商標弁理士のここは登録査定でお願いします!

商標一筋、実務経験15年目の中堅弁理士が「使える審決・判決」を実務目線でピックアップ。いざ意見書を書く際に自分自身が使いやすいように体系化していきます。

タグ:4条1項11号

【ここに注目!】
引用商標の商標権者については、破産手続終結の事情があることを踏まえると本願商標の登録出願時である平成24年11月27日、拒絶査定時である同25年12月24日、さらに、本件審決時において、引用商標がその正当な権利者(商標権者又はこれから使用許諾を受けた者)によって使用される可能性は極めて低いものといえる。そうすると、引用商標の商標権者の取引実状を踏まえ、本願商標と引用商標の外観、称呼及び観念を総合的に考察するならば、引用商標と本願商標との間で役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである(平成22年7月21日 知的財産高等裁判所 平成21年(行ケ)第10396号 参照)。

【実務への応用】
商標権者が破産しているという「取引の実情」を踏まえると出所混同は生じないという判決がありました。正直それのみではこの判断の評価が難しいところでしたが、その判決を特許庁が引用するとなると有効なロジックとして考えていいようです。

【適用条文】
4条1項11号


【ここに注目】
引用商標2に係る商標権者については,本願商標の出願登録前に破産手続終結決定が確定しており、当該商標権の存続期間満了日までの間、引用商標2がその正当な権利者(商標権者又はこれから許諾を受けた者)によって現実に使用される可能性は極めて低いものと認められるのであるから,引用商標2と本願商標との間で商品の出所についての混同を生ずるおそれはないものといえる。

【実務への応用】
審決取消訴訟ですので被告(特許庁)は登録主義の下、商標権者の使用状況は類否判断に影響しないと主張しましたが裁判所は認めませんでした。

【適用条文】
4条1項11号


【ここに注目!】
本願図形部分の帽子部分には、「IDC」の文字が表示されているとしても、該文字部分は、キャラクターがかぶる帽子と一体化されており、帽子のデザインと理解されるものといえるから、該文字部分のみが着目され、看者の記憶、連想に強く影響を与えるものとも認め難く、該文字部分を捉えて取引に当たるとは考え難いとみるのが相当である。
そうすると、本願図形部分は、全体として、一つのキャラクターを表したものとして印象づけられるものであり、これに接する取引者、需要者は、図形全体を一体不可分のものとして認識、把握するものというべきである。 
してみれば、本願図形部分からは、特定の称呼を生じないというのが相当である。

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【実務への応用】
キャラクター中の表わされた文字について、そのキャラクターの名称としてキャラクターと一体の観念を生じるとする審決はありますが、キャラクターのデザインの一部なので称呼は生じないとする結論は珍しいように思います。

【適用条文】
4条1項11号


ここに注目!】
「旨香」の文字は、辞書に掲載されていない造語といえるところ引用商標中の「うまか」の平仮名部分が「旨香」の漢字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるものであるといえるから、「旨香」の文字部分から「ウマカ」の称呼を生じ、また、「旨香」を構成する2文字の意味から「おいしそうな香り」ほどの観念を生ずるとみるのが相当である。

【実務への応用】
造語について観念が生じるか否かで類否の結論が変わることもあり得ます。本件は造語に「観念」を認めた事例ですので、造語から観念を導き出したいときは参考になります。


【適用条文】
4条1項11号


【ここに注目!】
その文字部分の構成中、「HERSHEY’S」の文字は、「(ハーシーという)姓」を表す英語「HERSHEY」の文字と所有格を表す英語「’S」を組み合わせたものであり、「KISSES」の文字は、上記アのとおり、我が国で、「キス」の意味を有するものとして知られている英語「kiss」の複数形であるから、引用商標1は、「ハーシーのキス」程の意味合いを理解させるものである。
そうすると、引用商標1は、「ハーシーズキッシーズ」の称呼及び「ハーシーのキス」の観念を生じるものである。

【実務への応用】
所有格を表わす「’S」について観念および称呼の一体性を高める方向で認定した審決です

【適用条文】
4条1項11号



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