モビリティの未来を考える

デザイン、都市景観、サービスなどのさまざまな観点からモビリティの未来を考えるブログです。 鉄道ネタが中心ですが、自動車ネタについても取り上げようかと考えています。

基本的にはモビリティに関する話題の中から気に入った話題をピックアップし、評論する気まぐれなブログです。中には旅行に行った際のネタも取り上げたいと考えています。
モビリティというコンセプト上、鉄道などの公共交通のみならず、自動車に関するネタも触れるかもしれません。
全体的に硬派なネタが多めかもしれませんが、よろしくお願いします。

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 かねてから西武の新型特急車両と言われてきた、西武001系「Laview」が正式発表されました。
 個人的に感じた特徴を上げていきたいと思います。

新型特急車両「Laview」2019年3月デビュー!
https://www.seiburailway.jp/news/news-release/2018/20181026Laview.pdf

1.シンプルなデザイン
 1つ目の特徴は内外装共にこれまでにないレベルでシンプルなデザインであるということです。
Seibu001
シンプルなデザイン

 塗装はシルバー一色でロゴは最小限、インテリアも白基調で、余計な装飾や突起、角ばった部分は極力排除されており、光源が目立たない間接照明を採用するなど、内外装とも極力シンプルにしたように見受けられます。小田急ロマンスカー(岡部憲明)や京成スカイライナー(山本寛斎)などもそうですが、有名デザイナーが監修した車両はシンプルなデザインを採用することが多いですね。

Seibu001 seatSeibu001 table 1
Seibu001 table 2
Seibu001 outlet
装備てんこ盛りの座席

 座席も、可動式の枕、背面テーブル、インアームテーブル、コンセントを装備しつつ、ソファーのように座面とアームレストを一体化し、シンプルなデザインと機能性を両立した特注品となっています。座面とアームレストが一体化しているところと、背面テーブルとインアームテーブルを両方搭載しているところが特徴的ですね。
 初期デザイン案公開時は鏡面風のシルバーに球形の前面というこれまでにないデザインが「戦闘機」「座薬」「ソーセージ」などのようだと賛否両論を呼んでいましたが、実車を見るとシルバー塗装はアルミ風の明るい色合いで、丸みを帯びたデザインと相まってコンセプト通り柔和な感じにまとまった印象を受けます。
TokyoMetro2000
 丸ノ内線2000系も丸いデザインが特徴ですし、丸がデザイントレンドなのかもしれません。

Nankai50000
 前面が丸い特急型車両というとラピートを彷彿させますが、ラピートが重厚で力強いデザインなのに対し、Laviewはシンプルで柔和なデザインと対照的な印象を受けます。
 球形の前面形状も相まって宇宙船や美術館のオブジェのようにも見えました。

2.先代特急車両の伝統の継承
 2つ目の特徴が先代特急車両の伝統を進化させた形で継承したことです。
 西武の歴代特急車両は2代に渡って大きな側窓を特徴としていましたが、laviewは更に大型化し、天地寸法1350mmと、特急型車両としては最大級の側窓を採用しています。
Seibu001 window
特急型車両最大級の側窓

 西武の車両は、近年まで戸袋窓を設けたり(6000系中期車まで)、UVカットガラスもあえて薄い色を採用する、できる限り側窓を大型化する(新2000系以降)、内装にガラスを多用する(30000系以降)など、できる限り明るく開放的な車内を目指している印象を受けましたが、Laviewが完成系といえるでしょう。
 観光列車は「スーパービュー踊り子」や「雪月花」など、天井まで広がる窓を採用する車両が多いですが、Laviewは荷棚に遮られにくい下方向に大きく伸ばしているのが特徴的で、「足元まで広がる」窓となっています。
 一方、天地寸法を極限まで拡大した分、窓間の柱が太めで、横方向の眺望性は小田急GSEなど方が良いと感じました。
 その他、丸みを帯びた前面デザインやゆったりとしたシートピッチも先代特急車両(NRA)を彷彿させます。

3.地下鉄直通対応
 3つ目の特徴は、地下鉄直通に対応していることです。
 地下鉄直通に対応するためには前面に緊急脱出用の非常用貫通扉を設ける必要があり、車両限界も小さく、内装も難燃化基準を満たす必要があります。
 そのため、内外装共に車両デザイン上の制約が大きいのですが、それらの基準をクリアしつつ美しいデザインを実現するため、様々な工夫がされています。
 前面はシンプルな半球形にすることで違和感なく貫通扉を設けられるようにし、側面はストレート断面でありながらも天井と車体下部に丸みをもたせることで前面形状との違和感を軽減、内装も近年流行している木材を採用せず、シンプルなデザインにまとめています。
 現在のところ地下鉄直通特急の運行は予定していないそうですが、現行のSトレインはリクライニングシートでないなど、快適性の低さが課題になっているので、そのうちLaviewも横浜方面に乗り入れてSトレインを置き換えるかもしれません。

4.総評
 初期デザイン案公開時は奇抜なデザインに思われましたが、実車を見ると意外と現実的でありながらも、コンセプト通りのシンプルで美しいデザインが実現できていることに感心しました。
 最も感心したのは、地下鉄直通対応という厳しい制約の中で、美しいデザインを実現したことです。小田急MSEが出たときも中々スタイリッシュだと感じましたが、デザインのインパクトはLaviewが上回っている印象です。
 惜しむらくは、ロマンスカーみたく床上や床下機器にカバーをした方がより一体感のあるデザインになると感じましたが、メンテナンス上難しいのでしょうか。 
 ちなみに、Laviewが投入されるのは池袋線のみで新宿線はそのままのようですが、新宿線の特急は今後どうなるのか気になります。小江戸号を廃止して朝夕に西武40000系による座席指定列車を走らせるのが妥当なのだと思いますが、本川越駅の特急用ホームが7両分しかないのがネックですね。

画像:公式プレスリリース 

 9月上旬に気仙沼線BRTに乗車しました。
気仙沼線BRT停留所(最知駅)
 BRT停留所(最知駅)
 気仙沼線BRTは東日本大震災で被災し、不通となっていた気仙沼線・大船渡線仮復旧のため、鉄道路線の一部をバス専用道路化し、従来の鉄道の代替交通手段として開始されました。
バス専用レーン
 BRT専用レーン
 仮復旧となっていますが、JR東日本としては巨額の復旧費用がかかる鉄道としての復旧には否定的で、実質的な後継路線となっています。元々鉄道路線だったため、運賃体系はJR東日本の鉄道路線に準じており、青春18きっぷなども利用できます。また、東北ローカル線区では珍しく、専用ICカード「odeca」のほか、Suica等のICカードが使用可能となっています。
 主力車両はハイブリッドのノンステップバスとなっていますが、一部蓄電池式バスや旧型バスを改装した観光仕様のバスもあります。
ハイブリッド・ノンステップバス
ハイブリッド・ノンステップバス
蓄電池式バス「e-BRT」
蓄電池式バス「e-BRT」
観光型BRT「旅」
観光型BRT車両「旅」

 今回は気仙沼ー奇跡の一本松間と奇跡の一本松ー前谷地間を乗車しました。
 乗車した感想ですが、大幅に運行本数が増えたため、地方ローカル線にしてはかなり利便性が高いという印象です。Suicaが利用可能なのも評価点です。バスなのでプラットフォームも簡易で乗り降りもしやすくなっています。途中の南気仙沼で通学客で混雑しましたが、適度な輸送力であると言えるでしょう。一方、所要時間が鉄道より長いことと、路線バスであるため座席の快適性はあまり芳しくなく、長距離乗車に不向きなのが課題だと感じました。
 災害時などの復旧が容易で、維持管理費を抑えられるなど、事業者へのメリットだけでなく、停留場の数を増やすことが容易であること、運行本数を増えること、乗り降りが容易であるなど、利用者にもメリットがあり、特に地方ローカル線においてBRTに移行する路線は今後も増えていくかもしれません。一方大都市の路線や長距離路線に関しては輸送力や快適性が課題となりそうです。

画像:Wikipedia

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