神奈川県が平成13年に独自に制定した「臨時特例企業税」条例は地方税法に違反しており無効として、いすゞ自動車(東京都)が納税した約19億円の全額返還を求めた訴訟の控訴審判決が25日、東京高裁であった。大橋寛明裁判長は県独自の課税について、「地方税法に矛盾・抵触するものではない」として適法と判断、課税を無効として全額返還を命じた1審横浜地裁判決を破棄し、県側の逆転勝訴とした。

 この企業税は同県に事業所のある資本金5億円以上の企業が対象。地方税法では過去に累積欠損金がある場合、企業は黒字に転じた後でも欠損金の繰り越し控除により、法人事業税を免除される。企業税はこの控除を認めず課税する。企業税は平成20年に失効するまでに計約478億円が徴収された。

 大橋裁判長は、「地方税法に、欠損金の繰り越し控除が全国一律に必ず実施されなければならないほどの強い要請があるとまでは言えず、別の税が課税されることを強く否定してはいない」と指摘。企業税導入の趣旨を「繰り越し控除で税負担していない企業に、収益に見合う税負担を求めること」と説明した上で、「地方税法の法人事業税とは別個の税目として成り立ち得るもので、法人事業税を補完するもの」として、適法な課税と結論づけた。

 神奈川県の松沢成文知事は「負担の公平や税収の安定化を目的として創設したものであり、適法性を認めた本判決は地方分権の観点からも大きな意義がある」とコメントした。

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