鍵のない夢を見る鍵のない夢を見る
著者:辻村 深月
文藝春秋(2012-05-16)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

望むことは、罪ですか?彼氏が欲しい、結婚したい、ママになりたい、普通に幸せになりたい。そんな願いが転落を呼び込む。ささやかな夢を叶える鍵を求めて5人の女は岐路に立たされる。待望の最新短篇集。
「仁志野町の泥棒」ミチルはかつての小学校の同級生の律子がバスガイドとして働いている場に遭遇した。一緒に過ごした小学校時代の3年間を思い出していた。その当時、律子の母親にまつわる噂が流れていた。
「石蕗南地区の放火」笙子は36歳。事務職で働いている。昨日、実家の向かいの詰め所で放火があった。上司が気を遣ってくれ、現場へ行くことに。そこには大林と言う男がいた。その男とは以前2人で出かけたことがあった。
「美弥谷団地の逃亡者」美衣は陽次とともに湘南へ来ていた。るるぶを片手に2人は歩いていたがどこかぎこちない。
「芹澤大学の夢と殺人」雄大と出会い、未玖の大学生活は変わった。雄大の大きな夢は本当に大きすぎるけれど、それでも離れられなかった。
「君本家の誘拐」良枝がほんの少し目を離したすきに咲良の入っていたベビーカーがなくなった。

辻村さんの新刊です。以前ライトな作品を読んだので、やっぱりこういうのが辻村さんらしいなぁと思ったり^^暗い。暗いわー。それが良いわー。って思う私は少しおかしいのかしら。まあ、いっか。
それでも出てくる人たち出てくる人たちいちいち共感できなくて困った。共感できる部分も何もなかった。そこまでその人とつながっていたい理由は何?その頑なな理由は何?とあまり執着心のない私は疑問に思うことばかりだった。
「仁志野町の泥棒」お母さんがあんなことをしていて、警察に突き出さないのはなんでだろう。しかも前々から噂があるにもかかわらず。そこが不思議だった。そして高校生になってミチルが律子を見つけた時、あれは完璧に忘れていましたよね。あんなことをしたところを目撃したのに。何だかなぁ。もやもや。
「石蕗南地区の放火」最初は大林にイラッとしたのだけど、だんだん笙子にイラッとしてきました。きっと昔から綺麗だと言われてきて意外と男の人を上から見てきたのかなと。お見合いに関しても何でも会わないで年齢や見た目や肩書で決めているのが何だか嫌だったな。最後は若干いい気味だって思っちゃったりして。ぶちゃいくの僻みです。
「美弥谷団地の逃亡者」出会い系サイトってやっぱり良い印象はありません。もちろんいいものもあって、それでいい出会いをした人もいるとは思うけど。どうして美衣は陽次と一緒にいるんだろうと不思議でしょうがなかったのだけど、最後にその理由が分かった。怖いわー。
「芹澤大学の夢と殺人」もう夢がバカげてる。未玖はどうしてこの男とすぐに別れなかったんだろう魅力なんて何も感じない。多分顔が良いだけでしょ?夢はうわべだけだし、恋愛に関してもどこかおかしいし。別れる別れないの相談じゃなくて決断をどうしてお姉さんに委ねる?読んでいて腹が立った。未玖だってこれから広い世界へ飛び出していく権利があったはずなのに。
「君本家の誘拐」良枝が子供がほしくてたまらないというのは分かったのだけど、それに固執しすぎて周りが見えてなさすぎだなと思った。旦那さんに関しても、周りの友達に関しても。理彩に物凄く心配させていたのに、出産の報告もせず、謝りもしない。どうして謝りもしないのかもわからない感じで。何だか嫌だったな。これに懲りて周りの人の大切さにも気づいてほしいと思った。まあ、結婚も出産もしたことのない私が言う権利はないのかもしれないけど。

〈文芸春秋 2012.5〉H24.5.28読了