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商標一筋、実務経験15年目の中堅弁理士が「使える審決・判決」を実務目線でピックアップ。いざ意見書を書く際に自分自身が使いやすいように体系化していきます。

カテゴリ:識別力 > 使用の有無

【ここに注目!】
本願商標を構成する「リハビリ」「ライト」「パンツ」の各語は、その指定商品との関係において商品の品質を表示するもの、または品質を認識させるものであること、上記のとおりであり、単にそれらを組み合わせてなる「リハビリライトパンツ」の文字が全体として商品の品質、形状を表示するものとして使用されている事実がないとしても、各語についての指定商品の業界における取引の実情からすれば、これに接する取引者、需要者がその構成全体から商品の品質を容易に認識するものであると判断するのが相当である

【実務への応用】
商標全体として使用されていない点を根拠に識別力があると主張するケースは多くありますが、特許庁側は商標全体としての使用例がなくても、その商標を構成する各用語がそれぞれ使われている場合は、全体としても識別力がないと判断することが一般的です。本件はその典型例です。

【適用条文】
3条1項3号


【ここに注目!】
台湾では日本人観光客向けに「包丁マッサージ」と表示されて日本人観光客の観光スポットとなっており、その名称の奇抜さも相まって、我が国において、2009年(平成21年)頃から、多数のメディアを介して「包丁マッサージ」として紹介され、(中略)インターネット上で多数掲載された事実に加え、インターネットが極めて普及し、かつ、台湾等アジアへの海外旅行が盛んに行われている今日の状況、マッサージの名称の一つとして、マッサージを行う道具を表す語と「マッサージ」の語を結合したものが普通に採択され使用されているマッサージを提供する業界の取引の実情などを考慮すれば、包丁を使用したマッサージが台湾において行われるマッサージであるとしても、我が国のマッサージの役務に係る需要者が「包丁マッサージ」の文字よりなる本件商標に接した場合は、単に役務の質、提供の方法を表示したものと認識するにとどまる

【実務への応用】
識別力は基本的に我が国における取引者・需要者の認識に基づいて判断されるべきものですから、外国で使用されていることのみをもって日本でも内容表示的と結論することはできません。

本件では台湾で一般的であるという事実に加え、日本でもその事実が紹介されていることと、「〇〇マッサージ」の使用例が「〇〇を使ったマッサージ」として一般的であることまで認定してようやく識別力を否定しています。

【適用条文】
3条1項3号

【ここに注目!】 たとえ、「パッシブリノベーション」の文字が、その指定役務を取り扱う業界において、役務の質等を表示するものとして、広く使用されているとまでいえないとしても、取引者、需要者によって、当該役務の質等を一般に認識されるものといえることは、上記のとおりであるから、本願商標が役務の質等を表示するものであると判断することの妨げにはならない。

【実務への応用】 本件は、合議体が証拠調べ通知において提示した証拠中、「パッシブ」の使用事例が僅かに5件であり、かつ、その5件の意味合いに多少のバラツキがあったにもかかわらず、以前紹介した平成12年(行ケ)第76号事件判決を用いて、識別力を否定しました。 判断としては少し厳しい感じもしますが、異議等で識別力を否定した場合には使える審決といえるでしょう。

【適用条文】 3条1項3号

【ここに注目!】
商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されない


【実務への応用】
3条1項3号の反論で「単に使用事実がない」という主張をした場合に、特許庁がカウンターとして用いる判決です。
 
「今使われていないので識別力がある」という主張はこの判決の前には無力です。このハードルを越えるには、「なぜ今使われてないのか」を合理的に説明することが欠かせません。

【適用条文】
3条1項3号

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