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商標一筋、実務経験15年目の中堅弁理士が「使える審決・判決」を実務目線でピックアップ。いざ意見書を書く際に自分自身が使いやすいように体系化していきます。

タグ:社会通念上同一

【ここに注目!】
本件商標は,別掲1のとおり,黒い楕円を思わせる形状から右を向いたブーメラン様の形状を除いた残りの黒色の部分が図形商標を構成するものである。そして,右を向いたブーメラン様の形状は,その商標を記載する欄の色彩と同一の色彩であるから,その商標の一部でないものとみなされるものである。

これに対し,使用商標は,右側を向いたブーメラン様の形状の図形として看取される図形商標といえるものである。

そこで,本件商標と使用商標とを比較すると,本件商標は,黒い楕円を思わせる形状から右を向いたブーメラン様の形状を除いた残りの黒色の部分が図形商標として,需要者,取引者に強く印象に残り,一方,使用商標は,ブーメラン様の形状の図形が需要者,取引者に強く印象に残るものであるから,これらから受ける印象は,全く異なり,両者は,別異の商標といわざるを得ない。

【本件商標】
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【使用商標】
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【実務への応用】
本件商標と使用商標は白黒反転させたに過ぎないものですが「受ける印象は全く異な」るとされました。不使用で図形の同一性が争われた件はあまり多くありません。本件では受ける印象が共通するかどうかで判断しています。

【適用条文】
50条


【ここに注目!】
使用商標と本件商標とは,外観において「P」と「R」と「S」のそれぞれに「.」(ピリオド)の有無の差異を有するものの「P」「R」「S」の文字を共通にし,また,称呼においても「ピーアールエス」の称呼を共通にするものであって,観念において異なるものということもできない(「.」の有無により観念が異なるということもない。)から,使用商標は,本件商標と社会通念上同一と認められる商標というべき

【実務への応用】
ピリオドの有無が問題となる場合に参考になる審決です。ただし、「SUN」と「S.U.N.」のようなケースでは事案が異なるとすべきでしょう。

【適用条文】
50条


【ここに注目!】
使用商標は,別掲1のとおり,やや図案化されているものの「TOMS」の文字からなることは明らかである。
(中略)
使用商標の「TOMS」の文字からは,共に「トムス」の称呼が生じ,特定の観念は生じないものである。そうすると,本件商標と使用商標とは,その称呼を共通にし,観念における相違はないから,本件商標と社会通念上同一の商標といえる。

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【実務への応用】
登録商標は二段書きとはいえ、書体は通常のゴシック体ですので、外観の相違は顕著です。しかし、合議体は「称呼と観念」の共通性をもって社会通念上同一と判断しました。

社会通念上同一かどうかにはもはや外観はほとんど影響を与えないといっても過言ではない審決です。

【適用条文】
50条


【ここに注目!】
「両商標は、文字の色彩及びデザイン等に差異はあるが、その構成文字において、同じ綴り字からなるものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる」

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【実務への応用】
不使用取消審判における使用商標と登録商標の関係についての審決です。

使用商標は登録商標と「社会通念上同一」でなければならない訳ですが、実際には使用時にロゴ化されていたり、文字種が変更されていたりと、態様に変更が加えられることが多くあります。

本件は、ロゴの変更について、どの程度の変更までを「社会通念上同一」とするかの一つの
指針になります。

構成文字が同じなら「社会通念上同一」と主張したいときには使える審決です。

【適用条文】
50条 

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