昨日、新潟県建築士会技術委員として1次審査に参加させていただきましたが、今年の設計競技「新潟建築賞」は、高レベルの作品が集い驚かされました。

昨年から、応募数は倍増し、規定改定で、提出するプレゼン資料も倍増したため、4倍以上の熱量に囲まれた1次審査会となりました。

45作品の中から、5作品が2次審査に選ばれ、2/22の公開審査となります。1次審査時点で、9倍の倍率ですので、選ばれるかどうかは評価軸次第という事になりますので、慎重な審査を行いました。

「新潟らしさ」を、ある程度合議で慎重に選ぼうとすると、〈歴史的な性格の強い個性的な敷地や建築物〉を選び、そこでの〈体験〉から作品を創り出していると読み取れる案が強いと感じました。もちろん、そこには、地方的特色だと思われる形態を蘇らせようとする素朴な試みは含まれません。

選んでから、所属を確認すると、東京の有名大学や、有名な設計事務所の名前が出てきて、また驚かされました。こうした作品の「慎重さ」「戦略」には学ぶところが多いです。

素朴で素敵な作品もたくさんあり、全ての作品に、「新潟らしさ」が表出しているので、そもそも一番を決めるような性格のものではない事も痛感しました。

一番を取った作品に「新潟らしさ」を表象させることは、例えば、チャーシュー麵をチャーシューのみで判断することに似た困難を感じます。

そういう意味では、昨日の1次審査会が、「新潟らしさ」を味わう最良の場であった可能性もあり、ありがたく感じました。

手塚貴晴審査委員長も、手続き上の限界もありますが、45作品すべてに目を通されて、最終5作品が選ばれます。そういう意味でもかなり慎重な審査が行われています。

2/22の公開審査では、手塚さんの手による「新潟らしさ」奇跡のワンスプーンが味わえるのではないかと思います。

新潟県建築賞コンペについて

https://kenchiku.co.jp/compe/cmp20191226-1.html