今年の3月に修士課程を修了した中寺さんの筆頭論文がEnvironmental Researchに受理されました!
Nakadera, M., Endo, W., Oi, N., Yagita, A., Tanaka, R., Izuta, T. and Watanabe, M. (2024) Differences of stomatal ozone uptake in leaves of mature trees and seedlings of Zelkova serrata. Environmental Research, Vol. 261, 119673.
中寺さんの修士論文の成果をまとめた内容で、1月に参加したIUFRO国際会議で渡辺が口頭発表し、同国際会議からの特集号に投稿していました。都市緑化樹による大気浄化(葉におけるオゾン吸収)を評価するうえで、葉の気孔コンダクタンス(気孔におけるガスの通りやすさ=オゾンの吸収しやすさ)の評価は最も重要な項目の一つです。この論文ではケヤキを対象として、成木と苗木の葉の気孔コンダクタンスの環境応答がどのように異なるのか?その違いはどのような理由によるものなのかについて調査しています。合計で4年間に渡る測定を取りまとめると共に、様々な葉の特性評価を行ったことで、論文の審査員からも、その堅実なデータセットについて非常に高い評価を頂きました。
ケヤキ成木の調査の際は建物の屋上から行っており、私が一緒に屋上に行く必要がありました。朝3時から測定したり、昼の36℃のデータを取ったりと、私にとっても思い出深い調査で、このような形で論文に掲載されることになり嬉しく思います。
最近、私の研究室では修士課程の学生が筆頭著者の投稿論文が増えてきました。実は研究室運営における方針の1つとして私自身が強く意識していることでもあります。学生の皆さんの努力が、農工大の卒業論文や修士論文としてだけでなく、世界的な研究分野における原著論文として、その歴史に刻まれることはとても大きな意義があることだと思います。学生さんにとっても、私にとっても、多大な努力が必要な原著論文の掲載ですが、今後も続けていきたいと思います。