水俣病未認定患者の救済問題で熊本地裁が15日、和解に向けた所見を示した。3万人以上に上るとみられる未認定患者の救済問題で、原告2126人を抱える不知火患者会の和解成立は決着へ大きな鍵を握っている。村山内閣当時の95年に続く「第2の水俣病政治決着」は実現するのか。他の患者団体を含めて期待がにじんだ。

 15日午後1時10分から熊本地裁前であった不知火患者会の門前集会。降りしきる雨の中、大石利生会長は原告や支援者約100人を前に「今まで育てた材料はすべて裁判所に渡した。すべての被害者が口にできるようなものを出してほしい」と裁判所への期待を料理にたとえてあいさつした。協議は10分足らずで終了し、駆けだしてきた弁護士が「裁判所が解決所見」と書かれた旗を両手に掲げた。

 園田昭人弁護団長はこの後の会見で、提示内容への評価を避けながらも「解決へ裁判所が十分考えぬいた上で出された所見なので、重く受けとめるべきだ」と述べ、和解に向けた裁判所の積極的な動きを評価した。05年10月の第1陣提訴から4年半。園田団長は「一人一人ではなく全体で議論してほしい」と原告に団結を呼びかけた。

 水俣病救済特別措置法受け入れを表明した他の患者団体からも歓迎の声が出た。会員数3800人と最大の患者団体「水俣病出水の会」(鹿児島県出水市)の事務所にはこの日午後、環境省の小林光事務次官が訪れ、熊本地裁から携帯電話で刻々と入る情報を尾上利夫会長らに伝えた。

 環境省は不知火患者会との協議で決まった一時金や手当の額を他の患者団体にも当てはめる意向を示している。「一時金1人あたり210万円」など提示内容を伝えられた尾上会長は笑顔を見せながら「私たちも前向きに応じたい。今日あす死んでいく会員もいる中で、一日も早い救済を実現させたい」と力を込めた。

 一方、不知火患者会と同じく裁判を続けている「水俣病被害者互助会」(熊本県水俣市)の佐藤英樹会長は、被害実態把握に向けた住民健康調査に所見で触れられていないことに「この所見で被害者が全員救済されるのか心配だ」と語った。【西貴晴、遠山和宏、結城かほる】

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