昨日、名古屋市のNPO法人についてのワークショップに行った。別に今すぐにNPOを立ち上げるわけではないけど、興味があったし、それについて知りたかったからだ。

残念ながらこれはNPOについての基本講演ではなくて、もう準備が整っている人たちのためのどうやって書類を整え、どうやって申請するか、何が必要か、どのくらい時間がかかるかという実際的なものだった。

それはそれで面白かった。社員を10名以上集めなくてはいけないとか、利益が出た場合それを事業に還元しなくてはいけないとか、知らなかったことがいっぱい。

実際問題、もし私がするとしたらこの社員を10名というのがネックかもしれない。基本理念に賛同した人、そして名前や住所が公表されてもかまわない人を10名以上集めるのって大変そう。

話がほぼ終わって質問タイムになった頃、突然中断された。変な緑色のアロハシャツみたいなのを着た変なおっさんが後ろから入ってきたのだ。

私は4年ほど日本を離れていたのですぐに気がつかなかったのだが、それは名古屋の市長だった。緑色のシャツはクールビズというわけらしい。

彼はこてこての名古屋弁でしゃべりだした。NPOの説明をしていた若い女性はニコニコしている。

市長は名古屋の20億円の減税についてしゃべり、アメリカやイギリスでは寄付をすると減税になるという話をした。日本で寄付をすると二重に金を払うことになると言う。

だから日本ではこういう慈善団体が育たなかったのだというわけ。減税になるから企業や金持ちが寄付をするのだ。納得。

寄付して減税になり、企業イメージの向上や宣伝にもなるとなれば、そりゃ寄付するでしょ。

私がイギリスにいたとき、楽しみだったのはチャリティショップでの買い物だった。大抵なんでもあるし、時には掘り出し物もあった。

そして何といっても値段がものすごく安い。元が寄付だから、原価は無料である。安くて当然である。

素敵なドレスだって5ポンドから8ポンド出せば買えた。日本に帰ってからはそうも行かず、それもストレスの元だった。何を買ってもすごく高いし、中古衣料店に行ってもよいものが見つからない。

ああチャリティショップが恋しい。そう思っていたところだったので、昨日の市長の話にはなんだか共感できた。

日本にはまだチャリティの伝統がない。ボランティアという概念もようやっと阪神大震災のころから定着してきたのだと思う。

イギリスのボランティアの伝統は筋金入りである。たくさんの人たちがボランティアでチャリティショップで働いていた。そういう人たちに支えられてチャリティショップは成立しているのだ。

イギリス滞在中、チャリティショップでたくさんの買い物をした。つまり私は買い物をするたびに、Canser Corporation とか、その他たくさんの慈善団体に寄付をしていたことになる。

それってなんだか気分がいい。日本でもそういうチャリティショップがあるといいな。

それにしても市長の名古屋弁は私の祖母が亡くなって以来聞いたことがないようなひどい名古屋弁だった。どうも意識的にしてるような気がする。名古屋弁で名古屋の人たちに親近感を抱かせ、いい人に違いないと思わせるために。なかなか賢い人だ。

彼がしゃべっている間、部屋の中を見回すと、ニコニコして喜んでいる人と、ぶすっとしてしらけている人と2種類に分かれていた。まあ突然政治家が部屋に侵入してきて、自分のPRを述べ始めたら不愉快に思う人もいたはずよね?

人はいろいろ。でもだから面白いのだ。