暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出
著者:彩瀬 まる
新潮社(2012-02-24)
販売元:Amazon.co.jp

3月11日、恐ろしいほどの暗闇の中で25歳の小説家が見たものは。衝撃の手記。ひとりで東北を旅行中、私は常磐線の新地駅で被災した。命からがら津波を逃れ、見知らぬ人の家で夜を明かした次の日、原発事故を知らせる防災無線が飛び込んできた――情報も食べ物も東京へ帰るすべもないまま、死を覚悟して福島をさまよった五日間。若き女性作家があの日からの被災地をつぶさに見つめた胸つまるルポルタージュ。

この作品は3部作に分かれています。
1作目はご自身が体験された3月11日から関東の自宅に帰宅するまでのルポ。
2作目は3か月後、3作目は更に4か月後の事が描かれています。
福島へ旅行中だった著者が東日本大震災に遭った1作目のお話は雑誌の中で読んでいました。この方の名前を始めに拝見したのはその時でした。
実際にテレビで地震が起きた時の映像や津波の映像は幾度となく見ましたが、やはりご自身が経験された事を文字で追っていくとそのすさまじさが分かります。津波が迫ってくる恐怖、余震の恐怖、ひたすら恐怖を感じました。でもその中での地元の方の温かさを強く強く感じました。旅行者で、失礼ですがよそ者である著者に一人じゃ寂しいでしょうと声をかけてくれる人々、ここにいつまでもいていいんだよと手を差し伸べてくれた方々。凄く凄く温かい。著者は始め、私がこのようなことを書いていいのだろうかと思いためらいもあったそうですが、書いてくださってありがとうと言いたいです。
以前テレビで渡辺謙さんもおっしゃっていました。まだ震災は終わっていない。被災地へボランティアとしてではなくても良い、ただ行くだけで良いから、行って下さい。と。
ちゃんと行って自分の眼で見なければだめなのだと改めて感じました。
ちゃんと見ていないのに、知識を得ていないのに、そんなに優しい福島の方々へ投げかけた酷い言葉の数々。ただでさえつらいのに、どうしてそんなことを言われなければならないのか。それでもただ福島の方々は耐えている。それが申し訳ないです。
沢山の方に読んでほしい作品です。

〈新潮社 2012.2〉H26.3.22読了