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商標一筋、実務経験15年目の中堅弁理士が「使える審決・判決」を実務目線でピックアップ。いざ意見書を書く際に自分自身が使いやすいように体系化していきます。

カテゴリ: 識別力

【ここに注目!】
本願商標は「何らかの成分等を加えた商品であること」を認識させるにとどまるとしているところ、該語の意味の中には「加えること、足すこと」との意味も含まれてはいるが、PLUS」及び「プラス」の語のみでは漠然とかかる意味合いが理解されるだけで、何が足されるのかや何に加えられるのか等については明かでない

そうすると、本願商標は、それを構成する「PLUS」又は「プラス」の文字だけでは、各語が有する意味を理解するとしても、その意味合いは漠然として具体性に欠けるといわざるを得ない。

【実務への応用】
これも情報欠落型に分類される案件です。商標から看取される意味合いだけでは情報が足りず、結果として具体的かつ直接的な意味合いは導き出せないと判断されました。

【適用条文】
3条1項6号


【ここに注目!】
請求人は、平成12年(行ケ)第164号の判決の一部を引用した上で、ウェブサイトの検索エンジンでキーワードとして「ステップアップ」を入力して得られた情報は、能動的情報であって、誰もが受動的に知り得る情報ではないことから、事実を客観的に示す資料にはならない旨主張している。
 
しかしながら、前記判決は、インターネットにより入手したものと認められる中国の地方紙にすぎない黒龍江日報の記事について、これを我が国の取引者、需要者の認識についての直接の根拠とすることはできないと説示したものであるから、我が国の出版社若しくは書店のウェブサイト又はショッピングサイト等の情報である別掲1及び2の情報には当てはまるものとはいえない

【実務への応用】
インターネット記事を識別力判断の根拠から除外するための便法として「紅豆杉」事件判決を用いることがありますが、その解釈を間違えると逆効果になります。
本審決は、「紅豆杉」事件の考え方を分かりやすく示しています。

【適用条文】
3条1項3号


【ここに注目!】
被告(特許庁)は、この記事をインターネットにより入手したものと認められるが、当該記事に接するためには、特定の目的のために「紅豆杉」等のキーワードを事前に得た上で意識的に検索する必要があると考えられるから、近年におけるインターネットの普及を考慮したとしても、そのような操作の結果得られた情報である上記記事をもって、我が国の取引者、需要者が「紅豆杉」を認識し、又は認識し得ることの直接の根拠とすることはできないというべきである。

【実務への応用】
インターネットが普及している現在、出願商標を検索すれば何らかの情報がヒットするのが実情です。この判決は、インターネットで関連情報が発見できるからといって、その情報が必ずしも全て識別力を否定する根拠にはならないことを示しています。

ただし、この判決はインターネットで検索して得られたものを全否定しているわけではなく、ヒット結果が中国のローカル新聞だったことから、そのようなマイナーな情報を取引者、需要者が知っているとは考えにくいとしている点に注意が必要です

【適用条文】
3条1項3号


【ここに注目!】
その構成中の「ムシ」の文字が、本願指定商品との関係から「虫」を想起させ、また「ケア」の文字が、「世話、手入れ、保護」等の意味を有する外来語として、対象物や部位に付して「〇〇ケア」のように使用されている語であるとしても、本願商標を構成する文字全体からは、原審説示の如く、「虫から体を保護するためのもの」の意味合いを認識させるものではなく、むしろ、「虫を保護する」程度の意味合いを認識させるに止まるものであり、その指定商品との関係において、商品の品質、用途を直接的、かつ、具体的に表示したものとはいえない

【実務への応用】
3条1項3号違反とする拒絶理由においては、その中で審査官が本願商標より生じる意味合いを明示してきます。もし、そのような意味合いが生じないのであればその旨反論します。経験上、3号に冠しては、拒絶理由が長ければ長いほど審査官の認定に無理がある場合が多いように思います。

【適用条文】
3条1項3号


【ここに注目!】
本願商標を構成する「リハビリ」「ライト」「パンツ」の各語は、その指定商品との関係において商品の品質を表示するもの、または品質を認識させるものであること、上記のとおりであり、単にそれらを組み合わせてなる「リハビリライトパンツ」の文字が全体として商品の品質、形状を表示するものとして使用されている事実がないとしても、各語についての指定商品の業界における取引の実情からすれば、これに接する取引者、需要者がその構成全体から商品の品質を容易に認識するものであると判断するのが相当である

【実務への応用】
商標全体として使用されていない点を根拠に識別力があると主張するケースは多くありますが、特許庁側は商標全体としての使用例がなくても、その商標を構成する各用語がそれぞれ使われている場合は、全体としても識別力がないと判断することが一般的です。本件はその典型例です。

【適用条文】
3条1項3号


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