【ブランドHP】シルキーズプラス

【概要】
偶然から自我を持つ強いAI「アペイリア」を開発してしまった「桐島零一」
アペイリアは零一やAI研究会の仲間たちと触れ合うことを望みはじめる
願いを叶えるためにアペイリアの機能を使い完全没入型VRMMO「セカンド」を作成

セカンドの世界で零一達はゲームを楽しむが、セカンドが制御不能となってしまい
多数の死者を出すデスゲームとなり、アペイリアもゲームに囚われてしまう
アペイリアを助けるために、デスゲームとなっていることも覚悟で零一達は
再びセカンドの世界へと挑みアペイリアを助けようとするが……


※本感想ではある程度説明をスムーズ化するため仕様部分で多少ネタバレをします
本作について一切のネタバレを見たくない場合は、以降は読まないでください


【システム/仕様】
・画面比率は16:9
・キャラ別音声設定

ヒロインは4人ですが、ネタバレすると一本道のシナリオとなります
シナリオ構造上、必ず各ヒロインのルートを通ることになっている為
攻略順はある程度選べますが、攻略要素というものはありません


【評価ポイント】
○丁寧に張り巡らされた伏線や設定の回収
本作は世界の謎を解き明かすために、幾度となく推理が繰り返されていきます
論理展開についてごまかすことなく図解で説明されているため理解しやすいです
主人公の思考を追っていく部分が本作のメインといえる部分となっており
その部分を楽しめる事ができるかが、本作を楽しめるかのポイントとなるかなと


○真面目でバカなバトル
この世界の謎を追うだけでなく、バトルパートでも頭脳を使った戦いとなります
ただし、この部分は主人公の能力が非常にバカバカしくギャグ要素も存在します
複雑な駆け引きをしつつも、いざというところで光るのは主人公のあっちの能力
周囲も何だかんだでノリノリで、振り切ったハイテンションなバトルとなります
この馬鹿馬鹿しいノリも本作の魅力の一つといえるのではないかと思います


△丁寧だが頻度の多い説明
本作はこれこそがメインと言っても過言ではないのですが
途中からこれが必ずしも正しいことを説明しているのではないことがわかります
あくまで彼らが正解のように説明しているのは現在の材料から推測できる
予想に過ぎず、正しいこととは限らず、その推論を何度も何度も見せられます
本作のメインとも言える部分ですが、どこまで楽しめるかは分かれる部分かと


△本作の周回仕様による各ヒロインの扱い
本作のシナリオは一本道です、は各ヒロインのシナリオが本編の道中にあります
いくつかある分岐の到達点ではなく、結果的にリープすると分かった部分です
また、一人目の攻略時ならいいですが、3人共攻略するという構造になっている為
二人目以降の攻略に多少の精神的なダレが発生してしまっている部分があります


【ヒロイン】
■アペイリア
タイトルにもなる零一が偶然にも開発してしまった自我を持つ強いAI
オーナー(=零一)を第一に考えつつも、純真無垢で非常に健気な良い娘です

途中からはアペイリアを救うことが一つの大きなモチベーションとなります
大抵こういうヒロインポジションには個人的に抵抗を覚える事が多いのですが
この娘のについてはすんなりと、助けてあげたいなと思わせてくれる娘でした
言動の可愛さもありますが、端々で見られる健気さが非常に突き刺さった娘です
個別ヒロインとして攻略したかったかというとまた違うのですけどね……


■桐島三羽
出会いが最悪だったからと思わせて、もとから言動のキツイ義理の妹
義理の妹属性があるとすれば、兄さん呼びぐらいですね、出会ってすぐの話ですし
ツンツンした言動と裏腹の寂しがり屋な態度が可愛らしいヒロインと言う所
デレ後の可愛さもあり、典型的なツン何とか路線が魅力的なヒロインでした
ただ、3人の中で最初に攻略する事になったため、後半は印象がだんだんと……
シナリオ構造で割りと犠牲になりやすいポジションのヒロインかと思います
最終的にはシナリオのキーパーソーンとなるのも、個人的に唐突感が勝ちます


■東ましろ
1回目のリープの役割からして非常に美味しいポジション……不幸属性ですが
独特なイントネーションと、若者言葉と主体性のない推しの弱い性格ということで
色々な意味で可愛がりたいマスコット的な可愛さを持ったヒロインになっていました

ヒロインとしてのインパクト的にも、シナリオのポジション的にも印象深い娘でした
全体的にヒロインの味付けが濃いですが、ましろは上手く昇華されていた印象です
「やばたん」とか「やばばばば」とか好きですが「だ?」で終わる疑問文が一番好き


■一久遠
幼馴染でお姉ちゃんで、父親もキーパーソンって立ち位置は美味しいんですけど
中二病設定が発作的に発症する辺がわりと塩分過多な気もするヒロインでした
立ち位置自体は非常に重要なところが多いのですが本人自体は……という感じで
彼女自身は他の2人と違って物語に間接的に巻き込まれている感じもあって

ヒロインとしては他の2人ほど入り込めなかった部分が個人的にはありました
ただ、一応の個別EDの結末としては一番しっくり来るのは久遠となってますね
他の2人が中途半端すぎるというか、如何にも途中EDって感じなのが原因ですけど



【Hシーン】
・アペイリア:5
・桐島三羽:5
・東ましろ:4
・一久遠:4
・ましろ+久遠:1
・七海+沙羅:2

メインは5シーン換算ですかねましろと久遠は3Pで1枠ずつという計算で
1周目でほとんどのヒロインに手を出す形になります、割と強引な感じですけど
無理矢理ではなく、何だかんだと受け入れてもらっている不思議な倫理観です
これもあって、ヒロイン毎のHシーンも念願という感じではないのですよね
1周目と2周目が終わると複数プレイもなくなり、各ヒロインに一途になりますし

聖印の為に割と好き放題やるのですが、それ以降は3、4シーンとノーマル
プレイ自体も戦闘シーンほど弾けているわけではなく、反動で大人しく感じます



【まとめ】
設定レベルからしっかりと作り込まれた大作という感じでしょうか
散々まで引っ張ってきて最後に待っているのが少し引っかかる部分ではありますが
最後まで読ませるシナリオの牽引力は強く、長尺ながら飽きずに読めました

ただ、先に書いたとおり、どうしてもヒロイン3人を順番に攻略していくという
シナリオの構成は個人的に相性の良くない部分だったかなと思ってしまう部分で
個人の問題はともかくセカンドの攻略が何度も繰り返されるのは流石にダレました

ヒロインそれぞれのフォローについても、ましろについてはもう少し欲しかったです
どうしてもループ構造という形であるため、仕方ないのでしょうが久遠みたいな
展開ならある程度受け入れるのですが、ましろは流石にばっさり切り過ぎかなと

お話については、観測者のあたりが視野を狭くされている感じで強引に感じましたが
概ね納得はしました、途中から全部理解する必要がないと気づいた部分もあるので
詳細な部分まで全て理解できているかは怪しいところがあるのですけどね……
こんな説明と推論だらけの作品で最後まで読ませてしまうエネルギーは凄いです

個人的な不満をもう一つ上げれば、AI研究会全員で過ごす平和な日々を
もう少し楽しみたいなというところでしょうかね、本作のウリを考えてみれば
それを描かれるとバランスが色々崩れそうで難しいところではあるのですけどね

非常にくせのある作風だと思いますが、それを覆すだけのエネルギーや
魅力に溢れた作品であったなと思います、偶にはこんな作品も良いですね