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商標一筋、実務経験15年目の中堅弁理士が「使える審決・判決」を実務目線でピックアップ。いざ意見書を書く際に自分自身が使いやすいように体系化していきます。

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【ここに注目!】
使用商品は、LEDライトと時計の機能を有するものであって、時計以外の機能を有するとしても、使用商品の構成はどちらかの機能が付随的なものということはできないから、本件審判の取消に係る商品「時計」に含まれる商品であるといえる。

【実務への応用】
使用商品に二面性がある場合、その商品への使用が指定商品についての使用に該当するか問題となります。本件は置物であって、時計とライトが付いている商品について、どちらが主でどちらが付随的ということはできないので、「時計」としても把握されるとしました。

【適用条文】
50条

【ここに注目!】
使用商標と本件商標とは,外観において「P」と「R」と「S」のそれぞれに「.」(ピリオド)の有無の差異を有するものの「P」「R」「S」の文字を共通にし,また,称呼においても「ピーアールエス」の称呼を共通にするものであって,観念において異なるものということもできない(「.」の有無により観念が異なるということもない。)から,使用商標は,本件商標と社会通念上同一と認められる商標というべき

【実務への応用】
ピリオドの有無が問題となる場合に参考になる審決です。ただし、「SUN」と「S.U.N.」のようなケースでは事案が異なるとすべきでしょう。

【適用条文】
50条


【ここに注目!】
金属加工の工法と,その実施に際して専用的に用いられる「金属加工機械器具」とが密接不可分の関係にあるとしても,本件商標の使用においては,「金属加工機械器具」の商品について使用がされなければならないのであるから,金属加工の役務について使用される商標は,当該商品についての使用ということにならない

【実務への応用】
「権利化すべき範囲=使用する範囲」と実際に権利化してある範囲でズレが生じたケースです。「PRS工法」という工法の名称として使用していながら、権利化していたのが「金属加工機械器具」という商品だった案件です。

出願段階において、当該商標をどのように使用するのか確認することがいかに大事かを物語る案件です。

【適用条文】
50条


【ここに注目!】
商標法50条の主な趣旨は,登録された商標には,その使用の有無にかかわらず,排他独占的な権利が発生することから,長期間にわたり全く使用されていない登録商標を存続させることは,当該商標に係る権利者以外の者の商標選択の余地を狭め,国民一般の利益を不当に侵害するという弊害を招くおそれがあるので,一定期間使用されていない登録商標の商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるというものである。上記趣旨に鑑みれば,商標法50条所定の「使用」は,当該商標がその指定商品又は指定役務について何らかの態様で使用されていれば足り,出所表示機能を果たす態様に限定されるものではないというべきである(知財高裁平成26年(行ケ)第10234号・同27年11月26日判決)。

【実務への応用】
不使用の局面で、商標の使用態様として実質的な商標的使用が求められるか、形式的な使用でもよいかは意見が分かれるところです。

後者の立場はこの審決が引用している判決が代表的でしょう。

何れのスタンスにも対応出来るように知っておきたい審決・判決です。

【適用条文】
50条


【ここに注目!】
本件使用商標は,「Lois CRAYON」の欧文字からなるところ,その構成中,後半の「CRAYON」部分は,本件商標の3段目の欧文字と同一の表示態様であり,前半の「Lois」部分と比べ,看者の注意を引く表示態様となっているものであるから,当該「CRAYON」部分も独立して自他商品の識別力を発揮するものであるといえる。そして,当該「CRAYON」部分からは,「クレヨン」の称呼及び観念が生じるものである。

そうすると,
本件使用商標の要部たり得る「CRAYON」部分は,本件商標の3段目と外観を共通にし,かつ,本件商標とは称呼及び観念が同一であるから,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる

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【実務への応用】
二段書きの登録商標は複数ありますが、三段書きはそれほど多くありません。
本件は、その三段書きの中の3段目のみを使った事例で、近似する事例では参考にできるでしょう。

なお、使用商標中の「Lois」部分は単に外観的要因から要部にならないとされている点も注目です。

【適用条文】
50条


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