「好朋友な男」

2013年09月20日

“好朋友”な男−7

湿度の高そうな密閉空間に人が集まる場所は好きではない。耐えられなくなったら先帰るよなんちょっと醒めたことを言ってたのに、一番盛り上がってしまった。

ナンパされた子と上半身裸で踊りながらくっつきあったりキスしたりパンツの中に手を突っ込んだり。一緒に行った日本人の友人達とつるむことなく、あれこれと大胆な事も。キマってるもんだから歯止めがかからないのだ。

結局、臨検で中断されるまでの数時間、ノリノリで大はしゃぎ。友人からも、「初めての割に積極的過ぎ〜」「知らないグループの芋虫ダンスに普通なかなか混ざれないよ」と呆れられたのだ。

翌日が仕事じゃなかったら本当にとんでもないことになってた気がする。まさに遅咲きの狂い咲き。

4回目ともなるとここでの楽しみ方もだいぶ要領を得てきた。

一人でいても楽しいし、彼らと一緒でももちろん楽しい。気になるコがいれば何か起こるかもしれないと近寄ってみる。便所では誘われやしないかとソワソワしてみたり。バーカウンターで知らない人と乾杯したり。ホール全体が一つになる瞬間を体感したり。

時計を見ると、いつの間にか4時間以上過ぎていた。なんとなくソワソワしだした。だってこの後、パーティだもん。陣地に戻るとL君がメールのやり取りをしているようだ。

「楽しんだ?」
「うん、めっちゃ楽しんでるよ。」
「そろそろ行こうと思うけど。」
「大丈夫だよ。いつでも行こう。」
「友達が車で迎えに来るまでロビーで待ってようか。」
「うん、よろしくね。」

午前2時すぎ。フロアは最高潮に盛り上がり人で溢れかえている。なかなか出口へと進めずにいると、L君が僕の手を引いて先導してくれた。思わず頬が赤くなる。

ロビーではD君が着替えを済ませていた。僕がロッカーで荷物を取り戻ってくると、二人とも目を丸くした。

「そのままの格好で来てたんだ!」
「寒くない? シャツかそうか?」
「大丈夫。寒さには強いから。でも、この時期は冷えるんだね」
「ちょっとめずらしいかな」
「てっきり薄着に着替えてるんだと思ってた。」
「風邪ひかないようにね」

彼らのちょっとした気遣が嬉しく感じた。

いよいよ“二次会”。

n3103 at 14:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年08月26日

“好朋友”な男−6

柔らかい唇。

お互いの手に力を込め、腰を擦り合わせるように踊りながら、もう一度見つめあい、舌を絡める。

「会えてうれしいよ。」
「僕も。」

と互いにささやいた。短パン越しにL君のふくらみが次第に大きくなった気がする。僕のもかなり興奮気味だ。この場で出来るのはここまで。上を脱ぐのは構わないが、これ以上の行為になると注意を受ける。そこにD君がやってきた。

「楽しんでる?」
「もちろん。台北が羨ましいよ。」
「そうだろう!ようこそ我らが台湾へ。」

そう言うとL君と入れ替わるように抱きついてきた。

「台湾好き?」
「うん、好き。」
「台湾人は?」
「大好きだよ。みんな明るくて楽しい。」
「俺の事、、、大丈夫?」
ワンコのような笑顔で顔を近づけ聞いてきた。
「もちろん。」
キスをしてからそう答えた。

画像でしか見たことのなかった彼らの笑顔が、今僕の目の前にある。D君をギュッと抱き寄せ、首筋に口を這わせると汗の味がした。D君はぼくの股間に手を伸ばし、パーティを楽しみにしてるとつぶやいた。

初めてここに来たのは半年ほど前。2週間の出張中に3度も通いつめてしまった。台湾在住日本人の友人に誘われたのがきっかけだ。チケットもとってもらえたし、慣れてる人たちと一緒ならという安心感から初体験となった。

これがまた面白かったのだ。

n3103 at 14:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年07月09日

“好朋友”な男−5

なんとなく着かず離れず。彼らの知り合いが寄ってくれば会話に混ぜてもらう。名前なんて覚えきれないほどの人と挨拶をした。特にイングリッシュネームは馴染みがないのでピンとこないのだ。ドリンクが切れれば誰かと一緒に買いに行って話しこんでみたり、挨拶を交わした人を見かければ寄って行ってみたり。僕の事をFbで見たことがあると言う人や、何度かメッセージをやり取りしていた人にも出会った。

何杯目かのジントニックを飲み干す頃には足もだいぶフワフワしてきた。

元の場所に戻るとL君が一人で踊っていた。脇に並ぶ。かなりご機嫌のようだ。

「誰か知ってる人いた?」
「いや、西門で会ったことがある人が何人か。」
「そうなんだ。紹介できる人がいたら紹介するよ。」
「ありがと。今日パーティに参加する人はもう来てるの?」
「いや、多分来ないよ。家に戻る途中で拾う予定。」

だいぶ混みだしてきたので、僕たちの距離も最初よりかなり近くなっている。

「日本ではクラブに行ったりするの?」
「ずいぶん前に一、二度ね。」
「飲みに出るのは多いんだよね? フェイスブックによく写真載せてるし。」
「はは、そうだね。」
「六尺の写真もよく見るね。」
「え?恥ずかしいなぁ。」
「全世界に向けて発信してるくせに何言ってるの。」
「確かに。そりゃそうだ。最近はそういう店に行くことが多いかな。」
「今日も六尺?」
「そうだよ。」

会話が止まり、彼の視線が僕の股間に、一瞬向けられた。

そして目を見つめ合いながら無言で身体を近づけあう。

(俺の事イケる?)
(もちろん。僕の事は?)
(もちろん。じゃなきゃ誘わないよ。ウケなんだよね?)
彼の腰に手をまわす。
(うん。タチだよね?)
彼の腕が僕の肩にからまる。
(ああ。今晩は楽しもうね。)
(うん、とことんね。)

僕の認識が間違えでなければ、二人が抱き合うまでの3秒の間に交わされた目での会話はこうなる。

まさに目は口ほどに物を言う。互いに見つめ合いながら近づくこの瞬間がとてもエロく、たまらなく好きだ。

そのまま口を寄せた。

n3103 at 10:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年07月08日

“好朋友”な男−4

L君たちが慣れた感じで自分のIDを見せつつ「ターシーリーベンレン(彼は日本人だから)」という。僕が日本語で日本語のイントネーションで「ん?パスポート?」と顔を向けると、警官はそのまま去っていた。こういう場では英語も中国語も分からない不慣れな日本人でいる事が、とりあえずは楽だ。

所持品検査をされる事はまずないんだけど、それでもドキドキした。

しばらくすると入口の方からざわめきとともに拍手が聞こえてきた。警察が帰ったのだろう。照明が落ち、音楽が流れる。何事もなかったかのように、30分前の状態から、時間が動き出す。

便所に誘われ、3人で個室に入る。手渡される錠剤。コーラと共に飲みこみ、さらに鼻からも吸ってお礼のハグを交わす。よし、今度こそ始めよう。

メインのフロアを奥に進み、一段高くなっている一角に陣取る。陣取ると言っても仲間内の集合場所の目安のようなものだ。ここだとフロアを見渡せるし、ボックス席の客の振りをして座ってしまう事もできる。あらためて乾杯をした。

場内にアナウンスが入り、歓声が飛び交う。音楽が一段と大きくなり、バーにいたコ達もフロアに降りてきた。

僕達もその仲間に混ざる。別に器用に踊れる訳ではない。適当に身体を揺らすだけだし、誰かと抱き合いながらなら相手に合わせる程度だ。それでも十分に楽しめる。

慣らし運転のような音楽の中、他愛もない会話をする。もちろん立ち話ではない。酒も入ってるし、薬を効かすように身体を動かしながらだ。L君はだいぶ身のこなしが軽いようだ。見ているだけで楽しくなる。

n3103 at 10:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年07月01日

“好朋友”な男−3

期待を膨らませながらPへ向かう。友達と一緒に来たことはあるが、一人は初めてだ。ちょっと緊張しつつタクシーを降り、開場待ちの列に並んだ。昼間ベストを買って正解だった。夜11時前。短パンにポロシャツだけでは、もちろん六尺は締めてるけど、かなり肌寒かった。

IDチェック・ボディチェックを受けてから金を払い中に入る。まだそれほど混雑しておらず、ロッカーの空きにも余裕があった。先ほどまで長ズボンにジャンパーだった子達も、一気に露出度の高い格好へと着替え始める。だんだんとアガってきた。

Fb上で互いの写真は何枚も見てる。もしその段階でNGなら、一緒に遊ぼうとも、ましてやパーティにおいでとも言わないはずだ。でも不安が残る。写真と現物がだいぶかけ離れていた経験はあるはずだ。会ったとたんに態度が変わったりして・・・。

そんな不安を吹き飛ばすように、彼は僕を見つけると走ってやってきて、ハグを求めた。

「ようこそようこそ」
「はじめまして。よろしく!」
「こちらこそ。これはオレの彼氏D」
「こんにちは。会えてうれしいです。どうぞよろしく」

D君も写真で見ていた通りの人懐こい笑顔で握手を求めてきた。

よかった。よさそうな人たちじゃん。さぁ、遊ぼう。

しかし、様子が変だ。入口にはあんなにたくさん開場待ちの人がいたのに、あまり入ってこない。音楽が止み照明も明るくなってしまった。ん?臨検?そうつぶやくと、

「多分ね」
「ったく始まる前から勘弁してほしいよ」
「まぁ、盛り上がってから来るよりはいいか」
「確かにね」
「こうなると1時間近くは無理だね」
「でもまだ人数少ないからそんなには・・・案外早く終わるんじゃない?」
「パスポートある?」
「うん、大丈夫。何度か経験してるし」
「そっか、ま、適当に待とう」

なりゆきまかせで僕らは時間をつぶし、その間、彼らの知り合いにも紹介された。今までにここで見かけた人もいれば、西門で見かけてた人もいた。点と点が繋がったような気がして嬉しくなる。名前は覚えられなくても、目が合えば互いに認識をする、そんな人がホール内にたくさんいると思うと、今までとは違うワクワク感が込み上げてくる。

そんな僕たちのもとにも警官はやってきた。

n3103 at 16:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年06月28日

“好朋友”な男−2

今回の滞在は3泊。明日夜L君たちに会うまでは適当に市内をブラブラ。明後日の午後からは台北で仕事を日本人の友人に会う。そんなざっくりとした予定しかない。台湾で仕事の事を考えずに過ごせるなんて幸せすぎる。

滞在中必ず一度は立ち寄る定食屋、パン屋、足ツボ屋、洋服屋、本屋、そしてお寺に足を向けた。人も街も熱気も変わらずにちゃんとここにある事を確認してホッとした。日本以外でも自分の街のように過ごせる場所を作る。台湾でまさにこの夢が叶った事に感謝だ。

10年以上前、初めて台湾に来た時にたまたま立ち寄った鉄板焼きの店。ここがある意味僕にとってのザ・台湾の味と言えるかもしれない。とにかくここの定食を食わないと台湾に来た気がしないのだ。台北駅にほど近い足ツボ屋もそう。人懐っこいおっちゃん(いまだに名前を覚えられない)に足を揉まれないと、何かが欠けているような気がしてしまう。そんな店が街中に散らばる。

翌日、L君にメセージを送る。

「おはよ。」
「おはよ。」
「今日は寒いね。厚着のほうがいいかな?」
「そうだね。でもオレは短パンでP−Clubに行くのが好きだよ。今晩会えるね!」
「うん!僕も楽しみ!!」
「あ、クラブが終わった後にホムパをするけど・・・来れる?」
「ほんと!? もし呼んでもらえるなら参加したい」
「・・・全裸パーティだよ」
「Woow OKOK」
「はは、いわゆるセックスパーティ」
「いいね!ぜひ。」
「で、・・・欲しい?」
「あるなら」
「いま知り合いに頼んでる。Pまで持ってきてくれるはずなんだ」
「なら欲しい!」
「パーティの人数は多くないよ。多くても5,6人くらいかな。多すぎるのも楽しくないし」
「全然OKすよ」
「じゃPで。そうだ、そういえばタチ?ネコ?」
「僕はネコですよ」
「OK、そりゃいいね。Eも要る?」
「うん!お願いします」
「じゃ、あとで」
「クラブで」

n3103 at 10:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年06月27日

“好朋友”な男−1

何度めの台湾だろう。5か月ほど前にも来ている。でも完全プライベートで来るのは久しぶりだ。空港でも機内でも堂々と何の気兼ねもなく、酒が飲める。もう一度言おう。酒が飲める。そりゃもうテンション上がりまくりだ。

ほろ酔い気分で外を眺めていると前方に見えてきた台湾があっという間に近づいてきた。基隆港の上空あたりを通過しながら松山空港へと向かう。

高速道路。マンション。学校。川。車。人の表情まで分かるくらい低空で飛ぶ。

左前方に101。新光三越。なんだろう、この安心感。

そして心拍数が上がる。

台湾で生活する日本人などごまんといる。その人たちに比べれば、年に何度か来るだけの僕が台湾を自分のもののように思うなんて笑っちゃうだろう。それでも、愛着をもって“来たよ”と思う。

空港に着くとさっそくiPhoneの電源を入れた。

「到着しました。」
「ようこそ! 明日会えるの楽しみにしてるよ!」
「こちらこそ。よろしくお願いします!」

2カ月ほど前からFb上でやり取りをしている台湾人のL君にメールを送った。

何故、L君と会おうと思ったのか。

それはもちろんカッコいいから。体型は台湾で主流のガチムチ-ガチデブではなく、スジ筋を二回りくらい大きくした感じとでも言うのか。顔の表情も熊系ではなくどちらかと言うと狼系? ちょっと不思議な雰囲気に惹かれた。

そして親切だから。この時期に台湾に来たことが無いと言えば、春先の気候を教えてくれ さらに服装のアドバイスをくれる。普段何をしてるの?ときけば、私生活での出来事をいろいろと教えてくれる。メールのやり取りをするなかで“会ってみた い”と伝えると、“全然OK〜 是非遊ぼう!”と言ってくれ、今日に至ったのだ。

n3103 at 10:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)