2005年09月28日

なぜ今エステティックか?

これまで9回ほどエステティックについてブログを載せたが、なぜ僕がエステに関っているのか、時には、医者ともあろうものが、というニュアンスで問いただされるkとがあるので、ここでチョットそのきっかけに触れておく。

北里大学で形成外科を開設したのは30年ほど前だが、まず手がけたことの一つが、美容外科の併設である。
形成外科は火傷や傷跡など、いわゆる再建外科が中心だが、美容外科も大切で、再建と美容は車の両輪のようなものと主張し続けた。

だが美容外科に手を染めるようになって、ある時僕はふと気がついた。

我々は手術がすべてだが、患者はそうじゃないんじゃないだろうか。誰にしても決して手術はありがたくはない。しかし患者さんが我々のところに来るときは、考え抜いたあげく、自分をきれいにするにはこれしかないと、思いこんでくるわけだ。

しかし、と僕は思った。
その前にまだまだやれることがあるのではないか。たとえばお化粧
もし、メークでごまかせるものなら、それに越したことはない。
手術は危険を伴うし、元には戻せない。又、女性なら必ずお化粧はする。手術の切開線一つとっても、メークを前提としてデザインした方が、遙かに隠しやすいのではないだろうか。

また、おけ化粧以外にも、服飾髪型等手術前に総動員して、検討できることはいくらもあるのではなかろうか。
またその中には当然、心理カウンセラーも含まれる。
その上で、ここだけはどうしても手術でしか解決できません、と煮詰まったところで我々の出番になれば、どんなに無駄な危険を冒さずに、又こちらも安心して手術に踏み切れるのではないだろうか。

こうして、カネボウポーラなど化粧品会社の協力で、エステティッシャンを派遣していただくこととなった。そのころカネボウの研究所には、吉田さんという研究熱心な所長さんがおられた。面白いですね、ということで、外来の一室がサロンではないが、こぎれいな施術室に変貌した。

こうしてリハビリメークという、新しい試みが始まった。
まず、美容外科希望の方に、どこまでメークで改善できるか、専門のメークアップアーティストやエステティッシャンが、丁寧に指導する。その上で、やはり手術になれば、今度は医師と共同で、コンピューターで、シミュレーションを行う。そして、ゴールに関して患者との間で納得がいったところで、手術に踏み切る。

手術後も、又彼女等が、スキンケアをかねたメークの指導を行う。
このエステとの共同作業は二つの副産物をもたらした。

まず、術後のスキンケア特にマッサージは、傷跡の治りによいことがわかった。傷跡はしばしば赤く盛り上がるものだが、これがマッサージで早く平らに柔らかになる。又、皮膚移植の跡も早くなじんでくれる。

又フェーシャルを受けることが、カウンセリングの効果があることもわかった。我々は手術が中心で、どうしても十分に患者との話に時間が割けない。診察室では緊張して、患者も聞きたいことが聞けない。
それが、エステの施術室でエステティッシャンに三十分ほど、ゆっくり顔などマッサージしてもらっているうちに、身も心もリラックスして、気楽に悩みをうち明け、施術者の優しい対応で、心が満たされていく場合がしばしばあった。

エステが効果を追及すればそれだけ医療の分野に踏み込むことになり、また、医療もアンチエイジング、代替医療といっ他新しい分野を開拓するにつれ、エステによるリラクゼーションは重要な武器になる。

これから医師とエステの接点は、広がる一方であり、両者の協力体制がもっともっと、推進されれば患者さんやエステの顧客に大して、よりクオリティの高いサービスが提供できると信じているからである。



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