苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

アンソロジー

森見登美彦リクエスト!美女と竹林のアンソロジー4



読書家にして稀代の竹林愛好家として知られる森見登美彦が、今いちばん読みたいテーマで、いちばん読みたい作家たちに「お願い」して、奇跡のようなアンソロジーができました。そりゃあ、「美女と竹林」がテーマになるでしょう! 阿川せんり/飴村行/有栖川有栖/伊坂幸太郎/恩田陸/北野勇作/京極夏彦/佐藤哲也/森見登美彦/矢部嵩

美女と竹林が出てくるアンソロジー…珍しいですね^^
どんなストーリーが出てくるんだろうと思ったら本当にバラエティに富んでいて面白かったです。
面白いと思ったのは伊坂さんの作品かな。かぐや姫を探すなんて面白いです。また探すのが美女を探す天才のホストとか^^恩田さんのエッセイ風なお話も面白かったし、モリミーのお話も少し不思議で可愛らしくて好きでした。

<光文社 2019.1>2019.6.4読了

嘘と約束 アミの会(仮)5

アンソロジー 嘘と約束
アミの会(仮)
光文社
2019-04-17


破られない約束はない。ばれなければ嘘ではない。
これは、人生のスパイス。様々なアレンジで、お目に掛けます。
誰かのための約束。自分のための嘘。忘れてほしい約束。見破られても構わない嘘。祈るような約束。呪うような嘘。小さくて大切な約束。些細だけど切実な嘘。嘘みたいな約束。ほんとみたいな嘘。生きたいからする約束。消え去る前についた嘘。
多様多彩に趣向を凝らした、名手たちの全6編。

「自転車坂 松村比呂美」内容が私が今やってる仕事だったりして読んでいて辛いところもありましたが^^;自動車事故を起こしてしまった阿久津とぶつかってしまった自転車に乗っていた高校生の省吾の関係が素敵でした。怒りが無かったらこういう関係が生まれたりもするんですよね。
「パスタ君 松尾由美」パスタ君が嘘を付いていたことも気になるけど、トモキの両親の離婚原因も気になる。何となく夫婦間の不穏な感じは分かったけど…。お父さんの方が悪いみたいだけど、私もトモキとお父さんの会話を聞いていたらお父さんが悪い人とは思えない…と思ってしまうのは甘いのかな。
「ホテル・カイザリン 近藤史恵」鶴子の境遇は可哀相すぎるけど、だからと言ってやっていいわけがない。重罪だと思わなかったというのがなんだかんだでお嬢様育ちだということなのかな…と思ったり。と思ったら最後にまさかの展開に驚きました。流石すぎます。
「青は赤、金は緑 矢崎存美」このなぞなぞを作った雪穂ちゃんは聡明な子ですね。渚も真面目にずっと答えを探していました。良い人だってことは認められてたんじゃないかな。深理も少し予測して渚に猫を預けたんだと思います。少し切ないけど温かくて優しいお話でした。
「効き目の遅い薬 福田和代」感想から言うと望田がバカな男だったってことですよねー(身もふたもない)どうして惚れ薬が本物だと信じ込んじゃったのか…理系なのに。話す内容に困って女友達の話ばかりするとかそりゃ相手は怒るでしょうよ…。まあ、色々偶然が重なった悲しい事故…なのかなぁ。それにしてもどうして望田はあんなことをしたのか…アンクルの事が好きだと思ったのかな。どうなのかな。もう答えは決して出ないけど。
「いつかのみらい 大崎梢」結局誰が誰でどうなったんだと混乱しましたが^^;ミステリだけど温かい優しい物語でした。大崎さんの作品はやっぱり良いですね。晴美の境遇は今まで辛かっただろうけど、晴美を大切に思っていてくれていたおばさんと、いつか会えると良いなと思います。

<光文社 2019.4>2019.5.28読了

鍵のかかった部屋4



密室がある。糸を使って外から鍵を閉めたのだ。これが、トリックです。本来ネタバレ厳禁の作中トリックを先に公開してミステリを書くという難題に、超豪華作家陣が挑戦! 鍵と糸――同じトリックから誕生したのは、びっくりするほど多彩多様な作品たち。日常の謎あり、驚愕のどんでん返しあり、あたたかな感涙あり、胸を締め付ける切なさあり……。5人の犯人が鍵をかけて隠した5つの“秘密”を解き明かす、競作アンソロジー。

「このトリックの問題点 似鳥鶏」似鳥さんが初めに密室というトリックの内容は同じと書かれていて、そこから5人の作家さんによる5つの物語が描かれています。似鳥さんはミス研の部長の家から消えたミステリの原稿の謎。あらかじめ犯人が分かっている状態で物語は進んでいくのですが少し意外な展開でした。動機は浅はかというかバカだなぁ…みたいな感じですかね^^;
「大叔母のこと 友井羊」あまり接点のなかった大叔母。ただ、親戚はみんな私に似ていると言っていた。大叔母が長い間悔やんでいた出来事。亡くなった後でもちゃんと解決できて良かったです。良いラストでした。
「神秘の彼女 彩瀬まる」SNSで好きになった名前も顔も知らない女性を探す話。その女性の正体は今時な感じでしたけど、面白かった。密室トリックが使われたものに関してはあれですね、気の持ちようってことなのかな。
「薄着の女 芦沢央」主人公の駆け出しの女優が犯人であることは最初から分かって話は進んでいきますが、オチに笑いました。
「世界にただひとりのサンタクロース 島田荘司」このお話に登場する御手洗さんはシリーズで登場する方ですよね?私は島田さんの作品を失礼ながら未読で、でもこの名字は聞いたことがありました。時代がこんなに昔だったんですね…。お話はもうただただ切なかったです。事件の真相は分かったけど、みんな幸せになってくれれば良いなと思って読み終えました。

<新潮社 2018.9>H30.12.14読了

ほんのきもち



朝吹真理子、彩瀬まる、いしいしんじ、乾ルカ、オカヤイヅミ、甲斐みのり、鹿子裕文、木皿泉、今日マチ子、小林エリカ、坂木司、桜木紫乃、佐藤ジュンコ、平松洋子、藤野可織、文月悠光の16名が書下ろし!
~16のちいさな贈りものがたり~
お世話になっているあの方を喜ばせたい、だれかの大切な何かを応援したい……。贈りものをするとき、ひとはそこに自分の気持ちをそっとふくませている。だから、贈ったり・贈られたりのやりとりは、時に不器用で、可笑しくて、愛おしい。
思わず笑みがこぼれるような、嬉しくて秘密めいた贈りものもあれば、あの頃は気がつくことができなかったけれど、思わぬかたちで受け取っていた相手の温かな想いもある。もちろん、とびきりのお菓子やごはん、お気に入りの手土産のお話もたっぷりと。
ひとつひとつの“贈りもの"に、贈り主の想いがにじんで、ほんのりと心を灯してくれることがある。そんな、ちょっとだけ奥ゆかしい「贈りものがたり」を一冊に詰めてみました。“ほんのきもち"ですが、ひとり密やかに包みを開ける楽しみを、そっと覗かせてもらうような心地になるはずです。
世界が優しく、柔らかく広がっていく瞬間を大切に思い出すことができる、エッセイ&コミック&ショートストーリー。
ドアに掛けるお福分け……平松洋子
ダンナの祖母がくれたもの……木皿泉
おかき事件……朝吹真理子
いちごという小さな特別……今日マチ子
手土産選び~生まれた町と暮らす街~……甲斐みのり
*贈りものがたり
まんまるい、あらたまり……いしいしんじ
ポエム刺繍入りピローケース……小林エリカ
ほんの一椀……坂木司
きれいな靴下……藤野可織
きらきらゼリー……彩瀬まる
ごはんの友々……オカヤイヅミ
贈りものコンプレックスのあなたへ……文月悠光
とっておきの一冊……鹿子裕文
小歳暮のたのしみ……佐藤ジュンコ
贈り下手・贈られ下手……桜木紫乃
天使の名前の犬のこと……乾ルカ

タイトルが気になっていたのですが、てっきり「本の気持ち」だと思っていたのですが「ほんの気持ち」ってことだったんですね。巨大な勘違い^^;
それでも読んで良かったです。何だか温かい気持ちにさせてくれました。
印象的だったのは坂木さんの「ほんの一椀」こちらで紹介していたお味噌汁、私も少し前に頂いたんです。私が胃腸の調子が悪くて病院に通っても良くならないとつぶやいていたら、心配した友人がお腹に優しいものをと送ってくれたんです。なんだろうと思って開けてみたら可愛い顔がたくさん並んでいて、嬉しさと可愛さとで涙が出そうになったのを覚えています。味ももちろん美味しかったです。
あとは「きらきらゼリー」かな。こちらは小説でしたが、登場したヒロインが主人公に向かって名前を書くのが簡単で許せないと怒るくだりがあるのですが、もうひたすら共感でうんうん頷いてしまいました。私も結構画数が多いので、テストの時の先生の「名前を書いた人から始めて良いよ」っていう言葉が大嫌いだったんです^^;これは画数が多い人じゃないと気持ち分からないですよね〜^m^
最後の「天使の名前の犬のこと」もとても良かったです。ガブリエルちゃん。想像するだけで癒されました。

<扶桑社 2018.8>H30.11.8読了

惑-まどう- アミの会(仮)4

惑: まどう惑: まどう
著者:アミの会(仮)
新潮社(2017-07-31)
販売元:Amazon.co.jp

淡い恋心、男か女か、宇宙人が来襲!?火事と焼死体への既視感、そして、人生をあの時からやり直すべきか…。最強の作家集団、四たび集結。全作品書き下ろし。

「かもしれない」大崎梢
娘が大好きな絵本を一緒に読んでいて、同期入社の管野が2年前に起こしてしまった仕事のミスについて考え始める。
昌幸が今更ながらも管野の事をちゃんと考え始めているのが良かったです。そして「かもしれない」と思った通りの真相にちゃんと気づいて良かったねと思いました。そして管野は今はなんだかんだで充実しているんじゃないかな。
「砂糖壺は空っぽ」加納朋子
学校になじめない僕は塾で出会ったミエちゃんのことが気になり始め、好きになっていく。
「僕」の境遇が読めば読むほど辛くて哀しかったです。でも自分の気持ちに素直に生きて良いんだよ。と簡単に言えないのもまた哀しい。どうか「僕」の未来が少しでも明るいものになりますように。
「惑星Xからの侵略」松尾由美
尚人は年下の友人トクヤに相談を持ち掛けられた。家に宇宙人から電話がかかってきたというのだ。
まあ、本当に宇宙人だとは思いませんでしたけど、動機と結末にびっくりでした。いいとばっちりでしたねぇ。
「迷探偵誕生」法月綸太郎
絶対にミスをしない名探偵は久しぶりにミスを犯す悪夢を見る。目を覚ますと来客があった。
これは何かシリーズものなのでしょうか。何だかよく分からなかったな。最後に交わした契約もよく分からなかった^^;
「ヘンゼルと魔女」「赤い椀」「喫茶マヨイガ」光原百合
「ヘンゼルと魔女」を読んでいて、あれ?グレーテルってお姉さんじゃなかったっけ?と思った私は「グレーテルのかまど」の見過ぎですよね^^;だって好きなんだもの。どのお話も良かったな。
「最後の望み」矢崎存美
90年の生涯を閉じようとしている老人のところへ死神が現れる。最後に一つ願いをかなえてくれるという。
願いをかなえる以前に娘さんが可哀想すぎる。手がかからなかったからってそこまでそっちのけにするだろうか…。それでも最後はみんな一応幸せになれた…のかな。
「太陽と月が星になる」永嶋恵美
父親が再婚し、継母が気に入らなかった月妃は4つ下の妹を利用して復讐しようとする。
怖い…怖すぎる…。姉も妹も怖すぎる…。でもすべてが姉のせいなのかというとそういうわけではないですよね。結末も恐ろしすぎました…。
「内助」今野敏
ニュースを見ていた冴子はアナウンサーが言った言葉に既視感を感じ、事件について調べ始める。
面白かったです!放火事件がこんな形で展開していくとは!警察官である旦那さんも若干イラっとする言動はあるけど^^;ちゃんと奥さんの言葉を聞いているのが良かったです。

<新潮社 2017.7>H29.10.31読了

迷-まよう- アミの会(仮)5

迷: まよう迷: まよう
著者:アミの会(仮)
新潮社(2017-07-31)
販売元:Amazon.co.jp

はじめてのひとり暮らし、旅先、迷路、父か母か。そして、俺の人生を狂わせた、憎いあいつを殺してしまうか…。誰もがいつでも迷っている。迷うほどに、心を揺さぶる。短編の饗宴。最強の作家集団、四たび集結。全作品書き下ろし。

人気作家さん8人の書き下ろし!テーマが迷うというだけで皆さん書かれたそうですが、色々なテーマがあって面白かったです。
「未事故物件」近藤史恵
最初はいないはずの上の階から未明に洗濯機の音がするというホラーかと思ったのですが、近藤さんらしいある意味とても怖いお話でした。私は背が大きいけど気を付けようと思いました。気を付けようがないけど^^;
「迷い家」福田和代
塩尻が迷い込んだ無人の家に用意された豪華な食事。こちらは塩尻の考えと同じく「遠野物語」のマヨヒガのようなものなのかと思ったのですがとんでもないカラクリでしたね…。気づかなかった。美宅という人が怪しいかと思って怪しんでました。すみません←
「沈みかけの船より、愛をこめて」乙一
こちらの迷いはまた全然テイストが違いましたね。両親が離婚しようとしていて、どちらについていこうか考える娘の話。父母の離婚の原因は後々わかり、そして母の悩みや想いも分かっていきます。こういう切ない話を書くのも上手いですね。
「置き去り」松村比呂美
海外へは私は1度しか行ったことがなく、また現地に友人がいたのでひたすら楽しいで終わったのですが、一人でツアーに行って現地で忘れられて置き去りにされるってめちゃくちゃ怖いですね…。実際に自分がそうなったら…どうなるんだろう。オチは何となくわかりましたが、彼女は逞しい女性だったんですね。自分を出すことが出来て良かった。
「迷い鏡」篠田真由美
篠田さんの作品は気になりつつアンソロジーでしかまだ読んだことがないのですが、最後にゾゾっとさせる作品が多い気がします。この作品もそうでした。とにかく主人公たちがいけ好かない(笑)こんな傲慢で高飛車な先輩になぜついていくと思っていたのだけど、ちゃんと裏があったんですね。
「女の一生」新津きよみ
この女性の人生悲しすぎる…。そして選ばなかった方の人生を想像するとかもっと悲しい。最後の女性はどういう状態だったんだろうか…。どうか幸せに。
「迷蝶」柴田よしき
妻を失った男性が再び始めた蝶の撮影。そこで出会った人とは…。
因果応報というか、人は色んな所で繋がっているんだなぁという感想。でも、罠を仕掛けた男性はちょっと悪趣味かな。
「覆面作家」大沢在昌
「私」は編集者から柏木潤という作家を知っているかと聞かれる。その作家は覆面作家だった。しかし編集者はその作家を40代女性だという。「私」はかつての友人の事を思い浮かべる。
短編なのに重厚感を得られた気がします。流石です。「私」とかつての同志海老名との会話。覆面作家の正体は「私」が思う人だったらいいな。でもそうだとしても確かに会うべきなのかどうか…難しいですね。

<新潮社 2017.7>H29.10.18読了

I Love Father4

I Love FatherI Love Father
著者:冲方 丁
宝島社(2017-06-06)
販売元:Amazon.co.jp

冲方丁、岡崎琢磨、里見蘭、小路幸也、友清哲――
大人気ストーリーテラーが贈る、「父」にまつわるミステリー。
大学教授の父が女子学生からセクハラの告発を受ける……?(小路幸也「美女とお父さんと私」)、船乗りの父に憧れる僕だったけど、ある日、父が「船を降りる」と言い出して……?(岡崎琢磨「進水の日」)など5編。
魅力的な謎と、愛すべきお父さんたちに出会う、珠玉のミステリーアンソロジー!

タイトルがタイトルなんですから、父親との関わりの作品に決まってますよね、読むまで気づきませんでした(え?)
親子の物語、5人の作家さんがそれぞれ色んな父子の形を描いていましたが、好きだったのは岡崎さんの「進水の日」と里見さんの「神様のペテン師」かな。
どちらも父親が子どものために決断をし、行動していく物語でした。
「進水の日」は子どもが父親の仕事を尊敬して自らもなりたいと思っているところが良かったです。また父親も子供を子ども扱いしていなかったのが良かったなぁ。母親のことはあまり好きになれなかった。仲が悪くないと言っても人の悪口は言ってはいけないと思います。じゃないと息子みたいに勘違いしちゃうよ。
「神様のペテン師」の父親は職業詐欺師。そして子供がいることも知らなかったというこれだけ聞くと最低な男なのですが。それでも最初から最後まで子供である小春の事を邪険にしなかったしちゃんと娘と信じたし娘のために行動してましたよね。若干コメディタッチでしたが^m^面白く読みました。

<宝島社 2017.6>H29.9.15読了

宮辻薬東宮4

宮辻薬東宮宮辻薬東宮
著者:宮部 みゆき
講談社(2017-06-21)
販売元:Amazon.co.jp

ちょっぴり怖い、だからおもしろい。
これぞエンタメ!!
前代未聞の「ミステリー短編バトンつなぎ」
「宮辻薬東宮」(みやつじやくとうぐう)
宮部みゆきさんお書き下ろし短編を辻村深月さんが読み、短編を書き下ろす。その辻村さんの短編を薬丸岳さんが読み、書き下ろし……今をときめく超人気作家たちが2年の歳月をかけて“つないだ”ミステリーアンソロジー。

2年もかけてつながったミステリアンソロジーだったんですね。
トップバッターが宮部さん。
問題児だった同僚が仕事を辞め、ほっとしている2人がお酒を酌み交わすところから物語は始まります。後輩の伊藤は先輩に過去に起きた出来事について話し出します。宝くじが当たったことで建てることになった家。そこに住むようになってから不思議な現象に家族が悩まされることになります。その内容についても怖かったですがそのあとの話の方が怖かったです。ホラーですね…。
その後に話を引き継いだ辻村さんの話も怖かったですね。
共に小学校教師の2人。1人がある児童の母親の言動に頭を悩ませていたのだが、相手が不思議な言葉をかけて励まし、過去の母親との関わりについて話していきます。
次は薬丸さん。この作品はホラーでしたけど怖さはなかったです。悲しいというか切ないというか、でも良かったねって思ったり…。詐欺の男が警察に連行され、一緒にいた未成年の女性も保護します。女性の素性を聞こうと警察が話しかけるが黙秘。しかし、あることがきっかけで女性は自分の事を話し始めます。話の節々で伏線はあったんですよね。最後まで読んで納得しました。
特に印象的だったのはこの3作ですねー。
そして最後の作品と最初の作品も少し繋がっていて、そういう細かなリンクも楽しめました。著者さんのあとがきもそれぞれ面白かったです。
ぜひ記念写真を撮ってほしいですね^^

<講談社 2017.6>H29.9.9読了

暗黒グリム童話集4

暗黒グリム童話集暗黒グリム童話集
著者:多和田 葉子
講談社(2017-03-29)
販売元:Amazon.co.jp

村田喜代子×酒井駒子「手なし娘協会」
長野まゆみ×田中健太郎「あめふらし」
松浦寿輝×及川賢治(100%オレンジ)「BB/PP」
多和田葉子×牧野千穂「ヘンゼルとグレーテル」
千早茜×宇野亞喜良「ラプンツェル」
穂村弘×ささめやゆき「赤ずきん」
6人の作家×6人の画家による夢のコラボレーション。斬新な解釈による大人のための新しいグリム童話集!

グリム童話集だから怖くてグロテスクなお話なんだろうなぁと思いましたが…やっぱりそうでした^^;最初の「手なし娘協会」は両腕が無くなった経緯がスプラッタだし最後の締めが…え、どういうこと?
「BB/PP」も多少スカッとはしましたけども、なかなかのグロテスク具合でした。
「ヘンゼルとグレーテル」はちょっと切なかったかな。
「ラプンツェル」と「赤ずきん」はちょっと日本風。
それぞれぞっとする中に物語の面白さも見えて面白かったです。
また絵も逸脱。怖さが倍増しました。

<講談社 2017.3>H29.7.1読了

アンソロジー 隠す アミの会(仮)5

アンソロジー 隠すアンソロジー 隠す
著者:大崎 梢
文藝春秋(2017-02-09)
販売元:Amazon.co.jp

あなたが隠したいものは、なんですか?机の中に、記憶の中に、人生のどこかに…「隠す」をテーマに描かれる、11の不穏で切実な人間ドラマ。

柴田よしき「理由」
人気毒舌コメンテーターを刺したイラストレーターの真意とは。刺した動機を言わない女性の真意が分かった時、ぞくっとしました。本当の復讐が完遂したんですね。

永嶋恵美「自宅警備員の憂鬱」
自宅警備員ってどういうことだろうと思ったら引きこもりのことだったんですね。引きこもりって一言で言ってはいけないですけど。ちゃんと介護をしてちゃんと規則正しい生活を送っているんですもんね。洞察力が見事でした。いつかきっと社会復帰できるよ。

松尾由美「誰にも言えない」
ホームステイ先の家族がいきなり冷たくなりショックを受けたリンジー。なぜ態度が変わったのか、探偵事務所のボスと助手が推理します。3人の関係とか、ボスの助手に対する想いとか、全体的に可愛らしい作品でした。

福田和代「撫桜亭奇譚」
突然死亡した父親の秘密。重たかったです。長男はすべてを背負うのでしょうか…。

新津きよみ「骨になるまで」
祖母が亡くなったことで知った見知らぬ伯父の存在。調べていくうちに祖母の死の原因も分かっていきます。なんというか…切ないというかもどかしいというか。いろんな偶然が生んだ悲劇だったのかな…。

光原百合「アリババと四十の死体 & まだ折れてない剣」
アラビアン・ナイトみたいなお話でした。女性の強さを感じました。

大崎梢「バースデーブーケをあなたに」
90歳を過ぎた女性に毎年贈られてくるバースデーブーケ。差出人Mの正体はだれなのか。

近藤史恵「甘い生活」
主人公の人のものが欲しくなる女性、最低だね。最後はかなり悲惨だったけど身から出た錆だからな…という感想だった自分もちょっと怖かったです^^;

松村比呂美「水彩画」
言い方が悪いけど、全部母親のエゴですよね。娘だって大事な子ども。なのにずっとひどい対応を繰り返して、それで自分の罪が償われると思っているわけではないと思うけど…あまりにも可哀想でした。

加納朋子「少年少女秘密基地」
まさかここで「少年少女飛行倶楽部」のスピンオフが読めるとはー!!
彼ら彼女らが小さかった頃の話まで出てきて!!1人興奮してました。
小さかった時は気付かなかったんですけど、中学生になってからのみんなの名前で思い出しました。ヒトデくんとクラゲちゃんと神君。以前ニアミスで出会っていたんですね。

篠田真由美「心残り」
締めのこの作品が一番「隠す」というタイトルにふさわしい怪談ぶりでした^^;怖かった…。

どの作品もそれぞれ面白かったです。そしてすべての作品に共通するある物は、3作品目くらいで気づきました。こういう繋がりは読んでいて面白さが増しますね。

<文芸春秋 2017.2>H29.6.28読了

ニャンニャンにゃんそろじー5

ニャンニャンにゃんそろじーニャンニャンにゃんそろじー
著者:有川 浩
講談社(2017-04-26)
販売元:Amazon.co.jp

NO CATS, NO LIFE !
楽しいときも、悲しいときも、いつでも側に“君”がいる猫好きの、猫好きによる、猫好きのための“にゃんだふる”なひと時をあなたに!!
〈猫小説〉
有川浩 『猫の島』
町田康 『諧和会議』
真梨幸子 『まりも日記』
小松エメル 『黒猫』
蛭田亜紗子 『ファントム・ペインのしっぽ』
〈猫マンガ〉
益田ミリ 『鈴を鳴らして』
ねこまき(ミューズワーク)『猫の島の郵便屋さん』
北道正幸『ネコ・ラ・イフ』
ちっぴ『ヅカねこ』

確かに猫好きにはたまらないアンソロジーでしたね^^私はそこまでではありませんが、ごめんなさい←
好きだったのは「猫の島」と「ファントム・ペインのしっぽ」かな。
「猫の島」は「アンマーとぼくら」のスピンオフでした。登場するおばあさんの正体が割とすぐわかるのですが分かっても良い心温まるお話でした。まあどっちにしてもあの父親は嫌いでしたけど^^;
「ファントム・ペインのしっぽ」はかつての同僚桐谷さんとの会話がとても好きでした。桐谷さんもきっと人生いろんなことを経験していて、だから懐が深くて広いのかなと感じて。2人は良い関係になっていくんだろうなと思ったら嬉しくなりました。
マンガは「猫の島の郵便屋さん」が好きです。
私は今は親も祖母も近くに住んでいるけど、手紙や荷物を送ったりしたらこうやって喜んでくれたりするのかなぁなんて想像したりして。
楽しい読書の時間でした^^

<講談社 2017.4>H29.6.15読了

Xmas Stories 一年でいちばん奇跡が起きる日5

X’mas Stories: 一年でいちばん奇跡が起きる日 (新潮文庫)X’mas Stories: 一年でいちばん奇跡が起きる日 (新潮文庫)
著者:朝井 リョウ
新潮社(2016-11-14)
販売元:Amazon.co.jp

もう枕元にサンタは来ないけど、この物語がクリスマスをもっと特別な一日にしてくれる―。六人の人気作家が腕を競って描いた六つの奇跡。自分がこの世に誕生した日を意識し続けるOL、イブに何の期待も抱いていない司法浪人生、そして、華やいだ東京の街にタイムスリップしてしまった武士…!ささやかな贈り物に、自分へのご褒美に。冬の夜に煌めくクリスマス・アンソロジー。

今さらですがクリスマスがテーマのアンソロジーを読みました^^;
もう枕元にサンタさんは来ないし、家族で過ごすこともないし、ケーキすら買わない時もあるけど、それでも少しでも良い1日だったなって思えるくらいの日だったらいいななんて思っているのですが。
朝井リョウ「逆算」「何様」にも収録されていましたよね。最近読んだばかりなので割愛しました^^;更にあまり好きではない…スミマセン。
あさのあつこ「きみに伝えたくて」そういえばあさのさんの作品はアンソロジー以外で読んだことがないなぁと思いました。何だかタイミングを逃してしまった模様。最初は可愛い若い二人の恋物語なのかと思いきやなかなかヘビーな内容でしたね。女の子の気持ちが焦っちゃう気持ちも分かるし、男の子の今じゃない将来を見据える気持ちも分かる。それが最悪の結果になってしまったのがたまらなく悔しい。それでも、助けてもらってちゃんと前を向いていくことが出来て良かったです。
伊坂幸太郎「一人では無理がある」「ジャイロスコープ」で既読でしたがこちらは前に読んでから時間が経っていたのと確か好きな話だったと思って読み返してみました←
そうそうこんな話だったと思って、やっぱり面白いなぁと思って読み終えました^^
恩田陸「柊と太陽」何百年も経ってまた鎖国になって海外のものが流通しなくなったらこういうクリスマスの見解もあるのかなぁと読んでいて面白かったです。まあ、こんなネット社会になってしまったからしばらくなさそうですけど^^;でも、面白かった。
白河三兎「子の心、サンタ知らず」いやー…最初はなんて口の減らないクソガキだと思っていたんですけど←最後が可愛かったです。まさにタイトルの通り。どうなるのかな。上手くいくと良いなー。
三浦しをん「荒野の果てに」またクリスマスがテーマでこう来たか!というストーリーでしたねぇ^^;さすがしをんさん。現代にタイムスリップしてしまった卯之助と弥五郎が右往左往している姿が面白い。現代の物の解釈も面白い。流石ですね。それでも最後はしんみりしてしまいました。どうかみんな無事でありますように。

<新潮社 2016.11>H29.3.10読了

十年交差点4

十年交差点 (新潮文庫nex)十年交差点 (新潮文庫nex)
著者:中田 永一
新潮社(2016-08-27)
販売元:Amazon.co.jp

その一瞬の選択が、あなたの10年後を変える。「10年」。それだけをテーマに五人の人気作家が自由に物語をつむいだら、泣けて、震えて、心が躍る、こんなに贅沢な短編集ができました! 時間を跳び超える機械を手に入れた男の、数奇な運命を描く物語。戦慄の結末に背筋が凍るミステリー。そして、河童と猿の大合戦に超興奮の時代ファンタジー、などなど全五作。それぞれの個性がカラフルにきらめく、読みごたえ満点のアンソロジー。

「地球に磔にされた男」は中田さんらしい作品だったかなぁ。いろんな自分の人生を歩み、幸せを捜す男。どの時代に行っても自分がいるのに、どう終えるんだろうと思いましたが、さすがですね。きっと男は幸せになれますよね。
「白紙」は何だかいい感じで終わりそうだけどきっと終わらないだろうなと思ったらやっぱりなかなかな終わり方でしたねー。助けたつもりが…という。この先生たちきっと付き合わないだろうな^^;
「ひとつ,ふたつ」話が二転三転して結局どうなるの?!と思いましたけど、最終的には良い終わり方で良かったです。それにしても、色んな病気があるんですね…。
「君が忘れたとしても」1番続きというか先が気になった作品でした。いやー…腹が立つ!!大事な大事な甥っ子と離れ離れにされて可哀想!結実子も自分を卑下しすぎですよね。もっと自信を持ってほしいなぁ。でも、それでもちゃんと壮真はしっかりした真っ直ぐな子に育ちましたよね。良かった。これからは2人が会える機会をたくさん作ってほしいなと思いました。
「一つ足りない」畠中さんの作品だけちょっと異質な感じがしましたね。まあ登場人物が河童だから^^;河童同士の対決は面白かったけど、10年っていうのが無理矢理な感じがしてどうかなぁ…と思ったりして。久しぶりに畠中さんの現代ものも読みたかったのですが。お話は面白かったですけどね。

<新潮社 2016.8>H29.2.1読了

VS.こち亀 こちら葛飾区亀有公園前派出所ノベライズアンソロジー4

VS.こち亀 こちら葛飾区亀有公園前派出所ノベライズアンソロジーVS.こち亀 こちら葛飾区亀有公園前派出所ノベライズアンソロジー
著者:秋本 治
集英社(2016-09-17)
販売元:Amazon.co.jp

〜6つ子の童貞VS.こち亀女子魂の合コン〜「おそ松さん」
原作:赤塚不二夫 監修:おそ松さん制作委員会 小説:石原宙 扉イラスト:浅野直之
童貞6兄弟が不良警官と合コンにいく! ?
いったいどうしてこうなった「魔術士オーフェン」 シリーズ
小説:秋田禎信 イラスト:草河 遊也
両津勘吉は、ファンタジー世界に転生した。この世界の住人から『オーフェン』という男と間違えられているようなのだが…。
こちら命志院大学男子チアリーディングチーム出張部「チア男子! ! 」
小説:朝井リョウ イラスト:近藤憲一
男子チアのメンバーは憂鬱な表情をした少女・檸檬の笑顔を取り戻すため、チアリーディングをする! !
両津&パンツァー「ガールズ&パンツァー」
原作:ガールズ&パンツァー製作委員会。 小説:岡田邦彦 原画:杉本功
茨城県大洗、女子高生と両さんが戦車で対決! !
不合理な二十四「ハルチカ」シリーズ
小説:初野晴 イラスト:山中ヒコ
東京にやってきたハルタとチカは、妙な警官と不思議な事件に遭遇する。
謎解きは葛飾区亀有公園の前で「謎解きはディナーのあとで」シリーズ
小説:東川篤哉 イラスト:中村佑介
亀有公園前で事件発生! ? 消えた拳銃の謎に、両津巡査と『2人の』麗子、ドSな執事が挑む! !

こち亀と小説のコラボです。以前もあって読んだ記憶がありますが。
今回は知らないシリーズも多くてついていけないのもありましたけど^^;
まあ、どの世界に行っても両さんは凄い人なんだなっていうことが分かりました…。
おそ松さんとオーフェンとパンツァー?はよく分からなかったのですがチア男子とハルチカと謎解きは懐かしかったですね。チア男子とかほとんど人を忘れてましたけども^^;
特に面白かったのはハルチカと謎解きかな。
ハルチカのぶっ飛んだ感じと両さんのぶっ飛んだ感じは得て非なる感じなんだけど馬が合っているというか波長が合っているというか。両さんとハルタのコンビが面白かったです。謎解きは二人の麗子の争いが面白かったです^^亀有の麗子の方の印象に違和感を感じましたけど、まあ仕方ないですよね。
両さんもこんな口調じゃないよなーと思うところもありましたけど、違う作家さんなんだからしょうがないですよね。こうやっていろんなところでコラボするのは面白いのでまたやってほしいなと思います。
次は別のマンガとコラボしてほしいな。コナンとルパンがコラボしたみたいに。

<集英社 2016.9>H28.12.18読了

どうぶつたちの贈り物4

どうぶつたちの贈り物どうぶつたちの贈り物
著者:小川 洋子
PHP研究所(2016-01-28)
販売元:Amazon.co.jp

ペンネームに「動物」が隠れた作家たちが、それぞれの「動物」をテーマとして書き下ろした短篇小説集。
嵐の夜に海からやってきた羊や、男子大学生の心を惑わせる鹿、偽占い師がさがしている兎、なぜか体中が傷だらけの鶏、関西弁で事件を解決する馬――“アニマルな作家"たちによる異色の競演!
「馬の耳に殺人」(東川篤哉)深夜に疾走する馬が目撃された翌朝、不審な死体が発見された。
「幸運の足跡を追って」(白河三兎)占い師のフリをすることになった引きこもり少女と、居候で毒舌のフランス人青年が、失踪した兎の行方を追う。
「キョンちゃん」(鹿島田真希)“キョンちゃん"に素敵な人を紹介してほしいと、女友達から相談された“俺"は、親友の山野を会わせることにしたが……。
「蹴る鶏の夏休み」(似鳥鶏)「白いカラス」が現れたという同級生の家を、校内新聞の取材で訪れた加古川と飛田は、思いもよらぬ事件に巻き込まれる。
「黒子羊はどこへ」(小川洋子)嵐の晩に難破船から現れた二匹の羊が生んだのは、漆黒の子羊だった。

あ、そうか。作者さんの名前の中にある動物がテーマなんですね←
最近いろんなテーマのアンソロジーが出ていて面白いですね。
こちらも好きな作家さんが書かれているので楽しんで読みました。
「馬の耳に殺人」東川さんらしい作品ですね。まさかの探偵役が馬なんて!トリックはやっぱりトンデモなんですけどでも説得力がありますし、面白かったです。
この探偵の馬とマキバ子ちゃんのシリーズはぜひこれからも読みたいです。
「幸運の足跡を追って」母親の生業である占い師になってお金を稼ぐ娘が母親が連れてきたフランス人ティエリーとお客様の買っている兎を捜す話。この兎の行方の真相は面白かったけど、結局ティエリーの正体が分からなくてもやっとして読み終えました^^;
「キョンちゃん」白河さんもですが、鹿島田さんも過去に1冊読んだことがありました。でもその時はよく分からなかったのですが^^;この作品は分かりました←そしてラストがまさかの展開でビックリ。
「蹴る鶏の夏休み」「白いカラス」騒動からのまさかの展開に驚きました。でもこういう展開は似鳥さん上手いですよね。葉山君シリーズのような人の死なないミステリを読めて楽しかったです。
「黒子羊はどこへ」小川さんの作品久しぶりに読みました。舞台は日本じゃないようなどこか御伽話のようでしたね。独特の世界観を味わいました。

<PHP研究所 2016.1>H28.4.8読了

みんなの怪盗ルパン4

みんなの怪盗ルパンみんなの怪盗ルパン
著者:小林 泰三
ポプラ社(2016-03-09)
販売元:Amazon.co.jp

怪盗ルパンと5人の人気作家が華麗に競演!懐かしくて新しい、極上の作品ぞろいの“怪盗ルパン”オマージュ・アンソロジー!

今回は怪盗ルパンのアンソロジー。私、怪盗ルパンは全然わからなくて^^;ルパン三世ですらあまり知らないという…。ルパンを追っているのはホームズなんですか?←すみません全然しらなくて。
でも、盗むのには理由があるんですよね。なんとなく気品があって真摯な雰囲気があるのはそういうところからなんでしょうね。
『最後の角逐』小林泰三
一体誰が誰なんだとなんだか拍子抜けした感じ^^;登場人物たちの探り合いに読むほうはちょっと戸惑ってしまったかなという感じでした。
『青い猫目石』近藤史恵
身分違いの恋かぁ。青年が自分は釣り合わないと思いつつも彼女のピンチに命を懸けて守ろうとするところが素敵。
でも最後がちょっとゾワリとする感じで近藤さんらしいラストでした。とても好みでした^^
『ありし日の少年ルパン』藤野恵美
ラウール少年は頭が良くて優しくていい子で、お母さんのために盗みを働いていてそれを母親が喜んでくれないと思っているのに生活のためとしていることがなんとも切ない。
スリをさせられていた少女を救ったシーンも素敵でした。
『ルパンの正義』真山仁
真山さんの作品は初めて読みました。青年時代のルパンもカッコよかったですね。
ドレフュス事件って実際にあった事件なんですかね?ルパンが救いたいという気持ちもドレフュスの想いも伝わって切なくなりました。
『仏蘭西紳士』湊かなえ
湊さんの作品はついつい身構えてしまうのですが^^;殺人事件自体はえげつなかったですが、お姉さんもきっと幸せになれますし、美千代とフランス紳士がとても素敵で読後感が気持ちよかったです。

<ポプラ社 2016.3>H28.4.6読了

みんなの少年探偵団24

みんなの少年探偵団2みんなの少年探偵団2
著者:有栖川 有栖
ポプラ社(2016-03-09)
販売元:Amazon.co.jp

江戸川乱歩生誕120年を記念して刊行され、テレビや新聞など様々な媒体にも紹介されて話題にもなったアンソロジー『みんなの少年探偵団』。
2015年は江戸川乱歩没後50年ということで、市場も盛り上がりを見せているが、その最後の締めくくりとしての『みんなの少年探偵団』第2弾企画。
第2弾も、子供時代に少年探偵団と怪人二十面相の息詰まる対決に胸を躍らせた過去を持つ作家陣が集結。
今作では、有栖川有栖、歌野晶午、大崎梢、坂木司、平山夢明という豪華5人が「少年探偵団」オマージュに挑む!

オマージュ第2弾です。相変わらず江戸川乱歩の作品は読んでいませんが^^;こちらは面白く読みました。では簡単に感想をば。
『未来人F』有栖川有栖
怪人二十面相を捕まえ、明智探偵は海外へ。しかし怪人二十面相は逃亡し、未来人Fと名乗る男が現れる。この未来人Fが怪人二十面相なのかと思ったら一筋縄ではいきませんでした。やられました〜。面白かった。
それにしてもこれから行われる1964年の東京オリンピックの事とか2020年の東京オリンピックの事が話されているのが面白かったです。登場人物たちが自分は物語の中の人かも…なんて展開は「ソフィーの世界」を思い出しました。
『五十年後の物語』歌野晶午
かつて子供の頃に同級生だった岡田の葬儀に出た元同級生たち。いけ好かない奴だと思っていた岡田と自分たちはどうして仲良くなったのか、昔話が始まる。
50年前が今みたいな感じでしたねぇ。この物語の主人公の推理が面白かったです。
『闇からの予告状』大崎梢
小雪の祖父が譲り受けた宝刀を怪人二十面相が狙っている。それを知った小雪は犯人と本物の宝刀を捜します。
小雪のおじいさんが小雪の事を「ここちゃん」と呼んでいた理由がなるほどと思いました。そして小雪が名推理を働かせ、ピンチになった時に現れた少年。いやー!久しぶり!!最近会えてないなと思っていたんですよ←
にしても、そんな設定だったかなぁ…。少年は母子家庭だったような気はするけどそんな話していたっけ?^^;思わずニヤリとしてしまいました。
『うつろう宝石』坂木司
小林少年が明智小五郎は耄碌したと少し嘆いていましたけど、そんなことは全くなかったですね。最後はスカッとしました。
『溶解人間』平山夢明
平山さんは初めて読んだのですが、読んで思い出しました。ホラー書いてた…最後はちょっとしんみりしてしまったけどひたすら気持ち悪かったです^^;うえ。

<ポプラ社 2016.3>H28.4.4読了

メアリー・スーを殺して4

メアリー・スーを殺して 幻夢コレクションメアリー・スーを殺して 幻夢コレクション
著者:乙一
朝日新聞出版(2016-02-05)
販売元:Amazon.co.jp

「もうわすれたの? きみが私を殺したんじゃないか」
(「メアリー・スーを殺して」より)
合わせて全七編の夢幻の世界を、安達寛高氏が全作解説。
書下ろしを含む、すべて単行本未収録作品。
夢の異空間へと誘う、異色アンソロジー。

アンソロジーと言っても全員同じ人ですよねっていうツッコミをしてしまいましたが^m^読みました。どの作品も一癖あって^^面白かったです。
「愛すべき猿の日記」乙一
1人の人間の成長物語ですよね。最初はドラックに溺れた何も知らない青年だったのにお父さんが使っていたインクの瓶が届いてから変わりましたよね。その成長していく姿が良かったです。
「山羊座の友人」乙一
乙一さんの書くいじめ問題は(まあ乙一さんに限らないけど)読んでいて怖くて辛いです。今回も加害者に対して一方的に悪いとは言えないなぁ。にしても何かあるんだろうと思ったけど犯人については意外でした。風でベランダにやってくる未来の新聞記事がこうつながっていたのかと思い切なくなりました。
そして主人公のお姉さんが別シリーズで登場しているらしいですが私はどの作品かわかりませんでした^^;
「宗像くんと万年筆事件」中田永一
この作品は既読でした。主人公がいじめられていくシーンはもうまんま乙一さんというかなんというか…。宗像くんが事件を解決していくシーンがとても好きです。そして最後に震えている宗像くんにきゅんとしました。
「メアリー・スーを殺して」中田永一
タイトルが良いですよね。何だろう?って引き込まれます。主人公の女性が容姿に自信がなく友達もいなくて小説に理想を掲げて逃げている姿は切ないけど貪欲に生きているような気がしました。そこからの主人公の変わりようが凄い。そしてラスト、自分の本心とまた闘おうとしているところで物語が終わるのが良かったです。
「トランシーバー」山白朝子
東日本大震災がテーマになっている作品。妻と子供を亡くした主人公がトランシーバーに縋る姿がとても切なかったです。でも時が流れて少しずつ前を向いていく姿が良かった。きっと奥さんも息子さんも見守ってくれているはずです。
「ある印刷物の行方」山白朝子
山白さんらしいホラーな雰囲気が漂ってました。あー…気持ち悪かった…。
「エヴァ・マリー・クロス」越前魔太郎
この名義は知りませんでした。この話も怖かったです。
「人体楽器」の描写がもう気持ち悪くて悪くて…。

<朝日新聞出版 2016.2>H28.3.27読了

アンソロジー 捨てる4

アンソロジー 捨てるアンソロジー 捨てる
著者:大崎 梢
文藝春秋(2015-11-14)
販売元:Amazon.co.jp

人気の女性作家9名が贈る書き下ろし短篇! 小説
柴田よしき・大崎梢・光原百合・福田和代・松村比呂美・近藤史恵・永嶋恵美・篠田真由美・新津きよみ。作家発! 『捨てる』小説集。

テーマが「捨てる」の珍しい作品。下の方に小さく「アミの会」と書かれていて、何かと思ったら皆様お友達のようでその名称だそうですね。楽しそう。
いろんな「捨てる」のお話があって面白かったです。では感想をば。
大崎梢『箱の中身は』
女の子が大事に持っていた箱の中身は何だったのか。気になったけど最終的にはなーんだ。っていう感じかなぁ^^;聡明そうな女の子だったけど、中身はやっぱり子供だなぁという微笑ましい感じでした。
松村比呂美『蜜腺』
初読み作家さんでした。食虫植物?っていう奴なんでしょうか。それよか姑の図々しさが腹が立ってしょうがなかったです。旦那さんも最終的に選んだのはそういう事かって思ったら親が親なら子も子っていう事なのかなぁ。奥さん強く生きてねと思いました。
福田和代『捨ててもらっていいですか?』
亡くなった祖父の家から出てきた拳銃。
そりゃ拳銃なんて手元にあったらビビりますよね。てんやわんやでバタバタで、この雰囲気嫌いじゃなかったです^m^主人公の恋人が1番好きだったなー。もう1番最初の会話で気づきましたけど私。どんだけ鈍いんすか?最後のシーンが好きでした。
篠田真由美『forget me not』
壺・・・壺ねぇ。価値のないものを引き取る・・・そうですか←
お客さんが帰った後の老婆の本性がぞぞっとしました。
光原百合『4つの掌編』
幸福な王子のお話はなんとなく分かりましたけど他はどういうつながりがあったんだろう。光原さんの本も初めてでした。読んでみたかったので良かったです。
新津きよみ『お守り』
結局砂は本物だったのかすり替えられていたのかどっちだったんだろう。
お守りって本当に魔除けみたいな感じでもっていれば良いと思うのだけど、これだけ効果効能があったら捨てられないですよね。
最後はお守りがなくても大丈夫だよっていう事だったのかな。
永嶋恵美『ババ抜き』
この作品が一番怖かったです…。ジジ抜きをして負けた人が秘密を暴露するという話。最初はふーんと聞いていたのだけどだんだん雲行きが怪しくなってきて^^;いやはや女の人って恐ろしいですね。最初はババって言ってるから還暦近いのかと思ったらアラフォー当たりなのかなぁ。この人たちはきっとこのままこれからも付き合っていくんだろうなー怖い怖い。
近藤史恵『幸せのお手本』
どういう展開になって行くんだろうなと思ったらなかなか黒かったなぁ…。
主人公は悪い子じゃないと思っていたのだけどそういう展開になって行くのねという感じ。でも私、夫におばあちゃんのところに行ってくるって言った後に「お年寄りは大切にしないとな」っていう言葉を言ったという時点でこの旦那いけ好かなかったんですよね。何となく言い方が。お年寄りっていう言い方も嫌だし言い方が何だか上から目線だし…最後も黒かったなぁ。おばあちゃんの姿が切なかったな。
柴田よしき『花子さんと、捨てられた白い花の冒険』
このお話もどんな展開になるんだろうと思ったのだけど、良い終わり方だったなぁ。
近藤さんの作品もそうだけど夫婦って難しいのかな…読んでたら結婚が怖くなっちゃいましたよ。って結婚願望ないんですけど^^;
花子ちゃん夫婦が救いでした。可愛かったなぁ。

<文芸春秋 2015.11>H28.2.5読了

冬の本

冬の本冬の本
著者:天野祐吉
夏葉社(2012-12-12)
販売元:Amazon.co.jp

冬に読んだ本。冬になると思い出す本。まるで冬のような本。「冬」と「1冊の本」をめぐる、新しいエッセイ集。

ずっと前から気になっていた本、ようやく読めました。
84人が描く、84通りの物語。84人が選んだ作品のうち読んだことのある作品は「氷平線」「銀河鉄道の夜」「海炭市叙景」の3冊だけでした。84分の3…
1人2ページの短いエッセイですが面白く読みました。
特に印象的だったのは角田さんの宮沢賢治の話。私も何冊か読んでいますが確かに賢治の作品って冬が思い浮かびます。夏が舞台の作品もあるのに。不思議ですね。
あとは山崎ナオコーラさんのムーミンの話。私、この作品は本では読んだことがないのですがアニメを見た記憶が薄ぼんやりとあります。
あと嬉しかったのが作家さんがあかさたな順で並んでいるので万城目さんと又吉さんが並んでいるのが嬉しかったです^m^

〈夏葉社 2012.12〉H27.4.3読了

みんなの少年探偵団5

みんなの少年探偵団 (一般書)みんなの少年探偵団 (一般書)
著者:万城目 学
ポプラ社(2014-11-07)
販売元:Amazon.co.jp

怪人二十面相に5人の人気作家が挑む!懐かしくて新しい、傑作ぞろいのオマージュ・アンソロジー!江戸川乱歩生誕120年記念プロジェクト第一弾。

5人の作家さんの中で読んだことがなかったのは向井さんと藤谷さん。向井さんの作品は数学屋さん?が気になってはいましたがいまだに読んでいません^^;
5人とも視点が面白くてそれぞれ面白かったです。
ただ、いかんせん少年探偵団を読んだことがなく^^;私の知識と言えば名探偵コナンで出てきた知識くらいで←
それでもそれくらいの知識しかなくても面白く読みました。別物と言えば別物ですからね。同じと言えば同じですけど(どっちだ)
ということでそれぞれの感想をば。
「永遠 万城目学」双子ちゃんの冒険譚が面白かったです。ハラハラドキドキそれでも最後はガッツポーズ!楽しく読みました。そして最後に2人が生きていく為に選んだ名前たちが物語のこれからを思わせるような含みでそれも良いですね。アンソロジーの始めにピッタリな作品でした。
「少女探偵団 湊かなえ」カスミちゃんのおばあちゃんの話が面白かった!小林少年との冒険にドキドキしました。少女が頑張る話も良いですね。体操の事で思い悩んでいたカスミちゃんのその後も良かったです。
「東京の探偵たち 小路幸也」小路さんの作品は小林少年が小林青年になっている時代のお話。こちらはハラハラドキドキを事前に防いだ感じでしたけど^^;それもまた粋な感じでした。ぞぞっとするような。
「指数犬 向井湘吾」東大を出た人って感じな話でしたね(ざっくりすぎそして偏見すぎ)倍になって倍になってってのはドラえもんの「バイバイン」っていう道具を思い出しましたけど。のび太がこのおまんじゅうを食べちゃったらなくなっちゃうから増やしたいっていうアホな←悩みにドラえもんが答えた道具。最後は可愛らしくて良い作品でした。
「解散二十面相 藤谷治」少年探偵団って怪盗二十面相としか闘ってなかったんだろうか←分かっていない人。二十面相の苦悩は読んでいて面白かったです。真面目な良い人ですね^m^最後のどんでん返しも面白かった!

〈ポプラ社 2014.11〉H27.1.17読了

決戦!関ヶ原5

決戦!関ヶ原決戦!関ヶ原
著者:葉室 麟
講談社(2014-11-19)
販売元:Amazon.co.jp

慶長五年九月十五日(一六〇〇年十月二十一日)。
天下分け目の大戦――関ヶ原の戦いが勃発。
――なぜ、勝てたのか――
東軍
伊東潤(徳川家康)
天野純希(織田有楽斎)
吉川永青(可児才蔵)
――負ける戦だったのか――
西軍
葉室麟(石田三成)
上田秀人(宇喜多秀家)
矢野隆(島津義弘)
――そして、両軍の運命を握る男――
冲方丁(小早川秀秋)
当代の人気作家7人が参陣。
日本史上最大の決戦を、男たちが熱く描いた「競作長編」。

アンソロジーでこのタイトルを発見してすかさず予約しました。
そして届いたのが軍師官兵衛最終回の直前。とてもタイミングが良かったです。軍師官兵衛が無かったらきっと手に取らなかっただろうなぁという作品でした。
時代小説には慣れていないので初めは読むのに時間がかかりましたが、面白かったです。いろんな歴史上の人物からの目線で読めて何だか豪華。知らない方もいましたけど、知ることが出来て良かったです。織田信長の弟とか知らなかったよ。しかも千利休に師事してたとか。可児さんも知りませんでしたけど、まあ主君に運がなかったんですねぇ。でも最後の最後に勝てて良かったですね。
島津義弘も知らなかったですけど、負けてもなお立ち向かう姿は勇ましくてまさに漢の中の漢だと思いました。それに未だに血が続いてるって凄いですよね。子孫は幕末に活躍していますし。
石田三成が負ける戦と分かっていてなぜ戦ったのかという自分の命を擲ってでも守りたかったものにはじんとしましたし、小早川の真意もこういう書かれ方もあるのかとも思いましたし、どの章も面白かったです。
長政や官兵衛の名前もちょいちょい出てきて嬉しかったり^^
冲方さん、なぜか官兵衛のことをわざと「勘兵衛」って書いてたんですけど^^;勘が鋭い。先を見据える目があるっていう意味だったんでしょうか。
冲方さん以外は初読み作家さんでしたが面白かったです。
さ、いろんな視点での関ヶ原も読めたし、あとは軍師官兵衛の最終回の関ヶ原に臨むのみですね←

〈講談社 2014.11〉H26.12.10読了

僕は小説が書けない 中村航 中田永一4

僕は小説が書けない僕は小説が書けない
著者:中村 航
KADOKAWA/角川書店(2014-10-31)
販売元:Amazon.co.jp

生まれながらになぜか不幸を引き寄せてしまう光太郎。引っ込み思案で心を開くことができず、親しい友人もいない。血のつながりのない父親との関係をはじめ、家族との距離感にも悩んでいる。高校に入学した光太郎は、先輩・七瀬の勧誘により廃部寸前の文芸部に入ることに。実は光太郎は中学生のとき、小説を書こうとして途中で挫折した経験があった。個性的な先輩たちや強烈な個性のOBふたりに振り回されながら、光太郎は自分自身の物語を探しはじめる。かつてない青春小説。

この本、お二人の共作なんですよね。
交互に書いたらしいですが全然私はわかりませんでした^^;
中村さんの本は読んだことあったかなかったか…中田さんの本は全部読んでますけど別名義も結構読んでますけど^^;でも私はこういうのホントわからないんでね…
内容はかわいらしい青春小説だなぁという感じでした。
先輩後輩の関係が今読み進めている文学少女シリーズに似てる感じがしました。
こちらのシリーズの結末は違いそうですけど^^;
OBが2人出てきましたけど、まあ正反対でしたねー。でも私は御大の方が考え方は好きでした。
小説か〜。書けるもんなら書いてみたいですけどねぇ…

〈角川書店 2014.9〉H26.11.26読了

Wonderful Story4

Wonderful StoryWonderful Story
著者:伊坂 幸犬郎
PHP研究所(2014-10-08)
販売元:Amazon.co.jp

伊坂幸太郎・大崎梢・木下半太・横関大・貫井徳郎――当代きっての人気作家5人が、「犬」にちなんだペンネームに改名(!?)して夢の競演。犬をテーマにした五つの物語が紡ぎ出された……。
昔話でおなじみの犬もいれば(伊坂幸犬郎「イヌゲンソーゴ」)、地名の由来になった犬もいる(犬崎梢「海に吠える」)。はたまた、悪者が連れてきた犬もいるし(木下半犬「バター好きのヘミングウェイ」)、人のために働く盲導犬や(横関犬「パピーウォーカー」)、やたらと見つめてくる犬も……(貫井ドッグ郎「犬は見ている」)。
個性豊かな犬たちが踊る、前代未聞の小説“ワンソロジー"、ここに登場!

いやーまずこの企画自体に拍手を送りたいです。こんな面白いことよく思いつきますよね。しかも1番最初のきっかけがのび太が自分の名前をのび犬って書いたっていうところからきているとは…その話なんとなく覚えてますけども。…と思ったらあとがきで「Happy Box」の企画の方と同じことを知りそれならね。とも思いました^m^前回は名前に「幸」という漢字が入っている方が書いたアンソロジー。今回は微妙に改名して犬がテーマのアンソロジー。いやはや、よく作家さんに頼んだと思いますよ。そして受けた作家さんたちのコメントもまた素敵。では順番に感想を。
「イヌゲンソーゴ」伊坂さんらしいテイストでしたねぇ。もう車目線の本も読んだから今更犬目線の物語が出来たってまーったく驚きませんとも。でもこの様々な物語との絡め方は上手いなぁと思いました。犬たちが奮闘するお話でしたけど、最後のムサシとその家族の話も良かったです。
「海に吠える」このお話が私は1番好きでした。転校生の史彰と佐丸君の関係がとても素敵。史彰のお父さんもかっこよかったです。史彰はお父さんについていって良かったんだと思います。体裁と将来しか考えていない母親の傍にいるよりも、ちゃんと人間関係を形成していると思うし、史彰に友達が出来て、一緒に遊んだことを素直に喜んでいるお父さんの傍にいたほうがよっぽど人間らしく生きていけると思うもの。結果そうなったと思います。犬吠埼の由来で義経の名前が出てきて鉈切り丸や炎立つを思い出してちょっとしんみりもしました←まだ引きずってる。
「バター好きのヘミングウェイ」初めて読んだ作家さんでした。最初は何だか胡散臭くて下世話で何だか嫌な雰囲気だなぁと思ったのですが途中からそんな気持ちは無くなりました。奥さんかっこいいです。だからこそ勿体なさすぎて同情。でも、これからは人生変わっていきそうですね。よかった。
「パピーウォーカー」こちらも初めての作家さん。気になる本はあるのですがいまだに未読…。パピーウォーカーという存在は知っていましたがまさかこんなミステリっぽくなるとは思いませんでした^^;ちょっとおどおどしすぎだけど阿久津というキャラクターは好きだったかも。ただ歩美のギャグが昭和過ぎて年齢不詳で恋愛に発展することはなさそうだけどそこでちょっと冷めました←内容は絶対にしてはいけないことだけどほっこりしました。旦那さんの事はそんなことだろうと思いましたよ。
「犬は見ている」久しぶりの貫井さん。ミステリっぽい感じで進んでいきましたけど最終的にはホラーでしたね^^;いやー怖い。これから犬を見かけたら目線を避けてしまう気がします。

〈PHP研究所 2014.10〉H26.11.17読了

この部屋で君と5

この部屋で君と (新潮文庫)この部屋で君と (新潮文庫)
著者:朝井 リョウ
新潮社(2014-08-28)
販売元:Amazon.co.jp

誰かと一緒に暮らすのはきっとすごく楽しくて、すごく面倒だ。「いつかあの人と同じ家に住めたらいいのに」「いずれこの二人暮らしは終わってしまうんだろうか」それぞれに想いを抱えた腐れ縁の恋人たち、趣味の似た女の子同士、傷心の青年と少女、出張先の先輩と後輩、住みついた妖怪と僕…気鋭の作家8名がさまざまなシチュエーションを詰め込んだひとつ屋根の下アンソロジー。

今回は既読の作家さんが多かったです。初読みは徳永さんだけでした。そして好きな作家さんばかりだったので本当に読んでいて楽しかったです。
最初に間取りが書かれてるのも何だかかわいらしい。では順番に感想を。
「それでは二人組を作ってください」朝井リョウ
いやー…痛かったな^^;でも、この主人公の気持ちも分かる。小学校の時の2人1組って私も大嫌いだった。それでも最後の発言はどうなん?
「隣の空も青い」飛鳥井千砂
このお話好きだったなぁ。韓国での先輩と後輩の話。野中さん不器用なだけで良い人だったし、香奈との関係も変わりそうで現実と向き合いつつも良い方向へ向かいそうなラストで良かった。
「ジャンピングニー」越谷オサム
越谷さんらしい作品だなぁと思ったのが第一印象。何か、青春!っていう感じ^^;年齢的に青春じゃなくてその続きっていう感じだったけど、良かった。
「鳥かごの中身」徳永圭
今回唯一の初読み作家さん。このお話も好きでした。お隣に住んでいる小学生と「僕」のふしぎな関係の物語。お互いに大切なものに気づけて良かったです。ほかの作品も読んでみよう。
「十八階のよく飛ぶ神様」似鳥鶏
1番ぶっ飛んでましたね〜^^;面白かった。神様が座敷童みたいで可愛いなぁと思ったらまさかの展開でビックリ。それは気付かなかったわー。でも大きな被害がなくて良かった←
「月の砂漠を」三上延
間取り図を見たら昭和2年で築年数0年であれ?と思ったら昭和の話でした。関東大震災の事も出てきて胸が痛くなりました。喪失感を持った二人。でも痛みを分かち合える二人ならきっと上手く行くと思えるラストでした。
「冷やし中華にマヨネーズ」吉川トリコ
そんな男さっさと別れちまえばいいのに←全体的に私には無縁な世界だったけど最後は良かったです。

〈新潮社 2014.9〉H26.11.14読了

時の罠4

時の罠 (文春文庫)時の罠 (文春文庫)
著者:辻村 深月
文藝春秋(2014-07-10)
販売元:Amazon.co.jp

辻村深月、万城目学、湊かなえ、米澤穂信―綺羅、星のごとく輝く人気作家たちによる、“時”をテーマにしたアンソロジー。小学校時代に埋めたタイムカプセルがほどくこじれた関係、配置換えになった「縁結び」の神様の新たな仕事、人類には想像もつかない悠久なる物語…。“時間”が築いたきらびやかな迷宮へ、ようこそ―。

この4人のアンソロジー…豪華ですな。
最初の辻村さんの作品が好きでした。主人公が中年の男性というのが辻村さんには珍しいなと。先生って本当に大変な仕事だと思うんですよね。40人近くの子供を平等になんて無理だと思うんですよ。今はモンペもたくさんいるだろうしさ。だからこの先生の事は許せないけど仕方がないかなと思うところもあって難しいなぁと思う。でも、息子さんはきっと立派な教師になると思います。
マキメさんの作品もくだけつつも面白かったです。展開がなかなか良かったです^^
米澤さんの作品は…分かるような分からないような…でしたけど^^;
湊さんの作品がイメージが違ってびっくりでした。後味の悪いラストだろうとばかり思っていたのに、想像外の←お話で良かったです。

〈文芸春秋 2014.7〉H26.10.24読了

きみのために棘を生やすの4

きみのために棘を生やすのきみのために棘を生やすの
著者:窪美澄
河出書房新社(2014-06-12)
販売元:Amazon.co.jp

あのひとがほしい――。彩瀬まる、窪美澄、千早茜、花房観音、宮木あや子が、「略奪愛」をテーマに紡いだ書き下ろし恋愛官能小説集。

昨日読み終えた本と言い今回の作品と言い、何かこういう作品が続いてしまいましたな。今度は略奪愛ですか、官能小説集ですか^^;
こちらも好きな作家さんが3人もいらっしゃったので(2人は未読)予約したのですが。
テーマ略奪愛って…
「朧月夜のスーヴェニア」この作品1番好きかも。呆けたフリをしているおばあさんの戦時中の燃え上がるような恋の話。切ない恋愛と、それからの結婚生活が悲しかったけどその恋愛を支えに生きていけるって凄いなと思いました。
「夏のうらはら」同じ境遇の中学生時代を過ごした男女。でも正反対に生きていった2人。大嫌いは大好きの裏返し…とまでは行かないけど生きる支えの一つだったのかもしれないですね。不倫してた女性の方が初めは嫌いだったけど最後の発言に印象が少し変わりました。
「かわいいごっこ」主人公の女性の気持ち、分かるなー。後半の方の気持ちの方。上手く言えないけど共感できる。自分を作ってるつもりがなくても作っていたり、ごっこ遊びのように感じたり。恋愛って何なんでしょうね←
「それからのこと」この女性小悪魔ですね。っていうか魔性ですね。こうやってうまく懐に入っていくんでしょうね。人望はなさそう。
「蛇瓜とルチル」途中までは良かったんですけど、まあそういうことになるだろうなとは思いましたけど、いい年した女性が15歳の子をそんな風にしてしまうのはどうかと思いますよ…。愛がある恋愛なら良い場合もあると思いますけどそれとも違うからなー。

〈河出書房新社 2014.6〉H26.9.25読了

あの街で二人は4

あの街で二人は: ‐seven love stories‐ (新潮文庫)あの街で二人は: ‐seven love stories‐ (新潮文庫)
著者:村山 由佳
新潮社(2014-05-28)
販売元:Amazon.co.jp

「村山由佳/アンビバレンス」
写真家の比嘉と調香師の安藤――二人の男の間で揺れ惑う心と体は
「加藤千恵/パノラマパーク パノラマガール」
卒業旅行、親友とロープウェイに乗る。別々の思いを抱えたまま
「山本文緒/バヨリン心中」
無愛想で皺だらけの祖母にもかつてあったのだ、国境を超えた恋が
「マキヒロチ/10年目の告白」
断っても毎年告白して来る同級生。今年の待ち合わせは思い出の場所で
「畑野智美/黒部ダムの中心で愛を叫ぶ」
仁志君がまさかの大遅刻。彼の祖母との、奇妙な旅がはじまった。
「井上荒野/最後の島」
海があかるすぎて調子がくるった男と、めちゃくちゃがやりたい女
「角田光代/その、すこやかならざるときも」
こんな遠くまで来ることはなかった。人生に絶望していなければ。

好きな作家さんばかりだったのでこのアンソロジーを読むのを楽しみにしてました。それぞれの感想です。
「アンビバレンス」いやー…妖しいですね…艶めかしいですね…村山さんの恋愛って言い方があれですけど、何か…ねっとりまとわりつくような雰囲気を感じます。私はいくつになっても色気というものは皆無なので、こういう女性にはなれないなと思って読んでました^^;調香師の人かっこいいなと思ったんだけどなぁ…あれは引くわー。
「パノラマパーク パノラマガール」私にしては珍しく話の展開が読めてしまいました。麻友香と里瀬の関係がとても可愛かったです。麻友香と大塚君の関係も可愛かったです。大塚君の慰め方、凄く好きでした。あぁ、ちゃんと好きなんだなと思えました。麻友香と里瀬は離れてもきっとずっと友達でいられると思います。この作品が1番私は好きでした。
「バヨリン心中」現代から数十年後という設定でした。東日本大震災のことはこうやって後世に残っていくんだろうなと思います。おばあちゃんも相手も悪くない。ただ、相手のことをもうちょっと思いやるには若かったんだろうななんて思った。
「10年目の告白」短かったですね。でもこういうことありそう。
「黒部ダムの中心で愛を叫ぶ」私は弟の方が良いです←全体的にすんごく雰囲気が良かったなぁ。おばあちゃんも怖い人かと思ったら緊張していただけで、孫想いのいい人なんですよね。遅刻魔なのは考えものだけど、それ以外はすっごくいい人だと思うな。おばあちゃんも言っていたけど、別に好きになった人と一緒になれたから幸せになれるかと言ったらそうじゃないかもしれないしね〜←
「最後の島」うーん…あまり好きじゃなかったです。ごめんなさい。ちゃらいのイヤ。
「その、すこやかならざるときも」「私」が可哀想すぎて悲しかった。子供が出来たから別れてくれって子供がいない奥さんにとって1番残酷な言葉だと思う。ほかに言った言葉もひどすぎる。もっとひどい目に合わせたっていいのに←最後には結婚式をさせてあげようって思うまでになるなんて。良い終わり方でした。

どの作品も実際の恋人の聖地が舞台なんですよね。どこも知らなかったのですが、パノラマパークとかのやばら園に特に行ってみたいなと思いました。

〈新潮社 2014.5〉H26.9.3読了

エール!35

エール! (3) (実業之日本社文庫)エール! (3) (実業之日本社文庫)
著者:伊坂 幸太郎
実業之日本社(2013-10-04)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
小学生の娘と暮らしながら、新幹線清掃の仕事をするシングルマザーが出合う奇跡とは!?(伊坂幸太郎「彗星さんたち」)ほか全六編。運送会社の美術輸送班、東京消防庁災害救急情報センター、ベビーシッター、農業、イベント企画会社など、多彩な職場で働くヒロインたちの奮闘を描くお仕事小説アンソロジー第三弾。それぞれの仕事の裏側や豆知識も満載。オール書き下ろし!
原田マハ「ヴィーナスの誕生 La Nascita di Venere」(美術品輸送・展示スタッフ)
日明 恩「心晴日和」(災害救急情報センター通信員)
森谷明子「『ラブ・ミー・テンダー』」(ベビーシッター)
山本幸久「クール」(農業)
吉永南央「シンプル・マインド」(イベント会社契約社員)
伊坂幸太郎「彗星さんたち」(新幹線清掃スタッフ)

お仕事小説第3弾です。
本当にこのシリーズ大好き。女性たちが一生懸命仕事をしている姿。凄く凄くかっこいいです。この3冊を私はそれぞれいろんな思いで読んでいたなぁということも同時に思い出しました。
「ヴィーナスの誕生」美術輸送展示スタッフって初めて知りました。でもそうですよね。世界各国に美術品が運ばれて行くんですからその人たちだって知識や資格や経験が必要です。原田さんらしい作品でした。学芸員って憧れた職業だったんですけどやっぱり本当に強い強い想いがないと慣れない職業だなぁと思って早々と諦めちゃったんですよねぇ。本当に、大変ですけど、やりがいのある仕事なんだなと思いました。
「心晴日和」主人公が勝気でしたねー。異動になった理由が読んでいる側は分かりましたよ。でも気付けて良かったです。それにもともとものすごく努力家。若い頃からずっとずっと努力を続けていることは本当に凄いと思ったのでいつかやりたい仕事に就けるといいねと思いました。
「ラブ・ミー・テンダー」この主人公も良い子でしたねー。ベビーシッターって今は本当に大変だと思います。お子さんのお世話はもちろんですけど、何かあったときの責任はとても重たいですし。それでも誇りを持って仕事をしている姿がかっこよかったです。妹さんとも分かり合えてよかった。にしても妹も同級生も早とちりで突っ走りがちでしたねー。著者さんが図書館司書だったことを初めて知りました。お名前は以前から拝見していましたが読んだのは(多分)初めて。ほかの著書も読んでみたいです。
「クール」主人公は86歳のおばあちゃん。かっこよかったです。私も82歳の祖母がいますけど人生の大先輩はどっしりしていて物怖じしてなくて厳しいけど優しい。そんな印象です。田舎に住むおばあちゃんの生活を乱さないでってひたすらイラっとしました。もう一人主人公がいましたね。そうですよ、そんなひどい業界さっさとやめてしまいましょ。こっちの方もクールでかっこよかったです。
「シンプル・マインド」イベント会社ってホント大変だと思います。内容もそうですし、不景気の煽りを始めの方に受ける業界かなと勝手に思ってしまってます。それでもやりがいがありそうですし大変だけど楽しそうという印象もあります。この作品はそれだけの内容ではありませんでしたが。
「彗星さんたち」新幹線清掃員のお話。新幹線にお辞儀をすること、仕事内容や休憩室の席替えなど、以前テレビで見た「サラメシ」でも新幹線清掃員の話をしていたことがあってその内容も見たことが会ったので同じ場所かななんて言う共通点も感じて面白かったです。仕事内容というよりはちょっとファンタジーが入っていてそれが伊坂さんらしくて良いなと思いました。
どの作品も素晴らしくて、更にやっぱりあとがきの「今日も元気でいってらっしゃい!」の一言が大好きです。ずっと続いてほしいシリーズです。

〈実業之日本社 2013.10〉H26.6.7読了

作家の放課後4

作家の放課後 (新潮文庫)作家の放課後 (新潮文庫)
新潮社(2012-02-27)
販売元:Amazon.co.jp

人間だから、得手不得手はある。出来ない、やりたくないと決め付けて、今まで目を背けてきたこともある。大人になった今だからこそ、勇気を出してチャレンジしてみようじゃない!現代を代表する人気作家が、時に及び腰になりながらも、持ち前の情熱と根性で登山や断食など未経験の分野に挑む。その貴重な体験を克明に記した、雑誌「yom yom」連載の爆笑エッセイアンソロジー。

人気作家さんたちが気になる色々なもの・ことを体験したエッセイ。
バラエティに富んだものがたくさんあって読んでいて面白かったです。やってみたいなと思ったものもたくさんありました。西さんの占いに酒井さんの古書店巡り、有吉さんの革装丁、山本さんの断食も気になった!辻村さんのメンクイも楽しそうだし、朝井さんが体験されていたエキストラも楽しそう。
…と言っていたらきりがないくらい。楽しそうでした^^
あ、でもやりたくないのもありました←
モリミーの富士登山にマキメ君のロッククライミング。
2人は仲悪い(と言われている)のにやることが似てますね←
私は割と体を動かすことは好きなんですが、登山は苦手なんです。登りが苦手みたいです^^;だから登山は本当に苦手。登山が好きな人は凄いなと尊敬します。
と、新しい世界を私も見せていただいて楽しく読書が出来ました。

〈新潮社 2012.2〉H26.4.26読了

エール!25

エール!  2 (実業之日本社文庫)エール! 2 (実業之日本社文庫)
著者:坂木 司
実業之日本社(2013-04-05)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
バイト君の教育、クライアントの不正、育児と仕事の両立…働く女性を取り巻くさまざまな問題のゆくえは!?スイミングインストラクター、社会保険労務士、宅配ピザ店店長、遺品整理会社社員、ラジオパーソナリティ、メーカーのOL。六人の女性を主人公に、ミステリー、ファンタジー、ちょっぴりサスペンスと、多彩な六話を収録するアンソロジー。オール書き下ろし。
坂木司「ジャグジー・トーク」(スイミングインストラクター)
水生大海 「五度目の春のヒヨコ」(社会保険労務士)
拓未司 「晴れのちバイトくん」(宅配ピザ店店長)
垣谷美雨 「心の隙間を灯で埋めて」(遺品整理会社社員)
光原百合 「黄昏飛行」(コミュニティFMパーソナリティー)
初野晴 「ヘブンリーシンフォニー」(OL)

お仕事小説シリーズ第2弾です。
1の時も思いましたけど、働く女性がテーマだからか凄く共感できるところがたくさんあって、読んでいて頷くところがたくさんありました。
私はバリバリ働いているわけじゃないけど、でも元気をもらえた作品です。では順番に感想をば。
「ジャグジー・トーク」いいなーこの坂木さんの雰囲気。大好き。水泳と子供が好きでも、好きだけではできないことがたくさんあると思う。だから、沙也は本当に凄いと思う。技術だけが凄ければいいというわけにはいかないのが人とのかかわりで。大岡君の雰囲気も変わってよかった。
「五度目の春のヒヨコ」社労士になるために何年も勉強していた人を知っているので大変な仕事だなというのは分かりました。でもどんなに凄い資格を取っていても、若い女性はなめられるんですよねー。知ってます。雛子も今回で痛い目をみただろうから、ここから強くなっていってほしいです。
「晴れのちバイトくん」バイトの育成って大変ですよね。私も年上の人をトレーニングしたことがあります。大学生の時に…。ここまであからさまな人も少ないだろうけど。この「オセロ・ピザ」が他の作品にも登場したのが面白かったです。
「心の隙間を灯で埋めて」この作品が一番ずしっときました。仕事もそうですが内容が。主人公の星湖は始めはSEとして働いていて、結婚出産を経験して印刷屋でパートをして、夫が亡くなって遺品整理会社に働き始めるのだけど、男性に比べて力仕事は出来ないし、主婦だったから社会人としてブランクがあるし、新しいことを始めるとすべてが最初からやり直しだと思ってました。でも、最後にそれは違うのだと気づきます。今まで生きてきて経験してきたことが今に生きていると感じ、自分はダメ人間じゃないかも…と思います。
私も同じように思っていました。仕事を経験しても転職して違う仕事をすればまた一からの出直し。それを繰り返していつの間にか29歳になっていた自分。私は一体何をしてきたのか。自分なりに頑張ってきたつもりだったけど、全然頑張っていないダメな人間だって。時々、ふと無性に自分を罵りたくなった時もありました。でも、この作品を読んで、改めてそうじゃないんだって思いました。とある仕事を丸投げで頼まれたとき、1番最初の職場でしていた経験から次に何をすればいいのかが分かり、自分で考えて仕事を進めることが出来たし、職場の人から意味の分からない問い合わせが来たけど、詰めて詰めて聞いて言っている意味が分かり、それは前職の図書館司書でレファレンスをしていたから導けたのだなと思ったり。そうだ、私も「人生に無駄はない」って思える。と思ったら、何だか涙が出てきそうでした。私はまた4月から新しい職場になるけど、今まで経験したことは決して無駄なんかじゃなかったと思えます。それを感じさせてくれたこの作品に感謝したいです。
「黄昏旅行」パーソナリティって大変な仕事だろうなぁと思って読んでいました。それでも誇りを持って仕事をしている姿が素敵です。局長との会話が凄くよかった。言葉の掛け合いが最高です。
「ヘブンリーシンフォニー」OLの仕事の物語がファンタジーとは!びっくりだ。でも、良かった。凄く凄くよかった。ゆかりの日常の鬱々とした想いも分かる。それでも自称登山家にとってはそれこそが求めていた日常で。登山家の「平凡で、波のない人生でも、喜怒哀楽はあったのだろう?」という言葉。私もその言葉を胸に、平凡だけど幸せな日々を過ごしたいと思いました。

〈実業之日本社 2013.4〉H26.3.12読了

運命の人はどこですか?4

運命の人はどこですか? (恋愛小説アンソロジー) (祥伝社文庫)運命の人はどこですか? (恋愛小説アンソロジー) (祥伝社文庫)
著者:飛鳥井 千砂
祥伝社(2013-04-12)
販売元:Amazon.co.jp

この人が私の運命の相手?十年前、再会の約束を交わした元彼、同棲し始めたばかりの彼女、自分の理想の名前を持つ相手、小説家を目指すきっかけになった女性、上司のすすめでお見合いをした相手、同じ趣味を持つ同僚…。あなたの求める「たったひとり」はきっとこの世のどこかにいるはず!?注目の女性作家たちが描く傑作恋愛アンソロジー。

アンソロジーです。タイトルが気になって読みました。
タイトルがこんなタイトルだから一体どんな出会いがあるんだろうと思いましたが、そこまで物凄いドラマティックなっていうのではなかったな。何を期待してるんだという話だが。
現実的なのがよりリアルで良かったです。
最初の元カレと約束した場所へ向かう主人公とか、夢見ちゃうよね。私も行っちゃう気がする。同棲を始めた2人はぎこちなくて可愛かった。運命の人は自分から見つけて作っていくのかななんて思わせてくれた作品です。
瀬尾さんの作品も良かったです。ジュリエットという親のエゴでつけられた名前を持つ女の子がロミオを探すというお話。何となく最後が予想がついたんですけど、良いラストでした。銭湯に行きたくなりました。
あとは最後の作品が好きです。まさに運命のようだなと思いました。男の子の方は最初から運命だと思っていたのに女の子の方は全然気づいてないっていうのもまた良かったです。
夢見心地になるために読もうと思ったのだけど^^;
現実的なリアルな恋愛が良かったです。

〈祥伝社 2013.4〉H25.8.13読了

東京ホタル4

東京ホタル (一般書)東京ホタル (一般書)
著者:小路幸也
ポプラ社(2013-05-08)
販売元:Amazon.co.jp

人気作家5名が、東京の新しい原風景を描く、珠玉の作品集!
川が青く光る夜、やさしい「奇跡」が起こる――。
学生時代の恋人と再会した夜に、
音信不通だった母と出会った日に――
それぞれの想いが響き合う、5つの感動ストーリー。
イベント「東京ホタル」とのコラボレーションから生まれた
注目の作家たちによる極上のアンソロジー!
東京ホタルとは……
自然と共生できる都市にという願いを込め、
隅田川に10万個のホタルに見立てた「いのり星」を流すイベントです。
2012年から始まり、毎年開催されます。

このタイトルのイベントが本当にあるんですね。
どの作品も隅田川が出てきていたので同じ場所だなーとは思っていたのですが。
はじめて読む作家さんもいらっしゃいました。
さらっと読める作品でした。面白かったです。
1番好きだったのは小路さんかな。小路さんは人と人との関わりを書くのが本当に上手いなと思います。おじいちゃんと孫、おじいちゃんが天涯孤独となった時に出会ったアメリカ人。その人との関わり。私もケニーさんがどこかで幸せに暮らしていると信じたいです。
あとは原田さんの作品も好きだったかな。現代ものというか恋愛もの?絵画が出てくる作品以外を初めて読んだので新鮮でした。

〈ポプラ社 2013.5〉H25.6.13読了

29歳5

29歳29歳
著者:山崎 ナオコーラ
日本経済新聞出版社(2008-11-14)
販売元:Amazon.co.jp

29歳女性を主人公に流行作家8人が競作! 仕事、会社、家族、恋、結婚、出産…微妙に揺れ動くアラウンドサーティーの女性の実感をリアルに紡ぎ出し「日経WOMAN」だからこそ可能にした異色の小説アンソロジー。
「私の人生は56億7000万年」山崎ナオコーラ
「本作り」を目指して会社を辞めた書店アルバイト。本が好きだ本が好きだと思いながら仕事をし、いつか本に関わる仕事がしたいと学校へ通うカナ。
「ハワイへ行きたい」柴崎友香
地元大阪の実家で暮らす電機設備会社社員の由宇子。彼氏である信宏とは遠距離恋愛だ。彼について結婚しなかったことが、母にとっては面白くなく、また納得が出来なかったらしい。
「絵葉書」中上紀
ファッションビルに勤める私。友人の真帆に海外でカフェをしないかと誘われ揺らいでいた。
「ひばな。はなび。」野中柊
老舗企業の一般事務として働く典子。あと少しで30歳になる。小学校3年生の史也が時々遊びに来る。典子にはかつて、結婚も考えて付き合っていた奥山君がいた。彼が日本へ戻ってきているのだという。
「雪の夜のビターココア」宇佐美游
妻子ある男性と関係を続けている企業秘書の涼子。彼は最近ドタキャンが多い。止めたいと思いつつも彼から連絡が来るとそんな気持ちはなくなっていく。
「クーデター、やってみないか?」栗田有起
今の仕事を中途で入った社長秘書の私。主婦になるのが夢で仕事は早く辞めたいと思っている。ある日、専務に食事に誘われる。
「パキラのコップ」柳美里
猫とふたり暮らしのデパート園芸売り場店員である美羽は閉店間際にやってきた男性が気になっていた。
「情景☆カトマンズ」宮木あや子
同名小説を読んでいるので割愛します。

何だか最近こういうタイトルの本ばかり読んでいる気がする…。
色んな29歳女性の形を読むことが出来て面白かったです。まあ、当たり前なんですけど人それぞれなんですよね。今はもう一応焦ってはいないけど、何だかこういう本を手に取ってしまいます。それもまあいいのかな、なんて。こうやって流れる感情のままに本を読んで行けばいいやなんて思ってます。今読めて良かったです。
順番に感想をば。
「私の人生は56億7000万年」本が好きだから本屋に勤める。いいじゃないですか。好きだからっていう理由だけで仕事に就くと嫌な部分もたくさん見えて悲しくなったりするけど、でも、やっぱり好きなことが出来るって良いよねっ。って思えた作品でした。最後のお客さんとの会話が良いな。
「ハワイへ行きたい」1番29歳っていう年齢を意識する作品だったかな。お母さんの意見がいちいち露骨でリアルだった。わかるわかるーと同意するところがたくさんありました。
「絵葉書」半分予想通りで半分予想外だったかな。でも、本人の生き方なんだから、それでいいんだと思う。
「ひばな。はなび。」この作品凄く好きでした。典子の気持ちも分かる。みんな簡単に海外へ嫁げばいいって思うのだろうけど、自分の生活がそんなにガラッと変わるなら考えるよ。それは好きでも考える。そこまでの勇気が持てない人もいるんですよ。史也君との関係も可愛かった。お父さんとでも息子とでも、どっちでもいいんじゃない?←
「雪の夜のビターココア」不倫はダメです。以上←
「クーデター、やってみないか?」面白かったですが、終わった後が気になります。主婦になることばかりを考えていたけど、また違う考えも生まれてきたんじゃないかなと思いました。
「パキラのコップ」この作品、1番ダメでした。ごめんなさい。途中までは好きだったんですよ、良かったんですよ。でもどうしてああいう怒涛な展開に…しかも最後は予想が付いちゃいましたよ。そして曖昧なままで終わるし…ツッコミどころが満載でした。

〈日本経済新聞出版社 2008.11〉H25.4.10読了

坂木司リクエスト!和菓子のアンソロジー5

坂木司リクエスト!  和菓子のアンソロジー坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー
著者:坂木 司
光文社(2013-01-18)
販売元:Amazon.co.jp

「空の春告鳥」坂木司
杏子は休みの日に母へデパートに連れて行かれる。駅弁フェアが行われているらしい。母が駅弁を選んでいる間、杏子は近くにあった和菓子屋に立ち寄る。店員の対応を気にしていたら、その店員に難癖を付ける客が現れた。その店員を「飴細工の鳥」といってその客は去って行った。杏子はその意味が気になり始める。
「トマどら」日明恩
宇佐見圭の元には定期的にどら焼きが贈られてくる。宇佐見にとってそれは憂鬱でしかなかった。数か月前に遡る。近所の和菓子屋でいつの間にか常連となり、警察官だと告げてしまったとき、店員から悩みを相談された。娘が怪しい男にいれあげており、困っているのだという。
「チチとクズの国」牧野修
ぼくは借金に追われ、自殺することを決意した。差し押さえられている実家で首を吊ろうとして失敗した。自殺すらできないと嘆いていると死んだはずの父親が立っていた。
「迷宮の松露」近藤史恵
5年間休みなしで働き続けた私は、仕事を辞めてモロッコへ行く決意をする。モロッコへ来てから2週間、ここへ来てから祖母の夢をよく見るようになった。祖母はとても綺麗な人だった。
「融雪」柴田よしき
菜穂は結婚生活を止め、この地へやってきた。ここでカフェを始めて1年が経とうとしている。ある朝、綺麗な女性が道を訪ねてくる。菜穂は気づかなかったが、テレビで良く見かける有名人らしかった。
「糖質な彼女」木地雅映子
僕はオタクで引きこもり。精神科へ行くと医者からは罵倒される。やたらと過保護な母にうんざりし、突き飛ばして走り出し、立ち止まるとそこには大好きなアイドル鴻島りりにそっくりな少女がいた。
「甘き織姫」畠中恵
伊藤の元へ数年ぶりに大学時代の友人岳野から電話があった。その謎解きが分からず同じく大学時代の友人たちを交えて岳野が考えた謎を解いていく。

シリーズ最後、和菓子のアンソロジーです。
和菓子に特化したアンソロジーもまた特殊ですよね^^でもテーマが同じなのに全然違うストーリーでどれも面白かったです。
「空の春告鳥」アンちゃんシリーズのスピンオフ。またアンちゃんに逢いたいなと思っていたので嬉しかったです。それにしても「飴細工の鳥」の意味には驚きました。和菓子は本当に奥深いですね。どんどん知識を持って成長していくアンちゃんが楽しみです。
「トマどら」日明さんは気になる作家さんでしたが、読むのは初でした。面白かったです。和菓子からの刑事もの。人が死んだりはしませんでしたが結びつきが面白かったです。そして事件(出来事?)の内容は、他人事とは思えませんでした。登場する和菓子屋の長女の想い、私は痛いほどわかります。長女がした行動も物凄く分かります。今の自分に当てはまることが多すぎて、途中は読むのをためらったくらい。長女は善人だから完全に謝絶はしなかったけど、私は善人じゃないから宇佐見が望んでいることはきっとしないと思う。何だか泣きそうになりました。泣くような作品じゃないのにね。
「チチとクズの国」牧野さんは初読み作家さんでした。最初はなかなか読んでいて辛かったですが、お父さんと息子の会話がなかなか間が抜けてて温かくて素敵なお話でした。
「迷宮の松露」こちらも主人公にかなり感情移入してしまうお話でした。辛かったら逃げても良いと思う。逃げた先に自分が求めていたものが分かったり改めて自分を見つめ直すことが出来ると思うから。
「融雪」坂木さんもおっしゃっていましたが、この作品が1番出てくる食べ物がとても美味しそうでお腹が空きました^^;上手く言ったら出来すぎな気がしますけど、でも、上手く言ったらいいなと思って読み終えました。
「甘き織姫」畠中さんの作品なのに、なぜか百絵さんがキリコちゃんのようなイメージを持ってしまって、途中近藤さんの作品だと勘違いしました^^;すみません。岳野が考えた和菓子の謎、そして立花さんのそのお返事。謎解きが面白かったです。

〈光文社 2013.1〉H25.4.8読了

近藤史恵リクエスト!ペットのアンソロジー5

近藤史恵リクエスト!  ペットのアンソロジー近藤史恵リクエスト! ペットのアンソロジー
著者:近藤 史恵
光文社(2013-01-18)
販売元:Amazon.co.jp

「ババアと駄犬と私」森奈津子
東京でバリバリ働いていた私だが、実家へ帰ってきた。近所にはババアが犬を飼っており、その犬がダメ犬でいつもよく吠える。注意してもババアは聞く耳を持たない。
「最も賢い鳥」大倉崇裕
殺人事件が起きた現場で、ヨウムが取り残されていた。現場を見ていたようで怯えている。ヨウムが事件の鍵を握っていた。
「灰色のエルミー」大崎梢
永島は嫌々ながらも人材派遣の仕事をこなしていた。最近は定時で家に帰る。それは家で待っているエルミーがいるから。同級生だった美鈴が預かってほしいと頼んできたからだった。
「里親面接」我孫子武丸
「わたし」は宮下という男性と共に谷川夫妻を迎えた。里親面接を受けるためだ。夫婦を結果騙すことになるため、私は気が進まない。
「ネコの時間」柄刀一
真子が6歳の時、みゃーはやってきた。話すことが苦手だった真子にとって、みゃーは最大の理解者であり、話し相手だった。
「パッチワーク・ジャングル」汀こるもの
夫は優良物件だったと思う。しかし、一つの趣味を除いて。夫は爬虫類が大好きで、良いと思った生き物を飼ってくる。その爬虫類たちに悩まされていた。
「バステト」井上夢人
僕は叔父の家からもらったライフル銃をいつも見つめていた。あるとき、黒い猫が迷い込んでくる。
「小犬のワルツ」太田忠司
パニック障害を患っていたオルゴール専門の修理師をしている「私」の元へ親子がやってきた。息子の健太は私の飼い犬のステラが気になるらしい。
「シャルロットの憂鬱」近藤史恵
二度の不妊治療に失敗し、追いつめられていた真澄。夫の浩輔の提案で犬を飼うことにした。シェパードのメスで名前はシャルロット。一目で気に入り、一緒に住むことに決めた。

以前の本屋さんアンソロジーに引き続き、次はペットのアンソロジーです。
面白かったけど、私はペットを飼っていないので、そこまで思入れがなく…もちろん面白かったのですが、本屋さんの方が好きだったかなーなんて、失礼なことを思ったりしました。すみません。
ペットがテーマなので、犬猫が登場しますがそれだけではありません。
鳥類や爬虫類も登場します。初読みの作家さんも多かったですが、良かったです。
「ババアと駄犬と私」なかなか痛いところを突かれた作品でした。主人公の性格が分からなくもなく、また私も母親に似たような事を言われたこともあり。イテテテテ・・・と深手を負いました。飼い主はちゃんと犬をしつけてほしいですねぇ。
「最も賢い鳥」ヨウムって初めて知りました。事件との絡み具合が面白かったです。
「灰色のエルミー」猫にあんな秘密が隠されていたなんてビックリでした。永島と美鈴の関係は変わるのかな。ニマニマして読み終えました。でも、どう考えてもアメショーのメトロが分かりませんでした。残念。
「里親面接」私と宮下の正体に騙されました。気づかなかったな〜。やられました。でも、実際にもこういう事があるんでしょうか。だったら悲しいです。
「ネコの時間」ベタなお話なんですけど、やっぱり感動していい作品だなと思いました。初読み作家さんだったのですが、殺人事件とかグロい作品を書かれる方のイメージだったのでびっくりしました^^;
「パッチワーク・ジャングル」面白かったです!新婚生活が可哀相だなぁと始めは思っていたのですが段々雲行きが怪しくなっていって最後はまさかの展開。なんだかんだで良い終わり方で良かったです。
「バステト」怖かったです。あんな展開になろうとは。
「シャルロットの憂鬱」最後の締めくくりは近藤さん。いい締めでした。シャルロットと夫婦の関わりも良かったですし、事件の真相も良かった。もし子供に恵まれなくても3人なら素敵な家族でいられると思いました。
あと皆川さんの作品もあったのですが…私、あまりよく分からなくて割愛しちゃいました。すみません…

〈光文社 2013.1〉H25.3.21読了

大崎梢リクエスト!本屋さんのアンソロジー5

大崎梢リクエスト!  本屋さんのアンソロジー大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー
著者:大崎 梢
光文社(2013-01-18)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
読書家としても知られる大崎梢が、今いちばん読みたいテーマを、いちばん読みたい作家たちに「お願い」して作った、夢のようなアンソロジー。十人の人気作家による書店モチーフの新作短編集。
「本と謎の日々」有栖川有栖
<華谷堂書店>に勤める詩織は学校に通いながらアルバイトをしている。
店長は本を一切読まないというが博識で、書店に訪れるお客様が投げかける謎の数々を見事に解決する。
ダブって小説を買った女性が本屋に「これから気を付けてくださいね」と言った意味は?書店員が一生懸命買ったPOPが次々と無くなる謎。悪天候の中、何も買わずに店内をうろつく男性。
「国会図書館のボルト」坂木司
ぼくは小デブでオタクな学生。僕のひそかな楽しみは、おじいさんが経営していえるさびれた書店で小山あきちゃんに出会う。ここでは写真集にカバーがかけられていないから中を見ることができる。
おじさんの知り合いもできた。そんな中、この書店で万引き事件が起きる。
「夫のお弁当箱に石をつめた奥さんの話」門井慶喜
バオバブ堂書店の外商班のチーフである松波さんの様子がおかしい。お弁当箱の中に入ったおかずが1品減ったと大騒ぎをしていた。それからというものずっと元気がない。しまいにはお弁当箱に石がつめられてくるようになった。
「モブ君」乾ルカ
大山美奈は書店でバイトをしているがお客様で気になる人がいる。いつも長時間立読みをし、何も買わずに帰っていく男性だった。美奈は勝手にモブ君と呼んでいる。なぜか彼を見ると不快感を感じる。
ある日、美奈の勤める書店が合併されお店が無くなるという話を聞く。
「ロバのサイン会」吉野万理子
ウサウマは初めて本屋にやってきた。山田ちゃんという女性とテレビ出演をし、有名になったためだった。ウサウマは人間の言葉が分かる。話を聞くと山田ちゃんの現状を知ることとなり、いてもたってもいられなくなった。
「彼女のいたカフェ」誉田哲也
賀地冬美はブックカフェでアルバイトをしている。そこでよく訪れる髪の長い、きれいな女性が目に留まるようになる。いつも何時間も難しそうな本を読んでいた。
「ショップtoショップ」大崎梢
田代と舟山はスタバでおかしな会話を耳にする。「鞄に入れる練習」「鞄に入れない練習」という言葉。不審に思った田代は下の階にある書店へ行こうと促す。
「7冊で海も越えられる」似鳥鶏
書店でやたらと棚の整理をする「整理屋」がいた。彼は閉店間近に店員に駆け寄ってきた。自分は海外留学をする予定であり、彼女に打ち明けた際に喧嘩になったらしい。その後彼女は彼に7冊の本を送ってきた。その意味が彼にはわからないという。
「なつかしいひと」宮下奈都
母親を失った僕は父と妹と、母の故郷へ引っ越してきた。母に似て本が好きだったはずなのに、しばらく本を読んでいなかった。商店街で本屋を見つけ、中に入ると同い年くらいの少女がいた。少女はお勧めの本を僕に教えてくれる。
「空の上、空の下」飛鳥井千砂
空港内の書店で働く私はお客様が「暇つぶし」に本を買っていく姿を見て仕事にやりがいを感じられずにいた。そんなある日、一人の男性に本について声をかけられる。

面白かった〜!
大崎さんがリクエストをして、本屋さんにまつわる物語を集めたアンソロジーです。
古書店でも図書館でもダメ。書店がらみの作品オンリー。なかなか斬新で良いですね。
私も書店が大好きで、時間があるとふらっと入っちゃいます。ケチだから本を買うことは正直あまりないのだけど、新刊チェックはさせていただいております。あの本に囲まれた感じが好きです。
あ、売上は雑誌で貢献しているつもりです。あしからず。
でも、私は本屋さんで働きたいと思ったことはないんですよね。某新古書店で学生時代にアルバイトをして懲りたのかも…。今考えたら色々とんでもなかった…。
私は図書館の仕事を選びました。私にはそっちのほうがよかったかな。お金にかかわることは苦手…。
公共図書館でずっと仕事をしていたかったけど、将来に不安を感じ司書という肩書ではありますが全く違う仕事に七転八倒している最中です。
本屋というくくりですが、いろんな目線があるんだなぁと思い、読んでいてとても面白かったです。
どの作品も大好きです。1番は選べません。それでも特に印象に残っているのは「ロバのサイン会」かな。ロバ目線が新鮮でした。
ということで、以下各作品の感想です。
「本と謎の日々」有栖川さんの作品は以前同じくアンソロジーで読んだことがあります。今回も面白かったです。色々な難事件(?)を瞬時に解決へ導きます。その真相が面白かった。
「国会図書館のボルト」タイトルがもうすでに好き。想像していたのと全然違ったけど、それでも好きでした。坂木さんの作品は本当に良いなー。そうですよ、どんな本でも国立国会図書館では所蔵していますから。僕とおっさんたちの活躍が素敵でした。
「夫のお弁当箱に石をつめた奥さんの話」タイトルがすごいですよね^^;そしてその通りなのも凄いです。奥さんが求めていた作品、私もすぐにわかりましたよ。というか、松波さんと奥さんの会話でまずそれが思い浮かびましたから。私も奥さんの味方ですよ。
「モブ君」良かったけど、最後の展開がちょっと読めてしまったので残念。主人公の本に対する熱い思いは伝わりました。
「ロバのサイン会」こういう視点もあるんだと読んでいてとても新鮮でした。だって目線がロバなんだもの。でも、テレビの力はすごいですよね。いい意味でも、悪い意味でも。山田ちゃんは犠牲者だと思います。でも、テレビに出演したおかげで得たものもあったんだろうなと思います。最後の終わり方が最高に良かった。
「彼女のいたカフェ」カフェにやってくる綺麗な女性が気になる主人公。でも別に同性愛者なわけではありません^^;でも、気持ちはわかります。同性でも素敵だなと思う人っていますよね。それにしてもその女性があの人だとは思いませんでした。私読んでないからなー。ある意味スピンオフですね。
「ショップtoショップ」あとがきにも書かれていますが、大崎さんってお客様目線で書くのは初めてなんですね。たくさん書かれているから意外だなと思いました。でも、考えてみたら確かにない。こういう謎解きを交えた感じは1度やってみたかったのだそう。私好みでした。
「7冊で海も越えられる」似鳥さんらしい温かいミステリでしたねー。7冊の中に石持浅海さんの本があったのがちょっと感動。石持さん好きなので。感想としては店長と同じ。見せつけやがってとしか思わない^m^
「なつかしいひと」こちらも珍しいけど良い視点だなと思いました。少女の正体は最初から何となく想像できましたけど、それでもあたたかくて素敵な作品でした。私も重松清さんの作品が好きです。ただし、痛いのは嫌いですけど^^;
「空の上、空の下」空港の書店という舞台が珍しいですね。そういえば私は空港の本屋さんで本を買ったことはないかも。なぜならすでに数冊用意しているから。本を「暇つぶし」に買う人がほとんどって確かにつらいかも。
でも、主人公の気持ちはすごくよくわかりました。私も本を読むからか「お勧めの本は?」とよく聞かれます。(社交辞令も含めて)でも、それって難しいんです。本が好きな人とならいくらでも話せるけど、全く本を読まない人、更にどういう作品が好きなのかわからない人に本を勧めるのってすごく難しい。だから出来れば社交辞令等で「オススメの本は何?」とは聞かないでほしいです^^;
坂木さんと近藤さんのアンソロジーも楽しみです。
※2/14補足
毎週火曜日にBS11で「宮崎美子のすずらん本屋堂」という番組があるのですが、そこでこの本が紹介されていました。いろんな業界のプロが選ぶ1冊という企画で。
そこで出たゲストの方がこの本を紹介されてたんです。「おお!君分かってるね!」と思うくらい感想が一緒で嬉しくなりました(すんごい偉そう)更にその人のオススメは似鳥さんの作品で、それも嬉しかったです。
この番組は1時間ずっと本の話題なので本好きにはたまらない番組だと思います。興味を持たれた方は是非。あ、でも4月から放送時間が変わるようなので気を付けて。

<光文社 2013.1>H25.3.8読了

短編工場4

短編工場 (集英社文庫)短編工場 (集英社文庫)
集英社(2012-10-19)
販売元:Amazon.co.jp

読んだその日から、ずっと忘れられないあの一編。思わずくすりとしてしまう、心が元気になるこの一編。本を読む喜びがページいっぱいに溢れるような、とっておきの物語たち。2000年代、「小説すばる」に掲載された短編作品から、とびきりの12編を集英社文庫編集部が厳選しました。
『かみさまの娘』桜木紫乃『ゆがんだ子供』道尾秀介『ここが青山』奥田英朗『じごくゆきっ」桜庭一樹『太陽のシール』伊坂幸太郎『チヨ子』宮部みゆき『ふたりの名前』石田衣良『陽だまりの詩』乙一『金鵄のもとに』浅田次郎『しんちゃんの自転車』荻原浩『川崎船』熊谷達也『約束』村山由佳

本屋さんで見つけて、好きな作家さんばかりだったので気になっていました。
図書館にリクエストが来たのでさっそく予約。
2000年代に雑誌に掲載された作品なので書籍化されているものもたくさんありました。伊坂さんと宮部さんと乙一さんと村山さんの作品は読んでいました。
それ以外で面白かったのは奥田さんかな。会社が倒産して主夫となった男性とキャリアウーマンとなった女性。世間の目は同情的でも、2人は上手い事言ってると思っていて、良いなと思いました。桜木さんの作品も面白かったです。
桜庭さんの作品は…よく分からなかった^^;桜庭さんらしいなぁという印象。
アンソロジーは知っている著者さんでも読んだことのない過去の作品を読めたりするので読んでいて楽しいです^^

〈集英社 2012.10〉H25.1.6読了

エール!15

エール! 1 (実業之日本社文庫)エール! 1 (実業之日本社文庫)
著者:大崎 梢
実業之日本社(2012-10-05)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
旬の作家六人による、お仕事小説アンソロジーシリーズ第1弾。六人の「働く」女性たちが、ときに悩み、へこみながら、自分らしい生き方を見つけていくさまを、気になる職業の裏側や豆知識も盛り込みながらいきいきと描ん。オール書き下ろし、文庫オリジナル企画。
「ウェイク・アップ(漫画家)」大崎梢
幾田祐里子は漫画家としてデビューして10年が経った。星川書店から出ている月刊誌「エリカ」でデビューし、ずっと順風満帆だったが、今は全く仕事が来ず編集者が自分と切りたいと言っているのを聞いてしまった。このまま無収入を続けると今のマンションにもいられない。祐里子は今まで経験したことのないアルバイトや派遣の仕事をする決意をする。
「六畳一間のLA(通信講座講師)」平山瑞穂
白根かほりは英語の通信講座の講師をしている。最近受講者の小柴太一、通称タイッつあんからのメールに戦々恐々としている。とにかくいつも質問メールを送ってくるのだ。そしてある日、ついに本人に出会ってしまった。かほりは身の危険を感じる。
「金環日食を見よう(プラネタリウム解説員)」青井夏海
日盛市郷土資料館でプラネタリウム解説員として働く赤石尚子。資料館がリニューアルするに当たりプラネタリウムが縮小し解説も無くなるという噂を聞く。何か脱却する手はないかと解説員同士で打ち合わせ、金環日食を見るためにお泊り会をしようと企画する。
「イッツ・ア・スモール・ワールド(ディスプレイデザイナー)」小路幸也
藤村はディスプレイデザイナーでかつては銀座の百貨店の仕事を請け負っていた。しかし、不況のあおりを受け今メインの仕事は地方の老舗和菓子店。それが悪いとは言わないが煮え切らない思いも抱いていた。ある日、その和菓子店の店長が近所の蕎麦屋を請け負ってほしいと頼む。その店へ行くと、藤村の知っている人がいた。
「わずか四分間の輝き(スポーツライター)」碧野圭
山口奈央は「スポーツ・ラブ」という雑誌の編集者からフィギュアの特集をするなら選手の恋愛ネタを提供してほしいと言われ思い悩む。城戸あかねという今注目の選手についてを書けと言われる。彼女は奈央が1番初めに取材した選手だった。
「終わった恋とジェット・ラグ(ツアーコンダクター)」近藤史恵
白岩小梅はダイエットに成功し英語も習得した。今はツアーコンダクターとして働いている。今回の目的地はフランスだった。今回の参加者リストを見て驚く。かつて付き合っていた男性と同姓同名の名があった。

アンソロジーです。お仕事小説というタイトルに惹かれました。書かれている作家さんも読んだことのある方ばかりでまた好きな作家さんばかりだったので楽しみにしていました。面白かったです。
30歳前後の女性が主人公。大好きな仕事でも思うようにいかなくて悩んだり苦しんだり。また大好きな仕事がしたいのに出来なかったり。それでも頑張っている姿に読んでいて胸が熱くなりました。
編集後記の最後に「今日も元気で、いってらっしゃい!」と書かれていて、何だか泣きそうになりました。
「ウェイクアップ」の祐里子は漫画家として生計を立てていたけどそれでは食べていけなくなりそうだということでたくさんの仕事に挑戦します。漫画だけじゃダメと思って違う世界に飛び込んだことが祐里子にとっての肥やしになったんですよね。最後が好きです。飛躍していってほしいなと思いました。お友達の睦美もとってもいい子でした。
「六畳一間のLA」通信講座の先生ってただ○付けをするだけじゃないんですね。私も進研ゼミはやっていたけどそれ以外は知らないので驚きました。最初はストーカーの話か?と思いましたけど^^;全然違いました。素敵で切ないお話でした。恩師って呼ばれるのは、かほりの真面目さからなんですよね。
「金環日食を見よう」最後の展開が思わぬ方向へ行ったので驚きましたが、今年タイムリーな金環日食の話題が物語になっているのが面白かったです。金環日食が観れるかどうかドキドキして最後の最後に…っていうドラマチックな展開が架空ならしらける部分もあるかもしれませんが本当の話ですもんね。私もこのプラネタリウムにいるようでした。北海道ではリング状には見えなかったので良いなーと羨ましかったです。
「イッツ・ア・スモール・ワールド」こちらも素敵なお話でした。1度高みを見てしまうとそうでもない仕事をしている自分に対して卑下したくなる気持ちも分かりますけど、それを相手に見透かされるほど情けなくて恥ずかしいことはないですよね。藤村はちゃんとそれに気付いたのだから、大丈夫だって思いました。
「わずか四分間の輝き」松岡が気持ち悪くて嫌でした^^;人の色恋沙汰を書けばいいのかースポーツマンシップを書かないでどうするーって思いましたけど、そんなきれいごとだけじゃダメなんでしょうか。奈央は甘いのかもしれないけど私もその考えに賛成です。
「終わった恋とジェット・ラグ」小梅は凄く自分の仕事に誇りを持っているんだなーって思いました。観光客への気配りがハンパないです。って、皆さんそうなんだと思いますが。でも元カレと遭遇するって嫌だなー。しかも浮気相手と結局結婚してるって結構へこむと思う。それでもちゃんと割り切って仕事できるのが凄いなーと。

〈実業之日本社 2012.10〉H24.11.10読了

いつか、君へGirls4

いつか、君へ Girls (集英社文庫)いつか、君へ Girls (集英社文庫)
集英社(2012-06-26)
販売元:Amazon.co.jp
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「てっぺん信号」三浦しをん
江美利は奥井先輩の事が好きだ。でも、付き合いたいと思わない。自分とは釣り合わないと思っているからだ。例えば同じクラスのしづくのような人とか。
「きよしこの夜」島本理生
前埜望は武田という男子が気になっていた。彼に告白されるが保留にする。望は1年前に姉を失っていた。自殺だった。
「カウンター・テコンダー」関口尚
諏訪は弥生という女性にテコンドーのカウンターを教えてほしいと懇願される。どうしても勝ちたい相手がいるのだという。
「宗像くんと万年筆事件」中田永一
私は小学6年生の時にあらぬ容疑をかけられた。同級生のこの万年筆を盗んだと思われたのだ。それを救ってくれたのは、宗像くんだった。
「薄荷」橋本紡
有希は彼氏を待っている間ヨッちゃんとおしゃべり。有希は中学の同級生だったナラオカジの事を思い出していた。
「ねむり姫の星」今野緒雪
OGがたどり着いた星には誰もいなかった。ボロボロになりながら茨の道を突き進み宇宙船を発見する。その中には自分が今まで一度も見たことのない、女性がいた。

Boysに続いてGirlsを読みました。こちらも豪華な作家さんがズラリと並んでいます。
読んだことのない方もいました。こうやって発掘する面白さもあるんですよねー。その分積読本が増えるというのもありますけど・・・^^;
「てっぺん信号」もう出てくる言葉の節々がしをんさんだなぁと思う。そんな言葉の使いまわしはしをんさんしかしないよって思います。そういう部分も好きで、いきなりぶっ飛んだ人が登場するのも好き。でも、そういう人は結構的を得た重たいことを伝えてくれるんですよね。面白かった。
「きよしこの夜」武田という男の子が最初は魅力的かなと思ったんだけど、結果ダメ男だったなという気がした。最初は優しいのかと思ったのだけど、情に流されやすいんだね。分かりやすいわー。
「カウンター・テコンダー」関口さんは初めてでした。面白かったです。読み始めに登場した「星の王子さま」が嫌いな理由。それは当然だわ。弥生は強い女性でした。凄くかっこよかった。
「宗像くんと万年筆事件」クラス中が一人の子を責めていじめる感じがもう乙一さんらしい嫌ーな感じが物凄くかもし出されていて嫌でした。言いたくないけど追いつめるの上手いですよね。でも、宗像くんはかっこよかった。素敵な男性になっていたらいいな。
「薄荷」ナラオカジがなかなか個性的で面白かった。やっぱり恋愛感情とはいわなくても多少は気になる存在だったんだろうな。
「ねむり姫の星」この方のお名前聞いた事があるなーと思ったら「マリア様はみてる」を書いている方なんですね。昔1冊だけ読んだことがあります。シリーズ冊数が多すぎて読むのを止めてしまいましたが^^;いきなりのSFで驚きましたけど面白かったです。2人は出会うべくして出会ったんですよね。雰囲気が昔読んだ「チグリスとユーフラテス」を思い出しました。

いつか、君へBoys5

いつか、君へ Boys (集英社文庫)いつか、君へ Boys (集英社文庫)
集英社(2012-06-26)
販売元:Amazon.co.jp
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「跳ぶ少年」石田衣良
翔太は今までバスケに情熱を注いできた。しかし怪我により断念。やる気を失っているときにTAMAKIというカメラマンに写真を撮らせてほしいと声をかけられる。
「僕の太陽」小川糸
窪田正喜氏はもうこの世にいない。彼の死んだ日に僕が生まれた。母はずっと父の事を想い続けていた。ある日、父との思い出の地、ドイツへ行こうと言い出した。
「ひからない蛍」朝井リョウ
大輔は交通事故で両親を失い、児童養護施設へやってきた。そこにいた中学生の佐緒里がとても優しくて気を許してもいいかと思い始めていた。
「サイリウム」辻村深月
ナオは友人のかっちに連れられてミントガールズのライブに言って以来ファンになった。姉の真矢子バンドの追っかけをしていた。
「正直な子ども」山崎ナオコーラ
城ノ内栄は肥満児だ。だからマラソンをすると必ずビリでバカにされる。転校生の王次郎はわざとオンナ言葉を使って目立とうとしている。
「少年前夜」吉田修一
圭太は高校2年生。夏帆という同級生と付き合っている。しかし夏帆の父親は圭太との交際を反対していた。むしろ、町全体が圭太の事と母親の事を知っていた。
「913」米澤保信
図書委員の堀川は同級生の松倉と利用者のいない図書室で暇をしていた。そこへすでに引退した浦上先輩がアルバイトをしないかと持ちかけてくる。

書かれている作家さんのラインナップを見て読みたい!と思いました。豪華ですよね。
タイトルからして恋愛ものなのかなと思いましたが、読んでみたら「君」というのはいろんな人がいました。どの作品もとても素敵です。Girlもあるのでさっそく読んでみようと思います。
「跳ぶ少年」やっぱり石田さんは最終的にこういう感じになっちゃうんだなと思いつつも翔太が人生に自分に絶望している所へ光が射したのが、良かったと思いました。「苦しむことでだって、人になにかを伝えることはできるんだよ」というTAMAKIさんの言った言葉が好きでした。
「僕の太陽」薫が良い子すぎて健気でした。そしてマサキさんをずっと追っていたお母さんもちゃんと薫の事を見ていたんだなと思って最後は感動しました。二人はこれで、前に進めると思います。
「ひからない蛍」大輔の佐緒里に涙ながらに言った言葉が胸が張り裂けそうでした。あなたのせいではないのに。事故だったのに。大輔は親を失った事で辛い経験をたくさんしたけど、大輔は強く生きていけると思いました。
「サイリウム」何かのオタクの人は、他のオタクの人の事、その対象の人をけなしちゃいけませんよ。そう思っていたとしても言っちゃいけません。自分だってどう思われてるか分からないんだから。でも、最後のお姉さんの行動にはちょっと「お」っとなりました。ホント、ファンはみんなただ純粋にファンで、マナーはちゃんと守ってほしいなぁ…
「正直な子ども」この作品に登場する大人たちが嫌いでした。大人が言った言葉は子どもに届いてしまうのに。サカエ達の担任もオウジの親も、教師失格だと思います。
「913」やっぱりミステリなんだなぁ・・・謎の解明のところはドキドキしました。請求記号、割と私も覚えてるけど2人は特に凄かったな。負けた・・・。

〈集英社 2012.6〉H24.7.22読了

最後の恋 MEN’S つまり、自分史上最高の恋。5

最後の恋 MEN’S: つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)最後の恋 MEN’S: つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)
著者:朝井 リョウ
新潮社(2012-05-28)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
「僕の舟」伊坂幸太郎
黒澤は若林絵美という70歳近い女性から依頼を受けた。旦那が寝たきりの状態になった今、かつて4日間だけ好きになった男性について調べてほしいと。
「3コデ5ドル」越谷オサム
ジョンは花を買いに来る日本人女性の事が気になっていた。話しかけたくても満足に日本語を話すことが出来ない。あるとき、その女性が車が動かず立ち往生していた。
「水曜日の南階段はきれい」朝井リョウ
光太郎はM大のMUMCに入ることがずっと夢だった。センターを終え後は二次試験を待つのみだった。あるとき光太郎は階段を掃除している荻島夕子が英語が得意だと知り、教えてもらうことにする。
「イルカの恋」石田衣良
中川あゆみは人材派遣の会社に勤めていたが激務のため3年で辞めた。家から近いカフェでアルバイトをすることに決めた。そこには千尋という綺麗な女性と裕介という男性が切り盛りしていた。
「桜に小禽」橋本紡
塔子と藤臣は同棲していたがそれぞれ一人で住むことになった。要は破局だ。2人でいた時の事を思い出す。
「エンドロールは最後まで」荻原浩
千帆は結婚することを止めた。しかし、止めた途端に出会いがあった。渡辺裕二という男性と知り合う。彼は3つ年下で医者だった。
「七月の真っ青な空に」白石一文
蓮はNPO法人を通して徳永という男性に出会う。徳永もそして蓮にもかつて大切な人を失った過去があった。

アンソロジーです。恋愛について7人の男性作家が書かれています。
いや〜・・・面白かったです。
男性目線の恋愛観がやっぱり女性目線とは違う気がして新鮮な部分もありました。
でも、1番読んでいて嬉しかったのは、伊坂さんの作品で黒澤が登場したことだったりして^m^久しぶりでした。お話も伊坂さんらしいとても素敵で好きでした。
越谷さんの作品も何だか甘酸っぱい感じで^^好きです。言葉が通じないというのがもどかしいですね。でも、2人でいるときの雰囲気、良い感じでしたよ。
朝井さんの作品が1番好きでした。学生の可愛い恋愛でした。階段を掃除する理由になんとなく予想がついたけどキュンキュンしちゃいました。2人は別々の道で、きっと光り輝くと思います。
荻原さんの作品は、千帆は最後は投げやりになったのかなぁ。それとも本当に好きだから言ったのかなぁ。私は信じられない。恋愛部分も悪い印象だったのと、妹が子供を産んで実家で肩身が狭いっていう部分が何だかリアルだった^^;実際そうなるだろうし。私は居場所がなくならないといいなぁ・・・なんて、全然関係ないところに反応してしまった。
どの作品も良かったです。男性目線の恋愛も面白いですね^^
でも、全部の作品ではないのだけど、結構「死」が絡んでました。それは偶然?なのかな。

〈新潮社 2012.5〉H24.7.11読了

宝石 ザ ミステリー3

宝石 ザ ミステリー宝石 ザ ミステリー
光文社(2011-12-15)
販売元:Amazon.co.jp
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いまいちばん読みたい作家の新作が、すべて読み切り書下ろしで登場!単行本2冊分のボリュームをこの価格でお届けします!東野圭吾、恩田陸、今野敏、大沢在昌、誉田哲也、東川篤哉、藤田宜永、門井慶喜、東直己、笹本稜平、鳴海章、小杉健治、麻耶雄嵩、深水黎一郎。
いちばんおもしろい物語がここにある!!

そうか、単行本2冊分だったのか・・・道理で読むのに時間がかかったわけだ・・・。
好きな作家さんが書かれている!ということで読んだのですが…
面白かったのは面白かったのですが、結構シリーズもののスピンオフっぽい感じの物語が多くて、読んだことのない作家さんの作品では事件については分かるけど人間関係については分からない部分もあって少しそれが残念でした。
東川さんの烏賊川市シリーズをここで読めたのは嬉しかったですが。
1番面白かったのは東野さんの作品でしょうか。多分シリーズものではなく、事件についても面白かったですし、最後が意外な結末だったので印象深かったです。って、1番最初だったのもあるかもしれませんが。
あとは今野敏さんの作品も面白かった。怪我をした相棒の代わりに来た定年間近の刑事とタッグを組む刑事の話なのだけど、絶対に凄い人なんだろうなと思ったんです。そうしたらやっぱり。凄さは地味なのだけど、その地味で地道な捜査が実を結ぶんだろうなと思った作品でした。
誉田さんはストロベリーナイトのシリーズなんだろうなと言うのはすぐわかったのだけど、いかんせん読んでいないのでキャラクターがつかめなくて残念でした。でも姫川刑事が凄い人なのは分かりました。(ザックリ)
1番期待していたのは恩田さんだったのだけど1番よく分からなかったかなぁ…。お兄さんの失踪を解明しているはずがどうして女性の手が登場するんだろう…そこで終わるし…続くんだろうか。どうなんだろうか…。モヤモヤして終わってしまいました。
あまりいいことをかけていないのですが、それでもこの刑事は好きだな。と思う作品もあったので、機会があれば元の作品も読んでみたいなと思います。

〈光文社 2011.12〉H24.6.7読了

しあわせなミステリー5

しあわせなミステリーしあわせなミステリー
著者:伊坂 幸太郎
宝島社(2012-04-09)
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「BEE」伊坂幸太郎 亭主関白の真逆を体現する男・兜。愛する息子も恐妻も知らない、彼の本当の職業は…殺し屋!?
「二百十日の風」中山七里 故郷の自然と思い出を守りたい。そんな主人公・夏美の前に現れた、不思議な男。彼の正体は…?
「心を掬う」柚月裕子 大人気、佐方検事シリーズ最新作。相次ぐ郵便事故に目を留めた佐方は、ありえない秘策で事件を解決する!?
「18番テーブルの幽霊」吉川英梨 今回の名探偵は…著者人気シリーズ「アゲハ」から飛び出した、ハラマキ捜査官の愛娘・菜月(8歳)。
大人気作家オール書き下ろし、“人の死なない”ミステリー。心にしみる、とっておきのアンソロジー。

とっても気になっていたアンソロジー、ようやく読めました。
伊坂さんの作品も気になっていましたが中山さんの作品も気になっていました。
今まで中山さんの作品を読もう読もうと思いつつ読んでいませんでした。面白いという事はうかがっていたのですが…ようやくです。
「BEE」兜が医者と話しているくだりで新幹線の中で複数の殺し屋が落ち合い数名が死んだという話が出たのですが、これは「マリアビートル」のお話ですよね。こういうリンクの方法もあるんだとちょっと嬉しくなりました。兜も殺し屋やってるのにどうして奥さんには弱いんだろう。奥さんの話は若干ウザいですよ。。。っていうかめんどくさい。最後のオチがそう来たかとウケました。
「二百十日の風」読んでて辛かったです。どうしてこんなに頑張れるんだろうと思いましたが、深くて強い理由があったのですね。高田先生は何かあるんだろうと思いましたがとてもかっこよかったです。
「心を掬う」柚月さんのお名前は拝見していましたが読むのは初めてでした。そしてこの作品はシリーズの1作なんですね。それは他の作品を読みたくなるじゃないですか。佐竹がとてもかっこよかったです。他のシリーズも読んでみたい!
「18番テーブルの幽霊」こちらもシリーズの1作なんですね。全く商売上手なんだから。とっても面白かったです。推理もなるほどと思いましたし、菜月ちゃんやりますね。生意気だけど頭が良い。きっとほかの作品はハラマキさんが活躍しているんですよね。他のシリーズも読んでみたいです。事件の諸々の真相も切なかったなぁ。

〈宝島社 2012.4〉H24.5.11読了

Happy Box5

Happy BoxHappy Box
著者:伊坂 幸太郎
PHP研究所(2012-03-08)
販売元:Amazon.co.jp
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東日本大震災から一年、「幸せ」について、人々の関心が高まっている――。本書はその「幸せ」をテーマに、ペンネームに「幸」が付く5名の人気作家が書き下ろした短篇小説集。
「Weather」伊坂幸太郎
大友は親友の清水と一緒の時は天気の話をする。それは女好きの清水と一緒だとそれ以外の話が墓穴を掘ってしまう可能性があるからだ。そんな清水が結婚をすることになった。清水には言っていないが新婦の明香里は大友の高校時代の彼女だった。その明香里に清水に不審な動きはないかと尋ねられる。
「天使」山本幸久
福子は77歳。掏摸師として生計を立てている。今日もいつものように人の多いショッピングモールへ行き人を観察していた。そして掏摸をした男の子供が福子を見つけ、話しかけてくる。
「ふりだしにすすむ」中山智幸
多喜田りり子はあるとき不思議な老人に出会う。彼の来世に自分がかかわっているのだという。初めは相手にしていなかったが、次第に彼の言っていることが気になってくる。
「ハッピーエンドの掟」真梨幸子
アイコの母親は水商売をしている。とても古い家に最新の電化製品が並んでいる。近所にチエちゃんという年上の女の子が住んでおり、アイコは姉のように慕っていた。
「幸せな死神」小路幸也
榎本帆奈はバーで一人で飲んでいるときに死神に出合ってしまった。死神の仕事についてを聴きだし、その中で死神は幸せと感じることが分からないことを知る。

名前に「幸」という字が入っている作家さんが書いた幸せがテーマのお話です。
編集の方が最後に解説されていましたが、読者としても物凄くアバウトな話だなと思いました^^;でも伊坂さんや小路さんだったら優しく承諾したんだろうなとも思いましたけども。他の3人は違うだろうという事ではなくあまり作家さん自体のことを知らないという事で…すみません。でも、こういうテーマがあるのって好きです。分かりやすいですし、読んでいて面白かったです。
「Weather」この作品が私は1番好きです。読んでいて1番幸せを感じました。女好きで出かけるときは常に女の子が隣にいるようなヤツだった清水が心を改めて結婚。でも、結婚式自体にやたらとこだわりを見せ、また結婚式前にも不審な行動を取っている。一体何を考えているのか。悪い事ではないだろうとは思いましたが、私全く気づきませんでした^^;KYな新婦側の招待客の言葉に大友と共にイライラしていたのだけど、その中で伏線があったんですよね。やられました。そしてきっと、清水は本当に足を洗って明香里を幸せにするんだろうなとも思いました。
「天使」主人公が掏摸師という事で決して良いとは言えない職業ではありますが、生きていくためには仕方がない時代もあったんだよね、とも思ったり。福子と子供たちの関係は良い方へ行って、まあまあ良い終わりになるのかなと思ったらまさかの展開。あの展開で、福子は幸せだったのかな。子供たちは幸せになるのかな。
「ふりだしにすすむ」初読み作家さんでした。最初よく分からなかったのですが^^;それでも最後は良い作品だなと感じられました。結構SF色が強いですが私はこういう奇跡があってもいいんじゃないかなと思います。それでお互い幸せを感じられたら良いんじゃないかなと。でも、とても細かいところなのですが主人公の老人に対するしゃべり方があまり好きではなくて…そこが気になりました。まあこの著者さんに限らず書かれていますし、今の女性はこういう喋り方をするのかもしれないですが。
「ハッピーエンドの掟」こちらも初読み作家さんです。以前「殺人鬼フジコの衝動」を読もうとしたのですが、その時の精神状態から読まないほうが良い気がすると思い挫折して^^;それから読んでいませんでした。編集者さんの言うイタミスを書かれる方がどのような幸せを書かれるのかなと思いましたが・・・う〜ん。幸せってなんだろうなと思う作品でした。とても面白くて最後の意外性にも驚いたのですが、テーマが幸せって考えると誰が幸せだったんだ?と思ってしまい・・・。何だか悲しくなりました。
「幸せな死神」タイトルと死神の雰囲気から、何となく伊坂さんの「死神の精度」を思い出したのですが、編集者さんも少なからず印象があったようで。それであえて書くというのがアンソロジーの醍醐味なのかもしれないですね。こちらの死神も素敵でした。感情はないですけど、気は遣えるし素敵な紳士でした。最後が切なかったですけど、死神はきっと幸せを感じることが出来たんですよね。小路さんらしい素敵な作品でした。

〈PHP研究所 2012.3〉H24.4.15読了

story seller2011(小説新潮2011年5月号)4

小説新潮 2011年 05月号 [雑誌]小説新潮 2011年 05月号 [雑誌]
新潮社(2011-04-22)
販売元:Amazon.co.jp
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「暗がりの子供」道尾秀介
莉子は「空とぶ宝物」と言う絵本を読んでいた。そこには真子という女の子が登場する。真子が自分と似ているような気がしていた。莉子にはおばあちゃんがいる。大きな手術をして入院しており、退院したら同居をするという。莉子は喜んでいたら両親は同じようには思っていないようだった。
「トゥラーダ」近藤史恵
誓は移籍し、リスボンへやってきた。同じチームのクレスカスの両親の家でホームステイをすることになった。日本と少し雰囲気も似ていて好きな街になりそうだった。両親が闘牛を見に行こうと誘い、意を決して見に行くとあまりに残酷でそのせいか体調を崩してしまう。
「R-18二次元規制についてとある出版関係者たちの雑談」有川浩
編集者が作家と待ち合わせをし、その場所を訪れるとすでに作家は来ていた。打ち合わせをする前の雑談の中で作家が人目を憚るような本をおもむろに取り出した。
「万灯」米澤穂信
入社以来海外支店で働き、実績を残してきた。今回の場所、バングラディシュでは苦戦を強いられている。天然ガスの存在するボイシャク村の長が開発にOKを出してくれない。しかも、他社まで参入しようとしているらしい。
「ジョン・ファウルズを探して」恩田陸
イギリスの作家ファウルズの評論。
「約束」湊かなえ
理恵子は国際ボランティア隊としてトンガへやってきていた。トンガ語に少し慣れてきた頃、日本から理恵子の恋人がやってくる。

大好きなアンソロジーのシリーズが雑誌に載っていることを知り、初めて雑誌の中の小説を読んでみました。重かった・・・。
今回書かれている作家さんもとても豪華で楽しみにしていました。
それぞれ面白かったです。流石皆様、貫禄がありますね。それでは感想をば。
「暗がりの子供」莉子の心の闇が、兄弟の1番上っていう同じ立場からしてみればちょっと気持ちが分かるところがありました。まあ、私はここまで物心が付いているときではなかったですが。真子という存在が莉子の支えになっていて、それはそれでよかったのかなと思ったのだけど、どんどん展開が怖くなっていって、どうなるんだろうとドキドキしました。最後がよかったです。お母さんも、莉子の気持ちが少しでもわかってくれたみたいでよかったです。
「トゥラーダ」このアンソロジーのときはいつも「サクリファイス」のシリーズですね。今回は移籍後のチカが登場。またなんだか雲行きが怪しくなって終わりましたが、このお話の続編は出るのでしょうか。
「R-18二次元規制についてとある出版関係者たちの雑談」・・・いや〜。すごいっすね。有川さん、本当に女性ですか!?と思わなくもないお話でした^^;私も以前本屋でバイトをしていたので、成年コミックの表紙は見たことがあるんですけど、確かに気持ち悪いって言う印象しかなかったなぁ・・・。それを読むくらいならAVをみたほうがいいって言うのは分かる気が。萌えキャラに関してもなるほどですね。確かに実際に存在したらあまりモテなそう・・・。絵とか小説の中だからいいんですよね。だから何でもかんでも映像化しないでくれ(そこ?)
「万灯」米澤さんらしいようならしくないような・・・。ミステリ要素はまさにという感じなんですけども。仕事内容が私には難しかったかな^^;トリックに関しては気づきませんでしたが、まさかあんなところで真相がばれることがあろうとは。海外ならではですね。凄い。
「ジョン・ファウルズを探して」タイトルから「イサオ・オサリヴァンを捜して」を思い出したのですが。こちらは実在の人物でしたね。私は海外文学をあまり読まないので全く知らない方だったのですが、何だか気になる方ですね。読むのが怖いですが「コレクター」を読んでみたいと思いました。にしてもイギリスってどうして世界で有名になっている人を称えないんでしょうね。エラリー・クイーンもそうですし、ホームズ像もあるけど、そこにいくのは観光客だけって聞いたことがあります。ホームズが好きって人もあまりいないとか。不思議ですね。
「約束」私、湊さんの作品って「告白」以外読んだことがないんです。いつも予約はするんですが、読まずに終わっちゃいます。先入観なんですけど、湊さんの作品は呼んでいて辛くて悲しい思いをするような気がして読めないんですよね。どうせ読むなら幸せな気持ちで読みたいと思うので^^;で、今作。理恵子のトンガでの生活はよかったです。きっと何かを抱えていると思うのだけど、それでも幸せそうに感じました。柏木という存在がすべてを打ち消してしまってますよね。理恵子は海外へ行ってよかったんですよ。そして広い世界を見てよかったんだと思います。でも、柏木のような人間はたくさんいそうだなぁ。外面がいいだけタチが悪いですよね。

このアンソロジー以外に、その次に書かれていた
「川と星 東日本大震災に遭って」という彩瀬まるさんの作品を読みました。
彩瀬さんは地震当日に東北へ旅行されていたそうです。
東北で過ごされた5日間が本当に生々しくてその場にいないのにとても恐怖を感じました。
私たちは遠くの地で心配をしているけど、地震を経験された人たちの思いはそんなものでは足りないくらい本当に多くの不安や恐怖を感じられているんだと思ったら本当に悲しくてなりません。
彩瀬さんは、東北の人ではないのに、東北に住まわれていてこれからの生活に不安を感じている方々が本当に手を差し伸べてくれて、優しい方ばかりだったのを読んでいて凄く感じて。どうしてこんなにすばらしい方ばかりがこんな思いをしなければならないんだろうと悲しく思います。
本当に、1日も早く皆様に笑顔が戻りますように。1日も早く、元の生活に戻れますように。ただただ祈るばかりです。

H23.7.18読了

放課後探偵団5

放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)
著者:相沢 沙呼
東京創元社(2010-11-27)
販売元:Amazon.co.jp
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『午前零時のサンドリヨン』の相沢沙呼、『叫びと祈り』の梓崎優、来年の本格的長編デビューを控える鵜林伸也ら、1980年代生まれ、創元発の新鋭五人が書き下ろす学園推理。
似鳥 鶏「お届け先には不思議を添えて」……映像研究会が発送した箱の中身が、先方に到着した段階ですり替わっていた。しかし、すり替える機会があったとは思えない。犯人はいつ、どうやって中身を入れ替えることができたのか? またしても不可解な謎に巻き込まれた葉山君は、名探偵の先輩・伊神さんに助けを求めた――『理由あって冬に出る』から始まった好評シリーズ、待望の最新作。
鵜林 伸也「ボールがない」……絶対に百球あるはずのボールが、なぜかいくら捜しても九十九球しか見つからない。あと一球見つからなければ、家に帰れないのだ! かくして高校球児たちは、求めるボールの行方をなんと推理で突きとめようとするが……。2011年に長編デビューを果たす予定の新鋭が贈る、デビュー先行短編。
相沢 沙呼「恋のおまじないのチンク・ア・チンク」……バレンタインの日、教室に戻った生徒たちが見たのは、教卓に積み上げられたチョコレートの山。みんなの荷物の中からチョコレートを抜き出して積み上げた犯人は誰か? そしてその目的は? 鮎川哲也賞受賞作『午前零時のサンドリヨン』の登場人物たちにふたたび会える、恋と謎のキュートな本格ミステリ。
市井 豊「横槍ワイン」……映画制作同好会の新作鑑賞会の最中、メンバーのひとりがワインを浴びるという珍事が発生し、〈聴き屋〉の柏木君は図らずも謎解きに駆り出されることに。ありとあらゆる可能性が提示されては否定された挙句、最後に残った予想外の真実とは? 大学生の右往左往をコミカルに描く〈聴き屋〉シリーズ最新作。
梓崎 優「スプリング・ハズ・カム」……掘り出されたタイムカプセルに入っていたのは、十五年前の卒業式で勃発した放送室ジャック事件の犯行声明。密室状況下から忽然と姿を消した犯人は、いったい誰だったのか――同窓会に集まったかつての放送部員たちは、嬉々として謎解きを繰り広げる。『叫びと祈り』の俊英が描く、せつない余韻が胸を打つ物語。

去年似鳥さんの作品を読んだ時に、アンソロジーでも書かれていますよと言う事を教えていただき、近くの図書館に所蔵があったので予約。ちょっと時間がかかりましたがようやく読めました。
全員80年代生まれだそうで。・・・うへぇ。同世代じゃないか。
でも、同い年と年下はいませんでした。ほっ。といっても年下の作家さんはもうたくさんいると思いますけどね^^;
どの作品も若々しくて可愛らしい学生が描かれていて好きでした^^本当に、可愛い!っていう人ばかり。こういうちょっと幸せになれるような本っていいですね。
短編の最後に東京創元社の編集の方ですかね?が解説というかその作家さんの経歴を書いている部分があるのですが、それも面白かったです。
特に梓崎さんの名前が良く出てきました。賞を獲られた時はもう全員一致で飛びぬけていたと。
でもわかるかも。「叫びと祈り」は1個上の人が書いた本とは思えなかったし^^;
今回の作品も他の作品がダメって言う事は決してないのですが、他の作品とテイストとか雰囲気とか違って。何だか貫禄があるような気がしました。
凄いですよね。梓崎さんの作品が出たら、絶対にこれからも読んで行こうと思います。
あと相沢さんの「午前零時のサンドリヨン」は以前から気になっていたのですが未だに未読で。今回スピンオフ?を読んでしまったので、もう絶対に読もうと思いました^^;
皆様、今年刊行予定の本があるようで、どれもとても楽しみです。
似鳥さんは5月下旬に出されたようで、そしてまた葉山君と伊神先輩のシリーズのようなので、いつになるかわかりませんが絶対に読みます。
この作品の中で好きだったのはやっぱり「スプリング・ハズ・カム」でした。
まさかあんな真相が隠されていたとは。思わず読み返してしまいました。た、確かに…。
あとキュンとして好きだったのが「恋のおまじないのチンク・ア・チンク」と「横槍ワイン」でした。男の子が可愛かったです。

〈東京創元社 2010.11〉H23.6.17読了

シティ・マラソンズ 三浦しをん あさのあつこ 近藤史恵5

シティ・マラソンズシティ・マラソンズ
著者:三浦 しをん
文藝春秋(2010-10)
販売元:Amazon.co.jp
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NY、東京、パリ。アスリートのその後を描く、三つの都市を走る物語。
「純白のライン」三浦しをん
安部広和は、社長命令でニューヨークシティマラソンに出ることになった。目的は社長の娘の真結に変な虫がつかないように見張って欲しいのだという。
「フィニッシュ・ゲートから」あさのあつこ
南野悠斗は6年ぶりに冠城湊から連絡を受けた。彼は東京マラソンに出るのだという。
「金色の風」近藤史恵
両親の反対を押し切ってフランスへ留学した香坂夕。ひとり暮らしを始めた家の前の道をランニングしている女性を見かけるようになる。

マラソンをテーマに書かれた3つの物語。
3つの作品を読んで、何だかもの凄く走りたくなりました~^^って、休みの日は走ってるんですけども。たいした距離じゃないけど。
読んでいるだけだともの凄く優雅に走れそうな気がしますけどね~。実際に走るとくったくたでバッテバテなんですけど。
「純白のライン」は可愛らしい話でした^^鈍いね。お嬢様は広和のことが好きに決まってるじゃないですか。年齢なんて関係ないですよ。広和の境遇は「風が強く吹いている」のメンバーが卒業した後みたいな感じだなーと思った。広和はずっと長距離をしていて箱根へは行けていないのだそうだけど。2人の雰囲気がとても素敵でした。真結も、きっと完走できましたよね。
「フィニッシュ・ゲートから」は、なんだかもったいないですねぇ。そんな色恋沙汰で将来をつぶしてもったいないって思ってしまったのは私だけ?悠斗の上司が素敵でした。
「金色の風」も良かったです。ずっとずっと頑張ってきたバレエを辞めて、抜け殻状態の時に異国の地へ行ったのは良かったんだと思う。カンナとの出会いが良かったです。
どの作品もさらっと読めるんだけど、好きな話ばかりでした。出てくる人が、皆さん素敵です。

〈文芸春秋 2010.10〉H22.11.23読了

Story Seller35

Story Seller (ストーリー セラー) Vol3 2010年 05月号 [雑誌]Story Seller (ストーリー セラー) Vol3 2010年 05月号 [雑誌]
新潮社(2010-04-10)
販売元:Amazon.co.jp
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「男派と女派 ポーカー・フェース」沢木耕太郎
沢木耕太郎が旅先で経験したものを語る。
「ゴールよりももっと遠く」近藤史恵
現役を引退し、チーム・オッジからも離れた赤城。しかし、監督から指導者として戻ってきて欲しいと頼まれる。結局、赤城はその用件を飲んだ。引退する1年と少し前。引退の頃合かと思っていた頃に、石尾とともに九字ヶ岳へ行った時のことを思い出す。
「楽園」湊かなえ
裕太は目を覚ますと、隣に寝ているはずの雪絵の姿がないことに気付く。彼女は実家に帰ると言っていたが、家には戻っていないようだ。裕太は、彼女のパスポートがないことに気付く。
「作家的一週間」有川浩
作家と出版社とのやりとりの1週間を描く。ショートショートを書いて欲しいと編集担当に言われた作者。頼まれてまもなく、夫が不思議な夢を見たのだという。
「満願」米澤穂信
ある事件の弁護人を務めた藤井は、その被告人であった鵜川妙子からの連絡を待っていた。無事出所し、事務所を訪れると言う。電話を切ったあと、藤井は妙子の家に下宿していた学生時代を思い出していた。
「555のコッペン」佐藤友哉
土江田は、喫茶店で相席した女性に身の上話を聞かされ、息子の骨を見せられた。東京駅で土江田はその女性から血まみれのナイフを渡され受け取ってしまう。はたから見ると、土江田が女性を殺したように見える。土江田はその場を逃げてしまう。
「片恋」さだまさし
石橋南は朝方に警察から連絡を受ける。「シモダヒロヒコ」と言う人物がひき逃げにあったという。そういわれても、南にはその男性の事は何一つ知らなかった。

最後ですね〜。ちょっと寂しい。本当に豪華な作家さんたちが集結していたシリーズだったから。
今回も面白かったです。
沢木さんのエッセイ面白いです。他の作品も読んでみたいと思いました。
近藤さんの作品は、ついにチカと伊庭が登場しましたね。あの出来事も過ぎたようで物悲しかったです。でも、石尾はやっぱりかっこよかったです。赤城に向けた言葉がとても力強くて印象的でした。
有川さんの作品は・・・はじめ驚きましたよ^^;連呼しすぎでしょ。S理論は面白かったけど。全体的には有川さんの作品って言う感じでした。
米澤さんの作品はやっぱりミステリでした。
佐藤さんの作品は今までの集大成のようでした。土江田は、過去に一体どんな事をしでかしたのでしょう。どんな事をしていても、私も赤井と同じ気持ちだなぁ斗思いながら読んでいました。
さださんは初めてでしたね。さださんの本は何冊か読んでいますが、こういう感じのも書くんだ〜と驚きました。いい話だったと思います。自分がこの立場だったら嫌だけど^^;

〈新潮社 2010.4〉H22.10.31読了

チーズと塩と豆と 角田光代 井上荒野 森絵都 江國香織4

チーズと塩と豆とチーズと塩と豆と
著者:井上 荒野
販売元:ホーム社
発売日:2010-10-05
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10月放送の、NHK・BSハイビジョン紀行番組「プレミアム8」に登場する4人の女性作家が、それぞれヨーロッパのスローフードやソウルフードを求めて旅をし、その土地を舞台に書かれる短編小説アンソロジー。その小説は、ドラマ化され、番組に挿入される。井上荒野はピエモンテ州(イタリア)、江國香織はアレンテージョ地方(ポルトガル)、角田光代はバスク地方(スペイン)、森絵都はブルターニュ地方(フランス)。
「神様の庭」角田光代
アイノアは親族のしきたりである、何かあるときの大勢での豪華な食事の習慣が気に入らなかった。それは、母の病気の告知がその食事の場でなされた時に不満が爆発する。アイノアは必死で勉強し、バルセロナの大学へ進学した。それから世界中を旅するようになり、それがきっかけでNPO法人のアースガーデンに勤めるようになる。
「理由」井上荒野
アリダは30歳年上のカルロと結婚した。同い年のエルヴィラという娘もいる。周囲は反対したが、耳を貸さなかった。幸せな結婚生活を過ごしていたが、カルロは今病院のベッドで眠り続けている。
「ブレノワール」森絵都
絶交中の母親が危篤という知らせを受け、ジャンは数年ぶりに母と共に引き取られた親族の家へやってきた。この家では風習が多く、決まった食べ物しか食べない。そして母への反感からジャンはこの家をでてシェフを目指していた。
「アレンテージョ」江國香織
ルイシュとマヌエルは、リスボンからアレンテージョへ旅行に来ていた。予約をしていた民宿へ行くと、家出を繰り返しているエレナという少女と話をするようになる。

帯を見て、「あ、ちょうど今放送されているんだ」と思い、急いで録画予約。
1番始めに放送された井上さんのはもう終わっちゃったけど、他の3話は見れるようなので、ラッキーでした^^
作品はどれもその地方へ行っている様な感覚になりました。どの作品も何かしらの家庭の事情を抱えているのだけど、それでも結局
料理の雰囲気はヨーロッパらしくて、食べたくなりました。
番組はちょうど今日第3話が放送のようですが、旅行へ行って料理を食べて小説を書くって、魅力的ですよねぇ。
ヨーロッパの風景をテレビで見るのが楽しみです。

〈集英社 2010.10〉H22.10.18読了
自己紹介
苗坊と申します。
生まれも育ちも生粋の道産子。読書とゲームとマラソンとV6を愛してやまないオーバー30です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。
過去記事にもTB、コメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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