人気漫画やアニメの画像や動画がインターネット上で無断配信され、著作権が侵害される事例は後を絶たない。悪質なケースは警察が摘発しているが、動画投稿サイトでは、違法動画を削除してもすぐに新たに投稿される「いたちごっこ」の現状がある。このため、敵視一辺倒の姿勢から転換し、こうした投稿を公認する代わりに作品自体の宣伝や広告収入につなげようとする試みも始まっている。

 福岡県警は平成18年、ホームページ上のサイトに人気漫画を掲載していたとして、著作権法違反の疑いで東京都内の会社役員の男=当時(52)=ら3人を逮捕。19年には、京都府警がファイル交換ソフト「ウィニー」を使って週刊少年ジャンプの作品をダウンロードできる状態にしていた大阪市内の男=当時(29)=ら3人を同じ容疑で逮捕している。

 数多くの投稿のチェックには膨大な労力がかかるうえ、効果も上がらないため、違法投稿を逆手にとって利用する動きもある。

 「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」などの人気アニメを制作している角川グループ(東京都)では、個人が同社のアニメを勝手に再編集してユーチューブに投稿した動画のうち、編集の仕方がユニークだったり独創性があったりする“作品”については「公認動画」としてお墨付きを与え、作品の宣伝に生かす試みをスタートさせている。

 具体的には、公認したことを示すマークと広告を動画のページに掲示。動画の再生回数に応じて広告主から得られる収入を、角川グループや原作者、動画の作成者で分配するという「共存」の仕組みを整えており、同社は「新たなビジネスモデルにしたい」としている。

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