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商標一筋、実務経験15年目の中堅弁理士が「使える審決・判決」を実務目線でピックアップ。いざ意見書を書く際に自分自身が使いやすいように体系化していきます。

2017年01月

【ここに注目!】
その商品の包装や紹介において、「椿油配合」、「椿油使用」又は「椿オイル配合」等の語が原材料を表すものとして使用されている実情がある。
しかしながら、
「TSUBAKI」の欧文字が、椿油が使用された商品の原材料を表示するものとして一般に使用されている事実を見いだすことはできないし、さらには、「椿」や「つばき」の文字のみをもって該原材料を表示する事情も見いだすことはできない

【実務への応用】
「椿」や「ツバキ」が材料表示であることを認めつつ、「TSUBAKI」の態様と、「・・・使用」や「・・・配合」のような文字が付加されていない態様では使用されていない点に着目して原材料表示には当たらないとした審決です。

文字種の置換は商取引上よく行なわれることですし、「椿」を配合した商品が一般的な商品分野で「TSUBAKI」と書いてあれば、ごく自然に「『つばき』を使っている」と認識するように思うのですが。

何れにせよ、困ったときの拠り所として知っておいて損はありません。 

【適用条文】
3条1項3号


【ここに注目!】
構成文字の「チ」「ケ」の左払いの先端及び「レ」「ン」「ジ」の各文字のすくい上げ等の先端が極端に細く絞り込まれて表されていること、「ン」「ジ」「ツ」の各文字の点が鋭角の三角形で表されていること等の特徴を共通とする書体により、等間隔でに表されていることからからすれば、視覚上、一体的なものとして看取、把握されるとみるのが相当である。

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【実務への応用】
称呼長や他に分離すべき理由がないといった点も審決では言及されていますが、フォントの共通性が大きな要素となったようです。
文字の大小により分離しているように見えますが、視覚上一体的と判断されました。 

【適用条文】
4条1項11号

【ここに注目!】
商標法4条1項11号に係る商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の 商品又は役務に使用された場合に、当該商品又は役務の出所につき誤認混同を生ず るおそれがあるか否かによって決すべきであるが、そのためには、両商標の外観、 観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、当該 商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきである(昭和43 年最判参照)。

この点に関し、図形や文字等の複数の構成部分を組み合わせた結合商標について は、経験則上、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると 思われるほど不可分的に結合しているものと認められない場合、取引の実際において、一部の構成部分のみによって称呼、観念されることも少なくないといえる。このことから、結合商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などは、当該 構成部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を 判断することができるものと思料する(昭和38年最判,平成5年最判,平成20 年最判参照)。 

【実務への応用】
商標の類否判断についての原則(氷山事件)を出発点にしつつ、分離判断を肯定するための論理構成です。

原則論として抑えておく必要があります。

【適用条文】
4条1項11号


【ここに注目!】
本願商標に接する需要者に,「気配り」と「弁当」の各文字(語)を結合してなるものと容易に認識されるものである。
そして、
「弁当」の文字は、本願商標の指定商品を表示する普通名称であるから、商品の出所識別標識としての称呼及び観念を生じないものといえる

【実務への応用】
結合商標について識別力の弱い部分を落とす方向で論理付けする場合の定番パターンに則って判断した例です。

「気配り弁当」であれば観念的一体性を重視してもよさそうですが、本合議体は「弁当」の識別力の弱さをより重視したようです。

【適用条文】
4条1項11号

商標 審決 類否 4条1項11号 結合商標 識別力 分離

【ここに注目!】
願商標の構成中、「-(ハイフン)」の記号は、英文などで前後の文字を結合するときに用いられるものであり、まとまりよく表された本願商標のかかる構成においては、これに接する取引者、需要者が、ことさら「pilot」の文字部分のみに着目するというより、むしろ「s-pilot」の文字全体をもって一体のものと認識、把握するとみるのが自然である。

【実務への応用】
記号「-」を介してなる結合商標については、ハイフンを契機に分離すると考えることがあります。少なくとも審査段階ではそのように扱われることが多くあります。

本件は、そのような場合の反論をサポートしてくれる事例です。

【適用条文】
4条1項11号


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