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商標一筋、実務経験15年目の中堅弁理士が「使える審決・判決」を実務目線でピックアップ。いざ意見書を書く際に自分自身が使いやすいように体系化していきます。

タグ:4条1項11号

【ここに注目!】
ところで、「METRO’S」の文字については、以下の新聞情報及びインターネット情報がある。

ア 「東京メトロは25日、丸ノ内線銀座駅と有楽町線有楽町駅に女性利用者をターゲットにした売店『メトロスビューティー(METRO’S BEAUTY)』=写真は有楽町店=を、オープンする。」との記載。

その他引用5件

上記実情よりすれば、本願商標は、「東京メトロの売店」であることを容易に理解、認識させ、「METRO’S」の文字部分より、「メトロス」の称呼を生ずるものと認められる

【実務への応用】
複数の称呼が生じる可能性のある商標において、自然的称呼は通常辞書的に定まりますが、中には使用実績を踏まえて認定するケースもあります。これは、使用実績が評価された審決です。

【適用条文】
4条1項11号


【ここに注目!】
請求人の提出によれば、請求人の取り扱いに係るスマートフォンである「HTC J ONE」を紹介するウェブサイトの記事中に、「HTC Zoe(ゾエ)」のように記載されて括弧内に読み方が表示されているにすぎずスマートフォン及びアプリケーションソフトウェアの取引者、需要者の間に、本願商標及び「Zoe」の欧文字の称呼が「ゾエ」であることが広く浸透しているとはいい難い。

【実務への応用】
商標の自然的称呼は客観的に定まりますので出願人の主観は関係しません。しかし、特定の称呼で使用実績がある場合はその事実が評価される場合もあります。

本件はそのような主張をしたものの、そのような読み方は広く浸透しているとはいえないとして認められませんでした。

【適用条文】
4条1項11号


【ここに注目!】
本願商標は、その構成中に「株式会社」という法人格を表す語を含むことから、その構成全体をもって、いわゆる商号商標として理解、認識されるものである。
そして、商号商標に商品又は役務の識別機能を果たさせようとする限り、商標を一体的にとらえるとみるのが相当であって、本願商標は、たとえ「株式会社」の部分を省略して「エーピーアイコーポレーション」と略称されることがあっても、その構成から更に「コーポレーション」の語を省略し、「エーピーアイ」の文字部分のみを抽出して、「エーピーアイ」と称呼されるとみるべき特段の事情は見いだせない。

【実務への応用】
商号であれば「商標を一体的にとらえる」という考えに基づいた判断です。
商号商標を出願する場合で分離判断されたくない場合は「株式会社」を加えて出願すれば反論の糸口が一つ増えることになります。

【適用条文】
4条1項11号


【ここに注目!】
いわゆる商号商標の場合、この文字部分は、株式会社組織の法人を表すために商号中に使用される文字であるところから、商取引の場にあっては、しばしば、「株式会社」の文字部分を省略した称呼をもって取引に供される場合があることも少なくないものと認められる。
そうとすれば、本願商標は、その構成全体から生ずる「カブシキガイシャコープソウサイ」の称呼のほか、「コープ葬祭」の文字部分に相応して、「コープソウサイ」の称呼をも生ずるとはいえても、これを更に、「コープ」とのみ略称することは、最早、名称としての同一性を全く喪失することになるから、格別の理由がない限り、通常はあり得ないことというのが相当である。

【実務への応用】
「商号」も自他商品・役務の出所機能を果たす限り「商標」として登録を受けることができます。しかし、通常の商標と違って、商号の類否判断には独特の論理があります。

「名称としての同一性を全く喪失する」ような無理な分離はしないというのもその一つです。

【適用条文】
4条1項11号


【ここに注目!】
引用商標は、欧文字「USTRON」と片仮名「アストロン」を,(カンマ)」でつないで一連に表してなるところ、その構成は、同じ書体、同じ大きさをもって、等間隔に配置されていることから、商標全体として、外観上まとまりよく一体的に構成されている

【実務への応用】
記号「,」は結合を弱める作用を果たしそうですが、本件では「同じ書体、同じ大きさ、等間隔」を理由に一体性を認めました。

【適用条文】
4条1項11号


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