2008年12月05日

Sの男たち きっかけ−02

sm2なるほど、年上が揃うその店は、たとえ会話に入っていなくても雰囲気だけで十分に楽しめる。今まで行ったことのあるどのお店とも違う、落ち着いた感じの客層だ。店内は11人座れば一杯になる。場所がらか、ほぼ全員がスーツだ。靴は履いたままだった。

僕の会社には、この年代に相当する上司はいない。自分よりも年上に囲まれる新鮮さと、それが全員ゲイであるという安心感にすぐにハマった。

しばらくして、土曜日にも店に顔を出すようにった。同じメンツの私服姿。これがまた萌え〜なのだ。女房と子供二人、通勤片道1時間半、一日の小遣いは600円。そんな疲れたお父さんの休日風は誰もいない。

ギラギラしていない会話や振る舞いは、勉強になることが多い。一番年下であることもあってか、何かと面倒を見てもらえるのも楽しい。桜が咲く頃までには、飲みに出る前の食事に誘われたり、別の飲み屋に連れて行ってもらったり、そんな年上の友達がずいぶんと出来た。

しかしどんなに仲良くしてもらっても、僕が友達と思っていても、彼らとの年の差は埋めがたいものであり、早く、彼らの40代、50代に追いつきたいと感じてもいた。ゲイとして楽しそうに、そして充実した日々の生活が想像できる彼らの世代は、人生を謳歌する輝く世代に見えるのだ。

Aさんも、そんな人たちと一緒に遊んでくれた、一回り以上年上の世代の人だ。特に一目ぼれというのではない。しかしそのお店で、毎日家に帰るまでのほとんどの時間を過ごすようになり、次第に、確実に惹かれていった。

出張先からお土産を持って帰り、旅先から絵ハガキを出す。その絵ハガキを額に入れ店の壁に掛けておいてくれる。看板まで店に残り、後片付けを手伝い、途中の駅まで一緒に帰る。

いつの頃からか、二丁目で二人で朝まで飲んでいたり、飯を喰ったり、温泉に行ったり、プールに行ったり、家に行ったりするようになっていた。

マスターと客という以上の気持ちでかなりの時間を過ごし、そしてセックスも自然に重ねていた。開店前や閉店後の店内、始発に乗る前の駅近くの駐車場、温泉宿の露天風呂ですることもあった。

その日も、家に遊びに行く予定だった。しかしいつもと気持ちが違っていた。前日に、明日は縛ってやるからな、とひとこと言われていたから。

n3103 at 17:41│Comments(0)TrackBack(0) 「Sの男たち」 

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