しゃべれどもしゃべれども

今昔亭三つ葉、当年26。
三度の飯より落語が好きで、噺家になったはいいが、いまだ前座よりちょい上の二ツ目である。
性格は頑固で気が短く、おまけに女性の気持ちにはめっぽう疎い。
そんな三つ葉に落語指南を頼む物好きな人が現われた。
その人たちが一癖も二癖もある困り者ばかり。
気まぐれで口下手なために失恋ばかりしている美女に、教室には苛めにあってる小学生や赤面症の野球解説者。吃音を治したい青年。
奇妙な人の集まりから、落語教室が始まった。

今年映画の公開が決まったと言う事で、読んでみました。
佐藤さん初読です。
落語に興味はあるんですけど、聞きに行ったこともないし、お話もあまり知りません。
この作品は、落語メインって言うよりは、人間関係がメインな気がします。
落語教室はもちろん、小学生の村林の置かれている状況や良の吃音によって職を追われている事。
湯河原の性格や五月の心の傷。
そして、三つ葉の人間関係に対する不器用さ。
一人では解決できない事を、皆が集まって傷を広げることもありつつ、癒す存在になっていく過程が何だか良いなぁと思いました。
段々5人の性格も分かっていくしね^^
ちょっと長いかなとも思ったけど、好きな作品です。
映画も観てみたいです。
三つ葉役を太一君か・・・イメージが沸くような沸かないような^^;
後のキャストはあんまり分かってないんですが、多分見ると思います。
まずは「タイガー&ドラゴン」を見て、落語を勉強しようかしら・・・。
結局見てないのよね^^;

〈新潮社 1997.8〉H19.2.9読了