■イオンファンタジー(4343) 
【ファンダメンタルズ】
 イオンの子会社。ショッピングセンターを中心に、子供・ファミリーをターゲットとしたアミューズメント施設のほか、ヤングアダルト向け店舗も展開。海外では、中国やマレーシアでの事業展開を加速させる方針。
 12/2期通期業績は上方修正された会社計画を上回りそうだ。また、中期的には中国での出店加速、マレーシアでの直営店化等で、海外事業の業績寄与が高まると思われる。中期経営計画(12/2期〜14/2期)では、14/2期営業収益を500億円、うち海外50億円を目標としており、海外事業を中心に今後の成長が期待される。


【テクニカル】
 株価は好調なファンダメンタルズを背景に上昇トレンドが続いている。テクニカル面でも完全に順の上昇パターンとなっており、当面はこの流れが続く可能性が高そうだ。ファンダメンタルズ面でも、既存店売上高の拡大による業績成長と中期的なアジア展開の加速による業績寄与を考慮すると、PER面で成長プレミアムを付与できそうだ。これによる目標株価を13/2期予想PER15倍程度となる2,000円としていることを考慮しても、まだまだ上値余地は十分にありそうだ。

 
■椿本チエイン(6371) 
【ファンダメンタルズ】
 産業用チェーンと自動車エンジン用タイミングチェーンが柱。産業用スチールチェーンは世界シェア25%前後、タイミングチェーンは同35%前後でそれぞれトップシェア。自動車部品事業ではシステムとして完成車メーカーに提案できることが強み。
 12/3期連結営業利益を9%増と予想し、会社計画達成の確度は高そうだ。当社のタイミングチェーンは完成車メーカー各社が投入しはじめている省燃費型の新型エンジンで採用が増加しているほか、韓国や欧州の大手完成車メーカーへの納入も始まっているため、中期的に業界平均以上の成長が期待できよう。

【テクニカル】
 株価は底値から上昇トレンドへの転換を図っているとみられる動きが出てきている。昨年9月以降は350円〜430円程度のレンジでもみ合っていたが、直近でレンジを上抜ける気配が出てきており、今後の動きに注目したい。主力の自動車向けは回復が鈍いものの、工作機械などの産業機械用チェーンや産業機械向けの軸継手などの伸長によるファンダメンタルズの伸びを株価が評価する段階に入ってきそうだ。自動車部品セクターの平均PER約14倍から計算すると520円まで評価可能となっており、株価が次のステップ入りする可能性を期待したい。

 
■ハイデイ日高(7611) 
【ファンダメンタルズ】
 低価格中華食堂「日高屋」等を首都圏で展開。駅前・繁華街一等立地を中心とする出店で、アルコール比率が高いことが特徴。駅前一等立地は、他のラーメン系業態との競争が緩やかなこともあり、高い収益性を実現している。11/2期末店舗数は272店。
 11年6月以降、既存店売上高が回復基調にある。特に、9月以降は、9月5日人気番組「お試しかっ!」で「日高屋」が取り上げられた宣伝効果も加わり、伸び率が高まっている。12月も気温の低下や11月下旬の季節限定メニュー「チゲ味噌ラーメン」の投入効果もあり、販売は堅調に推移しているもよう。今後も新規顧客のリピーター化が期待でき、下期の既存店売上高は3%増が予想される。

【テクニカル】
 株価はここ数カ月1,200円レベルで推移していたが、今年に入って1,300円台に入り一気に上昇トレンド形成の動きとなってきた。既存店売上高の回復などファンダメンタルズの好調を株価がようやく織り込み出した可能性が高そうだ。2月決算決期末の株主優待などの権利取りに向けての株価の動きも期待できそうだ。中期的な成長性や高い収益性などから、今期予想PER12倍程度の評価は可能と思われ、目標株価は1,800円となっており、まだ上値余地が期待できそうだ。

 
■シチズンホールディングス(7762) 
【ファンダメンタルズ】
 時計市場ではクォーツタイプのムーブメントで世界シェアトップ圏内。近年は、完成品のブランド力育成を強化。産業用機械事業では、時計などの精密金属加工のノウハウを活用し、同加工用の工作機械などを手掛ける。
 12/3期は震災の影響により業績は伸び悩むものの、13/3期は時計事業を中心に業績は回復に向かいそうだ。時計の年末商戦向けの出荷は、南欧を除き堅調に推移。足元やや回復してきたとみられる。腕時計は高額品が売れる傾向にあり、平均購入価格の上昇が続こう。また、女性用の小型電波ソーラー腕時計の市場も活性化。

【テクニカル】
 株価は徐々に底値を切り上げる動きが続いている。昨年9月の352円を底値に既に100円以上水準を切り上げている。震災の影響は既に織り込み済みであり、この先の回復を株価が評価してきているのかもしれない。現状の株価はPBR1倍割れの水準であり、時計市場の高付加価値化の傾向を考慮すると再評価の余地を考慮すればPBR1倍となる550円までは戻ってもおかしくないのではなかろうか。
 

 
■AOKIホールディングス(8214) 
【ファンダメンタルズ】
 ファッション事業、アニヴェルセル・ブライダル事業(結婚式場の施設の運営によるブライダル等のサービス提供)、カラオケルーム運営事業、複合カフェ運営事業などを展開。11/3期連結営業利益の事業別構成比は順に71%、12%、10%、7%。
 ファッション事業の既存店売上高はプラス基調が継続。クールビズ関連需要を背景に、ビジネスシャツとスラックスが好調なうえ、レディス商品も約40%の伸び。レディス商品の拡充やセールスプロモーションへの注力で同事業の既存店売上高は堅調な推移が期待される。

【テクニカル】
 株価は11月の底値1,016円を底にゆるかな上昇トレンドにある。ファンダメンタルズ面では既存店売上高も堅調であり、今後の成長力に加え、安定性もあると評価できる。従って、実績PBR0.5倍の現状の株価は、まだ割安感が強いと考えられ、実績PBR0.8倍程度となる1,850円くらいまでは株価が戻る可能性は十分ありそうだ。