八日目の蝉希和子は自分と血の繋がらない赤ん坊を抱き、必死にその場を離れた。
その赤ん坊は、自分の愛した男性とその妻の子ども。
全てのものと引き換えに、赤ん坊「薫」を育てる事を決意する。
逃げて、その先に何が見えるのか。
角田さんの作品は3冊目です。
それほど読んでいるわけではありませんが、角田さんにとっての新境地である事は分かります。
素晴らしい作品でしたね。
現在の世界の現状をいろんな視点から描いている作品だと思います。
希和子のした事は犯罪ですが、私は希和子の逃亡を応援してしまいました。
第2章で語られますが、もしも薫が誘拐されていなくても、この家族は壊れかかっていたように思います。
誰もが自分が1番かわいいのは当たり前です。
でも、その前に、家族がいることを第一線を超える前に気付くべきだと思います。
秋山家の両親は、私は最低だと思います。
家族を作る資格はないと思います。
だって自分が1番で、自分のことしか考えていないから。
そして都合のいい時だけ子供のことを考えている。
それに比べて希和子は常に薫の事を考えていた。どうすればいいのか考えていた。
自分の幸せよりも、薫を選んでた。
血のつながりはないけれど、親子といえる関係だったと思います。
実際、周りの人たちは親子にしかみえなかったって言ってるし。
希和子は本当に真面目で純粋な人だったんだろうな。
そんな希和子に対しての薫の母親の言葉はひどすぎると思います。
いくらだんなの不倫相手でも。
そして、そうなってしまったのは、その旦那のせいなのに。
なんだかやり切れません。
最後の最後に希和子と薫が交わったのが、よかったなぁと思えました。
〈中央公論新社 2007.3〉H20.2.1読了
血は水よりも濃いのか、その反対もあり得るのかとか何だかいろんなことを考えさせられました。