NadegataPapaのクラシック音楽試聴記

クラシック音楽の試聴記です。オーケストラ、オペラ、室内楽、音楽史から現代音楽まで何でも聴きます。 カテゴリーに作曲家を年代順に並べていますが、外国の現代作曲家は五十音順にして、日本人作曲家は一番下に年代順に並べています。

ボッケリーニ(1743-1805)伊

ボッケリーニ「6つの弦楽三重奏曲」ア・レアル・カマラ

Boccherini: Sei Tertzettini
Boccherini
Glossa
2015-04-28


「ボッケリーニのメヌエット」だけが有名なイタリアの作曲家、ルイジ・ボッケリーニの弦楽三重奏曲。ボッケリーニは生前大量の曲を作っていて、「6つの弦楽三重奏曲」というセットだけでも7つもある。

ボッケリーニは作曲家であると同時にチェロの名手で、弦楽四重奏曲にチェロを加えた編成の弦楽五重奏曲を多く書いたそうだ。こちらは20セット以上あるらしい。

曲は優雅でそこはかとない抒情味を感じさせる。穏やかで平和な楽想と言えるだろう。ハイドンの様な溌剌とした所や、モーツァルトのような色っぽいところと言ったような、聴衆の耳を一瞬で奪ってしまうような強力な魅力に乏しいので、玄人受けする存在になってしまった気がする。

演奏しているラ・レアル・カマラは、若松夏美(ヴァイオリン)、エミリオ・モレーノ(ヴィオラ)、鈴木秀美(チェロ)と言うメンバー。録音も日本で行われていて、楽器の存在感をリアルに捉えた優秀録音と、緊張感の高い演奏で機器応えのある名盤になっている。

ルイジ・ボッケリーニ(Luigi Rodolfo Boccherini、1743年2月19日 - 1805年5月28日)
「6つの弦楽三重奏曲 Op.47」1793
● 弦楽三重奏曲第1番イ長調(G.107)
● 弦楽三重奏曲第2番ト長調(G.108)
● 弦楽三重奏曲第3番変ロ長調(G.109)
● 弦楽三重奏曲第4番変ホ長調(G.110)
● 弦楽三重奏曲第5番ニ長調(G.111)
● 弦楽三重奏曲第6番ヘ長調(G.112)
演奏:ラ・レアル・カマラLa Real Camára
 若松夏美(ヴァイオリン)
 エミリオ・モレーノ(ヴィオラ)
 鈴木秀美(チェロ)
録音時期:2014年3月25-27日
録音場所:埼玉県、三芳町文化会館コピスみよしホール
Plaatpaal このCDが聴けるサイト 

ボッケリーニ「弦楽三重奏曲ト長調作品34第2」ラ・レアル・カマラ

Boccherini;La Bona NotteBoccherini;La Bona Notte クチコミを見る
↑ボッケリーニの弦楽三重奏曲34-2、6-5、ノットルノ、トリオ14-4が入っている。

メヌエッ卜だけがやたらと有名なルイジ・ボッケリーニ(Luigi Rodolfo Boccherini、1743~1805)は、イタリアのルッカ生まれの作曲家、チェロ奏者。年代的にはハイドン、モー ツアルトと同時代の作曲家だが、あまりそんなイメージはない。私はなんとなくバロック時代の作曲家と思っていた。何の知識もなく音楽だけ聴いたら、そう思わないわけにはいかないだろう。

その原因としては、活躍したのが当時の音楽の中心地ウィーン、パリではなく、スペインが中心だったことや、ソナタ形式に拘らず、自由にメロディを紡いでいくことを主眼に置いていたこと、自身が通奏低音の楽器チェロの名手だったことから、即興性を生かした曲作りをしていたことなどがあげられるだろう。

今回聴いたのはラ・レアル・カマラが録音した弦楽三重奏曲集の中から作品34の第2。20分くらいの曲だ。ボッケリーニのイメージ通り、明るく優美な音楽が流れていく。ハイドンの緊迫感はないし、モーツァルトの愉悦感とまでは行かない。よく言えばバランスのとれた中庸の音楽だが、聴く者の胸に迫ってくるようなところはない。どうかしたら大した印象を残せずに、いつの間にか曲が終わっていたって感じになってしまう曲だ。

こういう曲って、演奏している奏者が一番楽しいのではないかと思う。自分で演奏するくらい曲とかかわって初めて、この微妙な陰影、味わいが分かるのかもしれない。それをただ聴いている人に伝えるのは至難の業のような気がする。

それにしてもボッケリーニは弦楽のための室内楽を大量に作っている。自身がチェロを弾いて弦楽四重奏団と共演するために作ったと思われる弦楽五重奏曲だけでも、125曲も作っている。そのほか弦楽六重奏曲、弦楽四重奏曲、弦楽三重奏曲、ギター五重奏曲、フルート五重奏曲、交響曲、ピアノ協奏曲、とあげるのが辛くなって来る程、いろんな曲を書いている。それでも有名な曲は「ボッケリ一二のメヌエット」だけ、ということは多くの曲は似たような感じの曲ばかりなのだろうか。ギター五重奏曲とかフルート五重奏Ill]はどんな曲か聴いてみたい気もする。

演奏しているラ・レアル・カマラは、エンリコ・ガッティ(ヴァイオリン)、工ミリオ・モレーノ(ヴィオラ)、ガエタノ・ナッシ口(チェロ)の3人。いずれもピリオド楽器の名手たちで、緊密なアンサンブルを作り上げている。古楽器による細やかな陰影表現と、アクセントを強調した躍動感が感じられ、聴く者が曲の良さをハッキリと認識できるような演奏だ。もし現代楽器で演奏したら、あまりに滑らかで聴いているうちに眠くなってしまいそうな気がする。まあ、この演奏をもってしても、マニア向けの秘曲という印象は拭えない気がするが。

↓ラ・レアル・カマラはボッケリーニのトリオのCDを他にも出している。かなりボッケリーニに思い入れがあるのだろう。
Boccherini: Last TriosBoccherini: Last Trios クチコミを見る
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