2015年3月北陸新幹線が開業して、新潟県上越市にも上越妙高駅と新たな街がうまれるはずでした。
引用元:https://www.joetsutj.com/articles/52079805
しかし、新幹線開業前には様々なプロジェクトが立ち上がったのですが、中止や延期となり。
2015年3月の開業日には、更地がひろがる状況でした。
〈2015年2月空撮動画〉
私たちは、民間事業者である株式会社北信越地域資源研究所と一緒に、駅前にコンテナ1つを置き、地域の方が気軽に出店できるコンテナ商店街をつくるために動きを始めました。
〈furusatto 01「白いコンテナ現る!」動画〉
コンテナ一つ置くことで、開業の機を生かしてメディアの注目を集めることができました。
取材を受けているのは、フルサットを運営する民間企業、北信越地域資源研究所の平原さんです。
新幹線が開業してからも、コンテナの周囲は空き地が広がっており街の開発は進みません。
〈furusatto 02「コンテナ初号機、営業開始」動画〉
その年は、敷地にテントを設置した露店からスタートして、同時にテナントの誘致もすすめていきました。
年が明け、開業から1年が経過した後に、ある程度テナント誘致が進み、コンテナを増設してコンテナ商店街をオープンさせることができました。最初に一つ設置したコンテナ事務所もそのまま移設しました。
〈フルサットオープン2016動画〉
その年も周辺の開発は進まず、フルサットだけで冬を越すことになります。
しかし、様々な方の注目とご協力をあつめ、新幹線開業1周年には、地域の多くの方を集めたイベントを行うまでに成長しました。
〈北陸新幹線「東北とひと味違う」駅前の開拓術 東洋経済オンライン〉
フルサットが注目されるなか、コンテナ建築が一般の方から注目を集めるようになりました。こちらは地元新潟県の新聞の夕刊に特集が組まれたものです。
フルサットを設計するにあたって次の3つのコンセプトを掲げました。
①コンテナのユニット性を生かした場を作ること
②コンテナを使って地域の建築文化に根差した建築をつくること
③敷地の形状を生かす配置計画とすること
コンテナのユニット性を生かして、コンテナユニットを敷地に並べて、その間を人々が集う場所としています。
隙間空間が、一時的な出店スペースになっております。
二つ目の地域の建築文化に根差したデザインという部分では、この地域に根差した雁木スペースを取り入れました。
雁木通路でコンテナ店舗をつなぐ構成となっています。
バックヤードの目隠しルーバーには、「雪かこい板」を流用しています。
3つ目の敷地の形状を生かした配置計画についてですが、フルサットの敷地は、駅前の公園に隣接した扇形の残地のような形状をしていました。
この扇形にならい、コンテナユニットをならべて扇型の敷地の特徴を強化しています。
このような配置にすると公園を歩いていると次々に店舗が表れてくるような効果と、その動線に直行する方向に視線が抜けていく効果が生まれています。
開業2年目の年には隣地に拡張することができました。
そちらには独立型のコンテナ店舗を扇形の流れを保ちながら配置しています。
フルサットについて
furusatto(フルサット)プロジェクトで、2017年度北陸建築文化賞を受賞いたしました。2018/3
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