遺産目当てに夫の加藤善一郎さん(当時77歳)と替え玉の男性2人を殺害したなどとして、殺人や詐欺罪などに問われた中国人で元スナック経営、尹麗娜(いん・りな)被告(54)の公判が21日、大阪地裁であった。弁護側は最終弁論で「替え玉殺人を計画しておらず、殺していない」と殺人について改めて無罪を主張。尹被告は約4時間半、「検察が証拠を捏造(ねつぞう)したでっちあげだ」などと意見陳述して結審した。判決は28日の予定。

 検察側は今月13日、「財産目当ての動機は身勝手」などとして死刑を求刑している。

 弁護側はこの日の最終弁論で「(被告に)多額の金員を必要とする事情はなく、殺害の動機がない。男性2人を加藤さん名義で入院させたのは、加藤さんの失跡を隠すためだった」と主張。加藤さんと替え玉とされる高木清さん(当時71歳)殺害について「起訴内容は殺害日時や方法が特定されていない」として公訴棄却を求めた。

 また高木さんについて「遺体の一部が入っていたリュックサックに被告の毛髪が入っていたことを殺害の根拠とする検察側主張は論理が飛躍している」と指摘。インスリンを与えず糖尿病を悪化させて殺害したとされる近藤晃さん(同69歳)についても「病死で、インスリンは自分で管理していると考えていた」と反論した。尹被告は遺産を詐取したとされる詐欺罪などの一部は認めている。【牧野宏美】

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