工場探訪

2019年10月06日

工場の祭典

毎年この時期に新潟県の燕三条では工場の祭典が行われています。
燕三条は金属加工が盛んな「ものづくりのまち」として有名です。
今年もいろいろな工場を見学させていただきました。

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今の日本はものあまりの時代、やはり一つ一つ大切に作っている職人さんを見ていると日本のものづくりの深さを感じることが出来ます。
高齢者や海外から来た職人さんも多く見かけ、工場の方には技術を継承しつつ進化させる苦労もいろいろ伺いました。
あらためて売り手として「日本のもの」を手にする喜びなどもお客様に伝えていけたらと感じました。
同時にお客様の求めているものも「作り手」に伝えていければと考えています。

売り場ではすぐに対応出来ないこともありますが、商品について疑問等ありましたらお気軽におたずね下さい。

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生活の道具 なべや
神奈川県平塚市紅谷町3-19

営業時間 10時~19時(水曜日のみ18時まで)
定休日   月1回水曜日
電話   0463-21-0206㈹

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2018年11月11日

工場探訪記その2 ウルシヤマ金属工業

 ウルシヤマ金属工業(ブランド名ユミック)は、アルミとステンレスの調理器具メーカーです。
聞きなれない方もいるかと思いますが、有名デパートの「日本製フライパン」は、ほとんどがウルシヤマ工業製で、高品質なフッ素加工フライパンを主に製造しています。
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ウルシヤマ金属工業は、昭和23年に漆山金属工業株式会社を設立し、昨年70周年を迎えた歴史のある会社です。
本社工場は、新潟県のほぼ中央の信濃川沿いに位置する日本一の金物産地、燕地域にあります。

 今回は、ウルシヤマ金属の本社工場と岩室工場を訪ねてきました。
出迎えていただいた営業課の金子さんです。
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私が本社ビルに入るなり社員全員が立ち上がって挨拶をしてくれました。少し恥ずかしかったですが、お客様が事務所に訪問の際は毎回立ち上がって挨拶をされるそうで、挨拶を大切にするまじめな社風が見えました。
会議室でひと通り商品の説明をして頂き、その後本社工場へ案内して頂きました。
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 本社工場では、アルミキャストフライパンの製造を行っていました。
アルミキャストフライパンは、アルミフライパンの底面に厚みをもたせた製品で、アルミの特徴である抜群の熱伝導性と底面を厚くすることで蓄熱性を兼ね揃えたフライパンです。
当店では、「ベルベッティ」と言うガス火用のシリーズを販売しています。

① アルミの塊を溶かしてフライパンの型に流し込みます。
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フライパンの性能を決める最も重要な工程です。もの凄く熱く過酷な作業ですが、機械化は難しく職人の手でなければできません。

② 型からフライパン本体を取り出し細かく検品します。
この時点で不良の物は、また溶かして再利用します。
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③ 型に流し込む際に出来た余分な部分を切断します。
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④ 旋盤加工…フライパン本体を仕上がりの寸法まで内面、外面と削っていきます。
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現在は機械化が進み大量かつ安全に加工寸法通りに仕上げてくれますが(写真上)、データー化が難しい曲線などは、職人の技術で仕上げています。(写真下)

⑤ 旋盤作業で使用した油分を洗浄します。
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⑥ 下地処理加工
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フライパンの表面を荒らすことによって、フッ素コーティングの本体への密着性を高めます。その後に下地コートを塗ります。

⑦ 内側コーティング…中間コート→トップコート→炉で焼いて仕上げる
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フッ素コーティング加工もフライパンの寿命を決める大切な工程です。
ウルシヤマ金属のフッ素コーティングは「テフロン」を使用しています。
フッ素樹脂のことを「テフロン」と思っているお客様もいらっしゃいますが、「テフロン」とは、アメリカ・ケーマーズ社のフッ素樹脂のブランド名です。
ウルシヤマ金属は、ケーマーズ社よりライセンスを取得し、いくつもの厳しい品質テストを行い「テフロン」を加工製造しています。
写真上は機械で加工していますが、一部職人の手で作業しています。
写真下の職人さんは、狂いのない厚みで仕上げるそうです。

⑧ 外側コーティング…下地処理→トップコート→炉で焼いて仕上げる
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⑨ 取手取り付け
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取付の際のカシメ(取付金具)も本体と同じ「テフロン」コーティングをしています。

⑩ 検品
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女性の方が作業されていましたが、カメラを向けるとよけられました…
細かい検品の作業は、男性より女性の方がむいているそうです。

⑪ 箱づめ→出荷

ひと通り本社工場をまわった後は、今度は近くの岩室工場へ移動します。

 岩室工場は、主にアルミとステンレスの多層フライパンを製造しています。
アルミとステンレスの多層フライパンは、アルミの熱伝導性にステンレスの蓄熱性を合わせた高品質フライパンです。少々フライパンが重くなりますが、電磁調理に向いているのが特徴です。

※本社工場と重複している工程は項目のみ紹介します。
① 材料受入れ…協力業者にてアルミとステンレスを圧着した丸い板を搬入します。
アルミ板

② プレス・深絞り…プレス機で成形します。
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③ 側抜き…プレス機で余分な部分(ツバ)を抜きます。
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④ フチ切り・旋盤加工…フチの鋭利な部分を面取りします。

⑤ フッ素コーティング(テフロン)加工…下地処理→乾燥→中間コート→トップコート→450度の炉で焼く

⑥ 研磨
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⑦ 洗浄…加工作業で付いた油を洗浄します。
⑧ 取手取り付け
⑨ 検品
⑩ 箱づめ→出荷


 工場の製造工程にあったフライパンのコーティングについて自分自身の感想を書いてみたいと思います。

フライパンは大きく分けて「コーティングされているもの」と「素地の物」とで分けられます。
「素地の物」例えば鉄やアルミ・ステンレス・銅などのフライパンは、それぞれの素材によって得意な料理がありますが、コツをつかめばずっと使っていただけるフライパンです。しかし扱いにひと手間かかるので手早くお料理をしたい方には「コーティングされているもの」が向いていると思います。

「コーティングされているもの」の中には、フッ素コーティング(テフロン・マーブルコート・ダイヤモンドコート・ティファールのチタンコーティングなど)やセラミックコーティングなどがあります。
セラミックコーティングは、テレビなどでも一時期有名になりましたが、自分が使ってみて、「素地の物」と「フッ素加工の物」の中間的な印象でした。コーティング自体の耐熱温度も高いし耐久性も良かったです。がやはり油を引いたり細かい温度調節を行うなど使用する際にひと手間かけないとダメです。それならば「素地の物でもよいのかな」という感想です。
フッ素コーティングは、後片付けを楽にしたい方やなるべく油を使いたくない方に向いています。欠点としてはコーティングの耐熱温度が低いので空焚き(予熱は除く)は厳禁ですが、一般的に鍋料理と違ってフライパンから離れる事は少ないのではと考えています
もしも空焚き等で300度以上加熱してしまったらフライパンの事より火事を心配した方がよいと思います。
フッ素コーティングの中では前述の通り「テフロン」は厳しい品質検査を行っていますのでおすすめです。さらに付け加えると、フッ素コーティング・フライパンに重要なのは「フライパンの厚み」だと思います。
重すぎるのは扱いにくくなるのですが、ある程度「厚み」がないとどんな良いコーティングも持ちません。基本的に「テフロン」ブランドは厚みがあり高品質なフライパンにコーティングされています。
今回のウルシヤマ金属のフライパンも「高品質の本体」+「テフロン加工」の組み合わせなっています。
ちなみに、昔は一部有害になりうる材料(ただしテフロンそのものではない)を使っていた時期もあったようですが現在は使っていないので安全です。(ウルシヤマ金属の金子さん確認済みです…)

すなわち現時点で価格も含め家庭料理に使うフライパンとしては、「テフロン加工」フライパンはベストでないかもしれませんがベターかなと思います。

 今回ウルシヤマ金属の工場を見学してみて、日本の工場らしく各工程でしっかりフライパンを製作していました。また、大きな工場で機械化も進んでいましたが、やはり細かいところや複雑なところは人の手によって作られていました。改めて日本製品の安心感は機械ではなく人(職人)から生まれているのだと再確認しました。

「生活の道具 なべや」
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2018年10月16日

工場探訪記その1 宮﨑製作所(ミヤコ)




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宮﨑製作所(以下ミヤコ)のお鍋は、どれもお勧め品ばかりです。
シリーズとしては、全面7層構造の鍋「ジオプロダクト」全面3層鋼の鍋「オブジェ」電磁調理器に特化した鍋「サスティナ」を当店でも販売しています。
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私自身、社会人になったときに親にオブジェを持たせてもらい、結婚してからはジオプロダクトを使っています。
約30年前のオブジェのお鍋は小さめなので、たまにハイキングなどで使用する程度になってしまいましたが、いまでも問題なく使えます。(男の一人暮らしであまり料理をしなかったこともあるかもしれませんが…)
現役のジオプロダクトは、毎日の料理に大活躍。デザインがシンプルでお手入れもしやすいですし性能も日本製のお鍋の中では間違いなくトップクラスだと思っています。
そんなお鍋を製作しているところを見たくなり、ミヤコの工場にお邪魔してきました。


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ミヤコは、新潟県ほぼ中央の信濃川沿いに位置する燕市にあります。
燕地域は江戸時代の和釘作りからはじまり金属工業へ発展しました。大正時代には、洋食器の生産にその金工技術が活かされ、工業化を進める一方で伝統的な技法を守り続けている金属加工一大産地へとなりました。
そしてこの場所に、社名:宮﨑プレスとして1960年金物産地の新潟県燕市に誕生しました。
今回は、常務取締役の永嶋さんに工場を一通り案内していただきました。
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① 材料受け入れ
丸い板状の材料(各お鍋によって3層や7層になっている)を受入れます。

② 絞り加工…鍋の形を作ります
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プレス加工のなかで難しい絞り加工は、職人・金型・機械などが高レベルでかみ合ってこそ、ひずみのない加工が出来るそうです。

③ 側抜き…余分な部分を切り抜き、正円にします。
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④ 縁処理…お鍋の縁を巻くなどして処理します。
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実際、処理後にフチを触らせていただきましたが引っ掛かりが取れていました。
フチの処理が悪いと液だれしやすくなり鍋のお手入れが大変になります。

⑤ 磨き…ジオシリーズでは、計7回(粗磨き3回・仕上げ4回)磨いて仕上げていきます。
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磨きも職人さんの技術が問われるところ。細かい作業も手際良くされていました。

⑥ ハンドル(つまみ・取手)溶接
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こちらも不良の原因になりやすい箇所。しっかり取り付けていました。

⑦ 溶接後の研磨

⑧ 洗浄…各作業工程でくっついた油分や汚れを取り除きます。
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⑨ 検品
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傷や不具合、汚れなど手にとって1品1品細かくチェックしていきます。
検品した商品に汚れが付かないようテーブルに敷いた新聞紙を見て、ちょっとした気遣いが「日本のものづくり」なんだと改めて思いました。

⑩ 箱詰め
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手作業で丁寧に袋に入れてから箱詰めしていました。

⑪ 出荷
1日に出来る数は300~400個ほど、さらに製作する種類など注文に応じて細かく対応しているそうです。


工場をひと通り見学させていただいた後、2階ギャラリーにてミヤコの永嶋さんに少しお話を伺いました。
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まず、ギャラリーに入って改めてお鍋の種類の多さに驚きます。
「お客様の要望を聞いているうちにだんだん種類が多くなってしまった」との事。
さらにお鍋の使い方等でいくつか質問させていただいた時も、奥からすぐにその回答になる資料を持ってきて見せていただき、普段から「お客様の声」を大切にしているのだと凄く感じました。
 
 改めてミヤコの理念を尋ねると、「いいものをまじめにコツコツ作り続ける」そしてお客様には「商品を長く使っていただきたい」との事、その為に企画から出荷まで一貫して社内管理し、さらに部品やメンテナンス等のアフターサービスにも力を入れているそうです。
私自身、ミヤコのお鍋を販売したり使ったりして思っていたことだったので、ミヤコの理念に納得しました。

 最後に、永嶋さん曰く「ジオの鍋でちょっとの水をいれてゆで卵をつくると、すごく美味しいよ。試してみて。」と楽しそうに話してくれました。「販売店の方も豪華メニューでなく出汁とかの火力調整など日常の使い方を教えてあげたらどうかな」とアドバイスをいただき、改めて販売する方も作り手の思いをきちんとお客様に伝えていかなければならないと感じました。

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