まさかあんなことになるなんて、子供の頃には想像もしていませんで
した。

それが起こったのは、私が高校卒業を果たし大学入学を目前にしている
時の事です。

高校に入学してから仲良くなった友人宅へと遊びに行き、そこで時間を
潰そうとアポなし訪問をしました。

しかしあいにく友人は不在。私は仕方なく自宅へと帰ることにしました。
するとその瞬間のことです。後ろから「ちょっと待って」と呼び止めら
れたのです。先ほど応対をしてくれた、友人の母でした。

私はその声に従って振り返り立ち止まると、友人の母が「もう少しで帰
ってくるから」と私の手を取って家の中へと誘ってきたのです。

時間だけは有り余っていた私でしたので、それならばと友人の母の提案
に従うことにしました。しかし、それが人には言えない体験の入り口に
なってしまうのですが……。

友人宅は誰もおらず、シンとしていました。私は居間のソファに座って
待つことに。しかしそこは何だか居心地が悪く、いつになったら友人が
帰ってくるのか気まずくしていた記憶があります。

そうして暫く待っていると、キッチンから友人の母がお菓子とお茶を持
ってきてくれました。

私は軽く礼を言うと、それを口に含みながらもう帰ろうかなと思い始め
ていました。友人がいつ帰ってくるのか分からないのと、慣れない家の
中での気まずさがどうにも居心地を悪くしていたためです。

そうして、ようやく意を決して帰ると言いかけた時です。友人の母が、
下着姿で現れたのです。その姿は意外と言っては失礼ですが、成人間
近の子供がいる母親には見えず、かなり若い肉体だったと思います。

しかし次の瞬間、もしや自分がいるのを忘れてしまっていたのかと思い
ました。ですがすぐにそれは勘違いだったと悟ります。

友人の母はまっすぐにこちらへと向かってくると、「最近はどうなの?」と
言いながら私にまとわりついてきたのです。

私は何が起きたのか分からずにパニック状態になりましたが、一方で性
欲は爆発寸前でした。

あの頃の男子は、女性であれば誰でも良いという見境の無い状態。仮
に友人の母だとしても、その性欲を満たすには十分すぎるほどでした。

「最近はと言われても……まだ経験が無いので」と私が口ごもると、友
人の母は「そっか」とだけ言って、いたずらっぽく笑ってこちらを見つ
めてくるのです。

そしてしばらく見つめ合っていると、おもむろに友人の母が顔を近付け
てきてそのままキスを。

もうその後のことは言いたくはありません。ただ、やることはしっかり
とやったとだけ言わせていただきます。高校の卒業式を済ませて、矢継
ぎ早にあちらの方も卒業することになりました。

何故友人の母が私を誘ってきたのかは、後から友人に「最近は全然親父
が帰ってこない」という言葉を聞いて合点したものです。

単純に寂しかっただけなのでしょうが、もしかしたら帰ってこない理由
は外に別の女の人がいたのかもしれません。それに対する復讐心から、
友人の母は私を誘ってきたのだろうなと思うようにしています。

あれから何度か友人宅へ行きましたが、そのようなことは二度とありま
せんでした。もちろん友人にも話してはいません。一生誰にも話すこと
はできない体験談でした。