ガリレオの苦悩
ガリレオの苦悩
「落下る」女性が転落死し、草薙と内海は捜査に乗り出す。翌日、女性の大学時代の先輩という岡崎光也が警察にやってきた。彼は、落ちる瞬間を目撃したのだという。
何かトリックがあるはずだと、内海は草薙の友人である湯川教授を訪ねる。
「操縦る」元大学助教授である友永のもとに、かつての教え子が集まった。その夜、友永の家が燃え、息子の邦宏が死亡した。後に邦宏が殺された事を知り、捜査が始まる。
「密室る」湯川は友人の藤村の経営するペンションへ向かっていた。宿泊客の原口という人間が死亡していたのだという。密室殺人を解き明かしてほしいというわりに、藤村は事件当時の状況を話そうとしない。
「指標す」一人暮らしの女性が殺され、時価数千万の金塊が盗まれた。容疑者として真瀬貴美子という女性があげられる。貴美子の無実を証明したのは娘の葉月だった。
「攪乱す」警察に「悪魔の手」と名乗る人物から手紙が届く。警察を挑発しているようにも見えるが、何故か犯人は湯川を敵対視しているようだった。

ようやくまわってきました。
短編もガリレオシリーズは面白くて好きです。
湯川が事件に協力しないって言うのは「容疑者Xの献身」の事があったからなんですよね、きっと。
それにも増して、タイトルの通り、事件が解決しても湯川准教授にとって辛い結末になる事件もありましたね〜。
トリックも面白かったですが、人間関係もどうなっていくのか気になりました。
切なかったのは「操縦る」ですね。
犯人が何故殺人を犯したのか。そして、何故自首をしないのか。理由がわかって切なくなって、さらにその後が感動なのですよ。
人と人との関わりって、大切ですよね。
そして腹が立ったのが「攪乱す」です。犯人がどうして湯川准教授に対して恨みを抱いているのか、結末が気になったのですが酷すぎます。
30すぎて情けないです。
何となく逆恨みだろうなぁとは思っていましたが。人の目がないと威張れていざ人前に立つと萎縮しちゃうなんて、情けない。本当に情けない。
ちょっと前に「聖女の救済」を読んだのですが、ガリレオシリーズはまだまだ続くのでしょうか。
内海刑事がいることが、最初は違和感感じまくりだったのですが、女性ならではの着眼点におっ!と思ったり、若さなど関係なく上司にも発言する所に好感が持てます。
若さから行き過ぎることもちょっとありますが、それはご愛嬌ですね。

〈文芸春秋 2008.10〉H20.12.29読了