大阪府富田林市で2007年12月、運送業・長野勝成さん(当時42歳)がひき逃げされて死亡した事件で、自動車運転過失致死罪に問われた建設作業員・市瀬篤史被告(36)の控訴審判決が15日、大阪高裁であった。

 森岡安広裁判長は「ビールや焼酎を相当飲んでいたうえ、事件後約2か月も逃走した刑事責任は重く、1審判決は軽すぎる」として、執行猶予をつけた1審・大阪地裁判決を破棄し、懲役1年4月の実刑を言い渡した。

 市瀬被告は同罪でいったん不起訴(嫌疑不十分)になったが、長野さんの妻ちえみさん(33)の申し立てを受けた堺検察審査会が「起訴相当」を議決し、大阪地検が起訴した。市瀬被告は飲酒運転だったことも認めたが、証拠がないとして立件されなかった。

 1審の公判では、ちえみさんが被害者参加制度を使って出廷。飲酒運転が起訴対象にならなかったことについて「逃げれば飲酒量はわからない、と国が言ったのも同じ」などと訴えた。

 しかし、判決は、長野さんが現場に横たわっていたことなどを考慮して懲役2年6月、執行猶予4年(求刑・懲役2年6月)としたため、検察側が控訴していた。

 この日、判決後に記者会見したちえみさんは「ホッとしている。みなさんのおかげでここまで来られました」と感謝の言葉を述べた。

 また、長野さんの姉、多村美紀さん(46)も「本当に長かったけど、やっと終結です。(長野さんには)『この判決で“逃げ得”がなくなるといいね』と報告したい」と目を潤ませた。

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