「年下の男」

2008年12月19日

年下の男−16

0405f715.jpgティシュで丁寧に拭き取ってくれる彼は、「タノシカッタ」「スゴイネ」「キモチイイ?」そんな言葉を繰り返している。恥ずかしさとともにとてつもない疲労感が襲ってきた。

僕は手首を縛られたまま、…彼に背中から抱きかかえてもらいながら、…時間を、気にしながら、…乳首をいじられ……ながら、……再び眠りに、おちた……。

みたびケツに入れられたのは、夢の中でのことだったと思う。



ひと眠りの後、身支度を整え、彼の運転するバイクにまたがり駅へと向かう。

小学生の集団を追い越しながら、軒先で野菜や魚を売る店が並ぶ小さな路地を走るバイク。デコボコの多い路面は、バイクを振動させ、まだ閉じきっていない僕のケツをリズミカルに刺激する。

ごく平凡で平和な日常と、その中を通り過ぎていく僕のケツの非日常的な痛さ。同級生の女の子と無邪気に手をつなぐ男の子と、一年越しの夢をかなえてくれた彼にしがみつく僕。これから太陽の下元気に走りまわる彼らと、月夜の下淫密な時間を過ごした僕たち。あらゆる対照が誇らしい。

彼の首筋の匂いを嗅ぎながら微笑む僕の笑顔は、この小学生の笑顔くらい天真爛漫なのだろうか。熱い一日を予感させる湿った風は、小学生たちにも僕たちにも等しく吹いていた。



その日の仕事を終え、空港へのバスに飛び乗る。まだ今朝の疲れが抜けていないようだ。足もだるく、スーツケースがやけに重く感じる。もちろん心は爽快。

最終便の飛行機の中で台湾啤酒を飲みながら、彼に手紙を書き始めた。


X君。こんにちは。
再び会うことができてうれしかったです。
バイクの後ろにまたがって台北の夜の街を走り回り、
夜市に遊びに行ったりすることはずっと憧れでした。
夢がかなってうれしいです。
もちろんX君の家に招いてもらえたのも光栄に思っています。
そのうえ一緒に夜を過ごせて、幸せな時間でした。



13か月前、やはり飛行機の中で書いた彼への手紙の内容は、今でもはっきりと思い出せる。


X君。こんにちは。
知り合えてよかった。
一緒に酒を飲んだ時間は楽しかったよ。
X君のことが可愛いと思ったのも、友達になりたかったのも本当。
一緒に夜を過ごしたいと、真剣に考えてホテルにも誘いました。
二人の関係を大事にしたいと思ったから、彼がいることも正直に話したんだよ。
X君のことを大切にしていきたいと思っています。



そして、この両方の手紙の最後は、


我在飛往東京的飛機上写着。
我真不愿意離開你住在的台北。
一定再会!


                               今、東京に向かう飛行機の中でこれを書いています。
                       あなたの住んでいる台北からは離れがたいと心から思っています。
                                               必ず、また会いましょう!

<「年下の男」おわり>

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2008年12月18日

年下の男−15

42e2d07f.JPGMの目というものがあるのだろうか。きっと僕はそんな目で彼を見つめているのだろう。

ケツから抜いた張り型を口に入れられる。顎が外れそうなくらい太く、苦い。容赦なく喉の奥まで突きたてられ、えずき、涙を浮かべる僕に「スキデショ?」と聞いてくる彼の目はSの目だ。

手首の紐が解かれ、口から抜かれた張り型を手渡される。そして、自分で動かしてみて、とパンツとTシャツを着たままの彼はベッド脇のソファに座ってしまった。

穴がよく見えるように向きを変え、言う通りにする。自分で乳首をいじれ。そんなジェスチャーにも素直に応じる。空いている方の手で乳首を抓む。自分の手なのだから加減をすればいいものを、本気で抓ってしまう。たまらず自分の竿を扱き出すと、〔勝手なことするな〕と、再び手首を縛りあげられた。

彼は張り型を乱暴にいじり出し、乳首を噛む。歯に力を込められた瞬間、全身に走ったシビレがチンポに向かった。

〔もうイキそうだから、チンポ入れてくれ〕と懇願しても、彼はニコニコしながら抜き差しを止めてくれない。〔トコロテンしてみせて〕 そう言われても簡単にできるものではない。普通なら。

しかし状況の非日常的な感じからか、異様に興奮している僕は、そのままイキそうな感じが押し寄せてくる。〔このオモチャでイッてよ〕彼は一層激しく動かす。

〔お願いだから、入れて〕
〔だめ。今日はコレでイッて〕
〔お願い〕
〔だめ〕
〔なら、咥えさせて〕 
〔だめ〕
〔コレきもちいいでしょ?〕
〔気持ちいいけど、Xくんのが欲しい〕
〔だめ〕
〔もうイキそうだよ〕
〔いいよ。早くイって見せて〕
〔そんな、ア、ア〕

張り型を一番深く突き刺された状態でねじられた瞬間に、射精した。

僕を見下ろしながら、「キモチヨカッタネ」と彼は満足そう。噛まれた乳首に精液が染みる。

もし、もう一度彼のチンポが欲しければ、また遊びに来いということなのか…。

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2008年12月17日

年下の男−14

d83f26ae.jpg正確には夜ではない。シャワーを浴びて、眠りについて、まどろみの中抱き合い、キスを交わし、再び眠りに落ちた朝方。されている気配で目が覚めました。ケツの穴に何かが出入りしている。手を伸ばすと、既に濡れている僕の穴に彼の指が入っていた。

ようやく気付いたの?という顔で僕を見下ろす彼。ローションをつけられたのか、ケツの中に残っていた昨晩のローションが寝ている間に漏れ出したのか。いやそんなことより、指を入れられてなお寝ている自分が恥ずかしく、完全に僕はされるがままの立場にる。

僕が体を起こすと、彼はおもむろに立ち上がり、机に向い、引き出しを開ける。取り出したビニール袋から出てきたのは張り型。かなり大きいものだ。何をするつもりなのだろう。混乱した。そして差し出された寝起きのr。寝込み、いや、寝起きを襲われるとでも言うのだろうか。

僕の目の前で張り型にローションを塗り、おもむろにケツに先端をあてがってきた。いきなりは無理だ。彼のモノより一回り、いや、二回りはデカいそれを、起きてすぐは。いや、起きてしばらく経っていても、昼でも、夜でも、いきなりは…。フラフラの頭でそう思い、両手で張り型を退けた。じゃ指からね、などと言ってくれるのを期待して。

しかし彼の行動は予想外だった。足もとからネクタイのような幅広の紐を取り出すと、僕の両手首を頭の上で縛りあげてベッドに括りつけ、とどめにrを含ませたティッシュを口にくわえさせたのだ。試合終了。正常な思考回路はどこかにいってしまった。

彼は容赦なく張り型を突き付けてくる。昨晩の名残でほぐれているとはいえ、きつい。と、乳首をかじられた。僕の弱点を完全につかんでいるようだ。きつく噛まれ、口を離される瞬間、僕の穴が緩む。そのタイミングで張り型を押しこんでくる。

これを何度か繰り返されるうちに半分以上入ったようだ。「キモチイイ? キモチイイ?」と聞かれると頷くしかない僕。彼は、脚の間に割って座り込み、一段と開脚させて状態で、さらに奥まで張り型をねじ込んできた。腸をこじ開けられるような感覚。僕はうめき声を上げながらも1cmづつ受け入れ、そしてついに、張り型の玉の部分がケツについた感触があった。

完全挿入。ものすごい圧迫感だ。彼は「ココ、キモチイイネ」と笑いながら抜き差しを始める。半分抜いて突っ込むといったものではなく、一度完全に抜き取ってから最深部まで突き刺される。長さが長い分、奇妙な感覚が続く。抜きとられる時には、そのまま腸が引っ張り出されるのではないか、入りこむときには、そのまま口から出てくるのではないか。そんな感じだ。

身が自然によじれる。〔チンポが欲しい〕と言っても彼は首を横に振るだけ。咥えさせてもくれない。延々と続く出し入れ。冷静な彼の眼に、僕のM心がくすぐられる。

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2008年12月15日

年下の男−13

642f05b7.jpg彼が仰向けになった。僕は素直にまたがり、自分の乳首に手をやる。一転して彼はまったく動かない。僕は自ら腰を上下に激しく揺らすしかなかった。

彼は自分の手を頭の下で組み、冷静な目で見上げている。腰の動きを止めようものなら、顎で続けろと指図をする。そして、無言で手渡される小瓶。これ以上吸ったらイッてしまいそうだ。しかし、これを手にして吸わずにいられるほど冷静ではない。

吸った次の瞬間には、自分でも驚くほどの声を上げながら腰を深く付き下ろし、穴を押しあてた。彼の陰毛が穴の縁をいやらしくくすぐる。

そのまま上半身を伏せしがみついた。この体位で感じる、チンポが抜けそうになる感覚が実は好きだ。抜けないよう、自分でケツをしっかり締め続けることに、ウケの喜びを感じるのだ。結合したまま、僕は唇を首筋に這わせ乳首を舐め、彼は力強く突き上げる。

顔も、胸も、腕も、腹も、脚も、互いに体を最大限に密着させる。体温も、鼓動も、匂いも、僕の中に確実に染み込んでくる。きつく抱きしめ、お互いの気持ちを言葉にした。

彼は、胡坐をかく態勢へと体を起こした。僕はその彼にまたがって抱きつく格好になり、さらに、自分が仰向けになった。腰は彼の膝の上で、背中と頭はベッドについている。チンポの先端が前立腺を刺激する。

彼が突くたびに、チンポから汁が自分の腹に垂れてくる。彼はその汁を人差し指で拭き取り、僕の口に入れる。
〔イキそうだよ。〕
〔イキたいの? いいよ。出してみせて。〕
そいう言って、一層激しく深く突き上げる。

僕は自分の手で扱き、果てた。口元にかかる勢いで。彼も、すぐさま僕のケツから引き抜き、自ら扱く。そそして「イク、イク」と叫びながら、僕の体に大量の汁を降らせた。初めは乳首の辺りに。次は首筋に。そして両手で二人分の白濁を混ぜ合わせ、僕の陰毛とチンポにこすりつけた。

彼はそのまま僕に覆いかぶさり、腹をこすりあわせてきた。ヌチョヌチョというスケベな音とともに、精液の匂いが立ち込めてくる。国が違うからか、気候が違うからかは分からないが、今までに嗅いだことのない、奥歯に沁みるような匂いだった。

〔会えて良かった〕そう呟く。

彼との夜はこれだけでは終わらなかった。

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2008年12月13日

年下の男−12

5b199476.JPG彼の先端が僕の最深部にあたるたび、あえぎ声が出てしまう。そんな僕の顔を覗き込みながら、彼は、「キモチイイ? キモチイイ?」と聞いてくる。そしていつの間にか手にしていたrを僕に見せる。

大好物だ。瓶を見ただけで興奮し、キャップを開ける音を聞いただけで欲情し、嗅げばもう何をされてもいい、の境地だ。差し出されるr。一瞬にして体中に退廃的、動物的な淫靡さが駆け巡る。いつもこの瞬間、人生初めてのハッテン場でのもちろん初めての乱交を経験した、あの夜を思い出す。

暗闇で5−6人が絡み合っている。自分が誰とどうつながっているのか分からない。口も手も乳首もチンポも穴も誰かに触れ、また誰かに触れられている。rの臭いと、唾液の臭いと、生乾きのようなタオルの匂いが混ざり、前からも後ろからもキスの音、しゃぶる音、扱く音、掘る音が聞こえ、まさに動物のようなうめき声がこだまする。あの夜を思い出して、今の自分の理性が吹き飛ぶ。

目の前にいる彼にしがみつき腰を振った。彼も僕に見せつけるように大きくrを吸うと、一層激しく突いてきた。さっきまでの激しさは彼にとってお遊びだったようで、それを見抜けなかった僕をあざ笑うように猛然と。チンポの長さが倍になったようにも、太さが倍になったようにも感じる。

僕は繋がったまま四つん這いに姿勢を変えようとする。彼もぴったりと腰を押しつけたまま僕の足首を持ち回転させ、それをサポートする。挿入されたままバックの態勢になったので、腸がねじれている感覚だ。それがまた気持ちいい。

僕の腰をしっかり持ち、僕の意思とは関係なく、僕の腰を動かす。一定ではないそのリズムに、首がガクガク揺れる。

パーン、と音がした。ケツを叩かれた。反射的に穴の中が収縮した。こいつ確実なタチじゃんか。「キモチイイヨ」彼は、そいう言いながらさらに叩く。僕も彼にキモチイイと言わせたくて腰を振る。彼は、ぼくの乳首を抓りながら、一度抜く。穴がちゃんと塞がっていない感じだ。中の方まで空気が流れ込んでくるのがわかる。

彼はその穴の入口をいじりながら「キモチイイネ、ココ、キモチイイネ」と。再び仰向けにさせられ、片足を担がれ、再び挿入。何の抵抗もなく最深部に届く。チンポが先頭となって彼の体そのものまで入ってきそうな勢いだ。

まずい。イキそうだ。そう彼に伝えると、チンポを抜き「マダダメ」と言いながらそのチンポを僕の口に突っ込んできた。頭を押さえられて尺八をする時の堕ちている感は、そのチンポが自分のケツに直前まで入っていた時に、より一層強まる。激しく出し入れされながらも、雁の部分や尿道の部分にも舌を這わせた。咥えたままrを吸わされる。これも屈辱的で好きだ。そして、むせかえるほど奥へ咥えこむ

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2008年12月12日

年下の男−11

e205a59d.jpgあの晩、もし自分が嘘をついて、彼がホテルに来て、一夜を過ごしたとしたらどうなっていたのだろう。嘘をついたまま、その後も彼と会う機会を作っていただのだろうか。嘘をついている申し訳なさから連絡をとるのを止めてしまったのだろうか。

やはり正直に話して正解だったのだ。

受け取った手紙の返事として、後日、彼からのメールが届いた。ホテルに行けなかったことを詫び、手紙を受けっとってびっくりしたと同時に、とてもうれしかったと。次に台湾に来ることがあったら、絶対に時間を作って一緒に過ごしたい、と。

お互いの事情がわかった上で、こうして再会できたことはとても幸せだ。そんなことを考えなら、僕のケツに指を入れている彼の顔を見る。

乳首を舐め、竿を扱き、空いている手を僕の口に突っ込む彼。乳首が完全に起ち、先走りを流し、親指をしゃぶる僕。

彼に抱かれながら、僕の視点だけが中に浮いた。幽体離脱? 僕を抱き責める彼の背中が見える。その視点はさらに上昇し天井を突き破り、4階建てのアパートが見下ろせた。さらに視点は上がり街全体が見渡せる。それでも僕たちのいる部屋だけは透けて見えている。

間違いなく台湾にある台湾人の住む部屋で、僕は裸になり、やはり裸の台湾人に抱かれ、悶え、乱れている。どんなに視点が上空高く上がっても、双眼鏡、いや、顕微鏡を使っているかのように細部まで見て取れる。自分を第三者の目で見たことによって、ベッドの僕は僕ではなくなってしまった。何も取り繕う必要はないのだ。

とにかくぶち込みたいという彼の気持ちと、はやく繋がりたいという僕の気持ち。彼の雄の部分を僕の雌の部分にあてがった。もう、ストップとは言うまい。

彼は遠慮することなく入れてきた。普通は雁の部分が通過すると太さの問題は解消されることが多い。後は奥行きの問題だから。彼のチンポは竿の真ん中の部分も膨らんでいるので、雁が通過した後にもう一度穴が広がる感じがする。ここさえ入ってしまえば後は快楽が待っていると思い、二度目に広がる瞬間を我慢した。竿の膨らんだ部分が入ると、あとは根元まで一気に突き立てられ、すっぽりと収まった。

この瞬間の感触がたまらない。相手との完全な一体感、体の凹凸すべてがうまく組み合さった爽快感。セックスとはこれから後のことを指すのだといつも思う。

単調な、しかし強い抜き差しが始まった。覚えたてのコのようなガッツリ感が、新鮮でそそられる。遠慮を知らないのか、彼なりの努力なのか、突くごとに最も奥まで入れてくる。入口も奥の方も熱を帯びてきて、敏感になってきた。

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2008年12月11日

年下の男−10

970d07cb.jpg正直が一番だ。国際問題に発展してもこまるし。

僕は日本に彼がいることを話した。

すると彼は今までとは違う態度で〔彼氏、いるんだ〜。ふーん。しらなかった〜〕と言ってテーブルを離れてしまった。…後悔。その後何度かテーブルにやってきても、僕とはあまり会話をすることなく、そっけない態度に。二人だけになっても会話がなくなってしまった。

〔彼がいるのは本当だよ。〕
僕から切り出した。
〔…〕
〔君に嘘をつきたくなかったから本当のことを言ったんだ。〕
〔…〕
〔可愛いと思ったもの本当。年下にこんな気持ちになったは初めてというのも本当のこと。〕
〔遊びでしょ?〕
〔ちがうよ。遊びじゃないよ。〕
〔でも、日本に…。〕
言葉は続かなかった。僕もそれ以上何も言えなかった。ただ、
〔何時まででも待っているから〕
そう言ってメモを渡すのが精いっぱいで、バーを後にした。

ただひたすら部屋で待つ時間は長い。テレビもつけず、本も読まず、水も飲まずにベッドにただ腰かけ、ドアがノックされるのを待った。

彼と会ったのは、つい二日前。でも笑い声や笑顔が次から次へと浮かんでくる。大笑いした話を思い出し、そして、彼が僕の肩に乗せた手の感触を思い出した。

もし来なかったとしても、ただそれだけの事。台湾に来る前と何も変わらない。そう自分に言い聞かせる、が、寂しさや言いようのない不安がすぐに広がる。嘘ついときゃよかったかな…。でもそれは彼を傷つけることになるし…。友達になろうとする人達に初めから嘘をついていては、その関係そのものがウソになってしまう。嘘から始まる関係などいらない。

彼の仕事終りの時間がとっくに過ぎても、来ない。

気配がすると、ドアに近寄ってみる。ひょっとして、ノックをするのをためらっていたりして、と。ドアを開けても誰もいない。来てほしい。もう一度ちゃんと話がしたい。

仕事が終わった後、友達と食事に行くかもと言っていたから、まだかも…。

眠くなってきた。三日分の疲れが一気に押し寄せてくる。いつ来るか分からないし、ノックをされた時に布団の中で寝ていたら気付かないかもしれない。頭がドアに近くなるように向きを変えて、ベッドの上でうつ伏せて、待った。

廊下を誰かが通るたびに、心臓が高鳴る。

しかしとうとうそのままの格好で眠ってしまったようだった。

起きた時には7時を回っていた。もしかしてドアの下に手紙やメモが挟まっているかも、そう思いドアに近寄ってみるが、それらしきものは何もなかった。

ふられちゃったな。

朝食をとる気にもなれず、チェックアウトぎりぎりまで部屋で過ごし、そのまま空港へ向かった。これほど賑やかな町なのに、僕の耳には無音しか聞こえなかった。

日本へ戻る飛行機の中で、彼に手紙を書いた。

そしてその後、日本に戻ってからも、出張先から、旅先から、折に触れ手紙を出すのだった。

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2008年12月08日

年下の男−09

tpe電車日本でも台湾でも、こんな日にこそ来る客がいるようだ。静かに飲めそうだからと思ってくる客が。多くの場合、お店にとっても“いい”客なのかもしれない。

我々がプチ破廉恥飲み会を続けていると、雨の中、ちらほらと客がやってきだした。隣の店にも客がやってきて、彼は、また後でと僕の脇腹をさすりながら席を立ち去ってしまった。残りの二人はそんな僕たちの今までの様子を見て、親指を立てながら、「Good guy!」とニコリとする。

いいコだと、僕も思う。口数は少ないけど、楽しそうに人の話を聞いてくれる。僕が、聞き取れないでいると、すぐにノートに書き取ってくれる。笑い方も可愛い。年下相手にこんなにドキドキしたのは初めてだ。

Nさんの予想に反し、その後は客が途絶えることはなく、僕が彼と話す時間もなかった。隣の店に移ればいいだけの話だが、Nさんの手前それも出来ずにその日は終わった。帰り際、〔僕は明日休みだから〕とNさん。明日は隣りの店でごゆっくりどうぞ、という意味で言ったのだろうか…。

あっけないほどあっさりと台風が過ぎ去り、午後には晴れ間ものぞいた翌日。滞在最終夜。晩飯を済ませると、もちろん広場へ向かい、彼のいるD店のテーブルに腰をおろした。

すぐに彼がやってきて〔今日は隣じゃなくていいの〕と聞いてきた。〔今日はずっとここにいるよ〕と僕。注文したビールを持ってくると、そのままテーブルに座る。僕はおもむろに紙とペンを出し、〔仕事が終わったらホテルにおいで〕といいながら、ホテルの地図を書き始めた。彼も頷きながら紙を覗きこんでいる。と、タイミング悪く、彼の友人らしき人物が僕の隣の席にいきなり座ってきた。

何やら話しているのだが、喋り方が早くてさっぱり分からない。そう思って初めて、彼は今まで自分に合わせた速さで話してくれていたことに気付いた。

その友人に対してはちょっとムッとしながらも、彼の気遣いにうれしくなっていると、〔彼は?〕〔友達。日本から遊びに来ているんだ。〕と話題が振られたようだ。友達と言ってもらえたことに舞い上がりつつも、友人の視線が僕の手もとに落ちる前に、ホテルの名前を書いていた紙を隠した。

彼は人気者なのだろう。僕たちの座っているテーブルには、彼を見つけた人たちが入れ替わり立ち変わりでやってくる。もちろん彼は仕事中なので、テーブルにずっといる訳ではない。彼がカウンターの中にいる時、僕は彼の友人たちと時間を過ごすしかなかった。

しばらくたって彼がテーブルに戻ると、同じテーブルにいた一人が〔彼氏はいるの?〕と僕に聞いてきた。僕を見る彼の眼は、“そう言えばまだ聞いてなかったけど”という眼だ。一瞬の迷い。嘘をつくかどうか。

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2008年12月05日

年下の男−08

tpe黒リン2秒の時間は二人の距離を、物理的にも精神的にも近づけた。

Nさんが戻ってきた後も、僕らは手を握り続けた。客の背中側の壁は、なんでも見通せそうな大きな鏡が貼られているので、カウンターの中からは手と手の絡ませあいは丸見えだ。Nさんはその行為を口にすることなく新しい話題を提供してきた。僕は相槌を打ち、聞き取れないNさんの言葉があると、彼は筆談で説明をしてくれた。

僕は調子に乗って絡ませていた指を伸ばした。まだ見ぬモノが収まる膨らみに触れた。思わず彼の顔を見た。膨らみは暖かく湿り、そして堅かったのだ。嬉しかった。異国の男が自分に対し起立させていることが。

触れた左手を彼からそっと離し、カウンターの上に乗せ、グラスを持つ。代わりに右手をカウンターの下にくぐらせ彼の右手を握り、自分の股間の膨らみにあてがった。熱く固くなった部分に。…この後、どうしよう。

〔あ、○○くんが来た。〕

注意を促すかのようにNさんが店の外を見ながら言った。

僕らは手を離し、体を離し、外を見た。話に夢中だったためか、広場を打ち付ける雨の音にも、吹き抜ける風の音にも、テーブルのすぐ外まで振り込んでいた雨の冷たさにも気付かずにいたようだ。

やってきた客は二人。昨日会った人達だ。

〔やあ〕
〔こんにちは〕
〔昨日はあの後、何時まで飲んでたの?〕 
〔2時間くらいかな〕 
〔今日は雨の中わざわざ来たの?〕
〔だって3泊の滞在だからね〕
〔そりゃお疲れさん。そうだ、こっちで一緒に飲もうよ〕

そう誘われ、我々二人とやってきた二人がテーブルに着いた。

僕と台湾人3人の間には共通の既成事項がない。これは便利なようでやっかいでもあった。何を聞いても聞かれても全てが真新しい。逆に、彼ら3人の日頃の話題になると途端に置いていかれた。そんな時も彼は僕をさりげなく気遣ってくれた。

僕が会話を聞き取れないでいると筆談をしてくれ、膝を叩いて笑うような時は、自分の膝ではなく僕の膝を叩く。こっちもおいしそうだね、と言って僕のグラスを口にする。ずっと前からこの店を知っていたのではと錯覚するような暖かい時間だった。

お店には閉店後に降ろすシャッターがあるだけで、営業中に外と中を仕切る扉などはない。間口がそのまま開口していて、外からは中が丸見えの作りだ。

台風前夜。恐ろしいほど重量感のある雨が、そのまま空を引きずってきそうな圧迫感をともなって降っている。外空間と繋がっているのに、この雨ではもう誰も来ないし、今は誰も帰れない。開かれた密室だ。この状況は我々の気持ちをさらに近づけ、Nさんもテーブルに交わり、話題が濃いものへと抵抗なく移行していった。

台湾では、親との同居や友人とのルームシェアを行う人が多い。彼らからすると、日本人の一人暮らしには多少の興味があるようだ。もちろん互いの国のゲイライフ事情などにも知らないことは多く、話題は尽きない。誰にも見られていない安心感から、誰かの家で飲んでいるかのような気持ちになっていた。

前に座るうちの一人が、こいつ乳首感じるんだぜと言いながらそこを摘み、よがらせている。いい体してるよね、といって腕を触る。毛深いよねといわれ、腕を触られる。他も部分も見る?と聞いてシャツを捲り上げる。触ってもいい?と彼に聞かれ、胸や腹を触らせる。

何やら、みんなのスケベ心にスイッチが入ってしまったようだ。言葉が完全に通じなくても、エロ話は成立するもので、そして通じないからこそ、身振り手振りがエロくなっていった。

もちろん店内でしないくらいの常識はあるものの、でも何故か僕のナニだけが二人組によって引きずり出され、披露することとなってしまった。隣に座っている彼は反応しかけの僕のモノをキャーキャーいいながら触ったりもした。あと30秒で完全勃起だった。しかしここで起立させてしまったら、「この間変な日本人が来て、勃たせてったよ。」などと言われかねない。ぐっと堪えて、短パンにしまい込んだ。ここで彼の股間に手を伸ばせない度胸のない自分には、お楽しみはまた後で、と言い聞かせた。

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2008年12月04日

年下の男−07

tpe1坂不安になる暇も与えない速さで、彼は僕の穴にローションを塗り、指を入れてくる。不覚にも、あっさりと根元まで受け入れてしまった。

彼はニヤリと笑いながら、指を引き抜く。と、僕の唾液でまみれているチンポを穴にあてがい、一気に体重をかけてきた。
「Stop, stop !」
思わず、声をあげてしまった。しかし彼は、
「I know, I know」
といって意味深な笑いを向けてくる。 
〔何を知ってるんだよ。〕
〔ココ好きなんでしょ。僕の指、簡単に入っちゃったじゃない。ほら。また簡単に入った。一本じゃ足りないでしょ。〕
〔ん、そ、それは…〕
〔気持ちいいんでしょ。もう二本入ってるよ。〕
なんて奴だ。

僕の中に芽生えていたSの部分はもうない。彼の手首をつかみ、その二本の指先を自ら中へと押し込み、気持ちいい、と首を縦に振った。

噛まれる乳首。握られる玉。

数分前まで、甘い息を漏らしていた僕よりも年下の彼は、年上を責めよがらせるのにアガる野郎になっていた。こんなの、好き。もてあましている若さを全部受け入れるつもりで、彼にしがみつく。

僕が彼とこうなりたいと本気で願ったのは、去年のあの2秒のキス後だった。

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2008年12月03日

年下の男−06

tpe2あか兵隊皺を一本一本舐めるように、穴の周りを刺激する。アッ、という息とともに穴がさらに締まり、緩む。何度繰り返したろう。いよいよ舌先を固くし、一本の皺の外側から内側に向かって舌先を這わしていく。そのまま穴の中心に押し込める。

僕の舌先が、確かに彼の体の外側ではない部分を感じた。日頃空気にさらされないその部分は、より暖かく、より柔らかく、肉の味がする。さらに奥に差し入れようとするのだが、彼の内側は優しくきつく拒絶した。

一度、穴から口を離し、彼のモノを再び含む。丸く平べったい渦巻き模様の大きな飴を子供が舐めるように。舌を広げ舌全体で味わう。

僕の頭に彼の両手が乗せられ、掴まれた。彼は腰を振り、まるでバスケットボールを自分の股間に押しつけるように、僕の頭を揺らす。

タチ連中の中には、しゃぶってる最中に頭を掴まれるのをいやがる人がいる。その瞬間に覚めるらしい。ムカツクらしい。敢えて言わせてもらえば、僕にもそんな事がたまにはある。でも大概は、堕とされている感じに欲情し、その要求に応えようとさらに貪りつきたくなる。

口の中で前進と後退を繰り返す彼のチンポは決して長いチンポではないが、頭を掴まれ突き入れられると、喉のかなり奥まで入ってくる。思わずえづいた。ここで離しては日本男児の恥のような気がして、自らさらに奥へと招く。

既に口の中は自分の唾液と彼の先走りとでグチョグチョだ。チンポを咥えたままの口に、自分の右手をそっと近づけ、そのドロドロの涎を手のひらに垂らす。彼の顔を覗き見るが、目をつむって気持ちよさそうな顔をしているだけで、僕の行為には気づいていない。その右手を握るようにして、垂らした涎を指にからめとる。

僕は自ら一層激しく頭を動かし、わざとらしく音を立てる。ジュルジュル、というその音に合わせ、甘いあえぎ声が聞こえてくる。その瞬間、涎でいっぱいの指を穴に差し入れると、声が硬く変わった。ウッウッ、と辛そうだ。でも指は抜いてやらない。さんざん僕の口、いや喉を楽しんだんだから。

チンポから口を離し、きつく締まる穴を眺めながら指を出し入れする。何かを訴えようとする目で僕を見るが、気づかぬふりだ。

ガラステーブルの上のローションを彼のケツに垂らし、キスをしながら塗り込める。人差し指が完全に彼の中に収まったとき、絡めていた舌を軽く噛まれた。彼はそれをわびるように僕の舌をしゃぶる。可愛い顔だ。この顔を歪ませてやろうと、僕のかわいいSの部分が頭をもたげる。

抜いた指に中指を添え再度押し込む。が、入っていかない。

舐め、揉み、また舐め、ローションを塗り込める。何度か繰り返したが、しかしやればやるほど硬くしぼんでいくようだ。強引さも必要かと、ありったけの唾をたらし再挑戦してみた。すると、
「不要、不要、不要、不要、不要」
と悲鳴を上げた。

こういう時にも“不要(ダメ)”を使うんだ! まさに生きた中国語を聞いた気がして冷静に頷いてしまった。

どうやら本当にきついらしい。彼の苦痛に歪んだ顔をちょっとでも見ることが出来たのでヨシとしよう。

体勢を変え、腕枕をしながら顔を寄せる。
〔ごめん。痛かった?〕
〔うん。…Zさんウケ出来るの?〕
〔出来るよ。さっき両方できるって言ったじゃん。〕
〔ホント?〕
〔ホント。〕

彼の目つきがとたんに変わった。いいんだな、そう念を押すような強い目だ。完全に立場が逆転した空気だ。何か変な事を口にしたのだろうか。

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2008年12月02日

年下の男−05

tpe2タイビール今回の滞在の目的は友達をつくること。サウナやハッテン場でではなく、お互いに名前を名乗りあったもの同士として友達になるための一歩を踏み出すことである。これは、さらに具体的な目標になった。彼と真面目に知り合いになりたいという。

そんな思いで、翌晩も時折強く降る雨のなか店に向かった。

台風への警戒により、明日はすべての学校を休校とする、とニュースが伝えていた。広場に着くと昨日とはうって変って閑散としている。風で飛ばされることを避けるためかパラソルは出ていない。外テーブルも雨に濡れているだけで、席に着いているものは、当然誰もいなかった。

Mに入ると、〔こんな天気でも来てくれたんだ。でも今日はもう誰も来ないね、きっと。〕と挨拶をされた。昨日、Mのお店の人だと唯一確認がとれた人だ。名前はNさんという。
(〔  〕 → 中国語での会話)

一本目の台湾啤酒を空けるころ、隣の店の子のことを聞こうかどうか悩み始めた。今日は来るのだろうか。名前は何と言うのだろうか。どんな人がタイプなのだろうか。

二本目の台湾啤酒が無くなるころ、そんな自分のモゾモゾ感を察してか、Nさんが話題を変えてきた。
〔昨日、隣の店にいた子覚えてる?〕
〔ん、ううん。まあね。〕
〔なんだかZさんのこと気にしてるみたいよ。〕
〔え?〕
〔Zさんが帰った後、明日も来るのか、いつ日本に帰るのか、と聞かれたのよ。〕
〔そうなんだ。〕
というよそよそしい言葉と裏腹に、思いっきりにやけた顔をしていたのだろう。Nさんは、
〔がんばってね〜。今日も来るって言ってたから。はいもう一本どうぞ。〕
と言って、二本飲むと三本目は無料になるシステムのその三本目の台湾啤酒を手渡してきた。

ほどなくバイクの軽い音とともに広場にやって来た彼は、Dのシャッターを開け中に入って行った。ひと通りの店の準備を済ませたのか、Mにやってきた彼は、そのまま腰を落ち着けてしまった。
〔こんにちは。〕
〔こんにちは。〕
Nさんが目で、会話しなさいよ、と促してくる。

客の少なさが幸いした。僕のほかにやってくる客もなく、彼の店を訪ねる客もなく。

僕たち三人は、僕の二年目の中国語と、彼らが何故か知っているいやらしい日本語と、何が正解かさえ分からない怪しげな英語と、そして筆談で時間を過ごした。初めて会ったもの同士が聞くであろうひと通りの身の上を話したあとは、たわいもない会話。でも、中国語を勉強していてよかったとしみじみ感じる時間でもあった。

お互いに感じている好感が伝わると、会話にはボディタッチが加わった。笑いながら相手の肩をたたいたり、また冗談なんか言っちゃって、と太ももをたたいたり。Nさんもそれを笑いながら見ている。

雨の夕方とはいえ、8月。僕らの格好は、短パンにTシャツやタンクトップ一枚だ。ちょっと手を伸ばせば、胸の突起や股間の核心部分にすぐに触れられる。スキンシップから一歩進んだタッチに移るのに時間はかからなかった。

おもむろにNさんが、ちょっと出てくるね、と店を出て行ってしまった。まるで「あとは若い人同士で…」のような言い方、タイミングで。

残された僕らは、照れ笑いで酒を口にした。こういうときは年上が先に行動すべきだよなぁ。でも、軽い奴と思われても…。30分にも1時間にも感じられた僅かばかりの葛藤の後、せっかくNさんが出て行ってくれたんだしと自分に言い聞かせ、左手を彼の右の太ももにのせた。

すぐに彼の右手が重なる。指と指をからめながら、お互いに空いている方の手でグラスを持ち、酒を飲みはじめた。もう会話なんて上の空だ。そして何かの拍子に大笑いしながら顔を見合わせた。口は笑ったまま、目が真剣になった。

思い切って顔を近づけると、彼は静かに目を閉じた。唇を重ねた、2秒。

そんな彼のチンポを口に含んだ、プライスレス、の瞬間は感動的だった。一年という時間の隔たりが感動を一層引き立てている。

しかしここでずっと舐め続けるのはあまりタチ役的ではない。あくまで日本人の感覚でだが。そのまま彼の両足を持ち上げ、くの字に体を折り、尻の穴の周りに舌を這わせた。あまりバックの経験はなさそうな硬くすぼんだ穴だ。周りの肌よりもかすかに色が濃く、数は多くはないがきれいに放射状に皺が入っている。

n3103 at 12:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2008年12月01日

年下の男−04

tpe2まち僕がこの部屋を出なければならない時間まであと8時間。いちいち意味を考えていたらもったいないではないか。『男と女の中国語』や『台湾語のスラング』の内容は完全に吹っ飛んでいった。もちろん、吹っ飛ばなくても所詮微々たる語彙量なのだが。今は言葉ではなく、僕の胸のあたりを濡らす彼の先走りが大事で、先走りを産んでいるチンポが大事で、そのチンポをつけている彼の体そのものが大事だ。

へそを舐めると体をよじらせた。僕の顎に彼の亀頭がぶつかり、髭を濡らす。そうだ、彼の先走りで髭をベタベタにして、それを舐めさせよう。脇腹を舐めながら竿を扱き、彼の先走りを自分の髭で拭きとる。先走りを中国語で何と言うのか分からない。「你的(君のだよ)」とだけささやいて髭を彼の口に持っていく。意味を理解したようで、抜けるのではないかと言うほど舌を出し、舐める。子犬のような様子に僕の先っぽももうずぶ濡れだ。

髭が唾液まみれになると、僕は自分の口を彼の竿の付け根に持っていって、吸った。今までで一番短く高い息が漏れた。ほっぺたに彼の肉棒が熱い。思わずチンポを口にした。耳からチンポまでの距離75cm。ベッドに横になってからの時間10分。分速7.5cmで舐め降りてきた喜び、プライスレス。なんのこっちゃ。

彼と知り合ったのは、僕が紅楼広場で2件目に腰をおろしたバーMだ。

バーはどの店もさほど広くはない。カウンターだけなら5−6人も座ればいっぱいだ。その狭さを補うように、店の前にはテーブルとともにパラソルが建てられ広場を埋め尽くしている。暗い広場では、どこからどこまでが、どの店の領地なのか一見しただけでは分からない。目的の店がない僕にとっては関係のないことなのだが。たまたま座ったテーブルを所有する店がMだっただけだ。

Mには、この一角では珍しくソファ席があり、10人以上のグループが賑やかにしていた。

しばらくすると、その中の一人が僕を手招きしてその集団に招いてくれた。二人の日本人を囲む台湾人の集団。彼らは特に知り合いではなく、二人の日本人もまた、1時間ほど前にこの台湾人だけの集団に招き入れられたようだった。

彼氏はいるのか、どんなのがタイプだ、この中にイケるのはいるか、いるならホテルに連れてってもいいぞ。俺は明日暇だぞ。いや俺なら今晩暇だぞ。そんな会話やじゃれあいが続く。

ゲイ同士として台湾人とこんなに近くで接するのは初めてだった。日本ではないという開放感や、なかなかのイケ面揃いでの高揚感のおかげで、酒が進む。飲んでも飲んでも、まだまだ飲める気がしていた。26時を過ぎる頃お開きとなっても、僕はカウンターに座りなおした。

それにしても店の仕組みがよく分からない。広場における店の領地と同じくらい、店員と客、この店の店員と隣の店の店員の境目が曖昧に見える。さっき僕にビールを持ってきた人は実は客? 目の前でカクテルを作っているのは隣の店の子? 外で注文を聞いているのは、さっきまで一緒に飲んでたお客さんじゃないの? ならこの店の責任者は誰? まさにミックスルームでのごちゃ混ぜ感のごとく。入れ換わり立ち換わり。

彼もそんな一人だった。最初は隣のバーDに飲みに来ている客かと思っていた。Mの店の子と仲が良いらしく、ちょくちょくやってきては何事か会話をし、酒を一口飲んで出ていく。その度に目が合い、お互いに微笑んだ。28時頃ようやく店を出る僕に向かって、また、とDのカウンターの中から手を振ってくれた。どうやら彼はDの店の子のようだった。

n3103 at 10:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2008年11月30日

年下の男−03

tpe1テラ「タチネコをどう判断するか知ってる?」昔のそんな会話をふと思い出した。ハッテン場で出会った人のタチネコは、初めに相手のどこを触るかで判断できるのだ、とそいつは二丁目のとあるバーのカウンターで言いきった。

タチは相手の乳首を最初に触り、ネコは相手のチンポに最初に手を伸ばす。そいつの持論だ。ましてや相手の手を自分のチンポに持ってくる奴なんか、百タチしかいねぇだろう、と熱弁を続けた。触らせたら、その肩を寄せ、相手の頭を股間に持ってきてしゃぶらせる。タチが自分の乳首を相手に触らせることなんてあり得ねぇんだ。その場にいた全員が、それは当たっているかもな、とうなずいた。もちろん全員がボトルを一本近く空けていた朝方だったので、まともな思考力が残っているとは思えないが。

<おまえここ感じるんだろ><はやく兄貴のここ欲しい>そうやって乳首とチンポの触りあいから始まることは、確かに経験済みだ。僕が相手の乳首をいきなり触ることは、まずない。

さらに舌を絡ませ、ソファに座ったまま上半身を向き合い抱きあう。僕はバスタオルの上から彼のチンポを撫でる。彼もまたパンツの上から僕の中心を握る。判定法を使うとどっちもネコだ。しかし、彼の眼はタチの好奇心でいっぱいの眼にも思える。

一年分の思いを込めて再び彼の口に吸いつく。上手いか下手か、優しいか乱暴か。そんなことを考える隙間は、僕の思考にはもう残っていない。ただやり遂げるのみだ。時々歯と歯がぶつかり鈍い音が脳に響く。こんな荒いキスは久しぶり。隣のベッドになだれ込んだときには二人とも何も身につけていなかった。

彼は僕のモノを見たことも触ったこともある。しかし僕が彼のチンポを目にするのはこれが初めてだった。遊び焼けしていない竿、雁の程よく張ったピンク色の亀頭。これを味わうのはまだ先に取っておこう。実は、お互いのポジションもまだよく分かっていない。

年上だし、とりあえず僕が彼の上に覆いかぶさり抱きしめた。
「一號?零號?(タチ?ネコ?)」
「都可以(どっちも)」
「真的嗎?(本当?)」
「你呢?(君は?)」
「#$…*……」
よく聞き取れなかった。答えを聞く前に僕が舌を入れたから。彼は、本当に分かったのという目をしたが、この際もうどっちでもいい。入るものは入るし、入らないものは入らないのだ。

上になったまま体を舐め降りていく。耳たぶをかじり、顎を舐める。首筋で髭をこすり、肩を噛む。初めて見る表情に僕もさらに欲情する。左手で肩を抱いたまま、右手で乳首を抓る。洩らす声がもっと聞きたくて、さらに抓る。左の乳首を口に含んでみた。顎とは違ってちょっと苦い味がした。灰っぽい味。誰かに似ている。誰だっけ。誰でもいい。今後この味は、彼の乳首の味だ。体毛の薄い体は舌に優しい。腹や脇腹を何度も往復する。
「痒痒吗(くすぐったい?)」
「痒(うん)」
「笑着表情也可爱(でも笑ってる顔かわいいよ)」
脇の下に顔を埋めた。毛ごと軽く噛むと何やら呻くのだが、聞き取れない。言葉なのか、言葉にならない何かなのか。やはりもうどうでもいい。

n3103 at 07:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2008年11月29日

年下の男−02

tpe2ほんろう去年の8月。自身、もう何度目かになるこの空港に降り立った。時間は間もなく22時。ホテルに着くのは日が変わる前であって欲しい、そう思いながら入国審査を済ませバスに乗り込んだ。乗客は15人程度。ほとんどが地元の人のようだった。

高速に乗ってすぐ車内灯が消された。通路を挟んで向こうの座席に座る人の顔が、携帯の画面に照らされて青白く光っている。外国特有の着信音が前から後ろからしきりに鳴り響く。「喂?(もしもし?)」と答える人の声を聞いて、ここはソウルでもバンコクでもマニラでもハノイでもなく、台湾だと実感してようやく落ち着いた。と同時に、日本にいる時には決して意識することのない、体のどこか奥の方に熱く血が巡っていくのを感じた。

どんな週末になるのか。車窓を過ぎていく大きな広告群の奥に広がる夜空を眺めながら、自分も携帯の電源を入れた。

鉄道の駅にバスが着いた。終着のバス停でもある。途中で意外とたくさんの人が降りたので、ここまで来たのは自分ともう二組だけ。

駅周辺が整備される前、このバス停は駅の南西のはずれにあった。街灯もないただの道端で、終点だと言われてバスを降ろされた当時の心細さを思い出させるものは、何も残っていないようだ。バス専用のターミナルが設けられ、バス以外の車両は公認のタクシーも含めて進入が禁止され、当然タクシーの客引きの人の姿もなくなっていた。バスを降りれば30歩も歩かぬうちに駅構内に入ることができる。

よく言えば都会的、そうでなければ無機質なこのターミナルを離れ、僕はホテルを目指して歩き始めた。

バスを降りてからきっかり30分後。チェックインを済ませ、西門町の一角に立った。後にG誌に特集されることになるゲイバーが集まる紅楼広場とよばれるエリアだ。

デパートや店が立ち並ぶ周辺の通りに比べ、路地を一つ隔てたこの広場は、猥雑に暗い。話し声や笑い声が、広場を取り囲む建物の壁に楽しげに反射している。広場の入り口は車一台が通れるほどの幅だ。奥は案外深いようで、突き当りまで看板が続いていた。

広場の暗さに戸惑った僕がほんの少しの間立ち止まっているうちにも、タンクトップを着た、短パンの、タトゥーが目立つ、胸板の厚い、坊主の、そんな男たちが行き交っていた。まさに、台湾のゲイタウンである。

今まだシャワーを浴びている彼に会ったのは、この街だ。

そんなことを思い出していると、シャワーの音が止まり、腰にタオルを巻いた彼がほどなく出てきた。目を合わせたまま僕の隣に腰をおろす。僕はビールの残りを一気に口に入れると、そのまま彼の肩に手をまわし、顔を近づける。生まれて初めてのキスのようにぎこちなく。

鼻がぶつかり、唇が重なった。見知らぬ歯磨き粉の味とともに、煙草の香りが残っている彼の舌に僕は反応し、パンツの中身は熱く完全に固くなった。

n3103 at 14:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2008年11月28日

年下の男−01

tpe1aテレビを見ている。いや、眺めている。ヴァラエティ番組だ。眺めていると言いなおしたのは、その全てを理解するほどの語学力は持ち合わせていないからだ。古い型のテレビ画面はさっきからずっと紫がかっている。テレビがいけないのか、アンテナがいけないのかは分からないが、ここはお前の国ではないのだ、と主張するような紫にも感じる。

ソファから少し腰を浮かせ、小さなテーブルの上のビールに手を伸ばす。

9月初旬の夜とはいえ、外の気温は昼間とそう変わらない。エアコンは音ばかり大きくて、効いているのかいないのか。昼間の空気がまだ居座っているようだ。シャワーを浴びた後はパンツを穿いただけのままだ。Tシャツは着ていない。

ふた口飲んで姿勢を元に戻すと、自分の汗で濡れていたソファの妙な冷たさを背中に感じた。脂汗なのか、緊張の汗なのか、興奮の汗なのか、なんなのか。健全な汗でないことだけは確かだ。

10畳ほどの部屋のあちこちに目を遣る。

靴棚には剥き出しのまま、革靴やスニーカーが無造作に置いてある。(後でちょっと匂いを嗅いでみよう。)タンスの中にはかなり多くのラフなシャツに混ざって、さっき僕が脱いだシャツもかかっている。明日の朝に渡そうと思っているプレゼントのポロシャツがかけられるであろうタンスでもある。ワンドア式の小さな冷蔵庫の容積はコーラとアイスと霜でほとんどが占められている。冷蔵庫の上には紫のテレビ。もちろん本体の色が紫なのではない。冷蔵庫の脇には箱買いのコーラが積み重ねられている。そして灰色の事務机とパソコン。僕が今座っているソファとは反対側の壁に並んでいるものたちだ。

ソファの右側にベッド。真っ白なシーツではないが、タオルケットと共にきちんと皺なく整えられている。何を思いながら皺を伸ばしたのか。あるいは日ごろからの習慣か。枕に染みついている若い匂いは、当然、既に記憶に残した。

左側には本棚。普通の本に交じって、日本が誇る(?)G誌が一冊、一番下の段に並んでいるのが見える。昨年末頃に発行されたその号には、この部屋の主の写真が載っている。もちろん僕たちが知り合ったのは、もっと前のことだが。

こうやってもう何度も見まわしている。初めて見るものばかりなのに、僕が彼を知る前からここにあったはずのこれらのものが懐かしく感じ、そんな自分に苦笑いする。そしてまた、字幕を頼りにテレビの画面を眺めだす。

タレントたちの笑い声は先程からは自分には届いていない。僕の耳は、この部屋の主が入っている浴室に専ら傾いているからだ。時おり聞こえてくる鼻歌。ご機嫌なようなメロディに安心する。そしてまたビールに手を伸ばす。

このビールの旨さは格別だ。これを飲むまでに13カ月もかかったのだから。

n3103 at 13:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0)