2009年05月

2009年05月29日

Sの男たち しんこう−04

ちょうど一年後。2009年4月某日。僕たちは、彼のウチの近所で夜桜を見ていた。スーパーでビールやチュウハイ、チーズを買って、屋台でたこ焼きを買って。川の欄干にもたれ掛りほの暗い提灯で照らされた夜桜を見ながら、周囲から怪しまれない程度に僕は彼に寄り添った。

「明日、なんであらためて食事に誘ったかわかります?」
「…んん? いや」
「ちょうど明日で一年経つんですよ。知りあってから。その記念とお礼とこれからもよろしくということで」
「え!? 一年?」
「ええ!?」
「えええ!? まだ、…4−5ヶ月くらいじゃなかったけ?」
「ええええ!? 一年だよ〜」
僕の方が驚きである。
「夏だってクリスマスだって一緒に過ごしたじゃん」
「そっかぁ。ごめん、そいう時間の感覚ってホントにないんだよ。一年かぁ…」
彼らしいというか…、逆にホッとするような拍子ぬけしたような不思議な感じがした。

翌日。去年と同じ待ち合わせ場所に向かうと、一年前の胸の高鳴りをリアルに思い出してきた。普段は彼の家か近所で食うことがほとんどなので、外で待ち合わせをして飯屋に向かうのは新鮮だ。僕は仕事帰りなのでスーツ。彼は休みの日なのに、カジュアルながらもちゃんとシャツネクタイ姿で来てくれた。この辺の気遣いが僕を一層ウキウキさせる。

繁華街から一駅外れた住宅街の中の焼鳥屋。カウンターに並んで座り、酒を飲む。食事もなかなか旨い。気分が良くなる。普段なかなか伝えられない僕の気持ちを、“一年続いたから”という免罪符?をもって伝えた。充実した一年間だったこと、幸せな時間だったこと、とても感謝していること、これからも一緒に過ごしたいこと。彼はにこやかに聞いてくれている。

新たな一年の始まりだ。

さて、彼は僕の事情(一緒に住んでいる奴がいるということ)を知っていて理解してくれている。ありがたいことなのだが、それが辛く感じることもある。その度合いは会うごとに増してきていた。この一年でSMプレイ上のいろんなことを経験させてもらい、次第に確実に彼に惹かれ…。いまは頭の中は彼のことだけだ。まさに身も心も奪われてしまっている。

さて、一年前に話をもどそう。

n3103 at 14:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 「Sの男たち」 

2009年05月20日

Q2の男−03

3階建てのマンションの1階の角部屋だ。1DK。玄関を入るとすぐキッチンで、奥の方にユニットバスのドアが見えている。まめに自炊もしているのだろうか、フライパンや菜箸、油や香辛料がごく自然に散らばっている。フローリングの部屋には、部屋の半分近くを占める大きなベッドが窓側においてある。掛け布団のカバーもシーツも真白だ。窓の外はすぐ線路。降ろしているブラインドの外を電車が通って行く。

「電車から見えないですか?」
「まる見え、まる見え。やってるとこ見られたことあるもん」
「え?」
「ウソだよ。あ、でも、パンツ一枚で寝ててもあんまり気にしなくなったな…。そこ座って。何飲む?」
「あ、すいません。じゃ、ウーロン茶ありますか?」
「はいよ」

ドラマの中でギバちゃんや三上博史が住んでいる部屋ほど綺麗ではないが、でもそんな感じの部屋だ。僕の部屋みたいにパイプベッドではなく木製の大きなベッド。布団は羽毛だろうか、ふかふかしている。電話もコードレスで子機がついているやつだ。なにより風呂がついている。

―すごーい。働いている人の部屋だ…。

「19って言ったけ」
「はい」
「学生だよね」
「はい」
「この近くの?」
「ええ、まぁ」
「よく使うの? Q2」
「時々ですね」
「そうかぁ? 慣れてるみたいだったけど」
「そんなことないですよ」
「ま、いいけど」
「…そちらこそ。あ、でも、実際に会うのは初めてなんですよ」

n3103 at 10:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 「Q2の男」 

2009年05月18日

Q2の男−02

「よく使うの?」
「うーん、時々。暇なときに。そちらは?」
「ま、俺も暇なときに、かな。…飲みに出たりはするの?」
「ほとんど行かないです。行くんですか?」
「おう、何件か行く店はあるよ。ハッテン場は?」
「あんまり行かないですね」
「あ、俺は結構行くよ。…付き合ってる人は?」
「いないから、欲しいです。いるんですか?」
「今いない。結構最近別れたばっか。…で、どっち?」
「え? あ、あぁ…ウケです」
「そうか。あ、俺はタチ。…どうする?」
「え?」
「これから会ってみないか? 電話代もったいないし。そんなに近いならウチ来いよ」
「いいんですか?」
「ああ」

道順と念のため電話番号を教えてもらい、家を出た。僕のアパートからだと坂道を下ることになる。何となく足取りが軽いのは、下り坂のせいだけではない。もしかしたら…、そんな予感からだ。

線路沿いの彼のマンションは、すぐにわかった。家を出て10分もしないうちに、ドアのベルを鳴らす。

ピンポン〜

「はーい」
「あ、はじめまして。Zです。こんにちは」
「お、よく来たな」
「すいません」
「入れよ。すぐわかったか?」
「はい」
「なんだか声の感じと違うな」
「…すいません」

n3103 at 11:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 「Q2の男」 

2009年05月15日

Q2の男−01

「もしもし」
「あ、…もしもし」
「こんにちは」
「こんにちは」
「おいくつですか?」
「19です。そちらは」
「25」
「あ、どちらからですか?」
「世田谷。そちらは?」
「同じです。どのへんなんですか?」
「世田谷線沿い」
「あ、僕も、世田谷線の駅近いですよ。普段使うのは京王線だけど」
「じゃ、松原…のあたり?」
「そうですそうです」
「俺は、山下と宮の坂の間」
「じゃ、すごく近いですね。歩いて行けますよ。5丁目なんで」
「どんなのがタイプなの?」
「年上、30前半くらいまでかな。そちらは?」
「年下。身長体重は?」
「172の65くらい…」
「俺は167、60。顔はどんな感じ?」
「普通…かな。誰かに似てるとかって言われたことないです。髪は普通で、メガネかけてます」
「俺はイヌ顔って言われるかな」
「へぇー」

n3103 at 12:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 「Q2の男」 

2009年05月14日

既婚の男 さよなら

味をしめたのは、Rさんなのか、Uさんなのか、僕なのか。飯を食おうと集まってはそのままセックスに突入というのがその後も数カ月続き、ようやく僕たちの3Pブームは過ぎ去った。

その後、社宅住まいはそのままだったが都外への転勤などもあり、次第に会う機会は減っていった。ある日、しばらくぶりにRさんちへおじゃますると、雰囲気がどことなく違っていた。

その違和感が何だか分からないままテレビを見て、飯を食って、酒を飲んで、シャワーを浴びて、ソファで抱きあう。今までならここで、「これはこうしようね」と言いながら夫婦の写真が入っている写真立てを裏返すのだが、今日はその一言がない。アレっ?と思い、抱きあったまま視線を写真立てに向けると…。

そこに収められていたのは見慣れた写真ではなく、赤ちゃんを抱いた奥さんと一緒にRさんが映っている写真だった。

「子供生まれたんだ」
ささやいた。
「あ、聞いてなかった?」
「え、誰から?」
抱き合ったまま会話を続けた。
「Oちゃんから」
「そういえば、お店の客さんが話してたかも。…おめでと、でいいんだよね?」
「うん、ありがと」
「可愛い?」
「まあね」
「女の子?」
「ああ。…しばらく実家で育てるっていうんだ。俺毎日帰り遅いし。」
「いま職場は茅ヶ崎の方だっけ?」
「片道2時間近く」
「そりゃ大変だ」
「でも当分一人だから、いつでも遊びに来ていいよ」
「……あ、ごめん、ちょっとトイレ」

トイレに向かいながら、部屋や廊下を改めて見渡す。感じた違和感の正体がわかった。今までなかったよう場所にも、家族の小さな写真が置かれていたのだ。

別に小便をしたかった訳ではない。目にたまりだした涙に気づかれたくなかっただけだ。Rさんとのセックスはこれで終わりにしよう。そう決めてトイレを出た。

ドライな関係を前提に付き合いだしたのに、いつのまにか心が寄っていた。

Rさんのところに戻ると、耳や唇や舌やうなじや首や腕や指や乳首や背中や臍や尻やもちろんアソコの形も感触も味も、そしてささやく声も喘ぐ声も、ちゃんと記憶しておけるように、心残りがないように、一晩中、何度も何度も求めて、朝を迎えた。

「ずいぶん激しかったな」
「…うん、そうしたかったから」
「四五日は勃ちそうにないよ。…寝よっかぁ」
「うん。なんだかすごく眠い」

これが最後のセックス、と決めてからすることの寂しさが心に染み込むのを感じながら、彼の腕枕の中で眠りにおちていった。

<『既婚の男』おわり>

n3103 at 11:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 「既婚の男」 

2009年05月13日

既婚の男 その後−10

「俺とRのと、どっちが美味い?」
「…んぐ、グポッグチュッ」
「たまには違うのも美味いだろ」
「…んごっんごっっっ」
「先走り床にたれてっつぉ、そんなにうれしいか。もっと奥まで咥えてくれよ」
「ゥオェーー」
「涙流すほどうれしいか。俺、イキそうだよ。ちゃんとウケよろ」
「俺も。イキそ」

そう言うと、Rさんは僕の腰を、Uさんは僕の頭をそれぞれ強く引きよせ、ほぼ同時に激しく果てた。ケツの中で熱い染みが広がっていき、口の中で苦さが一気に充満した。

僕も自ら扱き、二つのチンポをまだ身体に受け入れたまま、床にぶちまけた。

「ちゃんと全部飲めよ」
そう言いながらUさんは口からチンポを抜いた。Rさんはケツから引き抜いたチンポを、まだUさんのザーメンが残る僕の口に突っ込みながら、
「きれいに舐めとってくれな」
といつもの悪戯っ子のような笑みを僕に向けた。

ピザを食って、ビール飲んで、Rさんに背中から抱きしめられて寝るだけだったはずの夜は、こうして過ぎていった。

n3103 at 10:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 「既婚の男」 

2009年05月12日

フラメンコ−03

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2009年05月11日

フラメンコ−02

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2009年05月08日

フラメンコ−01

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