2005年05月

2005年05月31日

クレオパトラの鼻

東京国立博物館で開催されているベルリンの至宝展を見てきた。
前回ベルリンを訪れた際、時間がなくて博物館島にはいけなかったので、その代表所蔵品が一度に見れたのはありがたかった。

ボッチチェリのビーナスや、マネの温室など、なかなかの名作ぞろいである。
が、一番興味深かったのはクレオパトラの頭部のブロンズだった。
クレオパトラの鼻、それがもう少し低かったら、地の全面は変わっていたろう、とはパスカルのパンセの中の有名なせりふである。

以前、鼻について美の基準を探っていたとき、ふと思いついて、クレオパトラの肖像を探したことがある。そのときは、ルーブルにある貨幣のプロフィールが、現存する唯一のクレオパトラの面影だと教えられたからである。
いささかぼやけた貨幣のプロフィールと違い、今回の彫像では、いかにも古代の王たちを手玉に取った、知的でしかも近代的ともいえる女性の顔貌が刻まれている。

そして肝心の鼻は?
すっきりとした鼻筋は、高からず低からず、優美さとともに意志の強さを示しているといえよう。

僕がこうまでクレオパトラの鼻にこだわるのは、欧米では高い鼻は忌み嫌われ、ふつう鼻の美容整形といえば、間違いなく低く小さくすることを意味するので、パスカルの表現にいささか違和感を感じていたからである。
今回ベルリンの至宝を見て、クレオパトラに限り、あの鼻をいささかでも削ったらさまにならないかなということはなんとなく納得は出来そうにはなってはきたのだが・・・・

2005年05月30日

庭の花

朝から雨である。

これなら昨日植えたバラの苗もしばらく水遣りしないでいいだろう。
黄色の木香薔薇のアーチも花は終わり、ジャーマンアイリスもしぼんでしまい、この週末には、もっと一年草の花でも植え足さなければなるまい。

造園を手がけている三男夫婦に少し手を入れてもらったおかげで、だいぶ庭らしくなってきた。

面白いもので、猫の額ほどの前庭で、どういじりようもない狭さなのに、そのなかに小道をつけただけでかえって広く見えるようになった。
このコーナーには石楠花を植え、この一画はチューリップやヒヤシンスなど秋植えの球根にとっておこうなどと、スペースだけでなく楽しみも広がってくる。

そして今、誰か忘れたがイギリスの詩人の言葉が蘇ってくる。

庭の草花を、ただこうして眺める時がなければ、この世は生きるに値しないだろう。

ワーズワースだったかと思い、調べたが見つからない。誰だったろう、キーツかシェリーか?湖水地方に詩のルーツを求めたくなる。
ま、それはどうでもいい、この気持ちこそ、アンチエイジングの目指すQOL生活の質、の核心だと気づいた今は。


2005年05月29日

美女軍団

しけた話が続いたので、今日はぐっと明るい話題。

NPOアンチエイジングネットワークをサポートする女性陣は、顧問、事務局を問わず、当然ながら美人ぞろいである。
そこで彼女らの集まりは美女軍団と呼ばれるようになった。
美女はまた美食家でもある。企画会議と称して、都内のグールメスポットを探訪するのも業務の一つのようである。

時々は僕も仲間に入れてもらうことがある。すなわち美女軍団野獣一匹。ただし野獣はジャン・マレーのように若くも美男でもないが。

その美女軍団の元気なこと。
最近はどの分野でも、女性のほうがイキがいいようだ。作家であれ、評論家であれ、また実業家であれ。ここで列挙する必要もないだろう。

したがって軍団の集まりに参加すると、年老いた野獣も全身の細胞が心地よく活性化されるのが感じられる、知的にも、そして内分泌的にも。

無理してサプリに頼らずも、心身のウェルネスが保たれ、それ自体がQOL を高めてくれる美女軍団との交流。
これが僕の抗加齢術の一つといえる。
ホルモンレベルとともに、血中コレステロールも上昇してしまうのがいささか難点ではあるが。

2005年05月28日

睡眠障害

フラフラの頭でブロッグを打ち込んでいる。

昨日のショッキングな検査結果の後遺症もあるが、このところ安眠が出来ず、悩んでいる。
寝つきはいいのだが、3時か4時に一度目がさめて、それからなかなか寝付けない。一応トイレには行くが、それほど尿意があるわけでもない。
ストレスが原因とすれば、ま、それは充分すぎるほどあるが。
これも加齢の一症状といわれればそれまでだ。

日野原さんなどは、そこで起きてしまい、仕事に取り掛かるということだが、あの人はいはば化け物だから、凡人のよくすることではない。

時差ぼけの際よく感じるのだが、睡眠のプログラムというのはなかなかデリケートでしかも頑固なもののようである。さらに個人差がはなはだしい。たとえば僕の場合、皆がいいというメラトニン、ハルシオンいろいろ試したが、ほとんど効かないか、かえって妙に目がさえてしまう。

思い切って起き上がって、水など飲むと気分転換になるのか、寝付けることがある。牛乳を飲むとよいという人もいる。ところがこれが昨日から禁止になったので救われない。

ストレスをなくすのが根本的な解決かもしれないが、これは向こう様の都合もあり、そう簡単にお引取りいただけない。

気になるのが、いびきに伴うという睡眠時無呼吸症候群である。配偶者などはもうこれに違いないと決め込んでいる。もうだいぶ前から僕のいびきが自分の睡眠障害の原因だとして、ベッドを隣に移してしまったほどだからだ。
しかし、この診断には入院が必要で、治療には顎が後退しないよう、猿轡みたいなものをはめて寝るのだという。僕にはとても耐えられないし、それ自体が睡眠障害のもとになりそうだ。

未来は決して明るくない、ああ!



2005年05月27日

慢性食事アレルギー

明日からどう生きていくか、途方にくれている。

アメリカで今アンチエイジングの一環として人気のある、慢性食事アレルギーの検査結果が戻ってきたのだ。今、アンチエイジングでは旬の人、うわぶ先生にそそのかされて、血液サンプルをアメリカの検査会社に送ったのが、間違いの元だった。
200種類ほどの食材について、アレルギー指標であるIgG、IgE をチェックし、そのデータから会社が下した結論が以下のごとくである。

乳製品すべて、卵、牡蠣、牛肉、羊肉を完全に排除すること。
冗談じゃない、冬の楽しみは生牡蠣が食えることじゃないか、そしてラム。牛肉もいいが、やはり肉といったらラムに尽きる。

そのうえ、なるべく避けたほうがよいものが卵と乳製品だそうだ。たとえばマヨネーズ、グラタン、卵入りパスタ、ピザ等々。これでもか、これでもかと僕の大好物が槍玉に挙げられている。

だってアレルギーと言われても、何も症状はないじゃないですか、うわぶ先生。と問い詰めると、
いや自覚してなくても、細胞が徐々に犯されているということですよ、と見たようなことを事もなげにいわれる。そのにこやかな顔が、なんと憎らしく見えたこと。

じゃ、いったい何を食べてきゃいいんです、精進料理ですか、頭でも剃って。
これがアンチエイジング・メディシンなら、百害あって一利なしだ,と毒づきたいのをぐっとこらえ、今夜はとりあえずザルそば一杯で我慢し、明日、もっと冷静な頭でこれからの味気ない未来に立ち向かうことにした。




2005年05月26日

アンチエイジング事始

アンチエイジングになぜ関わるようになったのだろう?
きっかけは宇津木先生だったと思う。
僕が顧問をしている白金の北里研究所病院の新築にあたり、形成外科・美容外科を美容医学センターと格上げし、アンチエイジングをその軸に据えたいということだった。
いまから6年ほど前のことである。

アンチエイジング、ふむ。そりゃ、なんだい?

駄目だなあ、ボス。抗加齢医学ですよ、若返り。われわれの今やっている皺伸ばしの手術やケミカルピール、ボトックスなど、みなそれなんですよ。

それじゃ、美容外科とどう違うの?

それだけじゃないんです。最近話題のホルモン療法とか、抗酸化療法とか、全身的な抗加齢対策も取り込んで。つまり、肌の問題一つにしても内と外からの両面から攻めてていく。つまり内外美容ですね。それにはまず、肌年齢というか診断学を確立し、効能を検証していく。どうです。

なるほど。面白そうだね。

というわけで、北里研究所病院に日本で初めてとは言わないが、数少ないアンチエイジングクリニックである、美容医学センターが誕生したのが1999年5月である。

今年で6年目。
公的な病院では珍しいということで、美容医学センターの肌診断は人気を呼び、今では予約の患者が半年待ちという盛況である。


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