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商標一筋、実務経験15年目の中堅弁理士が「使える審決・判決」を実務目線でピックアップ。いざ意見書を書く際に自分自身が使いやすいように体系化していきます。

カテゴリ:識別力 > 地名

【ここに注目!】
該文字は、「ナイアガラの滝、ナイアガラ川、またはその周辺の地域」を指称するものとして一般に広く認識されているといい得るものであって、世界的に有名な観光地として広く知られているものである。

そして、一般に観光地においては、観光名所等の名称やその地理的な名称を付した飲料や食品、雑貨などの土産物が、製造、販売されている実情にあり、また、ナイアガラの滝の周辺地域において、土産物が販売されていることはインターネット情報で明らかである

そうすると、「NIAGARA」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が一般に広く認識されている観光地の一である「NIAGARA」で生産又は販売される飲料水であること、すなわち、商品の産地又は販売地を表示するものと理解、認識するにとどまる


【実務への応用】
地名表示については、(1)我が国においてそれなりに知られた地名であり、(2)そこに由来する商品が想定できる場合は、基本的に産地表示とされます。実際に使われているかどうかは問題になりません。

【適用条文】
3条1項3号


【ここに注目!】
世界遺産に登録されている「Yosemite National Park(ヨセミテ国立公園)」の略称として認識される場合があるとしても、これをその指定商品(参考和訳:コンピュータ操作用プログラムを記憶させた記憶媒体)について使用した場合、これに接する取引者、需要者が商品の販売地を表示したものと直ちに認識するものとはいい難い

【実務への応用】
地名については、世界遺産級の著名な地名については登録を否定する方向が基本ですが、本件では指定商品との関連性を切り口に登録を認めています。確かに、「YOSEMITE」に11C01は似つかわしくない商品ですから妥当といえば妥当な判断です。

お土産物になりそうなものが指定商品に含まれていると成り立たない理論ですが、産地であると指摘された場合は検討すべき観点でしょう。

【適用条文】
3条1項3号


【ここに注目!】
本願商標は、「ウエストミンスター(London中央部の自治区)」のほか、「Westnubster Abbey(ウエストミンスター寺院)」、「(英国の)国会議事堂」、「Westminsetr School(ウエストミンスター校)、同校の生徒」、「米国California州南西部の都市」、「米国Colorado州中央部Denver近郊の都市」の意味を有するものであり(株式会社研究社 新英和大辞典第6版)、これをその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者が商品の産地又は販売地を表示したものと直ちに認識するものとはいい難い

【実務への応用】
地名が識別力ナシと判断された場合の反論方法として取り得るアプローチの一つに「当該地名は各地にあるので具体的にどこの産地を指すのか需要者には特定できない」というものがあります。

これは特に地名に限らず識別力全般について有効な反論方法になります。

たくさんの意味(場所)があるということは、その中の特定のものを直接的・具体的に導き出すことができないことを意味するからです。


【適用条文】 3条1項3号


【ここに注目!】
本願商標は「ヨーロッパ南岸・アフリカ北岸およびアジア西岸に挟まれた海」であることを一般に認識させるといえるものである。また、(中略)地中海周辺地域産の商品や地中海周辺地域産の原材料を有する商品に使用されていることが認められる

【実務への応用】
地名を商標として出願したときに最初に問題となるのが識別力です。本件のように「産地」や「販売地」に該当すると認定された場合は識別力が認められません。

地名に関する識別力の判断において特許庁は(1)当該地名が日本において知られているか、(2)知られている場合に、指定商品(役務)との関連でその地名が用いられている事情があるか、の2点について特に入念に認定します。

逆に言えば、そもそも地名としての認識度が低い場合や、地名であったとしても指定商品や役務とは無縁であることが立証できれば識別力が認められる可能性が高まることになります。

【適用条文】
3条1項3号


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