらえません。

また、そのネーミングが与える印象も大事でしょう。 

覚えやすさや印象という観点からすると、そのネーミングからある程度、商品やサービスの内容を想像できる方がいいかもしれません。

しかし、商標法の観点からいうと、この「ある程度」が問題になります。


商標を登録する際に越えなければならない2大ハードル。それが識別性と先願商標です。


識別性とは商標に不可欠な要素です。

たとえば、あなたが友人に「『〇〇』を買ってきて!」とお願いされたときのことを想像して下さい。「〇〇」がたとえば「コーヒー」だったとしましょう。あなたは無事、友人が望んだコーヒーを買ってくることができますか?

コーヒーといっても、テイクアウトできるお店はいくらでもあります。あの店のコーヒー?この店のコーヒー?どこのコーヒーを選べば正解なんでしょう。

このように、市場に無数にある同種商品の中から特定の商品を選び出す(識別する)際に目印になるもの、これが商標なのです。

したがって「コーヒー」のような商品の一般名称は識別性が認められません。「甘いコーヒー」も一般名称ではありませんが、やはり特定の商品を選び出すには力不足です。

こうした識別力ない言葉は、普通は同業者であればみんなが使いたい言葉でもあります。

これを誰かに独占させると他の人は代わりの言葉を探さなければならなくなるので困ってしまいます。

そこで、特許庁は商標として登録を許可するかどうかを判断するに当たって、その商標が「コーヒー」や「甘いコーヒー」に該当する語でないか(すなわち、識別力があるか)を第一に確認します。


最初に言ったように、ネーミングはその名前からある程度、商品の内容を想像できる方がいいものです。

ところが、この「ある程度」が進みすぎると「甘いコーヒー」と同じように商品の内容そのものになってしまいます。そうなると識別力がないといして登録できなくなります。

この「ある程度」を上手く見極めると、覚えやすくて商標として登録もできるという理想のかたちになります。

ネーミングを考えるときは、この「ある程度」をいつも念頭において置いて下さい。

2大ハードルのもう一つについては後日お話しします。