2017年06月21日

すずめ台に思いをはせる夏至の日

 
今日は、午後に出かける用事を、雨が強くなる前の朝に移し、あとは家で悠々と過ごした。
明治のいちごオレを飲みながら、祖母宅から持ってきた三田誠広氏のエッセイを読んでいると、気がつけば夕方。
雨なので外は暗いが、今日は夏至だ。
朝から鼻水とくしゃみがひどいが、わりと気分のいい一日だった。

僕は小説を書く人間としては異常なぐらい小説を読まない。
『響』という漫画で、新人賞をとった小説家が小説の読書量を聞かれ、「月に6、7冊」と答えたら、重鎮に「少ない」と言われるシーンがあるのだけれど、それを見て愕然としてしまった。
僕なんか年に6、7冊も読んでいるか疑問である(年によってかなり変動はあれど)。
音楽を聴かない音楽家がたぶん大成しない(しにくい)のと同じように、小説を読まない小説家というのもなかなか難しいところがあるように思う。
だからいろいろ読まないとなあと思いつつ、なかなか頁が進まない。

僕が体系的に小説を読んでいる作家は二人しかいない。
三田誠広氏と村上春樹氏である。
中上健次氏や、池澤夏樹氏、重松清氏も好きだが、読んでいますと胸を張って言えるかといえば、その限りではない。
もちろんほかにも読んでいる作家の小説はいっぱいある。
ただ、ずっと「追いかけている」作家は、ほかには、うーん、思い浮かばない(強いて言えば山崎ナオコーラさんぐらいか?)。
小説以外を含めても、「追いかけている」作者というのは少ない。
紀行作家の宮脇俊三氏と、ミュージシャンの宮沢和史氏の著書ぐらいだ。

読書量が少ないというのは、恥にはなっても自慢にはならないから、このくらいでやめよう。
いずれにしろ、そんなわけで、今日は珍しく本(小説ではないけれど)をまとめて読んだ。

三田誠広氏のファンになって、もう16年ぐらいだろうか。
人生の半分以上、三田誠広を追いかけている31歳というのも、極めて稀だろう。
氏が八王子めじろ台に住んでいた頃のエッセイを10代のときから持っている31歳も、まあほかにはいないだろう。
それを2017年の夏至の日に読みふける31歳というのも、日本中で僕だけに違いない。

でも、読書量の少ない僕が言うのも説得力に欠けるが、読書はいいものだ。
読むと、何かを書きたくなる(なのでこの記事を書いている)。
クリエイター仲間のインディーズ作品もいいけれど、やはりプロが書いたものは少し違う。
中にはひどいものと思ってしまう文章を書くプロもいるが、それで金をもらって飯を食っているのだと考えると、一定以上の存在意義がある文章なのだろうとも思う。
アマチュアとプロの違いというのは、そのあたりなのかもしれない。
アマチュアが悪いとは言わないけれど、プロはやっぱりそれなりに「エラい」のだ。




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nabe_station0109 at 17:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日常 | 本棚

2017年06月20日

それでも僕がCDを買う理由

 
僕はCDを買う。
最近は数が減ったが、買う。
その結果、おそらく900枚前後のCDを所持している。
別にたいした数ではないけれど、同世代で比較したら多い方だとは思う。

今日日CDなんて、とお思いの方もいらっしゃるだろうが、そこには確固たる思いがあってのこと。
それは、将来、自分に子どもが生まれたとき、手にとって音楽に触れてほしいという思い。
データではなく、CDという物体を手にとり、ジャケットを眺めて、そして音を聴いて自分の音楽を形成してほしい。
僕はそうやって自分の中の音楽を育ててきたし、それが一番だと思っている。
音楽は財産だから、自分の手で選択肢を減らすようなことはしたくない。

同じようなことは本にも言える。
だから僕は本を買う。
でもCDと違って、本はより場所をとるし、当たり外れも大きいから、たまに売るし、漫画は全体的に電子書籍に移行しつつある。
もちろん理想は図書館のような空間を作り、そこで玉石あわせて探して読んでもらいたいけれど、なかなかそうもいかないのが現実。
でも、少なくとも音楽に関しては、「いい」と思ったものを手元に置いておきたい。




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nabe_station0109 at 23:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 意識 | 音楽

2017年06月19日

言い訳なんて聞きたくない

 
例外を作れなければ二流だと思っている。
言い訳なんて聞きたくない。
年齢、時間、収入、精神的な弱さ、身体的なハンデ、そういうものと上手に付き合える才能とそのための努力がなければ、いつまで経っても一流にはなれない。
僕は一流になりたいから、それらをすべて受け入れた上で、セールスポイントに変えていきたい。
「大人の事情」なんていう便利な言葉に使われるぐらいなら、アーティストなんて、クリエイターなんて、やめてしまえばいい。




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nabe_station0109 at 20:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 意識 

2017年06月14日

『7:3のコーヒー牛乳』創作ノート

 
「ねえ、死ぬのは怖い?  
偶然入った喫茶店で繰り広げられるマミと店主の会話。
喘息と金縛りがもたらす人生における変化とは。



今ではほぼ完治しましたが、僕は喘息を持っています。
大学生ぐらいまでは金縛りにも時々あいました。
その経験を活かして書いたのが、作品No.002『7:3のコーヒー牛乳』です。

特に喘息はひどく、小学生の頃は、寝ているあいだに発作が起きて、深夜に病院に行くこともしばしばでした。
喘息という経験は、僕に、「生」というものを意識させるには十分なものでした。
作中でのマミの言葉というのは、僕の実体験であり、僕が思ってきたことでもあります。
もちろん、僕は絵が描けないので、極限状態で絵を描くということについては、完全なフィクションですが。

喘息で苦しんできた人の中には、もしかしたら、そうそうこういう感じなんだよ、と共感してくださる方がいらっしゃるかもしれませんし、いないかもしれません。
ただ、かつて、「そう軽くない程度」の喘息を持っていた人間として、ここでの描写は間違いのないものです。

病気というのは、いい思い出ではないかもしれないけれど、いい経験であるとは思います。
作品としての完成度はわからないですが、その意味で、とても思い入れのある作品です。

なお、作中に登場する「電動吸入器」は、もう存在しないものかもしれません。
マミが言うように、体に大きな負担をかけるものだったので、現在はもっとコンパクトで負担の少ないものにかわっています。
こういう時代もあったんだなあと思っていただけると幸いです。




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nabe_station0109 at 20:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 小説 | 創作ノート

2017年06月13日

『高円寺の伯母のこと』創作ノート

 
今回の第二回文学フリマ岩手から、作品をすべてリニューアルしました。
業者による印刷、製本から、自宅での印刷、手製本に変更したのです。
当然、装丁も変更。用紙も変更。
そのあたりの詳しいことについては、渡邊祐介個人編集雑誌『月齢28』創刊号を読んでいただきたいのですが、今回の変更によって、これまで3冊にまとめられていた僕の作品は、8冊(プラス新作1冊)に数を増やしました。
創作ノートについては、これまでもいくつか書いてきましたが、ここであらためて、全作品について、いま書けることを書いていきたいと思います。

それでは、今回は、作品No.001『高円寺の伯母のこと』について。



***
「君はきっと、いろいろなものに好かれるタイプなんだよ  
どうしても好きになれない伯母が亡くなった。
孝子は何を感じ、何を求めるのか。



「中央線ピープル」シリーズの第1弾として書かれた『高円寺の伯母のこと』の原型は、大学時代の小説にあります。
当時、僕は『中央線ピープル』という、3つの短編を組み合わせた原稿用紙100枚ほどの小説を書いていました。
その中の最初のストーリーが、『高円寺の伯母のこと』の原型となった話でした。
最後に唐突に包丁の話が出てくる、よくわからない話ではあるのですが、当初はもっとよくわからない部分が多くある話だったように記憶しています。
ただ、基本的には、この話については、原型をあまりいじらずに、細かい修正のみにとどめました。
良くも悪くも、このくらいで収めるべき話だと感じたからです。

僕は無意味に人が死ぬ話が好きではないのですが、この話では簡単に伯母が死にます。
今とは執筆や作品に対する考え方が違ったのでしょうね。
その意味では、反省するところも多くある話です。
とはいえ、削ってしまうと話が成り立たなくなってしまうので、その部分は残しました。
これは作品No.003『中央線ピープル』にも言えることです。

全体として、荒削りなところも残っている作品ではあるのですが、その短さもあって、まとまっていると言えなくもない話になっていると思います。
既存の「中央線」シリーズの続編を書くとしたら、この話になるでしょう。
そういう日が来るかはわかりませんが、今でも中央線沿線のどこかに、孝子やその恋人がいると思っていただけると、作者としてはうれしく思います。




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nabe_station0109 at 16:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 小説 | 創作ノート

2017年06月10日

スーパー告知タイム! 第二回文学フリマ岩手 詳細発表

 
さあ、いよいよ明日に迫ってまいりました!
ナベシマ&田村コンビはすでに盛岡入りをしているとか。
東北の者ども、集え集え!


◎第二回文学フリマ岩手
・日時:6月11日(日)11:00〜16:00
・場所:岩手県産業会館(サンビル) 7F大ホール
 (盛岡駅下車徒歩15分)
・入場料:無料

◇ブース情報
・名称:言葉の棲むところ
・ウー15


田村一哉渡米につき、田村参加のイベントは今年はこれが最後になる予定です。
田村の音源がほしい方、渡邊祐介のリニューアルした小説が読みたい方、ぜひお越しください!




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BOOTHショップ:言葉の棲むところ
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nabe_station0109 at 06:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 小説 

2017年06月07日

わたしは大丈夫だから。あなたもきっと大丈夫だから。

 
いろんな経験をしてきた。
身体的にも、精神的にも。
あるよりはない方がいいことの方が多かったように思う。
だってみんな、身体に機械を入れられたり、精神を病んで薬漬けになったりはしたくないですよね?

でも、経験してしまった以上、それはすべて等しく経験だ。
もちろん笑えない日だってあった。涙を流す夜だってあった。
どうして生きているんだろうと思う瞬間だってあった。
それでも僕には死ねない理由があるから、地を這って生きてきた。
その結果、僕は、今、笑っている。そりゃ、たまには泣いたりもするけれど。

「誰かの人生を背負って生きていくなんてことはできない。そんなに人生は軽いものじゃない。誰かのために生きていくことなんてできない。それはただのおこがましい考えにすぎない。だから僕は、僕のために生きていくしかない」

かつてこのブログで書いた文章だ。2012年のことだった。
この年はなかなかヘビーな年で、精神状態は最悪だったと言っていいだろう。
この記事で書いていることは、概ね間違っていないと思う。
でも、それから時が経ち、精神状態も、考え方も、少し変わってきて、それだけじゃない、とも思えるようになった。

人は誰のために生きるのか?
それは、自分のためだと思う。
ただ、そこに、ほんの少し、「誰かのため」が加わってもいいと思う。
恋人のため、家族のため、友人のため、泣いている見知らぬ誰かのため。

自分なりにずいぶんと厳しい経験をしてきた。
こんな経験をするのは、自分だけでいい。
経験したことのない人には経験してほしくないし、過去に経験した人にはもう二度と味わってほしくない。
必要ならば、僕をサンドバッグのように殴ればいい。
求めるなら、僕をいつまででも抱きしめればいい。
あの汽車に乗り遅れようとも、歩き疲れた君が立ち止まるたび、何度でもこの道をひきかえす覚悟が僕にはある。

立派だね、なんて言葉はいらない。
この覚悟さえも僕のエゴだとしたら、そこに立派さなんて微塵もないから。
その言葉を、違う言葉に変えて、表情に変えて、必要な誰かに向けてほしい。
僕が必要としているときは、僕に与えてほしい。

あなたと、明日も生きていけることを、僕は祈っている。




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