福岡県糸島市の「白糸酒造」(田中信彦社長)で江戸時代後期の創業時から受け継がれる伝統の「ハネ木搾り」による新酒搾りが始まった。機械化が進む中、この手法を残す酒蔵は全国でも珍しく、搾りたての生原酒は2月4日の立春に合わせて発送される。

 ハネ木搾りは約8メートルのカシで作った「ハネ木」の先端に計約1・2トンの石を釣り下げ、てこの原理を利用して木箱に詰められたもろみを搾る技法。同酒造では創立の安政2(1855)年から続けられてきた。

 初搾り2日目の20日は、杜氏(とうじ)の中村常雄さん(73)や蔵人ら4人が石の数を調整しながら縄でハネ木にくくりつけ、新酒をじっくりと搾り出す作業にかかった。田中社長は「今年は寒い日が多く、時間をかけて発酵させることができるため、味がまろやかになる」と仕上がりに期待を込めた。

 田中社長によると、ハネ木搾りは機械作業と異なり、もろみを搾りきれない分、雑味成分が酒に残りにくいという。

 搾りたての生原酒「立春」は745ミリリットル入りで1300円(税込み)。注文販売で受け付けは31日まで。2月20、21日と4月10、11日の4日間は新酒を試飲できる「蔵開き」が予定されている。問い合わせは同酒造((電)092・322・2901)。

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