そこにいるのに
似鳥 鶏
河出書房新社
2018-11-26


曲がってはいけないY字路、見てはいけないURL、剥がしてはいけないシール……読み進めるほど後悔する、13の恐怖と怪異の物語。

似鳥さん初のホラー作品。ホラーは読みたくない人なんですけど、似鳥さんの作品だから読みました。
ひー…怖い作品は本当に怖かったですー。
その中でもほっとする作品もあってそれが印象的でした。特に「帰り道の子供」ですね。立ち食い蕎麦屋で働く「私」は遅番の時に小学生くらいの女の子を目撃するようになる。その女の子が突然「七人目だよ」と話しかけてくる。「七人目」の意味は?そして自分が「八人目」になってしまうのか。思い悩み仕事にも影響が出るようになっていきますがその答えは悪いものではありませんでした。毎日頑張って働いている人に希望や勇気を与えてくれるような作品でした。
後は最後の「視えないのにそこにいる」10年前に離婚し、離れ離れになった父親が7年前から行方不明になり「死亡」とされた。それを機に父が住んでいたアパートへ行った兄弟。そこで父が行方不明になる直前に追っていた事件を知ります。行くな!行くなー!と思いながら読んでいましたが、最終的に2人は父親が助けてくれたのだと思います。父親が最期に願ったことがとりあえずここで絶たれなくて良かった…。この作品が最後で良かったです。

<河出書房新社 2018.11>H30.12.15読了