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商標一筋、実務経験15年目の中堅弁理士が「使える審決・判決」を実務目線でピックアップ。いざ意見書を書く際に自分自身が使いやすいように体系化していきます。

カテゴリ:類否 > 読み仮名

【ここに注目!】
かかる構成においては、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを特定したものと理解するのが自然であることから、本願商標からは、その構成文字に照応して、「エムエムエーピー」の称呼を生じ、また、該両文字は、辞書等に掲載のない一種の造語と認められるから、特定の観念を生じないものである。

【実務への応用】
「mmap」は「m」と「map」を分離して把握する理由がない上に、読み仮名が振られていることから、「エムマップ」の称呼は生じないと判断しています。

気になる先願がある場合は、念のため、読み仮名で不要な称呼が生じないように手当をしておくべきことを示すいい例でしょう。

【適用条文】
4条1項11号

【ここに注目!】
引用商標は「サラサラ」,「SALA‐SALA」,「沙羅沙羅」及び「さらさら」の文字を4段に書してなるところ,その構成文字は,いずれも同じ大きさ,同じ書体をもって表されているものである。そして,平仮名,片仮名又は欧文字により,漢字の標章の読み方を一体的に表すことは一般に行われているものであって,引用商標の構成中の片仮名,欧文字及び平仮名は,それぞれが,漢字で表された「沙羅沙羅」の読みを表したものと無理なく認識し得るものであることから,引用商標は,「沙羅沙羅」の読みをその上段と下段に表した構成からなる全体として一体の商標とみるのが相当


【実務への応用】
欧文字とその読み仮名の二段書き商標は実務上よく利用しますが、希に三段書き、四段書きの商標を見かけます。

この三段、四段に書された商標の称呼や観念をどう認定するかは数が少ないだけにハッキリしません。本件はその際に参考になるでしょう。

【適用条文】
4条1項11号


【ここに注目!】
①本願商標はその構成中、上段の「むぎいっこ」の文字部分は、下段の「麦一刻」の文字の読みを特定したものと無理なく認識できるものであるから、その構成文字に相応する「ムギイッコ」の称呼を生じる

引用商標は、その構成中、「むぎ」の文字部分が指定商品との関係において「麦」を想起させることから、「いっこく」の文字部分が「一石」(穀物の量:10斗、180.39リットル)を連想・想起させ、全体として「麦一石」(麦が一石)の意味合いを認識させるものといえるから、「麦が一石」程の観念を生じる


【実務への応用】
①について、いくら二段書きとはいえ「麦一刻」部分から「ムギイッコク」の称呼が出てもいいように思いますが、特許庁的にはこれくらい「読み仮名」の影響力を重視していることを伺わせる審決です。

②は指定商品が「麦焼酎」ですので「むぎ」については分かるとして、なぜ「いっこく」=「一石」なのか判然としません。
平仮名や片仮名から強引に観念を捻出したいときは参考にできるかもしれませんが。


【適用条文】
4条1項11号
 


【ここに注目!】
上段の片仮名は下段の欧文字の読みを表したものといえるものであるから、「レジエンヌ」の称呼を生じるものであるが、これを一気一連に称呼するときは、「ジエ」の文字部分について、「エ」の音が必ずしも明瞭に称呼されず、「ジェ」と聴取される場合もあるといえるものであり、全体として「レジェンヌ」の称呼をも生じるというのが相当


【実務への応用】
通常、読み仮名が振られている場合は、読み仮名「そのまま」を称呼として認定します。ところが、本件は、「レジエンヌ」の読み仮名そのままの称呼の他に、「エ」が明瞭に発音されない場合を想定して「レジェンヌ」の称呼も認定しました。

このような読み仮名に拘束されない称呼を認定した審決は私の知る限り他にないように思います。

こうしたやや無理筋な主張をせざるを得ない場合には役に立つ審決かもしれません。

なお、本件は当事者系の無効審判ですから、両当事者の主張の良否が影響した可能性は否定できません。

【適用条文】
4条1項11号

【ここに注目!】

上段の「フレンズ」の片仮名は,下段の「FLENS」の欧文字の読みを特定したものと理解し得るもの
である。そうすると,引用商標は,「フレンズ」の称呼を生じ,特定の観念を生じない


【実務への応用】
本願「Friends(ロゴ)」に対して「フレンズ\FLENS」を引用した案件。

判断自体は称呼、外観、観念の総合観察で非類似とした最近はやりのパターン。

本件で使えそうな部分は、上段の「フレンズ」から「友達」の観念が生じてもおかしくないにもかかわらず、上段は「FLENS」の読み仮名なので「FLENS」が造語である以上、「フレンズ」からも観念は生じないとした点。

音訳のカタカナを併記した2段書商標について、カタカナ部分からは観念は生じないと主張したいときに使えそうな審決。


【適用条文】 
4条1項11号 

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