上越市ふるさと暮らし支援センターが東京で行うセミナーに講師として参加いたします。
このセミナーの開催目的は、上越市への移住に関心を持っている方に対して、上越市への移住体験談や生活情報等を紹介して移住のきっかけを提供するという事です。
以前は、なんでも相談会として行っていましたが、昨年からテーマを決めて行う事になり、1回目は「子育て」、今回2回目は、「住まいを考える」という事になったそうです。
したがって、今回の対象者は、上越市(地方都市)で家を建築・購入・賃貸することに、関心・悩みのある首都圏在住者という事になります。
このセミナーの開催目的は、上越市への移住に関心を持っている方に対して、上越市への移住体験談や生活情報等を紹介して移住のきっかけを提供するという事です。
以前は、なんでも相談会として行っていましたが、昨年からテーマを決めて行う事になり、1回目は「子育て」、今回2回目は、「住まいを考える」という事になったそうです。
したがって、今回の対象者は、上越市(地方都市)で家を建築・購入・賃貸することに、関心・悩みのある首都圏在住者という事になります。
【講師をお引き受けする経緯】
私が講師をすることになったのは、私自身が大学、就労と首都圏生活を送った後にUターンしたという視点を生かして、住宅づくりを行うと宣言していたのが理由だそうです。市の担当者から新潟県建築士会上越支部を通して依頼されたという経緯です。
2008年に自分の設計事務所を立ち上げ、最初に設計した住宅が(一社)新潟県建築士会から賞をいただいた際に、新潟建設新聞の取材を受けました。このときに語っている事や、東日本大震災後に地方への眼差しが強くなったとき、東京の老舗建築雑誌に掲載していただいた文章、(公社)日本建築家協会の会報誌に載せていただいた文章、など、一貫しておりました。当時は、設計者の個人の想いとして宣言していたのですが、ちょうど10年目にして地元への移住促進という社会的要請とつながりました。
2008年に自分の設計事務所を立ち上げ、最初に設計した住宅が(一社)新潟県建築士会から賞をいただいた際に、新潟建設新聞の取材を受けました。このときに語っている事や、東日本大震災後に地方への眼差しが強くなったとき、東京の老舗建築雑誌に掲載していただいた文章、(公社)日本建築家協会の会報誌に載せていただいた文章、など、一貫しておりました。当時は、設計者の個人の想いとして宣言していたのですが、ちょうど10年目にして地元への移住促進という社会的要請とつながりました。
【講演アウトライン】
◇講演方針
首都圏から、上越市(地方都市)へ移住を考える人の属性は多様です。住環境の変化をきっかけにして、多くの不安を抱えるとともに、多くの気づきや可能性に開かれていると思います。しかし、入手の容易な地域の住宅産業の情報は、どうしてもその地域で住宅が最も売れる購入者層向け情報に重点が置かれています。したがって、私の役目は地方都市ならではの価値を表現した住宅を発表し、情報の多様性に寄与することだと考えています。
◇都心回帰に対して地方に住む価値とは
移住者の意識下にある不安には、1990年後半から盛んに使われだした「都心回帰」という価値に逆行する事への不安があるのではないかと思います。こうした価値づけと方向を同じくして、「コンパクトシティ」という都市計画の理念もあります。上越市でも周辺部から中央部の宅地に人を集めようという市場の動きがありますが、所有コストが高い自家用車を所有せずとも、歩いて便利に暮らせるというコンパクトシティの目標には届かないように思われます。さらに、都市のような解消すべき通勤ラッシュもありません。
◇都心回帰に対して地方に住む価値とは
移住者の意識下にある不安には、1990年後半から盛んに使われだした「都心回帰」という価値に逆行する事への不安があるのではないかと思います。こうした価値づけと方向を同じくして、「コンパクトシティ」という都市計画の理念もあります。上越市でも周辺部から中央部の宅地に人を集めようという市場の動きがありますが、所有コストが高い自家用車を所有せずとも、歩いて便利に暮らせるというコンパクトシティの目標には届かないように思われます。さらに、都市のような解消すべき通勤ラッシュもありません。
上越市の規模の場合、都市でありながら海や山への眺望に恵まれた都市と自然の境界と呼べるような土地に可能性を感じます。都市の領域がそんなに広くないため、いわゆる中央部と比べて車で職場・商業施設・公共施設への移動時間が大きく問題にならないところでそうした土地や中古物件を見つける事も出来るでしょう。今から住宅投資をするのであれば、将来的に需要が少ない専用住宅として手放すのではなく、民泊活用や、SOHO、シェアハウスなどへの用途変更も視野に入れるべきではないでしょうか。そうした場合も、地価の高い中央部の狭い土地にお金をかけて建物を小さくつくるよりは、冗長性で優る計画が可能でしょう。さらに、海の街、山の街といったように、その街のアイデンティティを決める自然環境が存在します。そうした環境を眺める事でコミュニティへの帰属意識が芽生えるような感覚は時代を超えて根強く残るように思います。つまり、地方は一様に縮小するのではなく、そうした環境を眺めるのに適した場所は、人が集まる場所として長く価値を持ち続けると考えます。そこには「都心回帰」と方向の違う価値が見つかるのではないでしょうか。
≪このテーマについては、実際にIターンされて海辺の住宅にお住まいになられている施主とのクロストークを行います。移住し環境を活かした生活をされています。お話をうかがう中で私自身、不安が高揚感に変わる体験をしています。≫
◇旧市街地に住む
◇旧市街地に住む
中央部の宅地に人を集めようとする市場の動きがある一方で、鉄道駅近辺の旧市街地(かつての中心市街地)の空洞化が顕著になっています。こうした場所で、中古の分譲マンションを購入する選択肢もあり得ます。ただし、高齢化率の高い地域では、将来、住民共同で行う維持修繕や、手放す際の流動性を考慮する必要があるでしょう。また、移住者が核家族であれば、町家を改修して住む選択肢も比較対象としてあり得ます。観光政策から、移住者への物心両面の支援が期待できます。シニア世代の移住者が旧市街地でコンパクトに住みたいのであれば、将来手放す際に移動できる〈コンテナユニット建築〉という選択肢も比較対象として示します。町家が解体されて歯抜けになった、間口の狭い敷地にも置けて、高い気密性を活かした高気密高断熱住宅をつくることもできます。