苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

男性作家(あ・か行)

百花 川村元気4

百花
川村 元気
文藝春秋
2019-05-15


大晦日、実家に帰ると母がいなかった。
息子の泉は、夜の公園でブランコに乗った母・百合子を見つける。それは母が息子を忘れていく日々の始まりだった。
認知症と診断され、徐々に息子を忘れていく母を介護しながら、泉は母との思い出を蘇らせていく。
ふたりで生きてきた親子には、どうしても忘れることができない出来事があった。
母の記憶が失われていくなかで、泉は思い出す。あのとき「一度、母を失った」ことを。泉は封印されていた過去に、手をのばすーー。
現代において、失われていくもの、残り続けるものとは何か。
すべてを忘れていく母が、思い出させてくれたこととは何か。

私は身近な人が認知症になったことが無いので、自分が忘れられてしまうという経験をしたことが無いのですが、自分を忘れるというだけでなく、生活する上で必要なことも忘れてしまうということが怖いなと思います。
今は認知症と言っても進行を遅らせる薬もだいぶ出てきたと聞きます。やっぱり早期発見、早期治療が大事なのかなと思います。
大切な人だから何かの間違いだとはぐらかすのではなく、だからこそ受け止めて早く病院へ行くことが大事なんですよね。
60代での認知症発症は早い方ですが、それでも非現実的なわけでもなくて。実際に起こりうるかもしれないと思ったら、読んでいて怖かったです。
百合子と泉の軌跡、読む側がとやかく言う問題ではないけど、最後は百合子は幸せだったんじゃないかなと思います。
全然関係ないけど、泉と香織が小さな子を肩車してお母さんを呼ぶシーンは、ガラスの仮面で速水さんとマヤが迷子の男の子を見つけてお母さんを探すシーンを思い出しました。

<文藝春秋 2019.5>2019.7.5読了

羅生門・蜜柑 芥川龍之介5



表題作のほか、鼻/藪の中/奉教人の死/地獄変/舞踏会などを収録。短編の名手による珠玉の作品集。高校国語教科書に準じた傍注付き。
これまで高校国語教科書に掲載されたことのある短編を中心に編んだ、芥川龍之介の作品集。教科書に準じた注と図版がついて、読みやすく分かりやすい。理解を深める名評論と、付録として「羅生門」や「地獄変」のもととなった説話も収録。あわせて読むといっそう味わい深い。

私が「羅生門」を観劇するのは3月ですが一応予習ということで読みました。
いつの時代か忘れましたが国語の授業でやりましたね。内容は覚えていたままでした^m^ページ数は短いですしね。でもこの本は注釈がとても細かくて分かりやすかったです。漢字も難しかったので読み仮名がちゃんとついていてありがたかったです。でも、短い作品なのに人の羨望や憎悪が細かく書かれていますよね。これが歌舞伎でどう表現されるのか。楽しみです。
あとは「鼻」や「地獄変」などの有名な作品もちゃんと読めて良かったです。

<薩摩書房 2016.12>H21.2.19読了

鴨川食堂はんなり 柏井壽4

鴨川食堂はんなり (小学館文庫)鴨川食堂はんなり (小学館文庫)
著者:柏井 壽
小学館(2018-04-06)
販売元:Amazon.co.jp

連続ドラマ化もされた美味しいミステリー最新作第五弾!
もう一度あの「食」に出会えたら、彼の本当の気持ちがわかると思ったんです――。京都にある看板のない食堂には、思い出の味を求めて今日も迷い人が訪れる。元彼と別れた原因の親子丼、亡き息子の優しさが詰まっていた焼売、妻と息子が好きだったのに、どんな味だったか思い出せないきつねうどん。夕食を家でとらない元夫が毎晩食べていたおでん、遭難しかけた際におばあさんが食べさせてくれた芋煮、ひとめぼれした彼が完成させたかったハヤシライス。盛りだくさんなメニューを鴨川流・こいし親子が今回も見事に捜し出します。

シリーズ第5弾。今回も色んな人が鴨川食堂を訪れていましたね。
最初の親子丼を求めてきた女性。何だか現代の象徴のような人でしたねー。私はインスタはしないのでそこまでやりませんけど(でもブログとツイッターにはアップしてるか)食べるよりも写真を写すことの方が重要な感じがしていい印象はありませんでした。
美味しくないものは食べたくないし、折角観光地に来たから人気のお店に行ってみようなら分かるんですけど、そう言うことでもなかったですよね。私も行列は苦手なので^^;元カレの気持ちがよく分かりました。親子丼も気になったけど、城興寺も気になりました。行ってみたいな。最後のハヤシライスのお話も好きでした。いくつになっても一目ぼれはするし、恋愛だってするし、彼が恋をしたことで人生楽しそうにしているのが素敵でした。だから、最後は切なかったですね。
今回も良いお話でした。

<小学館 2018.4>H30.6.2読了

爽年 石田衣良5

爽年爽年
著者:石田 衣良
集英社(2018-04-05)
販売元:Amazon.co.jp

―始まりはこのバーだった。
娼夫として7年もの歳月を過ごしたリョウ。御堂静香の後を引き継ぎ、非合法のボーイズクラブLe ClubPassion(「クラブ・パッション」)の経営を一手に引き受けるまでに。男性恐怖症、アセクシュアル…クラブを訪れる女性たちにも様々な変化が。
リョウは女性の欲望を受けとめ続ける毎日の中で、自分自身の未来に思いを巡らせ始めた。
性を巡る深遠な旅の結末に、リョウが下した決断とは……。
大ヒットシリーズ『娼年』『逝年』続編。

このシリーズがこんなに続くとは思わなかったですね。
更に映画化も舞台化もされて。どちらも見ていないのですが噂によると凄いらしい(ざっくり)というのは聴いています^^;まあ、凄いっすよね。内容が内容だから。
リョウももう30間近になりましたか。って、最初に読んだのは10年以上前だから7年という歳月が短いのか何なのか、よく分かりません^^;
リョウが何だか貫録を身に着けてるのだけは分かります。年を取ってるというのとも違うし、円熟味が増した?何だかうまく表現できないですが。
回想しているシーンも多くて、シリーズの最後としては良かったのかな。少し物足りない気もしますけど、静香が亡くなってからの話だからこのくらいシンプルな方が良かったのかもしれないですね。
アズマの事は、何となくこんな形になるんだろうなとは思いました。ちょっとあっさりしすぎてて寂しいくらいですけど…。
咲良との関係も、まあそうだよねっていう^^;
ネタバレになっちゃうから何だか変な文章ですが、締めくくりとしては良かったのかなと思います。ちゃんと静香の跡を継いでいて、非合法ではあるけど多分女性には必要なものだと思うし、このままの感じが続いていけばいいなぁと思って読み終えました。

<集英社 2018.4>H30.5.22読了

チュベローズで待ってる AGE32 加藤シゲアキ5

チュベローズで待ってる AGE32チュベローズで待ってる AGE32
著者:加藤 シゲアキ
扶桑社(2017-12-12)
販売元:Amazon.co.jp

2025年。ゲーム会社に就職した光太は、気鋭のクリエイターとして活躍しながらも、心に大きな喪失感を抱えていた。そんな彼の前に、再び現れたチュベローズの面々。折しも、不気味な女子高生連続失踪事件が世間を騒がせ、光太が心血をそそぐプロジェクトは大きな壁にぶつかろうとしていた。停滞した時間が一気に動き出そうとするなか、否応なしに過去と向き合った末に、光太がたどりついた10年前の恐ろしくも哀しい真実とは―。

いやービックリしました。まさかこういう展開になろうとは。
読み進めていくにつれ、チュベローズの人たちと関わっては行くけど光太はもうホストではないのにどうしてこのタイトルなんだろうと思い始めていったのですが、最後の最後、こういう意味だったのかと分かった時、こう繋がっていくのかと何だか胸が熱くなり、そしてとても切なくなりました。そういう意味だったんですね。
光太が働くゲーム会社で起きた出来事、女子高生連続失踪事件、そして10年前の出来事の真実、色んなことがこの1冊で繰り広げられます。そしてそれが全て一つに繋がっていく…というわけではないのが面白かったですね^m^でも、それぞれが全て10年前の伏線になっている。AGE22と繋がっていて、それが面白かったです。
AGE22を読み終えた時、まさかAGE32がこういう展開になるとは、全く予想外でした。
光太は真実を知って絶望して立ち直ってまたチュベローズで働くとかそう言うことかなと思いましたけど、浅はかでしたね(笑)
読む手が止まりませんでした。出来ればAGE22とAGE32は時間を開けないで読んだ方が良いと思います。

<扶桑社 2017.12>H30.2.14読了

銀河鉄道の父 門井慶喜5

銀河鉄道の父銀河鉄道の父
著者:門井慶喜
講談社(2017-09-12)
販売元:Amazon.co.jp

明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。
地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。
父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。

宮沢賢治を知ったのは小学校5年生の時でした。国語の教科書に「雪渡り」があり、授業で読んだことがきっかけです。その時の担任の先生が今年はちょうど賢治の生誕100年の年だと教えてくれて、本屋に行ったら生誕100年ということで特集が組まれていて、親に文庫本を買ってもらった記憶があります。でも内容が難しくて、買ってもらった文庫本を読めるようになるまでだいぶかかってしまったのですが^^;
今考えてもどうしてそこまで当時賢治に興味を持ったのか分かりませんが、「雪渡り」という物語は好きだったんだろうなと思います。賢治のことが気になって、1人で花巻に旅行に行ったりもしました。それすら10年くらい前の話でビックリ…。
話は長くなりましたが、私の賢治との出会いはそんな感じです^m^
この作品は宮沢賢治の父親目線ということでとても興味深かったです。昔映画が公開されて、内容はほとんど覚えていなかったのですが、厳格な父親だった印象がありました。
でも厳格でありつつも子どもにはめちゃくちゃ甘くて子供の意見を尊重もする良い父親だったんだなと思いました。明治生まれの男性にしては、長男である賢治に対しての助言や対応がとても甘いですよね。自分がそうだったように、もっと頑なに家業を継げと言っても良かったと思うのですが。だからか学生時代の賢治は、この作品を読んでいると親に頼りきりの甘ったれな坊ちゃんなイメージも感じました。まあ実際お金持ちのお坊ちゃんだったんでしょうけども。
子どもの頃につきっきりで看病したという話は聞いたことがありましたが、2回もあったんですね。そして大人になってからも。周りの意見や目を気にせずにそういうことが出来るというのは、根底は子煩悩だったからなんだろうなと思います。その結果腸が生涯弱くなったのは知らなかったなぁ。
賢治が童話を書いていることも認めていないのかと思っていましたが、応援していたんですね。そうですよね。じゃないとお金なんて払わないですよね。嬉しそうに賢治が書いた詩や童話を読んでいる姿は何だか可愛らしさすら感じました。
賢治もトシもですが、若くして亡くなり、無念だったとは思いますが、それでも一応は好きなことややりたいことが出来て幸せも感じていたんじゃないかなと思います。そう思える作品でした。賢治のことについては結構読んだつもりだったんですけど、お父さん視点というのは珍しくて新鮮で、面白かったです。

<講談社 2017.9>H30.2.11読了

チュベローズで待ってる AGE22 加藤シゲアキ4

チュベローズで待ってる AGE22チュベローズで待ってる AGE22
著者:加藤 シゲアキ
扶桑社(2017-12-12)
販売元:Amazon.co.jp

「ホスト、やるやんな?」
就活に惨敗し、自暴自棄になる22歳の光太の前に現れた、関西弁のホスト・雫。
翌年のチャンスにかけ、就活浪人を決めた光太は、雫に誘われるままにホストクラブ「チュベローズ」の一員となる。
人並み外れた磁力を持つ雫、新入りなのに続々と指名をモノにしている同僚の亜夢、ホストたちから「パパ」と呼ばれる異形のオーナー・水谷。そして光太に深い関心を寄せるアラフォーの女性客・美津子。ひとときも同じ形を留めない人間関係のうねりに翻弄される光太を、思いがけない悲劇が襲う――。

始めの光太の就活に疲れて自暴自棄になっている感じがとてもリアルでした。そこからいきなり非現実的なホストへ勧誘されてあれよあれよという間にホストになって割とお客を掴むようになって。展開が早かったので読む手が止まらなかったです。
1人1人の登場人物も個性的で、そして1人1人の身に起きる展開が早くて読むほうが追いつかないような感じでした。
特に亜夢の展開は早かったなぁ…。
光太は最初から最後までそこまで凄く魅力があるわけでもなくて←いい意味で普通のどこにでもいそうな男の子で、それが良かったのかなと思います。
わりかし最後はハッピーエンドなのかと思ってからの怒涛の展開には驚きでした。
AGE32も手元にあるのですが、少しでもページを開かなくて良かったです。色々ネタバレ満載で危なかったです。
それにしても、良く光也はこの会社を選びましたねー。私は圧迫面接というのは受けたことはないけど、これはひどすぎますよね。本当にこんな感じの面接があるんでしょうか。あったら問題ですよねー。そしてこんなところから内定をもらっても、私は絶対に入りたくないなー。と独り言。
AGE32の方も読むのが楽しみです。

<扶桑社 2017.12>H30.2.5読了

幻想古書店で珈琲を 蒼月海里4

幻想古書店で珈琲を (ハルキ文庫)幻想古書店で珈琲を (ハルキ文庫)
著者:蒼月 海里
角川春樹事務所(2015-09-01)
販売元:Amazon.co.jp

大学を卒業して入社した会社がすぐに倒産し、無職となってしまった名取司が、どこからともなく漂う珈琲の香りに誘われ、古書店『止まり木』に迷い込む。そこには、自らを魔法使いだと名乗る店主・亜門がいた。この魔法使いによると、『止まり木』は、本や人との「縁」を失くした者の前にだけ現れる不思議な古書店らしい。ひょんなことからこの古書店で働くことになった司だが、ある日、亜門の本当の正体を知ることになる。切なくも、ちょっぴり愉快な、本と人で紡がれた心がホッとする物語。

初読み作家さんです。タイトルに惹かれて読んだのですが、良いな良いなーこういうところがあったら本当に働きたいです。本や人との「縁」を無くしたものの前にだけ現れる不思議な古書店。その不思議さが少しだけ垣間見えましたね。続編があるのは知っていましたが、結構たくさん出ているみたいでびっくり。実際にある本がたくさん登場しますし、神保町にある実際のお店も出てきているのでとても興味深いです。実際に行ってみたくなります。
面白かったんですけど、亜門の正体のくだりが駆け足であっさりしていたのが残念だったかな。何か指定があったのでしょうか。まだ、その「縁」があるお客様があまり登場していないので今後も読んでいきたいと思います。

<角川春樹事務所 2015.9>H29.11.10読了

鴨川食堂おまかせ 柏井壽4

鴨川食堂おまかせ (小学館文庫)鴨川食堂おまかせ (小学館文庫)
著者:柏井 壽
小学館(2017-01-06)
販売元:Amazon.co.jp

思い出の「食」を捜していただけなかったら、私はずっと過去ばかりを追いかけてしまっていたと思います―。京都東本願寺近くの鴨川食堂には、今日も人生の迷い人が訪れる。司法試験合格を目指して上京する日の朝に飲んだ味噌汁、大事な約束と一緒に贈られたおにぎり、道ならぬ恋の思い出となった豚のしょうが焼き、酸っぱくないお祖母ちゃんちの冷やし中華、弱小野球チームに食堂のおっちゃんが振る舞ってくれたから揚げ、幼い息子と最後に食べたマカロニグラタン。板前の父と探偵の娘がお迎えする、看板のない食堂にようこそ。美味しいミステリー第四弾!

このシリーズも第4弾ですか。いつもいつもおいしそうなものがたくさん出てきて、読んでいるだけでお腹が空きます。今回もどのお話も良かったです。切なくて温かくて。
特に好きだったのはおにぎりかな。依頼人の女性は過去と決別するために鴨川食堂にやってきて、それが切なかった。から揚げもおいしそうだったな。
でも、前々から言っているけど、こいしの依頼人に対する態度はもう少し何とかならないものか^^;30歳過ぎているとは思えないんだけど…。ちょっと露骨すぎますよね。まああのジュエリーデザイナー?にはそういう態度とってもいいですけど(いいのか?)
まあそれでもちゃんと依頼人が求める味に辿り着いて、おとうちゃんとこいしと、おかあちゃんとの会話が好きなので良いんですけどね。

<小学館 2017.1>H29.4.16読了

星に願いを、そして手を。 青羽悠5

星に願いを、そして手を。星に願いを、そして手を。
著者:青羽 悠
集英社(2017-02-24)
販売元:Amazon.co.jp

中学三年生の夏休み。宿題が終わっていない祐人は、幼馴染の薫、理奈、春樹とともに、町の科学館のプラネタリウムに併設された図書室で、毎年恒例の勉強会をおこなっていた。そんな彼らを館長はにこやかに迎え入れ、星の話、宇宙の話を楽しそうに語ってくれた。小学校からずっと一緒の彼らを繋いでいたのは、宇宙への強い好奇心だった。宇宙の話をするときはいつでも夢にあふれ、四人でいれば最強だと信じて疑わなかった。時が経ち、大人になるまでは――。
祐人は昔思い描いていた夢を諦め、東京の大学を卒業後、故郷に帰り、公務員となった。そんな祐人を許せない理奈は、夢にしがみつくように大学院に進み、迷いながらも宇宙の研究を続けている。薫は科学館に勤め、春樹は実家の電気店を継いだ。それぞれ別の道を歩いていた彼らが、館長の死をきっかけに再び集まることになる――。

第29回小説すばる新人賞受賞作。史上最年少記録だそうです。
16歳だということは存じておりましたが…プロフィール見て2000年生まれって書いてあってひえー!となりましたよ^^;2000年なんて最近だよ…。
まあそんなことは置いておいて。読みました。
まず思ったのは…えーと、本当に書いたの16歳の人なんですか?っていう^^;
夢を追いかけ続けている人、諦めた人、逃げた人。「夢」に対していろんな想いを抱えた人たちが出てきました。20代半ばなんて特にそうですよね。もう自分で考えて生きていかなければいけない時期で、夢を追いかけて良いのか諦めるべきか。人は誰しもが抱える問題だと思います。
私も夢はあったけど、でも夢を追いかける自信がなくて就職を機に諦めて。諦めたつもりだったけど諦めきれなくて。社会人になって10年、ずっと考えて悩んでいる感じです。でも、その状態は悪いことではないのかなと今は思います。ちゃんと考えていることが大事なのかなと。
祐人も理奈も薫も春樹もそれぞれの道を歩んでそれぞれがちゃんと自分の道を見つけていて、それが良かったです。
また館長や乃々さんたちも、謎が分かって、それぞれの想いが分かって良かったです。
面白かったです。

<集英社 2017.2>H29.4.16読了

十二人の死にたい子どもたち 冲方丁3

十二人の死にたい子どもたち十二人の死にたい子どもたち
著者:冲方 丁
文藝春秋(2016-10-15)
販売元:Amazon.co.jp

廃業した病院にやってくる、十二人の子どもたち。建物に入り、金庫を開けると、中には1から12までの数字が並べられている。この場へ集う十二人は、一人ずつこの数字を手にする決まりだった。初対面同士の子どもたちの目的は、みんなで安楽死をすること。病院の一室で、すぐにそれは実行されるはずだった。しかし、十二人が集まった部屋のベッドにはすでに一人の少年が横たわっていた。彼は一体何者なのか、誰かが彼を殺したのではないか。このまま計画を実行してもいいのか。この集いの原則「全員一致」にのっとり、十二人の子どもたちは多数決を取ろうとする。俊英・冲方丁がデビュー20年目にしてはじめて書く、現代長編ミステリー!性格も価値観も環境も違う十二人がぶつけ合う、それぞれの死にたい理由。彼らが出す結論は―。

うーん…。内容としては悪くなかったのだけど…。
終始まどろっこしかったかなぁ。12人もいるから仕方がないのかもしれないけど、誰かが話進めれば誰かが遮るっていうパターンが何度も続いて読んでいてイライラすることが何度かありました^^;
何を言ってるんだろうこの子はとイラつくこともありましたし、何だかイラついてばっかりだな。特に女性陣は何人か本当に頭がおかしい子がいたから←辟易してきました。
12人が死のうとしている中で見えてきた色々な出来事が段々解決へ導かれて行ったのは良かったかな。
結末も何となく予想通りだったけどそれはまあ良かったのかなぁ。
にしても散々引っ張っておいてアンリの独演会が始まった途端みんなが「死」に執着しなくなったのが面白かったかも。
死にたくて生きていたくなくてしょうがないと思っていても、他人に話したらなんだそんなこと?って思われてそう思ってきちゃう場合もあるかもしれないんだなぁと読んでいて思いました。
終始好印象だったシンジロウは置いておいて、私は割とセイゴが好きだったかな。見た目はなんとなく怖そうだけど中身はいい子なんだろうなと思いました。

<文芸春秋 2016.10>H28.12.1読了

鴨川食堂いつもの 柏井壽4

鴨川食堂いつもの鴨川食堂いつもの
著者:柏井壽
小学館(2016-01-09)
販売元:Amazon.co.jp

食にA級もB級もありまへんけど、人間にも一流も三流もありまへん。みな同じです。京都・東本願寺近くで鴨川流、こいし親娘が営む食堂では、思い出の「味」を捜してくれるという。父と一緒に食べた料亭のかけ蕎麦、娘が結婚前に作ってくれたカレーライス、初恋の相手との思い出が詰まった焼きそば、裏切ってしまった女性の実家で出された餃子、親友の母がふるまってくれたオムライス、空腹に耐えきれず手を出してしまったコロッケ。食が呼び覚ます温かな記憶にふれ、依頼人は明日への一歩を踏み出してゆく。連続ドラマ化記念、シリーズ初の文庫書き下ろし!

鴨川食堂第3弾ですね。最近知ったのですがドラマ化されているんですね。
気づいたのが遅かったので見ていないのですが1話の前に知っていたら見てみたかったかな。
今回はとても素朴な料理がテーマなのが多かったですね。どの料理も美味しそうでした。
でもいつも思うのですがお父ちゃんが職を探すくだりも少し欲しいなぁと思います。すぐに色々解決するのは良いのですが、もっと何か欲しいなぁと思ってしまいます。
そしてこちらもいつも思っているのですが、こいしが色々聞かなければいけないのはしょうがないのですが結構不躾だなと思うことが多くて。ちょっと、それはいくらなんでも失礼じゃないの?という嫌悪感を感じることがちょいちょいあって^^;それがちょっと残念でした。
こいしは最初の作品で30歳くらいだと思っていたのですが、今回亜アラフォーだとお客さんが言ったらうちとそんなに変わらんと言っていたのでもしかしたらこのシリーズは少しずつでも時間が経過しているのかななんてことも思いました。

<小学館 2016.1>H28.3.18読了

金魚姫 荻原浩5

金魚姫金魚姫
著者:荻原 浩
KADOKAWA/角川書店(2015-07-31)
販売元:Amazon.co.jp

勤め先の仏壇仏具販売会社はブラック企業。同棲していた彼女は出て行った。うつうつと暮らす潤は、日曜日、明日からの地獄の日々を思い、憂鬱なまま、近所の夏祭りに立ち寄った。目に留まった金魚の琉金を持ち帰り、入手した『金魚傳』で飼育法を学んでいると、ふいに濡れ髪から水を滴らせた妖しい美女が目の前に現れた。幽霊、それとも金魚の化身!?漆黒の髪、黒目がちの目。えびせんをほしがり、テレビで覚えた日本語を喋るヘンな奴。素性を忘れた女をリュウと名付けると、なぜか死んだ人の姿が見えるようになり、そして潤のもとに次々と大口契約が舞い込み始める―。だがリュウの記憶の底には、遠き時代の、深く鋭い悲しみが横たわっていた。

タイトルとあらすじに惹かれて手に取りました。荻原さんの作品を読むのは3年半ぶり。
初めは読んでいて辛かったです。勤務先のブラック具合が酷すぎるし、彼女は出て言ってるし。でも、明日の就業時間まで何時間何分って思っちゃうの分かります。私も日曜日になったら憂鬱になるから。それもあって読み進めるのが怖かったんですけど、仕事があまりにもひどすぎるので現実味が無くなってきたし、リュウとの関係の方が気になって行きました。
リュウと出会ったことで潤は変わっていきましたよね。それは死んだ人の姿が見えるようになって仕事が少しずつ良く回り始めたということだけではもちろんなくて。
リュウとの関わりが読んでいてだんだん微笑ましくなっていきました。
長崎の旅行は可愛らしかったけど、それと同時に分かっていたリュウの過去。切なかったです。そして最後の最後のお話に更に切なくなってそして温かくなりました。
面白かったです!

<角川書店 2015.7>H27.10.6読了

傘を持たない蟻たちは 加藤シゲアキ5

傘をもたない蟻たちは傘をもたない蟻たちは
著者:加藤 シゲアキ
KADOKAWA/角川書店(2015-06-01)
販売元:Amazon.co.jp

無限の悲しみはどこまでも僕を埋め尽くす――。いまを生きる人々の「生」と「性」を浮き彫りにする6編の物語を収録。累計20万部のデビュー小説『ピンクとグレー』の映画化で注目の加藤シゲアキ、最新刊!

芸能界が舞台以外の物語を読みたいと思っていたのでようやく待ち望んだ作品でした。
新刊になるたびに読みやすくて物語に引き込まれます。凄いですね。
短編の中にはなかなかの性描写も出てくるんですけど、これ、書いちゃっていいの?なんて思っちゃいましたけど、小説家なら書くのは当たり前ですよね。いろんなことを覚悟して書いた作品なんだろうなと思いました。どの作品も個性的で面白かったです。
「染色」市村も美優もそれぞれ良いなと思いました。芸術と性と、まとめちゃうのなんですけど青春小説だなと思いました。
「Undress」この主人公あんまり好きじゃないなぁと思って読んでたんですけど、最後の皮肉加減が凄すぎて同情しちゃいました…。この人の人生これからどうなるんだろう…
「恋愛小説(仮)」設定が凄く面白かったです。自分の書いた原稿の内容がそのまま夢になって現れる。そして自分の小学生の時の苦い思い出。可愛くてそして切なかったです。
「イガヌの雨」いやーこれ怖かったです。ある意味ホラーでしたね。終わり方も怖かった。これが現実になったらいやだな。私は料理うまくないけどお祖父さんのような生き方が良いなと思いました。
「インターセプト」この作品も面白くて怖かったです^^;男女の駆け引きこんなことしてんのかよ!!と思いました。してたら怖い・・・。これ男性側に立ってみたらめちゃくちゃ怖いですよね。でも少し自業自得・・・。
「にべもなく、よるべもなく」この作品の中に「妄想ライン」という小説が出てくるんですけど、それはシゲ先生が高校生の時に実際に書いた作品なんですね。そう考えて読むとまた面白いかも。
ケイスケの告白を受けた純の心の変化や葛藤が凄くよく書けてたと思います。何だか言い方が上からですけど^^;友達として大事に想っているからこそ真剣に考えて悩んで逃げて。いやー上手く言えないのがもどかしいんですけど本当に良かったです。

<角川書店 2015.6>H27.10.3読了

貸し本喫茶イストワール 書けない作家と臆病な司書 川添枯美

貸し本喫茶イストワール 書けない作家と臆病な司書 (集英社オレンジ文庫)貸し本喫茶イストワール 書けない作家と臆病な司書 (集英社オレンジ文庫)
著者:川添 枯美
集英社(2015-05-20)
販売元:Amazon.co.jp

作家デビューしたもののヒットが出ず、書くことすらできなくなった晃司は、祖父の紹介で喫茶店の住み込みアルバイトをすることに。喫茶イストワールは客のリクエストに応じて有名無名の作家たちが書き下ろした“同人誌”を貸し出す一風変わった喫茶店。そこで晃司は、司書をしている幼馴染みの文弥子と再会して…。傷ついた人々の心を癒す、世界でたった一つの物語。

集英社オレンジ文庫はヤングアダルト向けなんですね…
お話としては良かったけど、細部がツッコミどころ満載で^^;
文弥子の性格が最初と最後でずいぶんイメージが違ったり2人の呼び方が唐突にフレンドリーになってたり有輝と仲良くなる過程も何となくあれ?と思ったり。
・・・って、こうやって考えちゃうっていうところが多分年を取ったという事なんでしょうね・・・トオイメ。
司書というタイトルに惹かれて読んだのですが、実際にこんな喫茶店があったらもちろん働いてみたいなと思いました。魅力的すぎる…接客も好きだし…たくさん本が読めるし…。
一気読みだったけど途中話がブツブツ入っちゃうのがちょっとリズムが狂っちゃったかな。あれはきっとあの人の事ではないんだろうなと思って読んでいたので別人の事だと思うとなおさらブツッと切れてる感じがして。
なんて色々言っちゃいましたけど面白かったですよ。
とある文章で私泣きそうになりました。
それは追記に載せておきます。
続編が出たら読みたいです。

<集英社 2015.5>H27.9.2読了続きを読む

学園天国 五十嵐貴久4

学園天国学園天国
著者:五十嵐 貴久
実業之日本社(2015-01-31)
販売元:Amazon.co.jp

聖楓高校三年の池上慎也と担任教師の高岡麻美は、学校には内緒の夫婦だ。
結婚の秘密を守る為、二人はアパートを二部屋借りてドタバタの新婚生活を楽しんでいる。「ダーリン」「ハニー」と互いに呼び合い、ラブラブな毎日を過ごしていた。
一方、二人の所属する聖楓高校は、「経営の立て直し」を名目に厳しい管理教育を徹底し始める。
理事長の宇田川、教頭の冴島、体育教師の湯原ら学園の上層部を主導にして、教育指導部が結成された。生徒同士の恋愛は禁止、喫茶店への入店も禁止、放課後は教師によるパトロール、素行や成績の悪い生徒は退学処分……。学園の生徒と教師として、慎也と麻美も否が応にも混乱に巻き込まれていく。
エスカレートする教育指導の真意は不明。二人は生徒たちの幸せを守ることができるのか!?
現代社会においては、高校生の教育事情、学校事情は複雑化の一途をたどる。教育にとって、正義とはなにか――めまぐるしく変化するティーンエイジャーの心と「五十嵐貴久流」年の差カップルの絆を
みずみずしく大胆な筆致で描いた、青春ラブコメディ。

いやー…凄い…五十嵐さんって20代の方じゃないですよね?←
2人のラブラブ新婚生活が何と瑞々しいことか^^;現役高校生と社会人1年目の夫婦が部屋を2部屋借りて一体どうやって生計を立てているんだろう…というツッコミもありつつ。
高校内で巻き起こる様々な事件とその切り抜け方はお見事でしたね。
毎回ドキドキしながら読みました。
最後はどうなるかと思いましたが、痛快っていうのが正しいかなぁ。
にしても大人のやることはえげつないですね。ぷんぷん。
今の高校ってどうなんでしょうねー。
でも、高校生のいう事も一理あるし、大人たちのいう事だってすべてが間違いではないし、難しい問題ですよね。これは永遠のテーマなんだろうなぁ。

<実業之日本社 2015.1>H27.6.9読了

1981年のスワンソング 五十嵐貴久4

1981年のスワンソング (幻冬舎単行本)1981年のスワンソング (幻冬舎単行本)
著者:五十嵐貴久
幻冬舎(2015-03-12)
販売元:Amazon.co.jp

29歳の普通のサラリーマン俊介は、なぜか1981年にタイムスリップしてしまった。あり得ないが、受け入れざるを得ない。昔取った杵柄で、路上ライブで自分の知る“未来"のヒット曲を演奏し日々を凌いでいた。ある日、レコード会社のディレクター・小夜子から俊介の演奏する曲を絶賛され、売れないデュオ・イエロープードルにその曲を提供してほしいと懇願される。「過去を変えていいのか?」俊介は躊躇するが、背に腹は変えられない。リリースされた「世界に一つだけの花」「赤いスイトピー」「TSUNAMI」などは次々に大ヒット。俊介はこの時代で生きていく決意をするが、小夜子との関係が微妙になっていく。そして、ある新聞記事を目にした俊介は、なぜ、自分がこの時代にタイムスリップしたのかを確信し、行動を起こす。笑いと感動の、痛快エンタテインメント。

面白かったけど…だ、大丈夫なの?と若干心配してしまった今作^^;
久しぶりに読みました。こういうベタなタイムスリップもの^m^
2014年の世界からいきなり1981年にタイムスリップ。1981年は私も生まれていないので知らない時代ですが、この時代に人気だった方々で今も変わらず有名な人って結構多いんだなぁと思ったのが1番強い印象でした。記録として見てはいましたけどこう出ると凄かったんだなぁと改めて思ったり。逆に2047年に行ってしまったとしてその時に通じる有名人ってどれくらいいるんだろうなぁなんて思ったりしました。
それから、現代でコンビニでお釣りをもらう時に500円玉がなくて全部100円玉になるというくだりがありましたけど、あれは結構ミソなところなんですよね多分。500円玉が発行されたのは1981年よりも後できっと使えなかったと思うので。
タイムスリップしてしまった俊介は身元不明でどこでも雇ってもらえずホームレス生活。背に腹は代えられないということで未来でヒットする曲を1981年の世に送り出していきます。ここのくだりは「君といた未来のために」という昔やったドラマでタイムスリップした青年がたまごをみてたまごっちを先に世に送り出して大儲けしたっていうくだりを思い出しました^^;懐かし。
そして実際にいる有名人もたくさん出てきましたねー。それに1981年に「世界に一つだけの花」をヒットさせちゃいましたけど^^;大丈夫なんだろうか。五十嵐さんって「YOU!」もそうだけどちょいちょいジャニーズ出てきますよね…。
でも8歳のあの子が出てきてあのセリフが出たときは吹いちゃいましたよ。いや、8歳で言わんでしょそれ。っていうか実際言ってないでしょ。そして8歳で事務所入ってないでしょ。と突っ込んでしまいましたすみません^^;
小夜子との関係もどんでん返しで最後の最後もどんでん返しでおいおい…!と思わずにはいられませんでした^^;小夜子ひどい←
最後に俊介が向かった先、なんとなーく予感はしてたんですよねー…やっぱりそこいきましたか。
ネタバレになっちゃうので色々端折りましたけども^^;
それでも痛快で面白く読めました。

〈幻冬舎 2015.3〉H27.4.14読了

珈琲店タレーランの事件簿 4 ブレイクは5種類のフレーバーで 岡崎琢磨4

珈琲店タレーランの事件簿 4 ブレイクは五種類のフレーバーで (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 4 ブレイクは五種類のフレーバーで (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
著者:岡崎 琢磨
宝島社(2015-02-05)
販売元:Amazon.co.jp

五年前に失意の美星を救ったのは、いまは亡き大叔母が仕掛けた小さな“謎”だった―。京都にひっそりとたたずむ珈琲店“タレーラン”の庭に植えられたレモンの樹の秘密を描いた「純喫茶タレーランの庭で」をはじめ、五つの事件と書き下ろしショート・ショートを特別収録したミステリー短編集。

今回はスピンオフみたいな形なんですかねー。
最初の指輪の謎も面白かったけど私は次のパリェッタの恋の方が好きかな。
違和感は感じてたんですよねー。主人公が若いはずなのにスマホに疎いとか康士との関係とか。美星の事をちゃん付けで呼んだり。最後は納得しました。読み返したらなるほどうまいことやっていると思い^^;面白かったです。
ダーツバーでの出来事はアオヤマ君のヘラヘラした感じは私もちょっとイラッとしたけど←でも最後はかっこよかったかな。
美星が失意のどん底にいたときに大叔母さんがしてくれたことはとても優しくてあったかい謎だったなと思いました。
そしてこの2人の関係は一体どうなることやら。そこは何も変わらなかったですねー。

〈宝島社 2015.2〉H27.4.1読了

シャーロック・ホームズの蒐集 北原尚彦5

シャーロック・ホームズの蒐集シャーロック・ホームズの蒐集
著者:北原 尚彦
東京創元社(2014-11-28)
販売元:Amazon.co.jp

かつて彼の推理に心弾ませたすべての人々へ―あの名探偵が、甦る。大英帝国を縦横無尽に駆け巡るシャーロック・ホームズと相棒ワトスン博士の“語られざる事件”を、世界有数のホームズ・ファンが愛と敬意を込めて作品化した、最高水準のパスティーシュ。最新の活躍譚六編を収録。

初読み作家さんです。タイトルに惹かれて読みました。
シャーロック・ホームズや著者のコナン・ドイルという名前は私は名探偵コナンから入りました^^;コナン読み始めたのが小学生の時だったのでそこが始まりです。
最近コナン・ドイルの特集もテレビで見たのでタイムリーでした。
原作は1冊も読んだことがないのですが、いやー面白かったです。
ホームズという人物に関しても、また事件の内容についても、です。
北原さんがホームズを愛しているのが伝わってきます。
初読み作家さんではありますが北原さんはよくテレビで拝見しています。すずらん本屋堂で解説で出たり古本散歩というコーナーでもよく登場します。
そして喜国さんの本棚探偵でも登場しましたね…あの本で埋め尽くされた部屋…ある意味ホラーでした…。
「遅刻しがちな荷馬車の事件」定期的に荷馬車が納品に遅れるということに疑問を感じたホームズが荷馬車を操作する人物について調べていき事件へと発展していきます。まさかの事件の展開に驚きました。
「結ばれた黄色いスカーフの事件」かつて自分が殺した家族からの報復。犯人やその犯人の背景にある物語が壮大で面白かったです。
「ノーフォークの人狼卿の事件」人が狼になるなんてこの世界ではどう表現されるのだろうと思ったら見事でした。カラクリが分かると面白いですね。
「詮索好きな老婦人の事件」寝たきりのおばあさんに向かいの建物のある部屋を見ているようにと頼んだホームズ。首つり事件のあった部屋に入居した男性についてはなるほどと思いました。煙突掃除の話が出てきて全然関係ないですけど「スパッタ・カミーノ!」というセリフを思い出しました。
「憂慮する令嬢の事件」お祖父ちゃんが謎の脅迫を受けていることを知りホームズに依頼した孫。しっかりしたお孫ちゃんでした。事件そのものに関しては周りが先走り過ぎたのかなー
「曲馬団の醜聞の事件」サーカス団のお話。こちらもカラクリが面白かった。

〈東京創元社 2014.11〉H27.2.9読了

キャプテンサンダーボルト 阿部和重 伊坂幸太郎5

キャプテンサンダーボルトキャプテンサンダーボルト
著者:阿部 和重
文藝春秋(2014-11-28)
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人生に大逆転はあるのか?
小学生のとき、同じ野球チームだった二人の男。二十代後半で再会し、一攫千金のチャンスにめぐり合った彼らは、それぞれの人生を賭けて、世界を揺るがす危険謎に迫っていく。
東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29と、公開中止になった幻の映画。そして、迫りくる冷酷非情な破壊者。すべての謎に答えが出たとき、動き始めたものとは――
現代を代表する人気作家ふたりが、自らの持てる着想、技術をすべて詰め込んだエンターテイメント大作。

伊坂さんの作品は新刊が出たら内容を知らずとも必ず読むので図書館で借りる気満々だったんですよ、はい。
でも先日王様のブランチを見ていたらこの本が特集されていて、あらすじを語っているときに出てきた名前が相葉と井ノ原で^^;「なに!?」って思わず画面を二度見しちゃいましたよね。しかもその後に井ノ原の息子の名前が健剛だと知ってもう買うことに決めて買っちゃいました←
伊坂さんの作品で井ノ原姓が出てくるの2回目なんですけど…(1度目はゴールデンスランバー)日本で200人くらいしかいないらしいですよ、この名字。お二人どちらの案なのか知りませんけどどうして相葉と井ノ原で子供が健剛にしたのかホント知りたいです教えてください←
ということで、読みました。内容は難しかったですねー。いろんな問題が錯綜していていったいこれがどう一つに繋がるんだろうと思いましたけども、最後にすべてが繋がり、さすがだなと思いました。私は阿部さんの作品は読んだことがないのですが多分私は文章の相性があまりよくないんじゃないかなと勝手に思ってます。この本を読んで思ったってわけじゃなくて^^;ごめんなさい。
取引相手の間違いにより思わぬ大きな事件に巻き込まれ、一獲千金のチャンスだと自分からその渦に入り込んでいった相葉。そして12年ぶりに再会したかつての野球仲間の井ノ原。彼もまた息子の原因不明の病により借金を抱えて首が回らない状態になっていた。
本の半分以上は読んでいてもどう転んでいくのか全然わからず、ただハラハラドキドキしていました。相葉の無鉄砲ぶりにおいおいと思い、そしてそれをなだめる冷静な井ノ原。2人はとてもいいコンビだと思いました。
そして終盤になると全く無関係に見えていた一つ一つが徐々に繋がっていき、2人が巻き込まれている大きなものはなんなのか、わかっていくと相葉と井ノ原同様繋がっていく昂揚感も感じていきました。
そんなにとりえのない←2人がどう怪人と対決していくのか、もう気になってしょうがなかったんですけど、お見事!でした。
話の展開は「ゴールデンスランバー」を思い出しました。本人たちの知らないところで大きな国規模の何かが蠢いている何だか怖い感じ。実際そうだったんですけど、一般市民の知らないところでこんな風にないものがあるように仕立て上げられていたり、何も関わっていないのに関わっているようにされたりしていたら、怖いなと思いました。
最後のシーンがまたたまりませんでした。良かった〜。
物語の余談。
2013年の仙台が主な舞台なのでしょっちゅう楽天やマー君の話題が出てきていたのが面白かったですし嬉しかったです。
4歳の健剛君が可愛かったです。井ノ原が健剛っていうたびにミニマムサイズの2人が頭の中に出てきてイノッチがデレデレしているという構図が出てきて困りました←色々ツッコミどころが満載。
物語の後半に井ノ原がイノッチと呼ばれるシーンが出てきて吹きました。
・・・まあ余談は気にしないでください^^;
面白かったです。きっといつか映像化されるんだろうなー。されるなら2人がやっちゃえばいいのに。同級生には決して見えませんけど。逆に違う人たちが相葉、井ノ原って呼んでたらそれはそれで違和感を感じそうだな^^;

〈文芸春秋 2014.11〉H26.12.29読了

鴨川食堂おかわり 柏井壽4

鴨川食堂おかわり鴨川食堂おかわり
著者:柏井 壽
小学館(2014-08-26)
販売元:Amazon.co.jp

鴨川流・こいし親娘と虎猫のひるねがお迎えする、不思議な食堂へようこそ。この食堂では、もう一度食べてみたい思い出のの味を再現してくれるという。看板のない店に辿り着く手がかりはただひとつ、料理雑誌に掲載される<“食”捜します>の一行広告のみ。今回は「中華そば」「のり弁」「焼きめし」「クリスマスケーキ」「天丼」「ハンバーグ」の思い出と味を求めて、六組の客が訪れる。食×謎の美味しいミステリー。

鴨川食堂の続編です。
相変わらず出てくる食べ物がどれも美味しそうですね〜。
お腹が空いているときに読んじゃいけませんね^^
今回もどの作品もとても良かったです。温かかった。
ただやっぱりその料理を探すところのくだりがないのが物足りなさを感じちゃいますね…。何か意図があるのかもしれないですけど。
特に私は「クリスマスケーキ」が好きかな。お父ちゃんはケーキも行けるのね!凄い^^
物語も切なくて、でも温かいお話でした。

〈小学館 2014.8〉H26.10.31読了

鴨川食堂 柏井壽5

鴨川食堂鴨川食堂
著者:柏井 壽
小学館(2013-11-25)
販売元:Amazon.co.jp

京都・東本願寺の近くにあるというその食堂には看板がない。食堂を切り盛りするのは、鴨川流とこいしの親子二人。この食堂では、もう一度食したい食べ物の味を少ない手がかりから再現してくれるという。店に辿り着く手がかりはただひとつ、料理雑誌に掲載される<“食”捜します>の一行広告のみ。
「鯖寿司」「ビーフシチュー」「鍋焼きうどん」「とんかつ」「肉じゃが」「ナポリタン」の思い出と味を求めて、六人の客が訪れる。

テレビで紹介されていて気になっていた作品でした。
「思い出の『味』捜します」という一行広告を料理雑誌に載せており、ご縁があった依頼者が求める味を探す探偵のような仕事もしています。
この作品で登場するのは6人6品。それぞれがいろんな思いを抱えていて、どれだけその料理に思いれがあるのか。読んでいてほっこりしたり切なくなったり。
どの作品も良かったです。
ただ、流が推理して依頼者の求める味を探しに旅に出るのですがその部分がすっぽり抜けていて、すぐ解決編になるのがもったいないなぁとも思いました。
出てくる料理が依頼したもの以外もとてもおいしそうで、食材一つ一つの解説もとても丁寧だからさらっと読めちゃうのが凄くもったいなく感じるんです。
ただどの作品も良かったことは事実。
続編を書いてほしいなと切に願います。
こいしちゃんの恋模様もとても気になりますし^^

〈小学館2013.11〉H26.7.14読了

可愛いベイビー 五十嵐貴久5

可愛いベイビー可愛いベイビー
著者:五十嵐 貴久
実業之日本社(2014-05-08)
販売元:Amazon.co.jp

銘和乳業課長のわたし(川村晶子)は、38歳にして14歳年下の児島くんと結婚を決意し、交際は順調…ではあったが、契約社員の児島くんがリストラにあってしまい、生活費節約のため二人で暮らすことに。仕事は部下も責任も増え、売れっ子モデルのCF撮影と、休む暇なし。折しもわたしの体に変調が。二人はこれからどうすれば…?“年下”シリーズ完結編。

3作目が出るとは思いませんでした。でも、確かに前回が最初から最後までもやもやしっぱなしで結局ふりだしに戻るみたいな感じですんごい消化不良だったから良かったです、ホント。
双方の親族の問題以外はまったく問題のない二人。凄くほほえましいです。
晶子のやたらとおばちゃんのようにいろんな意味で甲斐甲斐しいのが気になるところですがこれはまあ職業病なんだろうということで甘く見積もるとしましても←良いなーと思ってばかりでした。相性が良いんだろうなと思います。良いものも悪いものも相手を尊重して譲歩できる関係っていいなーって。
私は今まで年下を恋愛対象として見たことがなかったので、気持ちが分かるという部分は難しいところではあるのですが。
ただ最近すんごい年下の人が気になり始めていてどうしよう自分って思っているところではあるが←リアルの世界ではありません。念のため。
でも、綺麗事じゃなくて愛があれば歳の差なんて。なんだろうなーと思う。
勿論愛だけでは生きていけない。でも、愛が全くなかったらそれも生きていけないよね。
色々あって同棲なんかもしてしまって。もう結婚しちまえよと読んでるほうは思うのですが(下世話)
親族ってめんどくさいね。私は自分の事じゃなければ割とどうでもいいです←
特に晶子の父親。もう前作からぶん殴りたくてしょうがなかったですよ。
で、今回は頑固を通り越していやいやしてる子供のようでしたな。読んでいて引いた。
お母さんの対応がかっこよすぎました。夫婦って、親子って大変でめんどくさいねー。
結局は娘を自分の所有物と勘違いしてるのよ。自分の思い通りに行かないとこうやって意固地になるんだよあーめんどくさい。めんどくさい。
私の母親も、父親に同じことしてほしいなぁ…ぼそ。
最後が凄く良かった。誰よりも幸せそうで羨ましかった。
この作品は私が言うのもなんだけど、女性に夢を与えますよね。
私もこんな恋愛したいなーと思うもの。別に年下じゃなくていいけど。
きっとしないけど。
晶子の爆弾発言からの職場の人たちの対応が凄くよかった。これはご都合主義なのではなくて晶子の一生懸命さや人望が作り上げたんだろうなーと思った。
幸せを分けてもらったような気分でした。
良かった。

〈実業之日本社 2014.5〉H26.7.8読了

アリス殺し 小林泰三3

アリス殺し (創元クライム・クラブ)アリス殺し (創元クライム・クラブ)
著者:小林 泰三
東京創元社(2013-09-20)
販売元:Amazon.co.jp

複数の人間が夢で共有する〈不思議の国〉で次々起きる異様な殺人と、現実世界で起きる不審死。驚愕の真相にあなたも必ず騙される。鬼才が贈る本格ミステリ。

タイトルがものすごく気になって手に取りました。
ちょっと想像と違いました…。
そういえば小林さんって初読みだったんですけど、ホラー書かれる方でしたよね…
いやー途中から気持ち悪かった〜…
最初は本当に会話がまどろっこしくて進まなくてイライラしましたよ…。
途中正直読むの止めようかなとも思いましたが。
お?えぇ!?という展開がやってきて読む手が止まりませんでした^^;
スプラッター満載ですが、最後は報われた形になって良かったです。
でも小林さんの作品は…しばらく…いいかな…すみません。
やっぱりスプラッタは苦手…ミステリならいいんだけど…

〈東京創元社 2013.9〉H26.5.29読了

珈琲店タレーランの事件簿 3 心を乱すブレンドは 岡崎琢磨3

珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
著者:岡崎 琢磨
宝島社(2014-03-24)
販売元:Amazon.co.jp

実力派バリスタが集結する関西バリスタ大会に出場した珈琲店“タレーラン”の切間美星は、競技中に起きた異物混入事件に巻き込まれる。出場者同士が疑心暗鬼に陥る中、付き添いのアオヤマと犯人を突き止めるべく奔走するが、第二、第三の事件が…。バリスタのプライドをかけた闘いの裏で隠された過去が明らかになっていく。珈琲は人の心を惑わすのか、癒やすのか―。美星の名推理が光る!

シリーズ第3弾。3弾まで来ましたか。
1冊目は割と面白かったなーと思って読んで、2冊目はどうも2人の雰囲気や言動が幼稚だなーと思ってしまったりして、そして今回。
うーーーん…やっぱりちょっと幼稚な感じが…すみません。
ストーリーや事件の真相はなるほどと思ったのですが、出てくる人たちがあまり掘り下げられていないからか誰にも感情移入できなかったんですよね。
美星とアオヤマの関係も宙ぶらりんな状態のままだったので尚更そう思ってしまいました。美星のキャラ自体もあんまりわかっていないかも。それは私の読解力が悪いとして。
アオヤマの言動や癖が前回凄く深いでそれが薄れていたのは良かったのですが…うーん。
最後も何となく読めてしまって残念。
すみません、本当にすみません。

〈宝島社 2014.3〉H26.5.24読了

Burn.‐バーン‐ 加藤シゲアキ5

Burn.‐バーン‐ (単行本)Burn.‐バーン‐ (単行本)
著者:加藤 シゲアキ
KADOKAWA/角川書店(2014-03-21)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
機械のようにさめきった天才子役・レイジが出会ったのは、魔法使いのようなホームレスと愛に満ちた気さくなドラッグクイーン。人生を謳歌する彼らに触れ、レイジは人間らしい心を取り戻し、いつしか家族のようにお互いを慈しむようになる。だが幸せな時は無慈悲で冷酷な力によって破られ、レイジはただひとつの居場所であった宮下公園から引き離されてしまう―家族、愛の意味を問う、熱情溢れる青春小説!

凄い!凄いよ!シゲ先生!面白かった〜。夢中で貪るように読みました。もったいないけど止まらなかったです。
「渋谷サーガ」3部作の最終章。
「ピンクとグレー」は面白かったけど最初の文章のまどろっこしさが惜しいなぁと思っていて。でも次作の「閃光スクランブル」で払拭され、今回はさらに物語の面白さが増していてもう本当に良かったです。
この作品は30歳の夏川レイジと10歳のレイジが交互に描かれています。
30歳のレイジは始め、20年前の記憶を失っています。天才子役と呼ばれた10歳の時に何があったのか。それが徐々に明らかになっていきます。
レイジが10歳の時に出会った徳さんが本当に魅力的な人でした。人間としてかっこいいなと思いました。ローズさんも素敵でした。レイジを学校から連れ出したところが特にかっこよかったです。
レイジは徳さんとローズに出会わなければどんな人間になっていたんだろう。記憶から消えていったのだとしてもちゃんと心には残っていて、ちゃんとした人として成長できたんだろうと思う。
奥さんとの出会いも良かった。2人は出会うべくして再び出会ったのでしょうね。
20年前に起きた出来事は予想以上の辛いものでしたが、ちゃんと思い出したことで向き合い、次につなげることが出来たんじゃないかなぁ。結末もとても良かったです。展開が良かった。本当に良かった〜。
3部作全部読んできましたが、この主人公が一番シゲさんに近かったんじゃないかなぁ。10代半ばからエリート街道を突き進んでいたり泥水を啜るようになったときも(どっちも本人が言ったことですよ←)あったけど、そうしてたくさんのことを経験したことで肥やしになって小説という形で生きているのでしょうね。凄いです、本当に。
作品の中でパルコ劇場とかシアターコクーンとか赤坂ACTシアターとか青山劇場って言葉が出てきてうれしかったですよ^^舞台業界って北海道には本当に浸透していないからこういう形で読んで知る人が増えたら嬉しいなぁとも思いました。
あと10歳のレイジが読んでいた漫画は私は漫画は読んでいなかったけどアニメは見ていたので懐かしかったりして細かいところも楽しめました。
とても面白くていい読後感だったのだけど、だったからなおさら芸能界以外の作品も書いてほしいなと思います。凄く期待しています。
読んでよかったです。
私も魂を燃やして生きていきたいなぁ。

〈角川書店 2014.3〉H26.5.22読了

イニシエーション・ラブ 乾くるみ4

イニシエーション・ラブ (文春文庫)イニシエーション・ラブ (文春文庫)
著者:乾 くるみ
文藝春秋(2007-04-10)
販売元:Amazon.co.jp

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

ものすごくネタバレしているのでご注意ください。



すんごい前から気になっていたのですよ…でもこちらもタイミングが合わずに読まないでいました。2か月前にテレビを見ていたら有田さんがものすごく絶賛してるじゃないですか。そんなにすごいのか。じゃあ読んでみるかと思い次の日に図書館に予約しようとしたらすでにすんごい予約^^;みんな現金ねー考えることは同じねー(お前もな!)ということで2か月たってからの読了でした(前置き長!)
最後の2行にえぇ!?ってなるということですんごい色々妄想しながら読んでいたのですが(血が流れたシーンが出てきたから誰かが誰かを殺したのか?とか^^;)
確かにラスト2行は衝撃。そして案の定再び最初から読み返しました。
私が1番最初におかしいなと思ったのはSide-Bの「男女7人夏物語」と「男女7人秋物語」の話。ほぼラストじゃないかといえばそれまでで、えぇそうです。そこまでこのトリックは気付きませんでしたよ、はい。
で、最後の2行を読み終えたときにまず思ったのが、だから「たっくん」だったのかと思ったこと。わざわざそう呼んだのにはわけがあったのかと思うとぞぞっとしました。
読み返すと、時系列が分かるのでここはこうつながるのかとわかったところがたくさんありました。
まずはルビーの指輪。合コンではめていてクリスマスに無くしたといい、そのあとにたっくんがプレゼントしていて最初は無くしたという言葉を覚えていてプレゼントしたのかと思ったのだけどそう考えると会話がちょっとおかしいんですよね…。
マユが古典文学が好きなのにブルーバックスが並んでいるというのも本編に触れてないなと最初思ったのですが最後まで読んでなるほどと思いましたし。
それよりもマユの真意がつかめないのが1番気になるところでしたね〜。
時系列を見直すと、マユの方が先に動いているんですよねー。Side-Bで、ごめんね、海に先に行ってきちゃった。って書いてるけどそれはあの海のシーンだなと考えるともう恋愛に行こうとしてるのがこちらが先だとわかります。
あの「タック」まで言って別の会話にしようとしているのとか分かった後だとうわ〜と思いましたし^^;
何より1番マユが怖いなと思うのはもうネタバレって書いてるんでオブラートなしで書いちゃいますけど、中絶手術のことを隠さなきゃいけないとはいえ「便秘だった」といい、治療が終わったらスッキリしたという一言でさらっと言ってるのが怖いなと。更にいえばその中絶の割とすぐ後に処女の振りして別の男と寝たっていうのが1番こわっ!と思いました。しかも妊娠中に別の男と付き合おうとしてたんですからねー。いやいやいや←
この物語の時系列に関しては素晴らしいですし2回読みましたけど、そこまでえ〜!?とおもったり怖いと思ったりはしなかったかなー。
マユはまだ20歳で、若いからもちろん中絶したということに関しては色々嫌だなぁ悲しいなぁと思いましたし、その生まれてくることが出来なかった命が可哀想だとも思うのだけど、それでもそこまで怖い女だとは思えなかった。Side‐Aのたっくんが事実を知らないのは可愛そうだけどそれでもちゃんと互いに愛しているならばそのままうまくいけばいいなぁとも思ったんですよね。あ、でもたっくんは内定を蹴って地元就職したらダメよ←
この小説をマユと同じ年くらいに読んでいたら感想はきっと違ったと思うのですが、年を重ねたからなんでしょうかね〜…

〈原書房 2004.4
  文芸春秋 2007.4〉H26.5.9読了

新世界より 貴志祐介5

新世界より(上) (講談社文庫)新世界より(上) (講談社文庫)
著者:貴志 祐介
講談社(2011-01-14)
販売元:Amazon.co.jp

新世界より(中) (講談社文庫)新世界より(中) (講談社文庫)
著者:貴志 祐介
講談社(2011-01-14)
販売元:Amazon.co.jp

新世界より(下) (講談社文庫)新世界より(下) (講談社文庫)
著者:貴志 祐介
講談社(2011-01-14)
販売元:Amazon.co.jp

ここは汚れなき理想郷のはずだった。
1000年後の日本。伝説。消える子供たち。
著者頂点をきわめる、3年半ぶり書き下ろし長編小説!
子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
いつわりの共同体が隠しているものとは――。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる!

ネタバレあります

貴志さんの作品は大学生の時に「青の炎」を読んで以来でした。
この作品もずっと気になっていたのですが読めずにいました。なぜなら分厚いから^^;
「悪の教典」も然り。
今回手にしてやっぱりもっと早く読んでいればよかったと思いました。
世界観が素晴らしい。長編作品なのに長いと感じませんでした。読む手が止まりませんでした。
もう上手く言葉に表すことができません。
とにかくすごかった。スプラッターな部分も多くて読んでいる途中気持ち悪かったこともありましたが^^;
やっぱり1番印象深いのは瞬との別れです。本当に読んでいて辛かったです。ましてや最後のあの言葉。もう涙が出そうでした。
どうして瞬がこんな目に遭わなければならないのか、辛くてしょうがなかったです。読み進めていても結構引きずっていました。
主人公の早季は、友人たちにも言われていましたが強い子でしたねー。
特別体力があるわけでも頭が良いわけでもないのだけど…何より心が強い。
人は悲しみに打ちひしがれて立ち直れないことでも早季は立ち直る。立ち向かう。
だから最後も人類最大のピンチにも立ち向かい、打ち勝てたのだと思います。
ただ、奇狼丸の最期が悲しすぎます。体当たりして自爆したようなものですよね。その方法を考えた早季がやはり強かったのかと思いました。
にしてもバケネズミの正体には衝撃でした。それを知った後にスクィーラの言葉を思い返すと凄く凄く切ないです。
もっとみんなが住みやすい世界を創るために、ほかに方法はなかったのかと思わずにはいられませんでした。
いやー…本当に衝撃でした。素晴らしかったです。

〈講談社 2008.1〉H26.4.17読了

はなとゆめ 冲方丁5

はなとゆめ (単行本)はなとゆめ (単行本)
著者:冲方 丁
角川書店(2013-11-07)
販売元:Amazon.co.jp

清少納言は28歳にして帝の后・中宮定子に仕えることになる。内裏の雰囲気に馴染めずにいたが、定子に才能を認められていく。やがて藤原道長と定子一族との政争に巻き込まれ……。美しくも心震わす清少納言の生涯!

冲方さんが「光圀伝」の宣伝でテレビに出られていた時に「次は清少納言です」と言っていたので楽しみにしていました。
清少納言は「枕草子」を書いた人で28歳で中宮定子に仕え、何か冷たそうな人^^;っていうイメージだったんですけど。そのイメージは覆されました。
この物語はおそらく晩年の清少納言が自分の人生を振り返っていてずっと一人称で語られます。なので大きな展開があっても割と淡々と語られて、文章も読みにくい部分もあったのですが清少納言がどんな人でどんなことをされていたのか全く知らなかったのでどんどん読むことが出来たように思います。
まずは3回も結婚していたことに驚きました^^;しかも1回は死別ですけど1回は本当に今でいう離婚で。この時代も一応は出来たんですね。
中宮定子もどんな人物なのか知らなかったので、勉強になりました。聡明な素晴らしい方だったのだろうなというのが分かります。清少納言めちゃくちゃ褒めちぎってましたもん。若干言いすぎじゃない?っていうくらい^^;
清少納言が冷たそうという印象は本当に一部分を切り取って誇張したものなんだろうなというのが読んでいてわかりました。この時代の噂って怖いですねぇ…。
清少納言の忠義を尽くす生き方も、中宮定子の命を懸けて一条帝に寄り添う生き方も、ありきたりな言葉でしか言えないのが申し訳ないですけど素晴らしいと思いました。
「天地明察」や「光圀伝」と比べると淡々と進んでいくので、冲方さんの描かれるスペクタクル!な感じを期待すると期待はずれかもしれませんが、清少納言がどんな人物だったのか、その史実を知りたいと思う方には読みごたえがあると思います。

〈角川書店 2013.11〉H26.1.3読了

珈琲店タレーランの事件簿2 彼女はカフェオレの夢を見る 岡崎琢磨3

珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る (宝島社文庫)珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る (宝島社文庫)
著者:岡崎 琢磨
宝島社(2013-04-25)
販売元:Amazon.co.jp

京都の街にひっそりと佇む珈琲店“タレーラン”に、頭脳明晰な女性バリスタ・切間美星の妹、美空が夏季休暇を利用してやってきた。外見も性格も正反対の美星と美空は、常連客のアオヤマとともに、タレーランに持ち込まれる“日常の謎”を解決していく。人に会いに来たと言っていた美空だったが、様子がおかしい、と美星が言い出して…。姉妹の幼い頃の秘密が、大事件を引き起こす。

続編が出るとは思いませんでした。
美星とアオヤマ君の関係は変わらずですねー。もどかしかったです。
前読んだときは騙されたーと思いながら結構楽しく読んだ気がするんですけど…
何だか今回はそこまで楽しめなかったというか…いや、面白く読んだんですけど…
以前よりも会話の文章が幼く感じたと言いますか…アオヤマ君がたまに放つ効果音の意味が分からないし、アオヤマ君が言う言葉にしらけるときがあったりして…
ごめんなさい。
でも、物語は面白かったんですよ。美星と美空の秘密はどういうことなのかって気になって読む手は止まりませんでしたし。
ただ文章の相性がちょっと悪かったかなと^^;
まだ続くのかなあ。何やかや言ってもまた読むような気がします。2人の展開が気になりますし。

〈宝島社 2013.4〉H25.7.12読了

昨夜のカレー、明日のパン 木皿泉5

昨夜のカレー、明日のパン昨夜のカレー、明日のパン
著者:木皿 泉
河出書房新社(2013-04-19)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ―。七年前、二十五才という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。結婚からたった二年で遺されてしまった嫁テツコと、一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフは、まわりの人々とともにゆるゆると彼の死を受け入れていく。なにげない日々の中にちりばめられた、「コトバ」の力がじんわり心にしみてくる人気脚本家がはじめて綴った連作長編小説。

ちょうど本の順番が回ってきたときに「王様のブランチ」で紹介され、木皿泉さんご夫婦お二人が出演されていました。お二人の雰囲気がとてもよくてこういう夫婦って素敵だなぁとほのぼのしてました。とても仲の良いご夫婦で「一緒にいれて良かった」「来世でもまた出会うから」なんて素晴らしい事をおっしゃっていたんです。良いなーって思いました^^
そのお二人が書かれた初の小説だそうで。
25歳で亡くなった一樹の家では一樹の父ギフと妻テツコがいまだに2人で暮らしています。この二人を取り巻く人々の8つの物語です。
どの人の章もとてもよかったです。ちょっと変わったギフとテツコの関係も当たり前な感じになっているのがとても良いなと思いましたし、近所に住んでいるタカラや一樹の従兄弟の虎尾もいい味出してました。
テツコの恋人の岩井さんもちょっと変な人だけど、テツコの関係を大事に思っているのが分かりました。
最後の方にギフの奥さんの事や一樹の章も出てきます。
一樹の章がとっても良かった。亡くなった一樹の目線の物語があったのが良かったです。
切なくて素敵で優しい物語でした。

〈河出書房新社 2013.4〉H25.6.22読了

妻は、くノ一 風野真知雄4

妻は、くノ一 (角川文庫)妻は、くノ一 (角川文庫)
著者:風野 真知雄
角川グループパブリッシング(2008-12-25)
販売元:Amazon.co.jp

時代は江戸後期。平戸藩の御船手方書物天文係・雙星彦馬は、三度の飯より星を見るのが好きという変わり者。そんな彦馬のもとに美しい嫁・織江がやってきた。彦馬は生涯大切にすることを心に誓うが、僅かひと月で新妻は失踪してしまう。実は織江は、平戸藩の密貿易を怪しんだ幕府が送り込んだくノ一だった。そうとは知らず彦馬は妻を捜しに江戸へ赴く。互いにひかれあいながらも会うことの許されない彦馬と織江。ふたりが相見える日は来るのか……。

この本は勤めていた図書館に入ってきた時から気になっていました。
でも時代小説はほとんど読まない私。風野さんなんて完全に時代小説家なので読む気になかなかなりませんでした。
ですが、結局見なかったんですけど、4月から映像化されたんですよね。
そこからまた気になりだして、ようやく1冊目を手に取りました。
ドラマは録画はしていたんですけど、例によって例のごとく見ない見ない^^;
ということで結局1話も観ずに終わっちゃいました。
まあ、これからシリーズを読んでいくんだから見なくて良かったんだ。BSプレミアムでやったから好評ならNHKでやるよね。とまた見れることに期待です。
で1冊目。まさかこんな終わり方になろうとは…本当にシリーズなんですね。
とにかく彦馬が純朴で素敵です。平戸藩では結構バカにされていますけど、人を大事にする人なんだなというのが伝わってきます。
たったひと月しかいなかった嫁のために、ここまでできるなんて…とただただ彦馬の純粋さに惹かれました。
また織江も今までも人の妻となって密偵を行ったことがあったのだけど、唯一幸せだと感じたのが彦馬。
2人は互いに惹かれあっていきます。
てっきり最後には会えるのかなと思ったら思わぬ方向へ行ってしまいましたね。
これからどうなるのでしょう。
彦馬は藩士を捨てて江戸に来て、人に教える仕事を見つけて、それが良かったのかもしれないですね。何だか生き生きしている気がします。
天文オタクっていうのもまた素敵。雰囲気とか性格とか、何となく冲方さんの描かれた渋川春海に似てるなーなんて思いながら読んでいました。
このシリーズは全10巻らしいですけど、まさか最後の最後まで会えないなんてこと…
あと9冊と思うと長いなと思いますが^^;(新シリーズもあるらしいですね…)ゆっくり読んでいきたいなと思います。

<角川グループパブリッシング 2008.12>H25.6.19読了

閃光スクランブル 加藤シゲアキ5

閃光スクランブル閃光スクランブル
著者:加藤 シゲアキ
角川書店(角川グループパブリッシング)(2013-02-26)
販売元:Amazon.co.jp

5人組の女性アイドルグループ、MORSEのメンバー・亜希子は、年の離れたスター俳優の尾久田と不倫関係にある。パパラッチの巧は、ゲームに熱中するかのように亜希子のスクープを狙っていた。MORSEに押し寄せる世代交代の波に自分を失いかけている亜希子と、最愛の妻を失くして、空虚から逃れられない巧。最悪と思われた出逢いは思いがけない逃避行となって…。夜7時、渋谷スクランブル交差点、瞬く光の渦が2人を包み込む―。

シゲさん←の小説第2弾です。渋谷サーガ第2弾だそうです。そんな名前が付いているんですね。知らなかったです。
「ピンクとグレー」が発売されたとき、芸能の棚に置かれていたのが悔しかったと言っているのを何かで読みましたが、この作品は私がよく行く本屋さんでは小説の新刊コーナーのど真ん中に置かれていました。それを見て何だか凄く嬉しかった。…と言っても私は買ってないんですけど…ごめんなさい。
私自身が今ちょっと五月病に罹りかけているもので始めはなかなか読むのがつらかったです。特に亜希子とジャックの会話が。ジャックは亜希子の陰だから亜希子が思っている悪いことをとにかく言って貶めていく。それが怖くてしょうがなかったです。
亜希子はとても真面目な良い子なんですよね。真面目すぎるからネットの中傷記事を読んで直せるところは直そうとして、グループは由香がいなくなって自分がまとめなきゃとか自分で追いつめて。痛々しさも感じました。
「ピンクとグレー」は始め文章がちょっとまどろっこしくて読みずらいなと思ったのですがこの作品は全くそんなことはなかったです。シゲが書いた作品だっていう事を忘れるくらい(いい意味で)一気読みでした。
亜希子の感情や初めの亜希子を取り巻く環境はとてもリアルに感じました。アイドルは生もので、頑張ればいいということでもなく、若さというどうにもできない理由で切られる厳しい世界だなと。それにツイッター。読んでいて腹が立ちましたよー。特に中華屋のおじさん。悪気がないって1番タチが悪いですよね。悪いことを悪いって思っていないんですから。悪いと思ってやってる人よりも怖い存在だと思う。まさに「悲しいほどにアイドル」なんだなと。GPSを付けられているみたいに通行人にツイートされて監視されて。舞台に立ってキラキラ輝く代償としては今の時代大きすぎるような気がします。
それでも亜希子が乗り越えてまた芸能人として前に進もうとしたのが良いなと思いました。巧とのシーンは何だか涙が出そうなくらい。お互いに心の中に蠢いていたどす黒い過去が少しずつでも浄化されていったのなら良いなと思いました。
凄くよかった。渋谷サーガシリーズは三部作らしいので次回作も楽しみにしています。

〈角川書店 2013.2〉H25.5.13読了

にすいです。 冲方丁対談集 冲方丁5

にすいです。    冲方丁対談集にすいです。 冲方丁対談集
著者:冲方 丁
角川書店(角川グループパブリッシング)(2013-02-01)
販売元:Amazon.co.jp

異才・冲方丁、初の対談集! かわぐちかいじ、富野由悠季、井上雄彦、養老孟司、夢枕獏、伊坂幸太郎、天野喜孝、鈴木一義、中野美奈子、滝田洋二郎、山本淳子……各界のトップランナー11名との対談を収録!

冲方さんが様々なジャンルで活躍される方と対談されているものをまとめた作品。
タイトルはなかなか可愛い感じですが^^内容は結構濃くて読みごたえがありました。
まず富野さん、始めっから冲方さんの名前と作品をボロクソに言いだすからびっくりしました。罵詈雑言!冲方さんが絶句してましたもの。でも、それは若くてイケメンでだから悔しいけど実力はあるから認めざるを得ない。でもだから何だかムカつく。みたいな感じなんでしょうか^m^冨野さんが思いのたけを話した後の2人の対談も良かったです。
井上さんとの対談も面白かったです。小説家と漫画家で、書くという部分では同じなのかもしれませんが、もちろんジャンルは異なるので物語の作り方が違って興味深かったです。
養老さんや夢枕さんは冲方さんを絶賛されていました。次世代で任せられる人がキタ!みたいな。凄いですねー。
伊坂さんとの会話が面白かったです。同じ小説家で世代も大体同じで価値観が似ているんだろうなと思いました。お子さんの年齢も近いんですね。お互いへの質問もなかなか面白かったです。お二人の対談でとても共感というかそうあってほしい!と思うところがありました。それは、冲方さんが「マルドゥック・スクランブル」が映画化されるにあたって小説を全面改稿したというお話のなかで「小説は漫画やアニメに原作を提供するための『こやし』じゃねぇぞ」とおっしゃっていたんです。それが凄く分かる!と言いますか、そうだそうだ!と思いまして。
小説好きとしましては最近のやたらめったらな映像化が何だか嫌だなと思っていまして。小説ありきの映画なら良いんですけど、最近はこの小説が売れてるからテレビ向けにすれば視聴率取れるんじゃないか…みたいな感じの映像化が多い気がして…キャスティングも人気の人を選んでイメージと全然違う…とか。
まあ、基本的に映像化が嫌いな人なのでそう思うのかもしれません。でも、お二人の言葉は小説好きにはとてもうれしい言葉でした。
そしてその意見に反して「天地明察」の監督とのお話。でも「天地明察」は本当に原作を大切にして映像化されているんだろうなというのが伝わってきたので対談も安心して読めました。キャスティングも内容もどこを大事にしてどこを削ったほうが良いか、ちゃんと考えられていたんだろうなと思い、何だか嬉しくなりました。すべての映像化がそうだったらいいのにな…。
そうそう。「天地明察」を読んでいて、奥さんが2人登場するんですけど、最初からえんと結ばれるだろうなという雰囲気だったのに違う人と結婚したのであれ?と思っていたんです。そうしたら最初はえんと結婚する予定だったのに連載途中で奥さんが2人いたことが判明して途中で書き換えたらしく…。そうだったんだ!と思い、納得しました。
とても面白かったです。また対談集を出してほしいなと思いました。
この本の中でも話題に上がっていましたが「光圀伝」がいつか大河ドラマ化されたらいいなと思います。
NHKだから大丈夫だとは思うけど、ちゃんと原作を大事に創り上げてくれるなら。です。

〈角川書店 2013.1〉H25.2.26読了

ホテル・コンシェルジュ 門井慶喜4

ホテル・コンシェルジュホテル・コンシェルジュ
著者:門井 慶喜
文藝春秋(2013-02-07)
販売元:Amazon.co.jp

盗まれた金の仏像をとり返して、駐日アメリカ大使の暗殺計画を阻止せよ、失踪した訪問販売員を捜してくれ。「たしかに、うけたまわりました」大規模ではないけれど、お客様にきわめて上質の時間を提供していると評判の「ホテルポラリス京都」。ベテランコンシェルジュの九鬼銀平が、新人フロント係の坂名麻奈を助手代わりに、持ち込まれる難題を次々に解決していく。
「みだらな仏像」
ホテルのスイートに住んでいるお坊ちゃん桜小路清長は伯母に伯母の夫の姉ヤエが大事にしていた仏像が何者かに盗まれたため、犯人を捜してほしいと依頼される。
しかし伯母が何だか落ち着きがなく、矛盾点も多かったため清長は不思議に思う。
「共産主義的自由競争」
麻奈が見つけたウォッカバー「イスクラ」のマスター串難が学生運動に参加していたことを知る。バーに電話がかかってきた。マスターは何やら物騒な言葉を繰り返している。
「女たちのビフォーアフター」
清長がバイトをしていた先の美容外科で一人の女性が失踪した。その女性は3か所で新規開拓をしており残されたメモには「太秦」「仁和寺」「木屋町」と書かれていた。女性はどこへ行ってしまったのか。
「宿泊客ではないけれど」
2000年に一時期テレビに引っ張りだこで一世を風靡したアクエリアス為吉が10年後亡くなった。孫の麻奈はその時代の祖父を恥ずかしいと思っていた。亡くなった後、親戚は当時儲かった分の遺産があるのではないかと騒ぎ立てる。
「マダムス・ファミリー」
清長が突然大学を辞め、ホテルを出ていき、山口で罐焚きをしていた。それは伯母のあき子がJR西日本で恥をかかされたことが原因だった。

久しぶりに門井さんの作品を読みました。面白かったです。
ホテルコンシェルジュって、ここまでの問題は少ないにしてもバラエティに富んだお客様のたくさんの要望にちゃんと応えなければならないんですから本当に大変だろうなと思います。
このホテルには金銭面では最高のお客様だけど生粋のお坊ちゃんで厄介ごとばかり頼んでくる桜小路清長がおり、九鬼と麻奈はいつも巻き込まれていきます。さらに自意識過剰な清長の伯母のあき子まで出てくるからなおさらややこしいことに。読んでいるこちらは面白いですが当人たちは面倒くさくてしょうがないだろうなと思いました^^;
麻奈は将来コンシェルジュになりたいということで休日に諸々行動したりとてもまじめな女性で、好感が持てました。そして九鬼。この人の推理ぶりが見事でした。
どの厄介ごとも面白かったですが好きだったのは麻奈とおじいちゃんの話しかな。
清長はもういらないので←麻奈が頑張る続編を読みたいなと思いました。

〈文藝春秋 2013.2〉H25.2.26読了

ぼくらの近代建築デラックス! 門井慶喜 万城目学5

ぼくらの近代建築デラックス!ぼくらの近代建築デラックス!
著者:万城目 学
文藝春秋(2012-11-29)
販売元:Amazon.co.jp

マキメのトボケvsカドイの薀蓄。仕事場にしたい名建築、“長すぎる”あの話題の新名所とは?人気作家二人が5大都市(大阪・京都・神戸・横浜・東京)の名建築を巡り、その魅力を語りつくした傑作ルポ対談集。

門井さんと万城目さんの近代建築巡りをしながらの対談集。
近代建築はお二人ほど好き度は劣るかもしれませんが見るのは好きです。
お二人が行かれた場所で行ったことがあるのは大阪の大阪城、神戸のうろこの家、東京の東京駅と講談社本館ですね。
うろこの家は入場料が1000円かかるので当時貧乏学生だったマキメさんは入らずに帰ったと行っていましたが、私も行ったときはお金がかかると思わず驚きました。でも、真夏の30度越えの中一生懸命歩いてきたからと思って払いましたけどね。
写真もあって「行ったよ〜」って思いました。
講談社本館は去年の10月に前を通ったんです。柱が太くて時代を感じる建物で驚きました。まさかここにも載るとは。
マキメさんの建築好きは他の作品を読んで知っていましたが、門井さんもとは思いませんでした。門井さんの作品は3冊くらいしか読んだことがなくて…すみません。
同業者でこうやって同じものが好きで一緒に巡る事が出来るなんて素敵ですよね。
マキメさんって勝手に孤独なイメージを持っていたので^^;お友達が出来て良かったですねと思いました。(余計なお世話)
マキメさんは京都大学出身で門井さんは同志社大学出身だからか京都のお話が特に面白かったです。マキメさんが京都の人にやたらと厳しかったのが面白かったです。
同志社大が出たからか今話題の新島八重さんのお話がチラっと出てきたのも面白かったです。
それよりなによりお二人がちょいちょい写真に登場するのですが、本当に楽しそうで、年上の男性に失礼ですが、二人とも可愛いっ!って思っちゃいました^^

〈文藝春秋 2012.11〉H25.2.2読了

光圀伝 冲方丁5

光圀伝光圀伝
著者:冲方 丁
角川書店(角川グループパブリッシング)(2012-09-01)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか―。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった若き“虎”は「大日本史」編纂という空前絶後の大事業に乗り出す―。生き切る、とはこういうことだ。誰も見たこともない「水戸黄門」伝、開幕。

ネタバレあります

読むのに時間がかかりました…。750ページ…本は分厚いし重たいし、ほぼ通勤中しか読まないので辛かったです^^;
でも、本当に面白かったです。
水戸光圀と言えばやはりテレビで見た「水戸黄門」のイメージしかなく、おじいちゃんで全国行脚してるっていうことしか認識がありませんでした。でも、最初からおじいさんだったわけではもちろんないし、全国行脚だってしてなかったんですよね。
なので、ちゃんとした?史実にのっとったこの作品で、光圀の事を少しでも知ることが出来たと思います。
光圀は三男だったんですね。それなのに自分が世子に選ばれた。兄を差し置いて。どうして自分が。その想いを何十年も抱えていて、根がとてもまじめないい子だったんだろうなと思います。誰も答えを教えてくれないからぐれて夜遊びに走っちゃったんですね^^;
どこまで史実なのかはもちろんわかりませんが、若いときに沢庵宗彭や宮本武蔵に出会うことが出来て本当に良かったと思います。10代20代の光圀は常にイラついているようにしか感じなかったので。また読んでも読んでも光圀が若いままだったから全然読み進んでいないような絶望的な衝動にも駆られました^^;
「大義のため」に、光圀は大きな展望を持って藩主となります。その大義のために、奥さんである泰姫をも巻き込んで叶えようとします。泰姫は若かったですが素晴らしい方でした。光圀の想いをちゃんと汲み取っていて。
そして左近もとても素敵な女性でした。特に年を取ってからの左近が好きです。光圀に対してもズバズバ物言いをするのが気持ち良かったです。この2人が一緒になってほしいなと思っていたけど、そんな簡単にはいかないですね・・・
兄頼重も素晴らしい人でした。光圀が兄を嫌っていたのにそれをもすべて受け止めていました。自分が藩主になるはずだったのに、それをも受け入れていて。そして光圀の大義を知り、初めは激昂するも光圀の強い想いを知ったのか受け入れます。
光圀は周りの人にも恵まれていたんだなと思いました。
そういえば、安井算哲もちょいちょい登場しました。保科正之に碁打ちを吟味してほしいと言われ、対面した算哲。初めは頼りない若造だったのに、最終的には日本独自の暦を創りあげ、光圀も興奮している姿に何だかうれしくなりました。
長い物語でしたが、水戸光圀という人物を知ることが出来て良かったです。「天地明察」との時代もかぶっていたので出てくる人物を違う視点から読み取ることもできて面白かったです。
何より、水戸光圀という人物が魅力的でした。いい読書が出来たと思います。
冲方さん、次は清少納言をテーマにする予定だそうですね。楽しみにしています。

〈角川書店 2012.8〉H24.10.7読了

珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を 岡崎琢磨4

珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
著者:岡崎 琢磨
販売元:宝島社
(2012-08-04)
販売元:Amazon.co.jp
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京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店「タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然に導かれて入ったこの店で、運命の出会いを果たす。長年追い求めた理想の珈琲と、魅惑的な女性バリスタ・切間美星だ。美星の聡明な頭脳は、店に持ち込まれる日常の謎を、鮮やかに解き明かしていく。だが美星には、秘められた過去があり―。軽妙な会話とキャラが炸裂する鮮烈なデビュー作。

このミス大賞隠し玉?として本作でデビューされた方の作品です。
もう新人さんだったら年下も増えてきましたねぇ(トオイメ)そういえば恩田陸さんもデビューしたのは28歳くらいだった。こういうときに自分の歳を実感してきます。
まあそんな小説とは関係ないことはさておいて。
珈琲店のバリスタ美星の洞察力や観察力が素晴らしく、お店に関わる日常ミステリをすいすいと解いていきます。
決め台詞は「今回も、たいへんよく挽けました」割と好きです。
日常ミステリを解決しつつ、美星と常連客となった主人公のアオヤマが良い感じになっていくのかと思いきや中盤から美星の過去やアオヤマ自信について怒涛の展開になり終盤は想像のつかない展開になって驚きました^^;
ずっと本名を名乗らないしアオヤマってカタカナ表記だったから違和感はずっと感じていたんですけどねぇ。
騙されたというかなんというか。見事にやられた感はあります。
始めの緑の傘と赤い傘が入れ替わっている事件?とか、アオヤマの親戚の彼氏が浮気しているのかどうかとか、少年が見ず知らずの大人に牛乳を求める理由とか、いろいろ出来事に関してはなるほど、そういうことかと納得しました。
ただ、ミステリーなのかというと、ラノベよりかなという気はしましたが。まあ、殺人事件ではないですし、表紙が可愛らしい女性が書かれているので先入観でそう感じてしまったのかもしれませんが。
美星とアオヤマのふんわりと可愛らしい恋愛は読んでいてもどかしくも癒されました。
著者の新刊がまた出たら、手に取って読んでみたいなと思います。

〈宝島社 2012.8〉H24.9.19読了

蒼林堂古書店へようこそ 乾くるみ5

蒼林堂古書店へようこそ (徳間文庫)蒼林堂古書店へようこそ (徳間文庫)
著者:乾 くるみ
徳間書店(2010-05-07)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
書評家の林雅賀が店長の蒼林堂古書店は、ミステリファンのパラダイス。バツイチの大村龍雄、高校生の柴田五葉、小学校教師の茅原しのぶ―いつもの面々が日曜になるとこの店にやってきて、ささやかな謎解きを楽しんでいく。かたわらには珈琲と猫、至福の十四か月が過ぎたとき…。乾くるみがかつてなく優しい筆致で描くピュアハート・ミステリ。

古書店が舞台という事で前々から気になっていたんです。でも、他の積読本が多くてなかなか読むことが出来ていませんでした。
でも、もっと早く読んでいればよかったなぁ。
ミステリ専門の古書店という事で知っている作品がたくさん登場しました。感動しました。おお!と何度言いそうになった事か…
山荘が舞台で登場人物が隔離されている本というのが登場し、作品の中では東野圭吾の「ある閉ざされた雪の山荘で」が出てきました。私は未読なのでとても気になります…。私がそういう舞台で思い浮かんだのは倉知淳さんの「星降り山荘の殺人」でした。と思ったら、乾さんが猫丸先輩シリーズを勧めていて感動した。そうそう!あの本は面白いんですよ。ぜひぜひ皆さん読んでみてほしいです。
更に私の好きな加納朋子さんの作品もちょいちょい登場しててさらにテンションが上がりました。にしても北村チルドレンっていう言葉を初めて聞きましたよ…。村上チルドレンは聞いた事がありますが。でも分かるかも。北村さんの作品と加納さんの作品、雰囲気が似ている気がします。
それに森博嗣さんの事も出てきた!犀川&萌絵シリーズ、Vシリーズ、四季シリーズ!(四季シリーズはまだ読んでいないが)
「夏のレプリカ」「幻惑の死と使徒」2冊で1つの物語になってるのとか、ナツカシーと思って読みました。
しのぶ先生の誕生日が一緒だったことに親近感^^年も近いし。私は美人ではないが。
本のお話も面白かったけど、登場する人たちの物語も良かったです。
しのぶ先生が買ったり売ったりしていた本にはそんな意味が込められていたのか!と驚きました。
マサさんは年齢を気にしていたけど、お互いが思いあっていればいいじゃないですか。私も3人と共に笑顔で「メリークリスマス」って言いたくなりました。未来は明るいですね。
私もしのぶ先生と歳が近いけど40歳でも全然平気!
だって私の周りには、素敵なアラフォージャスフォーがいるもの!←すんごい誤解を生みそうな発言。だから年齢なんて気にしません^^

〈徳間書店 2010.7〉H24.5.16読了

ピンクとグレー 加藤シゲアキ5

ピンクとグレーピンクとグレー
著者:加藤 シゲアキ
角川書店(角川グループパブリッシング)(2012-01-28)
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大阪から横浜へ越してきた小学生の河田大貴は、同じマンションに住む同い年の鈴木真吾と出逢い、中学高校大学と密接した青春時代を送る。高校生になった二人は、雑誌の読者モデルをきっかけにバイト替わりの芸能活動をスタート。大学へ進学した二人は同居生活を始めるが、真吾がスターダムを駆け上がっていく一方で、エキストラから抜け出せない河田だけが取り残されていく。やがて二人は決裂。二度と会うことのない人生を送るはずだった二人が再びめぐり逢ったその時、運命の歯車が回りだす…。

ネタバレありです。

ずっと気になってました。読みたいと思っていてでも読むのが少し怖いなとも思っていて。読んで良かったと思いました。シゲ凄いね。
帯に書かれていた石田衣良さんの言葉に対してその通りだと思いましたし、タレント本なんていうくくりじゃなくて小説家というくくりでちゃんと見てほしいと思いました。
太田光さんが「俺が本を出すときにいつもイケメンが小説を出して邪魔をする」って言っていましたが、その前に書かれた人の本よりも比べちゃいけないくらい素晴らしかったと思います。(まどろっこしいけど、意味は分かりますよね^^;)
新人作家さんの、小説家の作品だと思いました。
読み始めは、文章がやたらと凝りすぎていて読みにくいななんて思いましたけどそれは最初だけで、内容が面白かったからその読みにくさは途中から感じなかったと思います。
芸能界という世界に身を置いている人だからこういう明と暗を描くことが出来るんだろうなと思いました。
幼馴染の2人は白木蓮吾と河鳥大として芸能界を生きてきていたけど、2人はそんな世界でしぶとく生きていけるほど野太い神経の人ではなかったんですよね。とても純粋で優しくて友達思いで。だから何もかもを背負いすぎてあんなことになってしまったんですよね、きっと。
蓮吾の急上昇振りとか、大が外の世界へ帰ってきた後の急上昇振りとか、読んでいてその持て囃し方がリアルだなぁと思いました。実際はきっとこんなもんですよね。その人が売れるためにありとあらゆる事が渦巻き、またいろんな人を犠牲にするんだろうと思います。やっぱり売れそうな人をテレビに出そうとしますもの。最近は本当に売れてる人ばっかり。人気が全てではないと思いますけどね。実力とかいろんなものを見てほしいと思いますけど…って私心が入ってしまった。
蓮吾もあきらめていたけど、自分の想いを書き記した大切な歌詞なのに「CDには売れる法則があるから」って言って勝手に書き換えられていたっていうのは、最近全く同じような状況下に置かれた出来事を知ったから尚更リアルに感じました。きっと蓮吾は仕方ないと頭では思っていても絶望していたんじゃないかなと思いました。
大が蓮吾にした行為は、普通に考えたら信じられないし、人格を疑ってしまう部分もあるかもしれないけど、その場面に直面して大は今までの蓮吾に対する後悔を瞬時に感じて、贖罪の意味もあったんじゃないかな…なんて、勝手に思っちゃいました。
最後は何となくもしや・・・と思ったけど、それでよかったのかも。とも思います。
お互いがお互いを想う純粋な気持ちが、読み終えた後も頭の中にこびりついていました。
凄いですね〜。びっくり。読み終えた後、気持ちがずしんと来たけどそれだけじゃない温かなものも感じました。

〈角川書店 2012.1〉H24.3.27読了

以下は余談です。
さらっとスルーしてかまいません。

続きを読む

文明の子 太田光5

文明の子文明の子
著者:太田 光
ダイヤモンド社(2012-01-20)
販売元:Amazon.co.jp
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地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。新たな文明へと踏み出すために動き始めた子供たち。果たして人類の行く末は生か死か? 絡み合うパラレルワールドが紡ぎ出す壮大な物語!

「マボロシの鳥」はメッセージ性が強すぎて私のような簡単な頭には理解が出来なかったのですが^^;今回は大丈夫・・・でした。多分。
前作と同じように短編がたくさん続いていくのですが、それを読み進めていくとだんだん繋がっていることが分かっていきます。
読み進めていくと「あれ?」と思い読み返して「ここにつながっていたんだ!」と思うところが多々…。
どこがどうつながっているのかというのは一言では言い表せず、そして全部は理解できていないと思いますがとにかく素晴らしい。
ここ数年の出来事も織り交ぜながら「赤ちゃんポスト」とか「中国のパクリアミューズメントパーク」とか「女性は子どもを産む機械発言」とか^^;
でもそれも物語をつなげていくんですから凄いです。
文明の子という表題も最後まで読むと納得です。
過去、現在、未来と様々な時代が描かれますがどこでも「未来はいつも面白い」と言っている人がいました。
自分の今生きている時代を嘆いている人もいなかった。
著者が伝えたかったのは、そこなのかなと思いました。
直木賞候補にも本屋大賞候補にも多分上がらないだろうとは思うけど^^;それでもタレント本というくくりにはしてほしくないなと思いましたし、小説として素晴らしかったと思います。

<ダイヤモンド社 2012.1>H24.3.23読了

ジャズと落語とワン公と 天才!トドロキ教授の事件簿 赤井三尋5

ジャズと落語とワン公と 天才!トドロキ教授の事件簿ジャズと落語とワン公と 天才!トドロキ教授の事件簿
著者:赤井 三尋
講談社(2011-10-21)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
「秋の日のヴィオロンの溜息」大正11年、ノーベル賞受賞決定直後に来日したアインシュタイン博士の愛用するバイオリンが盗まれた。限られたチャンスに大胆不敵な犯行を成し遂げた真犯人と、その意外な狙いとは。
「蛙の水口」幣原喜重郎は加藤高明から外務大臣にならないかと言われる。しかし受け入れられない理由があった。それは、不慮の事故で亡くなった男の残した暗号を解読しなければならなかったからだ。
「ジャズと落語とワン公と」柳家金五楼はある男の依頼からジャズと落語をコラボした演目を行うことになった。しかし、その男が落語を聴かせたいと言っていた人物は存在しなかった。男の行方も分からない。男の目的とは。

図書館で発見し、ずっと気になっていたのですが読めずにいました。
ようやく読みました〜。
面白かったです!
舞台は大正時代。早稲田大学の教授である等々力は傍らで探偵業も行っています。
助手の井上君が80歳近くになった時、等々力教授がいかにすごかったのかという事を語って過去を振り返るっていう形なのですがその過去が面白い。そしてその依頼された内容を調べる過程と真実が想像以上のもので、なるほど〜と私はいちいち納得していました。
等々力教授は言語学を専攻しているのですがそれ以外の知識も本当に豊富で、そして人望も厚い。いろんな実際にいた歴史上の人物が登場します。
最後にはハチ公まで出てきちゃいますから^^
面白かったです。
きっと井上助手は等々力教授の側にずっといて、もっともっと経験しているはずです。だから、続編としてもっともっと出してほしいなと思いました。

<講談社 2011.10>H24.3.4読了

中野さぼてん学生寮 北尾トロ4

中野さぼてん学生寮中野さぼてん学生寮
著者:北尾トロ
朝日新聞出版(2012-01-20)
販売元:Amazon.co.jp
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父親は、48回目の誕生日当日に死んでしまった。大学入学を目前に控えた伊藤は、父親の会社が持っている独身寮に入寮することになった。ちょっと変わった先輩と、気楽で楽しい毎日を過ごしつつも、「このままでいいのだろうか?」との思いが頭をよぎる。そんな時、いつも思うのは父親のことだった。もっと仲良くしておけば良かったと後悔しつつ、彼は自分の生き方を見詰めていく。著者初の自伝的小説。

著者の名前は「裁判長!」シリーズで拝見していてそちらも読んでみたいと思っていたのだけど、こちらの小説の方を先に読むことになっちゃいました。
この作品、自伝的小説だったんですね…。読み終えてあらすじを改めて見て知りました。遅すぎですよね。
時代は昭和52年ごろ。学生運動が盛んだったころなんでしょうかね。私は昭和59年生まれなので全く持って分かりません…
主人公の伊藤君はお父さんが亡くなったことで寮生活のスタートと共に大学生活もスタートしたわけだけど、まー授業さぼるさぼる。こんなもんなんだろうか。それで単位取れるの?ってくらいに。
大学も行かないし将来のこともあんまり考えていないしブラブラしてて何だかなぁと思うのだけど、やっぱり今の時代のブラブラともちょっと違うような気がして。
小説を読んで、何となくだけどこの時代の学生の方が「生きてるな」って思えました。
学生運動に積極的に参加していたり、大学へあまり行っていなくても自分の好きな事やりたいことを見つけて働いていたり活動していたりして、何だか生き生きしているなと思ったんです。
伊藤君は生き生きとも違う気がするけど。
純朴で何だか放っておけなくて周りに流されまくってるし。
それでも同じ寮に住んでいるコバジや矢吹や幼馴染のみのりやバイト先の人たちやサークル仲間。周りの人たちにとても恵まれているなと思いました。
最後の選択は伊藤君の独り立ちの決意表明だったんですよね。
最後まで放っておけない感じの青年だったけど、最後は私も敬礼して見守りたいなと思いました。
初めて読んだ作家さんでしたが、面白かったです。
まあ、大学生男子のたまり場だったから下品なところも多数ありましたけど…ぼそっ。

<朝日新聞出版 2012.1>H24.2.23読了

幸せになる百通りの方法 荻原浩5

幸せになる百通りの方法幸せになる百通りの方法
著者:荻原 浩
文藝春秋(2012-02)
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このムズカシイ時代を、滑稽だけど懸命に生きる人たち―。短篇の名手が贈るユーモア&ビターテイスト溢れる七つの物語。
「原発がともす灯の下で」絹子は息子家族と同居しているがみんな自分が認知症気味だと大げさに言い、みんな私のことをいないように生活している。今の家族の理解できない生活を観察しつつ自分の生きた時代を振り返る。
「俺だよ、俺。」慎之助はかつて俳優を目指し劇団に入っていた。しかしその劇団が自然消滅し、それから俳優の道をあきらめかけていた。ある日かつての劇団仲間から連絡があり、また劇団をやるのかと思いきや…
「今日もみんなつながっている。」自費出版をしたいと詰め寄る高齢者。その高齢者の対応に困っており、嫁の鬱に悩んでいる出版社社員。その出版社から料理本を出さないかと言われている主婦。ネットゲームにはまる娘に1日1回ブログを更新するために夜の街を徘徊する息子。
「出逢いのジャングル」34歳の中島陶子は動物園でのお見合いパーティに参加していた。様々な男性が話しかけてくるが、男女とも何かが欠落しているように感じる。陶子がこのお見合いパーティに参加したのは恋人が実は結婚していることを知り、見返すためだった。
「ベンチマン」数日前にリストラされ様々な場所を転々としている私。最終的に公園のベンチにおさまっていたのだが、ある日一人の男性に話しかけられる。彼もかつて以前に自分と同じようにリストラに遭っていた。
「歴史がいっぱい」敦志の彼女である由布奈が突然歴女になっていた。突然の変化に敦志は戸惑う。
「幸せになる百通りの方法」成功することに異様にこだわる田中英雄。同僚との飲み会の帰りに道端で歌っているちふゆという女性に出会った。

ここまでタイトルと本編が結びつかない本も珍しい・・・
と思いつつも面白くてすいすい読めました。
どの人も実際今いそうだなぁと思う人たちばかりでとてもリアルに感じました。
世知辛い世の中だけどそれを受け入れつつも流れに身を任せて生きているというか…
印象的だったのは「ベンチマン」です。リストラに遭った男性が家族に言えず1日人の目を気にしつつ街中をさまよっている姿が何とも哀愁が漂っていて何とかならないかなあと思って読んでました。途中出会った男性の話がまたとても切なくて・・・2人の手紙のやり取りの温かさが染み入りました。
奥さんの温かさも素敵でした。ちゃんと見ているんですねぇ。凄いなぁ。
あとは「出逢いのジャングル」ですかね〜。お見合いパーティっていうのがだんだん他人事ではなくなってきている今日この頃のため…。でもどの男性もダメだったなぁ。そういう事言ってるからダメなんだと思うけど。自分の好きな事を話すのは良いけど相手の言葉もちゃんと聞き入れたほうが良いと思われます、はい。自分も気を付けます^^;

<文芸春秋 2012.2>H24.2.22読了

バーにかかってきた電話 東直己4

バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA)
著者:東 直己
早川書房(1996-01-01)
販売元:Amazon.co.jp
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いつものバーで、いつものように酒を呑んでいた「俺」は、見知らぬ女から、電話で奇妙な依頼を受けた。伝言を届け相手の反応を観察してほしいという。疑問を感じながらも依頼を果したのだが、その帰り道、何者かによって殺されそうになった。そして、ひとり調査を続けた「俺」が知ったのは依頼人と同じ名前の女が、地上げ放火ですでに殺されていたことだった。

探偵シリーズ第2弾です。こっちが映画化された内容ですね。
1冊目は文章が読みにくく感じて読むのに少し時間がかかったのですが、2冊目だから慣れたのか、割とスイスイ読めました。
いきなり「俺」に電話をかけ、依頼してきたコンドウキョウコという女性。
ただ彼女の言いなりになっているのが嫌だったため独自に調査を始める。
前作もそうなんですけど、この「俺」は自分で危険に頭を突っ込んでますよね^^;
勝手に調べて勝手に自分の身を危険にさせているという・・・
まあ、じゃないと話が進んでいかないんですけども^^;
「俺」が調べている人たちが結びついているようで結びついていなくてだんだんひとつにつながっていくのが読んでいて面白かったです。
コンドウキョウコの正体はだんだんわかってきたのだけど、途中でなぜか映画版の予告を思い出して、あ、そういえばと余計なことを思い出してわかってしまったのが残念でした^^;どうせなら自力で当たりたかった。
読んでいてどうしても主人公の「俺」は洋ちゃんにしか思えなかったし^^;
良いんですけどね。
読んでいて思ったのは2作目は1作目から2年後という設定なのでしょうか?
ずっと続いているシリーズだけどどんどん「俺」も年を重ねていくのかな?
まずは映画の原作を読もうと思って手に取りましたが、次の本も読みたくなりました。
ただ、今シリーズものをやたらと読んでいるので、次いつ読むのかは全く予想がつきません^^;

〈早川書房 1993.1
       1996.1〉H23.11.17読了

ハロワ! 久保寺健彦5

ハロワ!ハロワ!
著者:久保寺 健彦
集英社(2011-10-05)
販売元:Amazon.co.jp
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あなたのお仕事、探します!
ワケありな求職者たちが次々訪れる、ハローワーク宮台。そこで相談員として働く沢田信(28歳)は、理想と現実のハザマで日々奮闘中。果たして彼らに合った仕事を見つけることができるか!?
「仕事の仕事」
嘱託としてハローワークに努めることになった沢田信。OJT研修を終えて通常業務に入ると波多野という求職者がやってくる。彼はずっと配管工として勤めていたため、ホワイトカラーの職種にあこがれていた。
「ミスター論理」
斉藤という男は数十年銀行に勤めていた男で理想が高く、信に対してのクレームも多い。さらに女性に対しての態度があからさまだった。
「さよならファラウェイ」
能勢ひなたという女性が信を指名してきた。波多野が言う名前を覚えたからだという。アラサーで面接が苦手で信に甘えてくる。
「C調サバイバー」
柳下という男がやってくる。彼は信と同じ28歳だが1度も就職をしたことがなく、奥さんが働いていて主夫しかしたことがないらしい。1度就職が決まった人の講演を聞いたのだが、ぶしつけな空気の読めない質問を浴びせて輪をかき乱す。
「おててつないで」
同僚の上條奈美さんが誰かからストーカー行為を受けているらしい。奈美にしつこく詰め寄っていた求職者が第一容疑者だが、まだ真相はわからない。奈美の行き帰りに信は付き添うことになった。
「ルール101」
半井という今年度に卒業予定の大学生がハローワークにやってきた。大学の就職課からいろいろ言われたことに腹を立てやってきたらしい。態度も考えも甘く、どうやる気を出させるか信は考えていた。
「ラストダンスは突然に」
異動の季節がやってきた。ハローワークでも同じようにやってくる。その頃、前の会社で同僚だった岸川という男から信に電話が入る。信がハローワークに勤めていると知った岸川は、信に世話になりたいと言ってきた。
「音楽を君に」
千堂の身に起こった事にハローワーク内に激震が走る。一方、岸川は何社も会社を受けるも内定が決まらない。何が原因なのか信は必死で考える。

初読みの作家さんでした。
タイトルと内容に惹かれて読んでみることにしました。
面白かったです。すらすらと軽く読めました。
でも、内容は重いというかなんというか。。。世相を表していますよね。
不景気だけど、世の中に甘い人もたくさんいて、それが特に若い人に描かれていて、うまいなと思いました。
私は運よく?ハローワークに行ったことはないのだけど、本当にたくさんの人が来るんだろうな。
信は凄いと思います。どんな求職者でもちゃんと対応していて仕事に対してやりがいを感じていると思っていて。根が真面目なんでしょうね。だから、ファンも増えるんですよね^^
にしても元銀行マンとか、大学生とか、腹が立ったなぁ。
ああいう女性に対して見下している人、たくさんいるんだろうな。
夫婦で一緒にいて、旦那さんがやたら偉そうに奥さんに声を張り上げている姿をたまに見かけます。人前でそうやって偉そうに言っていて自分の印象が良いように見えてると思っているんでしょうか。
私も前職が男性職場で殺伐としていたから結構いろいろ言われました。だから私はいまだに男性が信じられないし、ちょっとでも上から目線で何か言われたら許せない人になっちゃってます^^;私のムダにプライドが高いところとか面倒くさいところにも多大な問題があることはわかっていますが。
だから、最後はいい気味って思っちゃった。ああいう人は痛い目見たほうがいいんだ。
大学生は本当に社会に出ることをなめてると思いました。きっと何かあるたびに親に助けてもらったんだろうなって思う。
名の知れた大企業以外にも素晴らしい会社はたくさんある。従業員が少なくてもやりがいがあって誇りを持って仕事をしている人もたくさんいる。
今はどうかわかりませんが、名の知れた企業は倍率が凄いけど、中小企業は募集しているけど人が来ないという現状があるとニュースで見たことがあります。
私もたくさんの会社の説明会を見たけど、本当に名前だけじゃないと思いましたよ。
12月30日に企業に電話していますぐでも面接しますよって言ってくれているのに「こんな年末にも仕事してるの?就職したら俺も働かなきゃいけないの?」っていう言葉には私も唖然としてしまいました。
意外だったのは柳下の選択。どうなるかはわからないけど、ああいう人が大物になったりするんだろうな〜って思いました。人は見かけで判断しちゃいけないですね。
信は道を誤らなくてよかったです。信はまじめに実直に仕事に取り組んで生きていってほしい。でも信の恋路はしてはいけないことなのだけど、応援したくもなりました。
千堂さんはとってもいい人だと思っていたので、最後は残念でした。
いまだに何か裏があったんじゃないか、誰かをかばっているんじゃないかなんて、読み終えた後も思ったりしてます。

〈集英社 2011.10〉H23.11.15読了

探偵はバーにいる 東直己4

探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA)
著者:東 直己
早川書房(1995-08)
販売元:Amazon.co.jp
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札幌の歓楽街ススキノで便利屋をなりわいにする「俺」は、いつものようにバーの扉をあけたが…今夜待っていたのは大学の後輩。同棲している彼女が戻ってこないという。どうせ大したことあるまいと思いながら引き受けた相談事は、いつのまにか怪しげな殺人事件に発展して…ヤクザに脅されても見栄をはり、女に騙されても愛想は忘れない。真相を求め「俺」は街を走り回る。面白さがクセになる新感覚ハードボイルド登場。

映画化に伴い、読んでみました。映画は観てないんですけど^^;
映画は第2弾の「バーにかかってきた電話」のお話なのですが、やはり1話は読まないとダメだろうということで読んでみました。
やはり刊行されたのが1992年だからか個人情報に関してとか携帯がない世界と言うのに微妙に違和感を感じましたけど、全然気になりませんでした。
むしろ携帯とか情報が飛び交いすぎていない環境って良いなぁと読んでいて思いました。とにかく主人公の情報網が凄いです。
ススキノの飲み屋は全部網羅してるんじゃないかってくらい把握してるし知り合いはいるし。警察とか新聞記者とかいろんなところに知り合いはいるし。
調査の仕方がアナログなんですけど、徐々に情報が集まるからこの探偵は人望が厚いんだなと思いました。
どうしても洋ちゃんが頭に思い浮かぶんですけど、主人公は28歳なんですね〜
意外と若いです。
そして出てくる地名や住所が本当にローカルでどこでも分かる場所が出てくるもんだから何だか変なところで吹き出しそうになったりしました。「菊水駅って!」みたいな^^;
彼氏が数日経っても帰ってこない彼女を探してほしいという、もしかしたら行方不明じゃなくて彼氏と別れたいだけかもしれないその女性を探して行くうちに分かっていく展開が読んでいて面白かったです。
映画の原作でもある第2弾も予約中です^^楽しみです〜

〈早川書房  1992.5
       1995.8〉H23.11.2読了

ニコニコ時給800円 海猫沢めろん3

ニコニコ時給800円ニコニコ時給800円
著者:海猫沢 めろん
集英社(2011-07-26)
販売元:Amazon.co.jp
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<マンガ喫茶の悪魔>
マンガ喫茶「まんが合衆国」に新人アルバイトとして入ったキノキダくんは、東大法科大学院を修了予定の弁護士の卵。自分とは違う世界の人間に脅威を覚えるカザマ店長や他のバイト仲間たちとの日常を描く。
<洋服屋のいばら姫>
渋谷のファッションビル内に店を構える〈LOVE & DREAM〉。女性店員たちは、夢、恋愛、人間関係に悩みながらも、日々の売上ノルマに追われている。そんな中、リーダー・ミカコさんが、店の服が減っていることに気づいて……。
<パチンコ屋の亡霊たち>
広告代理店の営業部長だったカナモリは、死んだ父親に代わってパチンコ屋の支配人を継ぐことに。あるファイルから、従業員全員に前科があることを知ったカナモリは、娘のサオリを店員として働かせ、内情を探らせることにしたが……。
<野菜畑のピーターパン>
ヨーコは実家で、夫・テツヤと父・トシゾウと三人暮らし。父に負い目を感じたヨーコは、実家の休耕地で野菜を作り自分たちで稼ぐことを決意する。そんな中かつてのバンド仲間キョウイチが、あやしげなクッキーを持って現れる。
<ネットワークの王子様>
親の借金返済に苦しむリンコが出会ったのは、自称イケメンヒキオタニートのリュウセイ。リンコの事情を知ったリュウセイは、リンコの家に居候させることを条件に、ネットゲームのサポートスタッフの仕事を紹介する。
仕事と人間の関係が変わる時、新しい世界への扉が開く。

王様のブランチで紹介され、気になって読みました。
著者さんもとっても変わった方で・・・確かに格好良かったけども。
作品は短編なのですが、1度登場した人が違う作品で登場したりしてリンクがあって面白かったです。
それぞれ全く違う職種なのだけど、どれもその業種について細かく描かれていて、本当にたくさんの仕事を経験されたんだなということが分かります。
内容も面白かった。面白かったんですけど・・・。
どうも登場人物たちの喋り方が気に喰わなくて・・・^^;入り込めませんでした。
特にアパレル業界の時の話は、上司なのにどうしてあんな喋り方するの!
もう何だかイラ〜!っとしてしまってそればかりになってしまった^^;
全体的に、今っぽい感じでアナログで古い考えの私には向かなかったっていう事なのかな・・・。
あ!1こ物凄く気になったところがあったんだった。
ブログなどで書評をする時に本の画像を載せるのは厳密的に法律上はダメらしくて・・・^^;でも良く書いている場合は宣伝にもなるからいいんじゃないか〜みたいに本の中では言っていたけど。
・・・あれ?この本について微妙によく書いていないような・・・。
だ、大丈夫かな^^;すんごい今更だけど。

〈集英社 2011.7〉H23.10.7読了

小説あります 門井慶喜4

小説あります小説あります
著者:門井慶喜
光文社(2011-07-20)
販売元:Amazon.co.jp
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N市立文学館は、昨今の自治体の財政難が影響し、廃館が決定してしまった。文学館に嘱託として勤めていた老松郁太は、館の存続をかけて、文学館の展示の中心的作家・徳丸敬生の晩年の謎を解こうと考える。30年前、作家は置き手紙を残して失踪、そのまま行方不明となったままなのだ……。好評を博した『おさがしの本は』姉妹編、待望の刊行!

以前読んだ「おさがしの本は」と姉妹編ということで内容的に姉妹編なのか?と思ったら、普通に和久山さんが登場していましたね。久しぶり〜。今は図書館に勤めていないのね。ちょっと残念ですが。それでも有能っぷりは伝わってきます。あの事件をきっかけに性格も明るくなったのでは?始め暗かったもんね。そして一緒に奮闘したあのこと結婚したんだね〜^^ちょっと嬉しい。ふふふ。
と、前作についてはここまでで今回の感想。
文学館が廃館の危機にさらされ。自分も職を失いそうになっている郁太。それでも徳丸敬生を研究し、何とか存続させようと奔走する。
でも、実は廃館へ追いやろうとしているのは実の弟。しかも理由は兄を社に戻すため。何だかなぁ。弟の気持ちは分かるけど、強引過ぎるよね。まあ、弟の感情的な判断だけで廃館には持ち込めないとは思うけど。
廃館を免れるように兄弟は議論を始めます。
「人はなぜ小説を読むのか」
2人で議論するのはいいけど、どうして読むのかって言うのは人それぞれだと思うから答えってないと思うのだけど。
でも、このテーマを見て、改めてどうして私は小説を読んでるんだろうと思った。しかもいつも追い詰められるくらい借りて^^;
郁太の言うように、別に人と関わるためとか孤独に慣れるためとかそんなことは考えていないのだけど・・・。どうして読むんだろう。
もう空気のような存在というか、乗り物に乗るとき、時間が空いているとき、まっている時、私はすかさず本を読んでる。う〜ん。どうしてだろう。
郁太が1番最初に言った「暇つぶし」なんだろうか^^;そうバッサリ言うのはちょっとさびしいけど。でも、その暇な時間に文字を読んで少しでも教養を身につけたいって言うのはあるかも。たくさんの小説家さんの本を読んできて、新刊が出たら読みたい人も増えたしね。うん。私はそんな理由かなぁ。確固たるって言うのはなし。
兄弟云々の話よりも遺稿集に直筆のサインがあったというミステリ?の方が面白かったかな。最後の結末は意外でびっくり。確かに崇拝していた作家さんの思わぬ想いを見つけちゃったら拍子抜けするのもわかるかも。人生を変えるくらいのきっかけになったらなおさら^^;
最後まで気になったのだけど、兄弟は元の鞘に納まりそうとして、美夏とかのんちゃんとの関係が進展しているわけではないんですね。その関係性がちょっとモヤモヤしたまま終っちゃったんですけど^^;
う〜ん。悪くはないけど私の中では「おさがしの本は」の方が好きかな。

〈光文社 2011.7〉H23.8.25読了

我が家の問題 奥田英朗5

我が家の問題我が家の問題
著者:奥田 英朗
集英社(2011-07-05)
販売元:Amazon.co.jp
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「甘い生活?」結婚して2ヶ月。新婚ほやほやなはずなのに、何でも手をかけて家事を行う妻のお陰で帰宅恐怖症になる。
「ハズバンド」夫の会社の野球大会へ応援に行くと夫への同僚の言葉からお荷物社員ではないかと疑いを持つ。夫が本当にお荷物社員なのか探ろうとするが・・・
「絵里のエイプリル」祖母の電話から両親が離婚しようとしていることを知る。絵里は勉強も手につかず、親友やクラスメート、先生から家族についての情報を集める。
「夫とUFO」夫が突然UFOを見たと言い出した。それからだんだん発言がエスカレートしてくる。
「里帰り」幸一は沙代と結婚して初めてのお盆。幸一は札幌出身、沙代は名古屋の出身だ。お盆をどう過ごすか思い悩む。
「妻とマラソン」妻が突然マラソンに目覚めた。どんどん距離を伸ばし、顔も生き生きしてきた。

家族もの?第2弾。「家日和」は未読なのですが。今回は読んでみました。
どの作品も面白かったです。「絵里のエイプリル」以外は家族の愛情を感じました。
全体的に家族の形が円満と言うか素直と言うか、そんな家族が多いなって思ったことと、女性は30手前に急いで結婚しようと思うんだ〜って思ったことが特に印象に残っているかな。
まだ結婚って全然分からない。
ではそれぞれ感想をば。
「甘い生活?」これはどっちもどっちだなと思いました^^;どちらも自分の悩みをかつての同僚だったり今の同僚に相談しているのが可愛らしかったです。2人は割りと性格が正反対なんですよね。どうして付き合っている時に気づかなかったんだろう^^;どっちも良かれと思っているんだけど実は我慢してて。ホント、1度大きなけんかをしたほうがいいですよ。で、本性を出した方がいいと思います。
「ハズバンド」夫が仕事が出来ない人だと分かってから、奥さんがとにかく心配しているのが可愛らしかったです。旦那に知ってほしいくらい。お弁当作りとか健気ですよね。仕事が出来なくても、雰囲気的にいじられキャラだから旦那さんはきっとリストラされないと思いますよ。って、そんなきれいごとだけじゃ終わらないか^^;
「絵里のエイプリル」両親が離婚するかもと知ったとき、果たして今までの両親の会話はどうだったのか、思い返してみて思い出せないって言うのは、思春期にありそうだな〜って思いました。私はなかったけど。言われてみて改めて気づくんですよね。素敵な親友がいてよかったねって思いました。弟も意外とちゃんとした子だったし。
「夫とUFO」旦那さんが一体どういう状況なのかが読めなかったんですけど。やっぱりそういうことだったんですね。奥さんの最後の行動がびっくりしたのと同時に旦那さんを本気で心配していて愛しているんだな〜ってことが伝わってきてちょっと感動しました。
「里帰り」まず思ったことは、札幌の人はあんなになまりませんし、北海道の人もあそこまで訛りません。まあ、名古屋と札幌がこれだけ違うって言うのを見せるためだと思うんですけど。地方によって習慣って様々ですよね。北海道って良い意味で親族の関係が放任なんだと思います。私もそれで慣れてるからこの章で登場した名古屋の親族のように言われたら私耐えられないかも^^;でも、2人はそれぞれの里帰りが上手くいってよかったです^^
「妻とマラソン」なんだか奥さんの気持ちが分かったな〜。編集者の方々が言うように友達夫婦ならなおさら。同等な想いだったのに、相手がぽーんと遠くへ行っちゃうような気持ちになっちゃったら、寂しいですよね。それでもマラソンが楽しそうで同じくマラソンをする身としては嬉しい^^すっかり奥さんにぬかされちゃいましたけど^^;マラソンって、してない人にどう言っても分かってもらえないんですけど、走るのって楽しいんですよ。凄く辛くても苦しくても、タイムを計ったり景色を見たりして楽しさも出てくるんです。
東京マラソンへの挑戦も素敵でした^^倍率が10倍でなかなか当たらないんですよね〜。私は応募したことないですよ。父が去年落ちました。懲りずに今年も申し込むらしいですが。
ラストは涙が出てきました。

〈集英社 2011.7〉H23.8.13読了
自己紹介
苗坊と申します。
生まれも育ちも生粋の道産子。読書とゲームとマラソンとV6を愛してやまないオーバー30です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。
過去記事にもTB、コメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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