同志社大学理工学部の研究室で、直接吸い続けると塵肺(じんぱい)を発症する可能性もあるアルミニウムの粉など有害な化学物質の粉塵を扱う実験の際、所属する約30人の学生らに専用の防塵マスクをつけさせていなかったなどとして、京都南労基署が同大学に対して、労働安全衛生法に基づく口頭の注意をしていたことが11日、分かった。同研究室の責任者の男性教授(59)が長年、適切な防護措置を怠っていたとみられ、労基署は同法違反で是正勧告することも検討している。

 関係者らによると、行政指導を受けた研究室は、同学部の無機合成化学研究室。アルミニウムや塩化アンモニウムなどの金属や化学物質の粉を加工して、家電製品に使う電子部品の材料などを作る研究を行っている。

 国が定めた「粉じん障害防止規則」によると、集塵機能を持つ換気装置が備わっていない場合、アルミニウムの粉を扱う際には、国家検定で認められた防塵マスクを必ず着用しなければならないとされている。しかし、男性教授は、実験中に研究室の換気装置を作動させていなかったうえ、研究者や大学生、院生に粉を乳鉢で混ぜる作業中、防塵マスクではなく、風邪用のマスクを着用させていた。

 学生たちには粉塵の危険性が知らされておらず、最高3年間、防塵マスクをつけずに実験をしていた学生もおり、一部は、のどや目の痛みの症状を訴えているという。

 呼吸器難病の研究を行う近畿中央胸部疾患センターの坂谷光則院長(呼吸器病学)は「アルミニウムの粉を吸い続けると、塵肺の中でも進行がはやい『アルミニウム肺』になる可能性がある。アルミニウム肺になると、気胸をおこしやすくなり最悪の場合、死に至ることもある。研究室は、危険性を学生に伝え、徹底した安全管理をするのが常識だ」と話している。

 同大学は産経新聞の取材に「防塵マスクをつけていなかった学生がいたことは聞いている。今後、対応を検討したい」としている。

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