苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

女性作家(ま・や・ら・わ行)

真夏の焼きそば 食堂のおばちゃん5 山口恵以子5



海老フライ、大根バター醤油、餡かけの茶碗蒸し、ニラ玉豆腐、ホウレン草と豚バラの酒鍋、焼きそば…。姑の一子と嫁の二三に、今や大きな戦力となった万里の三人で営む「はじめ食堂」は、今日も常連客の笑顔がいっぱい。そんなある日、二三の娘・要が、最近毎日のようにランチに現れる男性を見て「四和ビル爆破事件の逃亡犯に、そつくり」だと言う…。心も身体も幸せになる、続々重版の大人気人情食堂シリーズ、第五弾。文庫オリジナル。

今回もどの作品も面白く読みました。
「はじめ食堂」は一子も二三も素敵だし、万里君も頑張っているし、常連客もみんな素敵な人ですよね。
万里君が次々と新メニューや新スタイルを取り入れて、読んでいるこちら側も怪訝な顔になるのに^^;
一子さんも二三さんも頭が柔らかいですよね。意見をどんどん取り入れて実行する。それが凄いなと思います。
今回もどの料理もとても美味しそうでした。
次回は万里君の成長が見られたりするのかな?楽しみです。

<角川春樹事務所 2019.1>2019.4.18読了

婚活食堂 山口恵以子

婚活食堂
山口 恵以子
PHP研究所
2018-05-24


人生、仕事、結婚に迷ったあなた、めぐみ食堂にいらっしゃい!
元占い師の女将による絶品料理で心も身体も癒やされる『食堂のおばちゃん』シリーズの著者最新作。
お見合い43回全敗!? の著者が自戒を込めて贈る、渾身の婚活小説。
牛スジ、葱鮪、トマト、蟹面といった名物おでんや牡蠣のカレー煮、蒸しいちじくの甘味噌だれなどの美味しい小料理……東京・四谷の「めぐみ食堂」には、今宵も常連客が訪れる。
バツイチ、歳の差、国際結婚……様々な恋の悩みを抱える男女を優しく包み込む、ハートフルストーリー。

女将である恵と常連さんたちの会話から物語が展開していきます。
いろんな愛の形が出てきたけど、みんなそんなに婚活して結婚したいのかなーと読んでいて思いました。
絶対に結婚してやる!と最初から言っていたセレブの千波は置いておいて、他の人たちはそこまで結婚結婚言っていなかったけど、やっぱり何歳になっても独身女性というのは色々言われてしまうものなのかなーとか。
最近思うのは男性は妙齢の女性にはセクハラになるからとそういうことは聞いたり言ったりしなくなったと思うんですけど、ある程度年齢を重ねた女性に対しては結構不躾に言ったりしますよね。そういう場面を目の当たりにすると、結局変わってないよなーと思います。
結果、たくさんの人が成就していったけど、私は羨ましいとか思わなかったかも。こうやっていろんな愛の形があるんだなぁと思って読み終えた気がします。
恋の形も結婚の形も人それぞれで正解なんてないんですよね。驚いたのは千々和さんたちかな。お母さんも娘も。それでもみんなの会話を読んでいるからそれぞれ納得してました。やっぱり、色んな形があるんですよね。
最後の場面がいきなりでびっくりしましたが、この食堂シリーズは続いていくのかな。どうかな。

<PHP研究所 2018.5>H30.11.28読了

ふたりの花見弁当 食堂のおばちゃん4 山口恵以子5

ふたりの花見弁当 食堂のおばちゃん(4) (ハルキ文庫 や 11-5)ふたりの花見弁当 食堂のおばちゃん(4) (ハルキ文庫 や 11-5)
著者:山口恵以子
角川春樹事務所(2018-08-09)
販売元:Amazon.co.jp

姑の一子と嫁の二三に手伝いの万里の三人で営む「はじめ食堂」は、今日も常連客で大にぎわい。そんなある日、常連のひとり三原が、一子たちをお花見に招待したいという。三原は元帝都ホテルの社長で、十年程前に妻を亡くして、佃のタワーマンションに一人住まい。一子は家族と親しい人を誘って出かけるが…。心温まる料理と人情で大人気の「食堂のおばちゃん」シリーズ、第四弾。

大好きなシリーズです。また会えて嬉しかったです^^食堂に出てくるご飯はどれも美味しそうで一子も二三も本当に素敵で、常連さんも個性的で面白くて。今回も色々なお話がありましたが最後はほっこりしました。
「おせちのローストビーフ」おせちにローストビーフが入っているなんて豪華!食べてみたいなーと思いながら読みました^^万里も成長しているんですね←悪に立ち向かうメイたちがかっこよかったです。
「福豆の行方」この話は腹が立ったし切なかったですね…。メイたちの弱さに付け込んだというか…。メイは素敵だから、きっと今後良い人が見つかりますよ。そう信じています。
「不倫の白酒」伯父さんの事が好きで、結婚してほしくないからしたくもない恋愛をする。その気持ちはよく分からないけど、それくらい好きだったってことですよね。一子の言葉が重たかったです。二三同様心配になってしまいましたけど。まだまだ元気でいてくれないと困ります!
「ふたりの花見弁当」常連客の三原に誘われて常連客達と一緒に家を訪れ、お花見を楽しんだ御一行。良いなー凄く楽しそうです。血のつながりがない知人がこんなにたくさんいるって、幸せなことですよね。
「サスペンスなあんみつ」私は高級料理店というものはほとんど行ったことが無いですけど、だいぶ時間が経っているとはいえ変わっていたら少し寂しいかもなぁ。それでも何十年経っても生き続けているお店なのだから、色々あったんだろうなとも思いますよね。タイトルの意味が分かったとき、何だかスカッとしました^^良いオチでした。
また続編を待ってます!

<角川春樹事務所 2018.8>H30.10.23読了

愛は味噌汁 食堂のおばちゃん3 山口恵以子5

愛は味噌汁 食堂のおばちゃん(3) (ハルキ文庫)愛は味噌汁 食堂のおばちゃん(3) (ハルキ文庫)
著者:山口恵以子
角川春樹事務所(2018-01-11)
販売元:Amazon.co.jp

オムレツ、エビフライ、豚汁、ぶり大根、麻婆ナス、鯛茶漬け、ゴーヤチャンプル―…昼は定食屋で夜は居酒屋。姑の一子と嫁の二三が仲良く営んでおり、そこにアルバイトの万里が加わってはや二年。美味しくて財布にも優しい佃の「はじめ食堂」は常連客の笑い声が絶えない。新しいお客さんがカラオケバトルで優勝したり、常連客の後藤に騒動が持ち上がったり、一子たちがはとバスの夜の観光ツアーに出かけたり―「はじめ食堂」は、賑やかで温かくお客さんたちを迎えてくれる。文庫オリジナル。

山口さんの作品は最近食べ物の小説しか読んでいないような^^;
実際に社員食堂で働かれていたからか出てくる料理が本当に美味しそうなんですよね。
一子と二三が仲良く営む「はじめ食堂」は最初から大好きなシリーズです。
二三も旦那さんが好きで結婚したというよりは一子さんや食堂が好きで結婚したみたいな感じですもんね^m^その雰囲気が良いなぁと思いました。
浜崎真弓さんのカラオケバトルは、やっぱりやり過ぎたらダメですよね。もしかしたらと思っても、周りをないがしろにしたらやっぱり駄目です。それに気づけて良かった。
常連客の後藤さんがスマホを持ち始め、間違いメールが来ているという時点で危ないなぁと思っていました。周りが気づいて良かったです。はとバスツアーも面白かったし、万里君の同級生のメイちゃんもとても素敵な人!常連客が増えて人脈が増えて、「はじめ食堂」はますますにぎやかで楽しくなりそうです。
また続編が出てほしいなぁ。

<角川春樹事務所 2018.1>H30.7.3読了

食堂メッシタ 山口恵以子

食堂メッシタ食堂メッシタ
著者:山口恵以子
角川春樹事務所(2018-04-12)
販売元:Amazon.co.jp

目黒にある小さなイタリアン「食堂メッシタ」。満希が、ひとりで切り盛りする超人気店。
ライターの笙子は、母親を震災で亡くして意気消沈していた折に、偶然「食堂メッシタ」の心と体に染みいる美味しい料理に出会い、元気を取り戻した。それ以来の常連客だ。
そんな、満希が、お店を閉めるという――イタリア料理を愛する人々の幸福な時間と
人生を描いた書き下ろし長篇小説。

この作品、実在する方々がモデルになっていたんですね…。感想を書こうとしているまさに今知りました^^;「食堂のおばちゃん3」を読むと「メッシタ」が登場しているらしいのですが、まだそちらは読んでおらず、こちらの方が先に読んでしまいました。
実話が元になっていると分かればまた感じ方も変わってきます。小柄な可愛い女性が大きな情熱を持ってイタリアに渡り、修行を積み、日本に戻って更に修業し、自分のお店を持つまでになる。その長い長い歴史がこの1冊に詰まっています。1冊じゃもったいない無いくらい^^;満希は素敵な女性でした。何もかもが真っ直ぐでブレが無くて、本当に一生懸命。ここまで情熱を注げるものがあるなんて、正直とても羨ましいです。
現在モデルになったお店は完全紹介制になっているらしいです。
行ってみたいけど、多分無理ですね^^;残念。

<角川春樹事務所 2018.4>H30.5.29読了

おらおらでひとりいぐも 若竹千佐子4

おらおらでひとりいぐも 第158回芥川賞受賞おらおらでひとりいぐも 第158回芥川賞受賞
著者:若竹千佐子
河出書房新社(2017-11-16)
販売元:Amazon.co.jp

74歳、ひとり暮らしの桃子さん。
おらの今は、こわいものなし。
結婚を3日後に控えた24歳の秋、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように、故郷を飛び出した桃子さん。
身ひとつで上野駅に降り立ってから50年――住み込みのアルバイト、周造との出会いと結婚、二児の誕生と成長、そして夫の死。
「この先一人でどやって暮らす。こまったぁどうすんべぇ」
40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で、ひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、桃子さんの内から外から、声がジャズのセッションのように湧きあがる。
捨てた故郷、疎遠になった息子と娘、そして亡き夫への愛。震えるような悲しみの果てに、桃子さんが辿り着いたものとは――

この作品を最初に知ったのはいつも利用する図書館の新刊案内でした。
タイトルを見て宮沢賢治の「永訣の朝」の一文だと思いましたが(賢治のはローマ字だけど)あらすじを読んだら賢治は関係なさそうだったのでその時は手にしませんでした←
第158回芥川賞直木賞が発表され、この作品と「銀河鉄道の父」が受賞し(もう1作品ありますが)、賢治に関係する作品が2冊も受賞するとは、と興味を持ってそこで読もうと思いました。前置きが長かったですね。
元ネタである宮沢賢治の「永訣の朝」は妹トシが24歳の若さで病死した直後に出来た詩で、「Ora Orade Shitori egumo」は「私は一人でも生きていくから」というような意味だったと思います。なので、この作品も年老いて夫と死別し、子どもとも疎遠となり、1人で生きていく女性の話なのかなぁと漠然と思っていました。
でも少し違いましたね。文章はほぼ東北弁で、桃子さんの語り口調なので読むのが大変でしたが、自分の今までの過去を振り返り、そして今までで最もつらかった夫との別れとも向き合って、自分の気持ちを見つめ直してから生にどん欲に執着しているような気がして良かったです。
最後のシーンがまた良かったです。桃子さんは決して孤独ではありませんでした。

<河出書房新社 2017.11>H30.4.1読了

見た目レシピいかがですか? 椰月美智子4

見た目レシピいかがですか?見た目レシピいかがですか?
著者:椰月 美智子
PHP研究所(2017-09-26)
販売元:Amazon.co.jp

「イメージコンサルタント」に関わる4人の女たち、それぞれの事情とは?
純代の場合――娘から「参観日にお母さんが一番ダサかった」と言われ……
あかねの場合――不倫相手の「私服がかっこ悪い」のが許せない……
美波の場合――自分がこんなかわいらしい服を着てもいいのだろうか……
繭子の事情――的確なアドバイスを下す彼女の抱える問題とは……
あなたの第一印象、そのままでいいですか? 本当に似合う色、服、髪型などを提案し、「見た目」を変えるイメージコンサルタント・御手洗繭子。ほんのちょっとの気づきと心構えで、人生は変わっていくもの。彼女のアドバイスを受けた人々の外見と内面の変化とは? そして繭子自身が抱える秘密と事情が……。「きれいになりたい」「自分らしくありたい」と思う女性たちの心理を、鋭くかつ細やかに描く、連作小説集。

初読み作家さんでした。名前は気になっていたのですが今まで手に取っていなくて…。
タイトルに惹かれて読んでみました。
第一印象は大事ですよねー。見た目、私も全然自信がないです。
洋服自体は素敵に見えるのに、私が着たら何だかいい服も良く見えないような気がして、私が買ってごめんねって思う時もあります^^;
イメージコンサルタントとだけきくと何だか不安になりますが、繭子の人柄が良くて、信頼するのも分かる気がしました。
だから繭子の章になった時、繭子の幼少期が意外で驚きました。てっきりお嬢様育ちではんなりと育ったのかと思ったのですが^^;
私も自分に合った服を選びたいと思いつつ、でもだからと言って自分自身が気に入っていない服は着たくないし…と兼ね合いが難しいけど私も判断してほしいなーと思いました。

<PHP研究所 2017.9>H29.12.8読了

架空論文投稿計画 あらゆる意味ででっちあげられた数章 松崎有理5

架空論文投稿計画 あらゆる意味ででっちあげられた数章架空論文投稿計画 あらゆる意味ででっちあげられた数章
著者:松崎 有理
光文社(2017-10-17)
販売元:Amazon.co.jp

蛸足大学の助教・ユーリー小松崎は、駆け出し作家の松崎有理と、学問の危機を救うため、嘘論文のでっちあげ投稿を開始!しかし、正義を振りかざす謎の機関「論文警察」の魔手が彼らに迫る!?抱腹絶倒の架空論文満載でおくる、著者ならではのサイエンス・ユーモア・サスペンス!

いやー…凄い作品でしたね。まず思ったのが注釈の幅が大きい!という←
専門用語が飛び交っているのですがちゃんと解説されているので大変分かりやすかったです。でっち上げの投稿がどんどん査読を通って受理されて雑誌に掲載されて、これは確かに本当なら学問の危機だなぁと思って読んでいましたが、ユーリーと有理の会話も面白いしでっちあげ論文もくだらなくて面白いし少しの登場でインパクトが強い黒野さんは素敵だしで良かったです。
きっかけは小松左京さんの追悼アンソロジーだったそうですが、そこからのこの1冊。凄いですねー。最後まで読むとこういうカラクリだったのかと尚更ニヤリとしてしまう感じ。
「代書屋ミクラ」で登場したトキトーさんも出てきましたねー。
元々蛸足大学は松崎作品ではよく登場しますからね。どこかですれ違っていますよね。こういうリンクも楽しいです。そしてその「代書屋ミクラ」で問題となったとある法律。それも関係していてこの作品は時系列的には一番最初なのかなーと思いました。序章みたいな。
こういう作風は理系出身の作家さんだから書ける内容だなと思いました。面白かったです。

<光文社 2017.10>H29.11.28読了

ごはんのことばかり100話とちょっと よしもとばなな4

ごはんのことばかり100話とちょっとごはんのことばかり100話とちょっと
著者:よしもと ばなな
朝日新聞出版(2009-12-04)
販売元:Amazon.co.jp

日々の家庭料理がやっぱり美味しい。子どもが小さいころの食事、献立をめぐってのお姉さんとの話、亡き父の吉本隆明さんが作った独創的なお弁当、一家で通った伊豆の夫婦の心づくしの焼きそば…ぎょうざ、バナナケーキ、コロッケのレシピと文庫判書き下ろしエッセイ付き。

どのエッセイにも食べ物のことが出てきます。家庭料理だったり外食先の料理のことだったり。ばななさんは海外の料理もよく食べられるんですね。横文字が多くて想像できない料理がたくさん出てきました。
読んでいると、世の中にはいろんな美味しい食べ物がたくさんあるんだなーと何だか当たり前のことを想いました。こんなにたくさん美味しいものがあるんだから、一食一食を大事に作って食べていかないと駄目だなーと思いました。と言っても私はほぼほぼ自炊なのですが^^;それでも自分の作る料理のスキルを上げて美味しいものを食べたいと思いました。
ばななさんの息子さんが最初2歳で登場するから随分小さいなと思ったのですが、結構前の作品だったんですね^^;読み進めていくとお父様がまだご健在だったので結構前の作品だったのかと気づきました。

<朝日新聞出版 2009.12>H29.9.20読了

5まで数える 松崎有理3

5まで数える (単行本)5まで数える (単行本)
著者:松崎 有理
筑摩書房(2017-06-08)
販売元:Amazon.co.jp

「5まで数えられないと天国へ行けない」という伝承に怯える少年を描く表題作ほか、ホラーとSFの融合がテーマの奇妙な6つの物語。

内容を知らずに読んだのですが、短編集だったんですね。ずっとスプラッタっぽい内容のものが多かったので、表題作が心温まる可愛らしい話だったのでほっとしました。
最初の「たとえわれ命死ぬとも」は松崎さんらしい作品だと思いました。突飛な法律を使うのが醍醐味ですよね!←
人間が生きるために動物を実験で使うなんてけしからん!ということで、ワクチンや投薬に関しては人体実験が行われるようになったという…ぞっとするお話でした。主人公に関しても、強い想いを抱いていて、それでも犠牲にするのは仲間。辛すぎますよね。そして人を犠牲にして、長い長い時間を費やしてワクチンを完成させたのにあのオチ!辛すぎました…あれはトラウマになるわー。
「やつはアル・クシガイだ」と「バスターズ・ライジング」もなかなかスプラッタだし「砂漠」もオチが怖すぎました^^;やっぱり表題作の「5まで数える」が1番好きでした。異国の地で暮らすアキラと幽霊らしい数学者のポールおじさんとの会話が良かったです。

<筑摩書房 2017.6>H29.7.5読了

みすゞと雅輔 松本侑子4

みすゞと雅輔みすゞと雅輔
著者:松本 侑子
新潮社(2017-03-03)
販売元:Amazon.co.jp

心の詩人・金子みすゞ、知られざる光と影、自殺の謎とは?実弟・上山雅輔(昭和の喜劇王・古川ロッパの脚本家)の膨大な日記を読み解き、みすゞの童謡と生涯、二人の青春と愛憎、別れを、弟の目を通して描く、画期的伝記小説!

タイトルに惹かれ、この本を読みました。松本さんの作品は15年前に読んで以来2冊目でした。びっくり。
金子みすゞさんの作品は学生の時に国語の授業で習っていたので知っていますし、東日本大震災の直後によく流れていたCMでも耳にしていましたよね。
でも私の中で1番印象的なのは2001年に放送されたテレビドラマ「明るいほうへ明るいほうへ」ですね。松さんがテル役で、健君が正祐役でした。映画の「みすゞ」も見ました。
ドラマを見たときはただただテルが可哀想で、正祐もちゃんとしたお坊ちゃんで、正祐の養父とテルの夫が憎かったという感想だったのですが。
今回この本を読んで、その気持ちはだいぶ変わりましたねー。
正祐の義理の父親に関しては印象はあまり変わらないんですけど、怖くて憎らしいと思っていたテルの夫の印象がだいぶ変わりました。ただ酷い夫なのかと思っていたのですが、そうではなかったんですね。この人も上山家に翻弄されてある意味犠牲者だったのかもしれません。女遊びがひどくてテルに淋病を移して、自分勝手だと思っていたけど、家に安らぎを求めていたけど妻は詩の創作のため一人の世界に入り込む。真面目で甘えるわけでもなくて、旦那さんも寂しかったのかなと思いました。テルが自殺してからの夫の反応も想像とは違いました。無理矢理娘を連れていこうとしているのかと思ったらそういうわけでもなく。いろんなすれ違いが生んだ悲劇だったのかもしれないですね。
そして正祐ですよ。読まなきゃよかったと思うくらいに印象が変わりましたよ。ここまで放蕩息子だったとは思いませんでした。家を廃業に追い込むは女遊びは激しいはなんだこいつは!!←
父親と家業に反発している割には親のすねをかじりまくっているじゃないか!
そして東京で働いている時のテルへの手紙!何だあの上から目線は!!
と何だか憤りがハンパなかったですが^^;
ただ、金子みすゞに関して正祐目線での資料というのは今まであまりなかった気がするので新鮮でした。2014年に正祐の日記が発見されたというのも凄いですね、運命的なものを感じます。
にしても気になったのはタイトル。最初雅輔って字が違うのでは?と思ったのですが後にそう名乗っていたんですね。でもこの内容ならテルと正祐という名前の方が良く登場したので2人の名前に違和感を感じました。まあその名前だと分かりにくいですよね^^;
中にみすゞさんの死の前日の写真があるのですが眼差しが凛としていて美しかったです。

<新潮社 2017.3>H29.4.28読了

コンビニ人間 村田沙耶香5

コンビニ人間コンビニ人間
著者:村田 沙耶香
文藝春秋(2016-07-27)
販売元:Amazon.co.jp

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。

今更ながらようやく読みました。何となく話の内容は把握してましたが、想像していたのとは違いました。実は村田さんは初読みでした。やっぱり斜め上を行く感じですねー。村田さんは前々から気になっていたのですがいつも内容が奇抜すぎて読むのをついためらってしまって。
今回のストーリーは割と読めるかなぁと思って読みましたがやはり流石クレイジー沙耶香ですね^m^
確かに恵子は社会不適合者かもしれない。思考が他の人とは違うかもしれない。でもそれがなんだというんだろう。コンビニで働いている恵子はちゃんと社会人をしているし誰よりもよく働いてる。恋人がいないとか結婚してないとか正社員じゃないとか、だからなんだと言いたくなる。この作品に出てくる男の人がみんな憎かった。白羽も、同級生の旦那も、ころっと態度が変わった店長も。なんて女の生きにくい世の中なんだ。
白羽の義妹も言っていることはその人にとっては正論かもしれない。でもそれが正しいかどうかなんて、一生を終える時じゃないと分からない。できれば私は、その人のような考え方で生きたくないと思いました。世の中にはいろんな人がいて、いろんな考えを持っている人がいて、自分の考えとは違う人だってもちろんいて、でもそれはお互いに間違っているわけじゃないって思いたい。日本は共感社会だけど、でもそれだけになりたくないです。
だんだん恵子が追い詰められていって、無理矢理変わろうとしていた(されていた)けど、最後の恵子の言葉に救われた気がします。
私だって社会のために生きているわけではないし、世間体のために生きてるわけじゃない。周りがなんと言おうと、私が行きたいと思う道を生きたい。そう思わせてくれました。恵子はある意味幸せなのだと思います。コンビニ店員という確固たる自分を見つけたんですから。私も人間である前にこういう奴なんだって思うものを見つけたいです。読んでいて辛いところもたくさんあったけど、読んでよかったです。

<文芸春秋 2016.7>H28.12.22読了

手のひらの京 綿矢りさ5

手のひらの京手のひらの京
著者:綿矢 りさ
新潮社(2016-09-30)
販売元:Amazon.co.jp

なんて小さな都だろう。
私はここが好きだけど、いつか旅立つときが来る――。
奥沢家三姉妹の日常に彩られた、京都の春夏秋冬があざやかに息づく、綿矢版『細雪』
おっとりした長女・綾香は31歳、次第につのる結婚へのあせり。一方、子供の頃からモテて、恋愛に生きる次女・羽依は入社早々、職場で人気の上司と恋仲に。大学院で研究に没頭するリケジョの三女・凜は自ら人生を切り拓くべく、いずれ京都を出ようとひとり心に決めていた。生まれ育った土地、家族への尽きせぬ思い。かけがえのない日常に宿るしあわせ。人生に、恋に悩みながらもまっすぐ生きる三姉妹の成長と旅立ちの物語。

久しぶりの綿矢作品でした。
テレビでこの作品が紹介されていて気になって手に取りました。
綾香、羽依、凛という三姉妹がそれぞれ全く違う性格で個性的で、語り手がこの3人で順々に変わっていくんですけど、その読み心地が良いなと思いました。
中でも感情移入してしまったのはもちろん綾香で。まず図書館で働いてるのが良いですよねー。もうそれに尽きる。羨ましいです←
そして恋愛に対する考え方も分かるなーと思いました。私は結婚願望はないけど、もし付き合うなら焦っていると思われたくない、結婚を最初から意識して付き合っていると思われたくない、ゆっくり相手を分かっていくように付き合っていきたい。
付き合う前は焦っていた綾香だけど、いざ好きな人が出来ると身構えているのが凄くよく分かって。デートに行く前の服選びですんごい迷っているのとか、いそいそとお化粧をする姿とか、凄く可愛くて愛おしさを感じました。
羽依は初めは苦手だなぁと思っていました。最初に付き合った男性との件は自業自得としか言いようがないけど、でもその男性もちょっと頭おかしかったですよね←自分に自信があってプライドが高いんでしょうねーあー嫌だ嫌だ←
凛は職人肌ですね。真面目ないい子だなと思いました。凛の気持ち、凄くよく分かります。私は29歳まで実家で暮らしていて職場も実家から通えるところしか始めは考えていませんでした。でも弟と妹が家を出て、年もアラサーになってきたとき、こんな狭い視野で良いのかなと思っていました。今となってはちょっと昔の話です^^
凛も親も始めは反対していましたけど理解してくれてよかったですね。良い親御さんだなと思いました。また三姉妹も性格がバラバラなのに凄く仲が良くて羨ましかったです。
そして舞台となっている京都の雰囲気も良かったです。近々10年ぶりに京都へ母と行く予定なので^^行こうとしている場所も出てきたりして嬉しかったです。
読んでよかったです。

<新潮社 2016.9>H28.11.13読了

図書館ホスピタル 三萩せんや4

図書館ホスピタル図書館ホスピタル
著者:三萩 せんや
河出書房新社(2016-07-27)
販売元:Amazon.co.jp

元気だけがとりえの悦子が就職した、不思議な噂の立つ図書館。悩みを抱える利用者さんに、今日も「元気」を届けます。

タイトルに惹かれて読みました…が。
ストーリーはまあ面白かったんですけど…。いや、分かってるんですよ。フィクションですし、物語ですし現実じゃないことは分かってるんですけど、面接で志望動機すら言わなくて「悦子さんか、えっちゃんね」みたいな気軽な感じでよし採用ってなんだそれは!
そんな簡単に図書館に勤められるなら苦労しないんだよ!なんて思ってしまい^^;
更に悦子の元気さで結構利用者が元気づけられるパターンが多くてね…。いいんですけど、何だあありがちな感じでうーん…。すみません卑屈で。
働いている人たちの秘密については面白く読みました。
なんだかんだ言って図書館の世界は好きなので続編を期待したいです。

<河出書房新社 2016.7>H28.10.14読了

代書屋ミクラ すごろく巡礼 松崎有理4

代書屋ミクラ すごろく巡礼代書屋ミクラ すごろく巡礼
著者:松崎 有理
光文社(2016-07-15)
販売元:Amazon.co.jp

北の街にすむ学術論文執筆代行業者「代書屋」ミクラは、ひそかに想いを寄せる若い助教の研究室を訪ねる。しかし彼女は消えていた。すわ失踪、と思うもじつは、研究の詰めの調査のために南の巡礼の島・辺路島に向かったらしい。はかなげでほうっておけない、だから愛しい助教。彼女の研究はしあわせの正体を心理学的に解明すること。手がかりは助教の残した意味不明の走り書きのみ。ミクラは愛車・彗星号を質入れした旅費で辺路島へ向かった。島では優勝者がしあわせになれるという春祭り、別名・すごろく祭りがはじまる。果たしてミクラにできるのか、全島を舞台とした巨大すごろくに、人間駒となって参加して、助教を探しだすことが―しあわせになることが。

続編が出るとは…!そしてまたタイトルにとても惹かれますね!!
この方の書かれるおかしな法律が蔓延る日本らしき世界観がとても好きです。
この物語の中では「出すか出されるか法」ですね。
3年ごとに査定があり、論文を1本も書いていない者、または論文を発表していても基準に満たしていない内容のものであった場合大学から出され解雇されるというなかなか怖い法律。そのため研究者たちは研究に実を注ぎたくとも論文も書かなければならないため過酷な労働を強いられている。そんな中、研究者たちが研究に身を投じることが出来るよう、出来た仕事が論文を代わりに書く仕事。ミクラはその代書屋として生計を立てています。
前回は連作短編だったのですが、今回は長編。しかもミクラが女性を追い求めて←南の巡礼の島へ。この島自体も魅力的でしたし、お祭りも面白かったです。
すごろくの目にそって歩き、人と関わり、知識を得て上がりを目指す。
前作から3年後くらいみたいですけど、ミクラはホント鈍くさくて鈍いのは変わってないですよねー。助教のために来たとはいえ、祭りに参加していろんな方々と関わって、成長したなぁと思ったんですけど。
最後ちょっとなんだよ。ひどすぎるでしょ!鈍すぎるでしょ!ってか気づけよ!
前作で短編一つ一つで恋をして玉砕していたのに全然成長してなかったですね。そっちでは報われなさ過ぎて同情しましたが、今回は同情しないことにします。
ちょっと言い過ぎたかな(笑)
この哀れなミクラが今後どうなっていくのか気になるので次も期待しています←やっぱりひどい

<光文社 2016.7>H28.9.4読了

恋するハンバーグ 佃はじめ食堂 山口恵以子5

恋するハンバーグ 佃 はじめ食堂恋するハンバーグ 佃 はじめ食堂
著者:山口恵以子
角川春樹事務所(2016-07-13)
販売元:Amazon.co.jp

帝都ホテルで副料理長をしていた孝蔵は妻の一子と、実家のある佃で洋食屋「はじめ食堂」をオープンさせた。
無銭飲食の客に親切にしたり、近所に泥棒が入ったり、息子のタカシが行方不明になったり……と色々事件はありながらも、温かな常連客に囲まれて、今日も「はじめ食堂」は大にぎわい。
続々重版した『食堂のおばちゃん』の昭和を描く、最高に美味しくて、人情味あふれる下町の洋食屋物語。巻末に著者のレシピ付き。

「食堂のおばちゃん」の続編。今回の舞台は昭和の時代。
一子や孝蔵が若かった頃の話。
なんて人情味あふれる素敵なお話なんだろう。
どの話も一癖も二癖もあるけど、でも孝蔵や一子や周りの人たちの優しさから解決してしまう。ホント、特にこの2人の人柄なんだろうなと思います。
前作では一子がおばあちゃんとなって現代の話となっていますが、時代が変わっても愛されるお店でい続けていたのは味もそうだけど人柄なんですよね。
最後の別れという言葉、もしかして…と思ったけど、そっちじゃなかったですね。よかった。
前作に登場した人で覚えている人と覚えていない人がいて^^;読み返したくなりました。

<角川書店 2016.7>H28.9.1読了

肉と衣のあいだに神は宿る 松井雪子5

肉と衣のあいだに神は宿る肉と衣のあいだに神は宿る
著者:松井 雪子
文藝春秋(2015-10-08)
販売元:Amazon.co.jp

山間のかつ丼の名店「情熱とん」の看板娘、美衣がめぐりあう、さまざまな男たち。三十路美女の婚活をゆるやかに描く長編小説。

新刊として出たときから気になっていて、図書館で借りたのですが1回返しちゃったんですよねー。そうしたら王様のブランチで紹介されているじゃないですか。ということで借りて読みました←
悔しい。紹介される前に読みたかった(子どもか)
以前はタイトルに惹かれていただけであらすじを知らなかったのですがとんかつ屋さんの看板娘さんの婚活の話だったんですね。タイトルに納得です。
素敵な物語でした。主人公の美衣の純粋さも素敵でしたし、美衣の事を心から愛しているお父さんにお兄さんの勝美に、姪の麗奈、そしてみちる。愛情がたくさん詰まったとんかつ屋さん。私も近くにあったら行ってみたいです。
美衣は本当に素敵な女性で私が男性だったら付き合いたいくらい←
婚活をしていった中で、またお店で働いていく中で美衣は様々な男性と出会います。
たくさんの出会いを繰り返していく中で、美衣は出会うことに疲れ、そしてただ、好きな人がいるというだけでそれだけで素晴らしい人生ではないかと感じるようにもなります。それでも美衣が婚活を続ける理由。最後に分かりますがその内容がとても気になります。家族の目を気にしないで堂々と言って行動してほしい。どうかどうか、美衣が幸せになれますように。それだけを願います。
最後の方に出てきた日向もそうですが美衣も、自分の幸せよりも人の幸せを大切にする人なんですよね。素敵ですし素晴らしいですけど、もっと自分を労わって可愛がってあげてよとも思います。
読み終えて無性にとんかつが食べたくなりました。そして、あったかくて優しい味のお味噌汁も。
素敵な作品に出会えました。

<文芸春秋 2015.10>H28.6.24読了

名古屋16話 吉川トリコ4

名古屋16話 (一般書)名古屋16話 (一般書)
著者:吉川 トリコ
ポプラ社(2015-08-17)
販売元:Amazon.co.jp

さまざまな家族や友情のかたちを描いた「名古屋16話」に加え、東海・中部の都市を舞台にした8つの物語「8の旅」、著者による地図コラムや名古屋在住のカメラマン三浦知也氏による写真も収録!名古屋在住の作家が、名古屋市の16の区を舞台に悲喜こもごもの物語を紡ぐ珠玉のショートストーリー集。

あらすじを読まずまた著者さんの新刊だということで予約していた本でした。
名古屋の各区にまつわるショートショートなんて面白い!これは地元の方は嬉しいでしょうね〜。
名古屋へは10年近く前に1度行ったことがあります。
でもあんまり覚えていなくて…熱田神宮に行ったのとひつまぶしを食べたくらいしか記憶が…。すみません。
それぞれの場所で地元トークが出てくるので分からないことがたくさんあったのですがちゃんとガイドマップと解説もありました。
そしてそのショートショートの中でリンクしている部分もあって面白かったです。
「東京23区」も読んでみたいなと思いました^^
そして札幌10区とかもできるんじゃない!?なんてことも一瞬思ったけど大したものないから無理ですね←

<ポプラ社 2015.8>H28.2.26読了

白をつなぐ まはら三桃5

白をつなぐ白をつなぐ
著者:まはら 三桃
小学館(2015-10-21)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
毎年一月、広島で開催される都道府県対抗男子駅伝を舞台に描く、感動の駅伝物語。
故郷を代表し、周囲の応援と期待を背負い、中学生、高校生、大学生・社会人と、世代の違う福岡県チームの七人が、たすきをつないで走る。
選手それぞれが、悩み、葛藤しながらも走り続ける理由とは? 
そして、最後に待っていたドラマとは?

今まで箱根駅伝、そのなかの学連選抜、そして実業団…などの小説を読んできましたが、まさか都道府県対抗男子駅伝がテーマの小説が読めるとは!!!
もうそれだけで感謝ですありがとうございます←
私のブログを読んでくださっている方なら多少ご存知かと思いますが^^;
1月の中旬に毎年広島で開催される駅伝があります。
その駅伝は中学生から社会人まで幅広い年齢層でチームが組まれ、チームのため、郷里のため襷をつなぐレースです。
実業団の選手の場合は所属しているチームの本拠地で走る場合もありますが、ふるさと選手制度があり、自分の生まれ故郷でエントリーすることもできます。
この物語の主人公は福岡代表として走る選手たち。
福岡と言ったら私が1番大好きで1番応援している今井正人選手が所属しているトヨタ自動車九州の本拠地!ということがまず思い浮かびます←実際に福岡代表で走ったこともあるんですよ。
ということで読みました。
年齢も練習方法も性格も何もかもバラバラな選手たちが短期間だけ、いわば言い方は悪いですが寄せ集めチームとして戦う。というのは監督やコーチにとっても、選手たちにとっても大変なことなんだろうなと思いました。合宿から物語は始まり、1区から7区の選手たちの想いが書かれエピローグへ。もう7区の章から後半は涙が止まりませんでした。
走るってなんて素敵なことなんだろう…と何だか気持ちが昂りました^^;
特に最後の吉竹選手の章はもうもう…手に汗を握りながら読んでいました。
チームってなんて素敵なんだろう…と思います。
そして今回のテーマだった「白」
襷は赤いのにどうして「白」なんだろうと思いましたが、この作品は「白」が正しかったんですね。本当に良かった〜・・・。
来年の1月に行われる都道府県対抗男子駅伝もとても楽しみです。
中高生たちも気になりますし、なにより大学生・実業団選手枠はもうたまりません。語りたくても人数が多すぎて語れないっていうくらい^^;
来年もたくさんの物語があるんだろうな。特に中高生にとっては憧れの大学生・実業団の選手と走れたりするいわば夢の舞台ですもんね。
今井選手だったと思うんですけど中学生か高校生の時に佐藤敦之選手と一緒にこの大会に出て大きな影響を受けたとおっしゃっていました(二人は福島出身)
そして数年前、ともに実業団選手となった二人が別々の県の代表として同じ区間を走ることになって、そして奇しくも同時期にタスキリレー。2人は走る前に堅く握手していました。私はそのシーンが忘れられません。
あぁ・・・語ると長くなっちゃうので止めます。どうせ来年語るだろうし。
そんなことも色々思い出させてくれた作品でした。読んでよかったです。ありがとうございました。

<小学館 2015.10>H27.12.10読了

食堂のおばちゃん 山口恵以子5

食堂のおばちゃん食堂のおばちゃん
著者:山口恵以子
角川春樹事務所(2015-08-07)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!!
ここは佃の大通りに面した「はじめ食堂」。
昼は定食屋、夜は居酒屋を兼ねており、姑の一子と嫁の二三が仲良く店を切り盛りをしている。
夫婦のすれ違い、跡とり問題、仕事の悩み……いろいろ大変なこともあるけれど、
財布に優しい「はじめ食堂」で、美味しい料理を頂けば明日の元気がわいてくる!
元・食堂のおばちゃんが描く、涙あり、笑いありの心温まる物語。

山口さんの作品は、デビュー作を読んで以来でした。
本当に…素敵な作品でした。こんなアットホームで素敵な食堂があったら、私も毎日通いたいです。一子と二三が本当に素敵な人でした。人生で大好きな人との別れや様々なことを経験したからこそ言える重たい格言がたくさんありました。
第一話「三丁目のカレー」
お互いがお互いを思い合っているゆえに思ったことが言えず我慢している夫婦。そんなことで…なんて思ってしまいますけど、本人たちにとっては凄く大事なことなんですよね。最後に夫婦二人に渡したカレーが凄くおいしそうでした。
第二話「おかあさんの白和え」
二三が一子の息子高の元へ嫁いだきっかけが書かれていたのですがそれが本当に素晴らしくて。こちらまで涙が出そうでした。こんな出会いが私もあったらいいなぁ。これからくるかな。白和えも美味しそう。
第三話「オヤジの焼き鳥」
私は佃って行った事がないんですけどでもテレビで見たことがあります。まさに温故知新という言葉がふさわしいような街だなという印象でした。新しいものもいいけど、でも焼き鳥屋さんの息子さんの考えはちょっといただけないなぁ。良い恰好したいだけなんだもの。でも目が覚めたようなのでそれから考えたことなら応援したいなと思いました^^
第四話「恋の冷やしナスうどん」
二三の娘要の恋の話。好きになってしまうのは分かるけど、第三者から見ると止めた方がいいんじゃないかなぁと思いましたねぇ。二三も心配してましたね。ナスうどんおいしそう。
第五話「幻のビーフシチュー」
万里がちゃんと働いているのが好印象。仕事すること自体は嫌じゃないんですよね。
40年前の味が忘れられなくてやってきた胡散臭い男←
それで判明した一子の亡き夫孝蔵の生き様。めちゃくちゃかっこよかったです!!
そりゃどんなに美人でも一筋で愛し続けちゃいますよね!
色んな意味でスカッとした作品でした。
一子が高齢だから心配ですけど、ずっと続いてほしい食堂だなぁと思いました。
私も行ってみたい!!

<角川春樹事務所 2015.8>H27.10.2読了

花野に眠る 秋葉図書館の四季 森谷明子5

花野に眠る (秋葉図書館の四季)花野に眠る (秋葉図書館の四季)
著者:森谷 明子
東京創元社(2014-11-28)
販売元:Amazon.co.jp

オススメ!
れんげ野原のまんなかにある秋葉図書館は、いつでものんびりのどか。新人司書の文子の仕事ぶりも、どうにか板についてきた。そんななか、図書館のお向かいの日向山から突然、白骨死体が…。誰が、どうして、こんなところに埋められていたのか?文子は、図書館の利用者が持ち込む、ふとした謎を解決しつつ、頼もしい先輩司書たちの助けを借りて、事件の真相究明に挑むが―。本を愛してやまない人の心をくすぐる、やさしい図書館ミステリ!

シリーズ第2弾です。この本が出ることを知って1冊目も読みました。
1冊目も面白かったけど、こちらの方が私は好きです。連作短編集になっているからですかね。全てが1つに繋がっていてそれも良かったです。
中学生の男の子が見つけたタイトルは一緒なのに違う本だと思う謎や落雁の箱に入っていた印の謎。秋葉さんの家の裏山から発見された白骨死体…
最後がなかなかヘビーですけども^^;連作短編集の上に前作ともつながりがあったりして読んでいて面白かったです。でもそれもレファレンスに繋がっていて、やっぱり図書館って良いなと思いました。
特に気になった「ある小馬裁判の記」いつも利用している図書館で在庫であったので今度借りる予定です。真相が気になります。
図書館ミステリって素敵な言葉です。また続編が出てくれたらいいな。
文子の恋愛が成就するとは思えないけど^^;そちらの展開も気になります。

〈東京創元社 2014.11〉H27.2.3読了

れんげ野原のまんなかで 森谷明子4

れんげ野原のまんなかで (ミステリ・フロンティア)れんげ野原のまんなかで (ミステリ・フロンティア)
著者:森谷 明子
東京創元社(2005-03-01)
販売元:Amazon.co.jp

秋庭市のはずれもはずれ、ススキばかりがおいしげる斜面のど真ん中にたつ秋庭市立秋葉図書館、そこが文子の仕事場だ。無類の本好きである先輩司書の能瀬や日野らと、日がな一日あくびをしながらお客さんの少ない図書館で働いている。ところがある日を境に、職員の目を盗んで閉館後の図書館に居残ろうとする少年たちが次々現われた。いったい何を狙っているのか。(第一話 霜降―花薄、光る。)?のどかな図書館を優しく彩る、季節の移り変わりとささやかな謎。『千年の黙 異本源氏物語』で第十三回鮎川哲也賞を受賞した期待の新鋭が放つ、本好き、図書館好きに捧げる受賞第一作。

ずっと気になっていた作品。でも読めていませんでした。最近続編が出たことを知り、ついに手に取りました^^も〜早く読んでいればよかった!面白かったです。
やっぱり図書館や本にまつわるお話は読んでいて楽しいです。
連作短編集になっているのですが、一つの章ごとに一つ季節が移り替わります。それも素敵です。
「第一話 霜降-花薄、光る。」小学生の男の子たちが何やら企んでいる模様。考えた計画は浅はかだけど、でも子供ながらに必死なんですよね。それは伝わりました。3人はこれから利用者になってくれそうで、それはうれしかったです。
「第二話 冬至-銀杏黄葉」文子がそこまで意気込む理由がわからずちょっと引いてました^^;別にそこまで意気込まなくていいじゃない?って思うんですけど…。可愛らしくも切ないお話でした。
「第三話 立春-雛支度」図書館に勤めていたことのある身としてはただただ鳥肌もののお話でした。こんなこと、してはいけません。それに利用者は借りていく人だけが利用者じゃないんですよ。でもこう思ってる人、いるんだろうなぁ…。
「第四話 二月尽-名残の雪」秋葉さんの家の中をのぞいてみたい。身の毛のよだつ、でも切ないお話でした。それにしても文子は不遇な恋をしてるね。でも私も身近にそういう人がいたらときめいちゃうかもなー。
「第五話 清明-れんげ、咲く」図書館の前にれんげ畑が広がっているなんて素敵です。でもこの作品が1番切なかったかな。能勢さん最後はナイスアイディア!なんだか素敵な未来が広がっていそうです。
どの章も図書館でよくある問題を取り上げつつ物語が展開していくのが面白かったです。
そろそろ続編が図書館から回ってきそうなので読むのが楽しみです。
…あぁ、やっぱり図書館で働きたいなぁ。

<東京創元社 2005.3>H27.1.20読了

しだれ桜恋心中 松浦千恵美3

しだれ桜恋心中しだれ桜恋心中
著者:松浦千恵美
早川書房(2014-10-24)
販売元:Amazon.co.jp

若手文楽人形遣いの屋島達也は、師匠・吉村松涛のもとで充実した修業の日々をおくっていた。そんなある日、達也は怪しげな魅力を持つ花魁の文楽人形「桔梗」を見つける。桔梗は『しだれ桜恋心中』という演目専用に作られた、特別な人形らしい。だが、約60年前に『しだれ桜恋心中』が上演された際、技芸員が次々と不審死を遂げていたことを知り、達也は桔梗に近づくことを恐れはじめる。一方、補助金削減問題に揺れる日本文楽協会は、『しだれ桜恋心中』を呪いの演目として興行し、観客を呼びこもうとするが…。一つの演目に込められた想いが引き起こす悲劇を描いた、第4回アガサ・クリスティー賞受賞作。

アガサ・クリスティ賞受賞作は気になって割と読んでいるのですが、今回はまー凄いですね^^;言い方が悪いですがよくこの作品が選ばれたなぁ…という…。
物語は面白かったんですよ。
でも冒頭が若者の死体が発見されたところで一緒に人形があるなんて意味深な感じから始まるからちゃんとした真相があると思うじゃないですか。そしたらミステリじゃないっていう^^;良いの?ねえ良いの?←
過去の話は達也目線で書かれていて、凄く良い子なのに死んじゃうんだと思ってしまってちゃんと読めなかったかも…。
この結末は賛否両論あるでしょうねぇ。
でも、私は嫌いじゃないです。
ただミステリかというと違うような気がしますけどね^m^

〈早川書房 2014.10〉H26.12.15読了

警視庁「女性犯罪」捜査班 警部補・原麻希  吉川英梨5

警視庁「女性犯罪」捜査班  警部補・原麻希 (宝島社文庫『日本ラブストーリー大賞』シリーズ)警視庁「女性犯罪」捜査班 警部補・原麻希 (宝島社文庫『日本ラブストーリー大賞』シリーズ)
著者:吉川 英梨
宝島社(2014-09-04)
販売元:Amazon.co.jp

一家四人惨殺事件に仕掛けられた、ミスリーディングに気付けるか! ?
初動捜査で浮かんだのは、殺されたアイドルタレントのストーカーをしていた男だった――。
「女性犯罪」捜査班に異動となった原麻希が、新たな難事件に挑む!
奥多摩の陶芸家宅で起きた、一家惨殺事件。殺されたのは十六代目繁田庄三衛門とその妻・恵美、そして双子の娘・瑠衣と芽衣だった。瑠衣は人気アイドルグループの一員で、瑠衣のストーカーによる犯行、瑠衣をねたんだ芽衣による犯行、江戸時代から続く由緒ある陶芸窯の跡取りの座を巡っての犯行と、犯人が絞り切れないまま捜査は進む。
そんななか、麻希は捜査の進行状況が、真犯人によって仕組まれた方向へと進んでいることに気づき……。真犯人によるミスリーディングに翻弄される女性犯罪捜査班。かつてないタイプの知能犯と麻希の駆け引きも見どころの、ハラマキシリーズ最新作。

前回でシリーズが終わってホッとしていたのだけど、新シリーズがスタートしたんですね。前回から4年後くらいかな?
上司の妹尾から離れて女子班に配属になったハラマキ(こういう書き方したら怒られそうだけど)相変わらず凄まじい行動力と判断力。読んでいて面白いです。
新たに配属になった夢美も麻希を信頼してついて行ってる姿に好感を持ちました。最後の言葉が非常に可愛かったです^^
事件に関しては警察同様私も犯人に振り回されましたけど、ホントひどいわ…
こういう頭脳犯を読んでいると私はいつも「模倣犯」のピースを思い出します。
緻密な計画を練り上げて完璧な犯罪を目指すのだけど、確かに人間味の部分や愚かな部分を露呈されると一気に崩れますよね。頭だけよけりゃいいってもんじゃないっていう事が分かります^^;
イライラしっぱなしでしたけど、最後はスカッとしました。女性班もみなさん素敵です。
亜矢子がだんだん本性を現しているのとかかっこよかったし、織江も上司らしくてかっこいいし。女性が男性に負けじと頑張る姿はやっぱりいいですね。特に男社会な仕事だと。
これからもこのシリーズを読んでいきたいと思います^^
にしてもハラマキさんは30代でおばあちゃんになったのね…

〈宝島社 2014.9〉H26.11.19読了

ぶらりぶらこの恋 吉川トリコ3

ぶらりぶらこの恋ぶらりぶらこの恋
著者:吉川トリコ
幻冬舎(2013-08-09)
販売元:Amazon.co.jp

死んでくれないかな。ぶらこは時々、最愛の人の寝顔を眺めながら物騒なことを考えている……。おいしいものきれいなものに目がなくて、気分に大きく左右される、宙ぶらりんのぶらこさんこと野中るり子。ピアニストとして雇われていたバーで、平岡宗介に出会った。るり子と性格は正反対の、真面目なセールスエンジニア。朝食を作っていっしょに食べること。という条件でいっしょに暮らし始めて二年。温まった布団の上で毎朝じゃれ合い、おいしいお米とぬか床から取り出した新鮮な野菜を一緒に食べていると、ぶらこは恍惚を感じる。保守的な土地・名古屋の女友達には、「このへんで手を打っといたほうがいい」と強く言われるが、結婚を申し込まれても踏ん切りがつかない。大好きなピアノが弾けて、好きな人と一緒に暮らしているだけで十分幸せ。でも、自分が開いているピアノ教室で、心ざわめく出来事が起こり……。きちんと将来をイメージできて、着実な人生を設計できる女にはなれないるり子が、葛藤しながら自分の道を探し続ける極辛恋愛小説。

吉川さんの作品が好きでちょこちょこ読んでいるのですが、この主人公に共感は全くもてなかったなぁ…面白くないわけじゃないんだけど…。こういう人は私は絶対友達になりませんし、男関係がだらけてる人は大嫌いです←
宗介との関係がとても可愛らしくてそれ以上何を望むの?としか思えませんでした。
暁生が登場してそういう事になるのかと思ったらまさかの展開に唖然…
そして最後のるり子の状況…もう何もかもが納得がいかない。
恋愛経験が少ないからそう思うんでしょうか。
それとも皆さん破廉恥な!って思うんでしょうか^^;
何だか…あまりにも宗介が不憫でなりません…
物凄く悶々とした気持ちのまま読み終えました^^;

〈幻冬舎 2013.8〉H26.11.13読了

太陽がもったいない 山崎ナオコーラ4

太陽がもったいない (単行本)太陽がもったいない (単行本)
著者:山崎 ナオコーラ
筑摩書房(2014-07-12)
販売元:Amazon.co.jp

山崎ナオコーラさん、待望のエッセイ集です。舞台は自室のベランダ。そこで起きた、愛情の暴走とは?ドラゴンフルーツ、除虫菊、バジル、朝顔、ミニトマト、ゴーヤーetc.etc.
スズメも毛虫もやってきて、まるでそこは世界のミニチュア。
震災を経て、結婚をして、生と死を見つめた日々を、魅力あふれるイラストとともにつづる、デビュー10周年企画、第一弾です。
ちょっとイジワルだったり、シビアな現実認識が示されたり。一筋縄ではいかないナオコーラ・ワールドが堪能できるエッセイ集です!

以前「泥酔懺悔」という連作エッセイ集のなかに山崎さんの作品もあって、その本を読んで山崎さんの考えって共感できるなととても感じたので、読んでみました。エッセイなら小説よりも共感できるところがあるかなと思いまして。
この作品はエッセイ集ですが主に家庭菜園の話で、なのでその部分は理解できるところが少なかったです。残念^^;いかんせん私は家庭菜園をしていないもので…
ですが、実家や祖母の家では毎年畑で野菜を作っていて、一人暮らしをするようになってからはいつも大量にもらって重宝しています。長芋、枝豆、ほうれん草、大根、人参、さやえんどう、いんげん、きゅうり、ピーマン、茄子、トマト…まだまだありますがこのくらいで^^;
家庭菜園はやったらはまると言いますが私もそうなのかなー。私、植物はいつもからしちゃうんですよねぇ…。
カミコンで買った矢車草は何とか育ちましたけど…。
家庭菜園の話は共感は出来なかったけどちょいちょい出てくる毒は結構共感できました^m^愚痴を言う友人に対して「私はこう思うんだー」という意見に対しては色々こちらも言えるけど「お母さんが言ってたから」「おばあちゃんがこういうから」って前置きで言われたら意見なんてできないですよねー。それは分かる。本当に相手は聴いてほしいんでしょうね。言いたいだけなんですよね。
山崎さんがご結婚されていたとは知りませんでした。書店員さんだけどそれがきっかけであの作品が出来たのではなく、逆だと。はい、わかりました。確かに変に勘違いされるのって嫌ですよねー。
ネット社会でも揚げ足を取るような風潮に対しても書かれていましたけど、私もそう思います。私もブログをやっていて嫌な思いをしたことがありますし…難しいですよね。言葉って難しいです。
あとがきを読んで、とても悲しくなりましたけど、でも幸せになりたいって言っちゃっていいと思います。私は幸せになりたいです。
世界が長く続いていくことを私も望んでいます。

〈筑摩書房 2014.7〉H26.7.28読了

ミドリのミ 吉川トリコ4

ミドリのミミドリのミ
著者:吉川 トリコ
講談社(2014-06-19)
販売元:Amazon.co.jp

重田ミドリ、小学3年生。住み慣れた街を離れて父・広の新しい恋人―平野源三―の家に転がりこんだ。そんな事実を受け入れられないミドリの母・貴美子。だから離婚話もなかなか進まない。でも進まない理由はそれだけではなく―。よのなかにあふれる“ふつう”からほんの少し外れたところにいるミドリたち。口に出してしまったら、何かが変わってしまう、何かが壊れてしまう、そんなおそれを抱きながら生きる彼らに訪れた、幸せの結末とは。

吉川さんの作品はなんとなく不思議な設定が多いですね。
それでもリアルでふいに胸を抉られるような感覚に陥る。
今回の家族模様も独特で。それでいてみんなの気持ちが分かるような。表現するのが難しい。
それぞれの章でミドリ、広、源三、貴美子、花世の目線で描かれています。
1番広がダメ人間だったな←
もういちいちイライラして、貴美子も源三もどうしてこんな男に惹かれたのか全く意味が分からなかった(辛辣)空気読めないしいい加減だし。
家族の話、この本は変わってるから大丈夫かなと思ったけど読んでいて辛かったなー。
私は別に変わった家庭ではなかったけど、最近家族についてよく考える。
親の期待に応えるのが良いのか自分がやりたいようにやるのがいいのか。
ミドリがお母さんの前で良い子にしてるのが健気だった。その姿をお母さんが求めてるって分かってるっていうのが可哀想でした。
母親の貴美子は余裕がない女性だと思う。でも貴美子だけが悪いわけではないと思う。あんな家庭環境で育てば自分が力を蓄えて生きていかなければって思うよね。それは凄く分かる。私も似たようなことを考えているから。ただ、夫と子供が出来たのならば譲歩も必要だと思うけど。貴美子の考えは度を超えて独りよがりになっていました。
読み終えた後にもやもや色々考えてしまいました。
でもそれがダメなんじゃなくて家族って何?って自問自答するような感じ。
自分も家族について考える機会がここ数年凄く多くて。だからなおさら読んでいて辛かったです。考えても答えなんて見つからないのにね。

〈講談社 2014.6〉H26.7.7読了

就職相談員蛇足軒の生活と意見 松崎有理5

就職相談員蛇足軒の生活と意見 (角川書店単行本)就職相談員蛇足軒の生活と意見 (角川書店単行本)
著者:松崎 有理
KADOKAWA / 角川書店(2014-05-31)
販売元:Amazon.co.jp

研究者志望のシーノは就職にあぶれ、嘘の家元にして特殊就職相談員、蛇足軒の秘書となった。やってくる妙な求職者たちに、あざやかな詭弁で次々と適職を与える蛇足軒。それを見ているうちにシーノは……!?

前回読んだ「代書屋ミクラ」が面白かったので、新刊を読みました。
いやー…面白かった…。
今回も主人公は蛸足大学の卒業生シーノ。前回の「出すか出されるか法」といい、今回の博士増員十万人計画といい、面白い法案が飛び交いますね。
その計画の世代に生まれたシーノはホラホラ属分類という更にマニアックな研究をしており、27歳女性独身。博士までとって9年も勉強してきたのに職は皆無。
そこでふらりと立ち寄った場所で見つけた一枚の貼紙。無口な人歓迎という求人広告でした。
そこでシーノは研究職の道を諦めずに探しつつ、この蛇足軒で働くことになります。
ここには特殊能力を持った人たちがやってきて家元に就職先を求めてきます。
その能力も面白いし就職先も面白い。
ゆっくりとした時間が過ぎていくような文章なのですがそれが良いです。
シーノ自身も悩み考えて少しずつ変わっていきます。
この子本当にしゃべっているんだろうかっていうくらい喋らないですが^^;
最後の最後の言葉だけ、かぎかっこがついているのがいいな。
人と人との関わりって良いなと思った作品でした。
蛸足大学自体も気になるし、松崎さんの文章がとても好きなのでこれからも読んでいきたいと思います。

〈角川書店 2014.5〉H26.6.25読了

豆の上で眠る 湊かなえ5

豆の上で眠る豆の上で眠る
著者:湊 かなえ
新潮社(2014-03-28)
販売元:Amazon.co.jp

行方不明になった姉。真偽の境界線から、逃れられない妹――。あなたの「価値観」を激しく揺さぶる、究極の謎。私だけが、間違っているの? 13年前に起こった姉の失踪事件。大学生になった今でも、妹の心には「違和感」が残り続けていた。押さえつけても亀裂から溢れ出てくる記憶。そして、訊ねられない問い――戻ってきてくれて、とてもうれしい。だけど――ねえ、お姉ちゃん。あなたは本当に、本物の、万佑子ちゃんですか? 待望の長編、刊行!

「告白」を読んで以来の湊さんです(アンソロジーを除く)テレビで紹介されているのを見て、気になって久しぶりに手に取りました。
以前この本のインタビューで湊さんが「親は子供のためなら命を懸けられるというが、姉妹ならどうだろうか」とおっしゃっていたのが印象的で。
正直、私は命は懸けられない。し、懸けたくないと思います。
続きが気になって一気読みしてしまいましたが、結末まで読んで何だかもやもやした感じです。それはストーリーがということではなくて、自分の中にある姉妹の形や過去、現在の自分と妹、親の関係をいろいろ思い出して暗くなって気持ち悪くなってきたからで^^;
最後まで読んで、本当に可愛そうだったのは結衣子だったなと思いました。
姉がいなくなり、それだけでも辛いのに、母親に利用され、利用されたことで友達を失い、危ない目にもあって。そしてそんなに協力したにもかかわらず真実を告げられずにいた13年。
子どもだから分からないとでも思っているんでしょうか。この物語の中にも書かれていましたが、おとなは子供の時に感じたことを忘れているんでしょうか。余りにも可哀想で、読んでいて辛かったです。
これから結衣子はどうなっていくのだろう。時間がかかってもすべてを受け入れて、ちゃんと自分の道を歩んでいってほしいなと思いました。

〈新潮社 2014.3〉H26.6.17読了

天使の柩 村山由佳5

天使の柩 (天使の卵)天使の柩 (天使の卵)
著者:村山 由佳
集英社(2013-11-05)
販売元:Amazon.co.jp

「世の中がどんなにきみを責めても、きみの味方をするよ」14歳の少女・茉莉(まり)が出会った20歳年上の画家――その人の名は、歩太(あゆた)。望まれない子どもとして育ち、家にも学校にも居場所がないまま、自分を愛せずにいる少女・茉莉。かつて最愛の人・春妃(はるひ)を亡くし、心に癒えない傷を抱え続けてきた歩太。公園で襲われていた猫を助けようとして偶然出会った二人は、少しずつ距離を近づけていく。歩太、そして彼の友人の夏姫(なつき)や慎一との出会いに、初めて心安らぐ居場所を手にした茉莉だったが、二人の幸福な時間はある事件によって大きく歪められ――。『天使の卵』から20年、『天使の梯子(はしご)』から10年。いま贈る、終わりにして始まりの物語。

村山さんご本人もおっしゃっていましたが、まさか歩太と夏姫が30代になるまでシリーズが続くとは思いませんでした。でもこれが本当の完結なんですね。
村山さんの作品はそれほど読んでいませんが、作風から白村山、黒村山と呼ばれているそうですね(乙一さんもですが)
この作品はもう究極の白!まぁ〜〜っしろです。
凄くできすぎた感がなくはないんですけど^^;でもこのシリーズはこれでいいんだ!このままでいさせて!と思います。
正直30代まで出す必要があるのかと思いましたが、この作品はこの作品で好きでした。
家にも学校にも居場所がなく、祖母が生きている間散々罵られて生きてきた茉莉。自分の顔を見るのが大嫌いで、自分は望まれないで生まれてきたと思ってる。たった14歳なのに、大きな陰を背負っていて、読んでいて切なかったです。夏姫が言うように、もっと14歳らしく甘えればいいのにと思いました。
茉莉が歩太やザボンを守るために取った行動は、健気だけど浅はかで、茉莉にはちゃんとした大人が傍にいて助言をしてあげないとダメだと思いました。本の知識が多く備わっていて頭のいい子だからなおさら。
だから、歩太や夏姫に出会って本当によかったと思います。
歩太も、茉莉と出会ったことで春妃とのことに関してもちょっと決別した部分があったように思うし。
にしても途中でもしかしたら歩太と春妃の間に生まれるはずだった子ってもしかしたら生きてたら茉莉と同い年!?それって凄く運命だな!と思っていたら微妙に違って肩すかし^^;まあ、そこはいいんですけど。
前作はどちらかというと夏姫の物語だったので、歩太の物語を見ることが出来てよかったと思いました。
最後の歩太のお母さんの言葉にちょっとむふふと思いつつ、でもそれはまた別の物語で、きっと読者が自由に想像していく物語になるんだろうなと思います。

〈集英社 2013.11〉H26.1.6読了

昼田とハッコウ 山崎ナオコーラ3

昼田とハッコウ昼田とハッコウ
著者:山崎 ナオコーラ
講談社(2013-09-26)
販売元:Amazon.co.jp

若者に人気の町・幸福寺にある本屋さん「アロワナ書店」。地域密着型のこの書店で、三代目・ハッコウは名ばかりの店長となった。その頃、ハッコウのいとこの昼田は、六本木ヒルズのIT企業に勤めていた。店内でぶらぶらするだけのハッコウと、店から距離をおいて会社勤めをする昼田だったが、書店の危機に際し、二人でゆっくり立ち上がる。

山崎さん、長編は初読みです。
以前何人かの女性作家さんがエッセイを書かれている本の中で山崎さんの作品を拝見して、とても共感できたので新刊を読んでみることにしました。
この本いろんなところで宣伝されていますよね。「王様のブランチ」でインタビューされているのも見ました。
その中で昼田は会社を辞めて本屋を手伝うっていう内容紹介があったんですけど、辞めるのが結構先であれ?と思ったり、東日本大震災が起きて大きな変化が起きるって書いてあるんですけど確かに変わったけどそこまで大きくないかなぁなんて思ったり。
あらすじはやっぱりざっくりだから信用しないほうが良いですね^m^
とにかく前半が長くて読むのに苦労しました。大きな展開があるわけではないので読み進むのに凄く時間がかかりました。雰囲気が良いなと思う部分はあったけど、何となく兄弟の会話が不毛だったりイライラしたりしてどういうこと?と思う部分も結構あってなかなか溶け込みませんでした。
特にハッコウが私はダメです。正直苦手なタイプです。やればできるのに努力しない人ってヤ。まあ少しずつ変わっていくのだとは思いますけども。
結構色々書いちゃっていますが^^;
良いなと思う部分もありましたし、書店は大好きなので読んでよかったと思います。
私はどんな本屋さんも好きだけど、こういう個人経営のお店はなくならないでほしいなと思いました。

〈講談社 2013.9〉H25.11.28読了

代書屋ミクラ 松崎有理5

代書屋ミクラ代書屋ミクラ
著者:松崎 有理
光文社(2013-09-19)
販売元:Amazon.co.jp

北の街・蛸足大学を卒業したミクラは、先輩に拾われて「代書屋」稼業を始めたばかりの見習いだ。その内容は、研究者のため、彼らの書く論文を代わりにまとめること。新しい依頼が舞いこむたびに、なぜか素敵な女性と出会ってしまうミクラだが、依頼者は曲者揃いで内容も厄介なものばかり。果たして、恋も仕事も成功できるのか?第1回創元SF短編賞を受賞した新鋭の、ユル〜くてほっこりした物語。心ゆるくなる連作短編集。

初読み作家さんでした。タイトルに惹かれました。
この作品の世界の中では「出すか出されるか法」が施行され、三年以内に論文を出さないと退職しなければいけないことになり、論文の代筆をする職業が成り立っています。ミクラはその仕事の駆け出し。
その仕事内容も面白かったです。論文内容がバラバラで内容を知ることだけでも面白かった。バラバラなのに書けるなんてすごいなーと思う。実際もできるものなのかな?
さだまさしさんは高校生の時に大学生の論文を書くバイトをしてたって言ってた気がするけど^m^
それにしてもミクラが不憫でしょうがない。
全部で5本の物語があるのだけど全てで素敵な女性と出会うのだけど全部玉砕しているっていう…内容も不憫すぎてよくくじけないなと思うくらい^^;
それでもミクラは最後に答えを見つけて、ちょっとは前向きになって、いつの日か彼女ができるんじゃないかなと思います。ミクラ頑張れ。

〈光文社 2013.9〉H25.11.22読了

ルビイ 女性秘匿捜査官・原麻希 吉川英梨

ルビイ 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)ルビイ 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)
著者:吉川 英梨
宝島社(2013-07-04)
販売元:Amazon.co.jp

警視庁・捜査一課勤務の原麻希は、娘の菜月が史上最凶の犯罪脚本家である背望会リクルーターの娘と交流を持っているのではないかという疑いを持つ。さっそくリクルーターの娘が通う私立東山小学校に向かった麻希は、平日にもかかわらず、校内に誰もいないことに気付く。忽然と姿を消した全校児童たちの行方は――!?そして、パレスチナに逃亡したはずのリクルーターがじつは国内にいることが判明し――。女性秘匿捜査官・原麻希がシリーズ最大の難事件に挑む、警察小説シリーズ、堂々の完結編!

ようやく、ようやく終わりました。
ずっともう解放してあげてと思っていて、ようやく一段落ついた感じです。
冒頭が7年後のストーリーだったので結末がわかった状態で読み始めましたが、それでも面白くて読む手が止まりませんでした。
今回の事件もリクルーターがかかわっています。
自らが手を染めず、人を取り込んで事件を起こさせる人間。
金田一少年の事件簿の高遠遙一を思い出しました。
でも彼と違うのはあそこまで人を殺すということに冷酷になれないところでしょうか。
最後にようやく終わったとは思ったけど、今まで非道に数々の事件を起こしてたくさんの人を殺してきた人間としては最後やたらと温かみがあって、納得したような腑に落ちないような…という部分もなくもなかったですけども。
それでも面白かったです。

〈宝島社 2013.7〉H25.10.8読了

月下上海 山口恵以子5

月下上海月下上海
著者:山口恵以子
文藝春秋(2013-06-21)
販売元:Amazon.co.jp

スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子は、戦時統制下の日本を離れ、上海に渡った。謀略渦巻く魔都・上海で、多江子が出会う四人の男たち。憲兵大尉・槇庸平、民族資本家・夏方震、医学生ながら抗日運動に身を投じる黄士海、そして多江子の前夫・奥宮瑠偉。いま、運命の歯車が回り始める―。第20回松本清張賞受賞作!

松本清張賞受賞作ということで手に取りました。最近この賞は相性が良いなと思いまして^^と言っても読んだのは2冊目ですけども。
そして読んでみて、やはりよかったです。
始めは時代背景が昔だったので入り込むのに時間がかかった事と内容が難しくて^^;読み進めるのに時間がかかったのですが、途中からはもうあっという間でした。
何だか映画か何かを見ているようなその時代の雰囲気が頭の中に描かれるようなそんな感覚でした。
とにかく主人公の多江子が魅力的です。あらすじが「スキャンダルを逆手に取り人気画家にのし上がった財閥令嬢」から始まりますから^^;傲慢なお嬢様なのかななんて思いましたけど、全然そんなことはなくて聡明で優しい女性だと思いました。でも芯がめちゃくちゃ強くて強いだけではない魅力的な女性だったから敵すらも味方にしてしまうものがあったんでしょうね。
真木も夏も士海も結局は多江子に魅了されていましたから。
ただ、瑠偉だけは何だろうなぁ…というもやもやが残る感じです。離したくないからと多江子がやってはいけないことまでやってしまったことが原因ではあると思うけど、それでも多江子を想うと切なくてしょうがなかったです。
最後の最後までそこまで大きな展開があるわけではありませんでしたが、ラスト1ページまで読み終えた後にずっと余韻に浸っていたいと思う作品でした。

〈文藝春秋 2013.6〉H25.8.22読了

以下、結構ねたばれなあらすじです^^;
続きを読む

バージンパンケーキ国分寺 雪舟えま4

バージンパンケーキ国分寺バージンパンケーキ国分寺
著者:雪舟 えま
早川書房(2013-05-10)
販売元:Amazon.co.jp

女子高生のみほは、おさななじみの男子・明日太郎が、親友の久美と付き合い始めたことに、経験したことのない想いを抱く。そんなとき、町で不思議なパンケーキ屋さんに出逢う。店主のまぶさんが魔法のように作り出すパンケーキを食べ、みほはある決意をかため…。女子高生、白髪あたまの雲の写真家、旅行中の外国人女性ふたり組、訪れたすべての人が幸せに。ここは三百種類ものパンケーキと、温かな笑顔が集う場所。「バージンパンケーキ国分寺」へようこそ。

タイトルとあらすじを読んで気になったので手に取りました。初読み作家さんです。
会話の雰囲気が最初慣れないなぁと思ったのですが、それよりもストーリーに引き込まれて途中から忘れていました。
みほと明日太郎の関係が良いなと思いました。友人以上恋人未満っていう感じかな。お互いに気になっているけどでも恋愛まではいかない。恋愛とはまた違う、お互いが気になる存在。その2人の間に入ってきた久美。誰も悪いわけではないのだけど微妙な関係になって3人がそれぞれ関係性について模索していきます。
青春ですねぇ…その言葉だけで片付けちゃいけないとは思いますが。
店主のまぶさんはつかみどころのない人だなと思ったけど、パンケーキ屋さんを始めたきっかけが素敵すぎます。でも、切ない。凄く切なかった。
陽炎子さんの占い師への道も切なかった。でも温かさも感じました。
最後の意味は何だったのでしょう。私はちゃんと理解できていなかった気がします。
よく分からないけど、別の世界でまぶさんが大好きな人と一緒にいられたら良いなと思います。

〈早川書房 2013.5〉H25.8.20読了

さきちゃんたちの夜 よしもとばなな5

さきちゃんたちの夜さきちゃんたちの夜
著者:よしもと ばなな
新潮社(2013-03-29)
販売元:Amazon.co.jp

失踪した友人を捜す早紀(さき)。祖父母秘伝の豆スープを配る咲(さき)。双子の兄を事故で亡くした崎(さき)の部屋に転がり込んだ、10歳の姪さき……。いま〈さきちゃん〉たちに訪れた小さな奇跡が、かけがえのないきらめきを放つ。きつい世の中を、前を向いて生きる女性たちに贈る、よしもとばななの5つの物語。

よしもとさんの本を読むのは久しぶりだなーと思って調べてみたら読むのは9年振りだったみたいです。びっくり。今までも読もうと思った作品は何冊もあったのですが。
この作品は以前「王様のブランチ」で紹介されていて実際にばななさんが出演されて作品についてお話しされていたのを聴いて興味を持ちました。
良かった。どの作品もやさしくて素敵な作品ばかりでした。
「スポンジ」早紀と飯岡が作家で早紀が編集者として担当していた高崎を捜しに行く話です。早紀が結婚して子供が出来て2人とは離れてしまっていたけど、3人が集まって一つの作品を作り上げる雰囲気が好きでした。最後も諸々良かった。
「鬼っ子」紗季の伯母が亡くなったと知り紗季は伯母が最期に住んでいた宮崎の一軒家に向かう。そこにはたくさんの鬼っ子たちが。そして紗季へあてられた手紙に、近所に住む黒木さんがいました。親兄弟から離れてたった一人で生きてきた伯母さん。世間知らずで人に迷惑をかけるような人ではなくて、たくさんの人に支えられ支えてきた人なんだと思ったら何だか私まで温かい気持ちになりました。
「癒しの豆スープ」祖父母が亡くなったことで毎週土日の午前中に近所に無料でふるまっていた豆スープがなくなった。そこで離婚した咲の父母が復活させようと奮闘します。1度離れてしまった夫婦が離れてから再び話をし、共同作業をしていくことでいろんなことを振り返ります。離れて分かることもたくさんあるんだろうなーなんて読んでいて思いました。それは咲が大人になったからというのもあるんだろうけど。咲が父親の新しい奥さんに逢いに行ったところが好きでした。
「天使」保育所に勤める沙季は近くに出来たビストロに通うようになり、そこに勤める鈴木さんと付き合うようになります。いきなり元奥さんに罵倒されるところから始まるので、不倫なのかと思ったらそういうわけでもなく。読んでみたら奥さんが別れたことを後悔して僻んでるのかな?なんて思ったのだけど。鈴木さんの天使論はびっくりしたけど、でも沙季が人間だと分かっても変わらず愛している姿が好きでした。
「さきちゃんたちの夜」双子の兄を失った崎とその兄の娘のさき。2人の一晩だけのおとまりがかわいかったです。私もきっといつか一人が楽で自分の生活領域に人が入ってこないでほしいって思うような気がするのだけど(あくまで予想)そう思ったときこそめんどうくさいと思うことが心地よく感じたりするのかなぁなんて思ったりしました。
ほしよりこさんの装画も素敵です。

〈新潮社 2013.3〉H25.7.21読了

エリカ 女性秘匿捜査官・原麻希 吉川英梨5

エリカ 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)エリカ 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)
著者:吉川 英梨
宝島社(2013-01-10)
販売元:Amazon.co.jp

警視庁捜査一課にて、史上最凶の“犯罪脚本家”である背望会リクルーターを逮捕するという使命を受けた原麻希のもとに、河川敷でリクルーターの自殺体があがったとの連絡が入る。他殺を疑い、捜査を続ける麻希。そこへ、テロ集団背望会のフォロワーを名乗る「続・背望会」から、背望会の黒幕であったアゲハの釈放を要求する脅迫メールが届く―。映像化でも話題となった、人気警察小説シリーズ最新作。

ネタバレあります

あ〜〜〜イライラする〜〜〜〜
と思いながらの読書でした。でもダメって言ってるわけではありません。
リクルーターとの闘いがもうあとちょっと、あとちょっと…っていうもどかしい部分がたくさんあったので。もう早く知りたい早く知りたい〜!!って思いながら読んでいたもので。
前作を読んでから結構経っていたので忘れかけていたのだけど、伊達警視正を何者なんだろうと訝しんで読み終えていたみたいです。しかも麻希が8人の部下を引き連れてリクルーターを追うということで終わっていたのだけど、今回アッサリその部下たちは恐れをなして逃げ出すという悲しい結末に…
でも唯一残った茶谷は多少難ありですけど良い刑事だと思いました。ちゃんと麻希についていけていたし。
伊達か茶谷が怪しいなとは思っていたんです。でも、どうつながってどう悪いのかは皆目見当つかなかったんですよね。
もう…色々絡み合いすぎていてちゃんと頭の中で整理しないと誰がどうつながっているのかわかりません…。
伊達が法務省から出向して現場主義で、でも実は元総理大臣の妾の子で苦労して…だからか一生懸命で部下のために自分の身も捧げて捜査する…でもでも実は…
っていう雰囲気が私はもう尾形さん(SP)しか想像できなくて…何だか想像してしまいました。そういえばSPでも伊達が登場したな…
色んな人の関係が垣間見えてきて、でもリクルーターは軽々と逃亡してしまって、それに旦那が加担していて、でもそれに怒っているわけではなくて…っていう最後がもうモヤモヤ…
今回で終わるのかなと思ったのだけど、終わらないですね…。
え!っていう終わり方だったけど、周りがそうさせないだろうな。
リクルーターと麻希はもう離れることが出来ないのだと思う。
それにしても茶谷の発言は面白かったな。
ハラマキさんが離婚して伊達さんになったらダテマキさんになるっていうくだり。
私も笑いました。
次当たりで解決するかなぁ…面白いんだけどモヤモヤが止まらない…。
それにもういい加減麻希を始め家族を解放させてあげたいです。

〈宝島社 2013.1〉H25.4.3読了

東京ネバーランド 吉川トリコ4

東京ネバーランド東京ネバーランド
著者:吉川 トリコ
実業之日本社(2012-07-19)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

波多野一人、通称ヒトリ。ふしぎな男。どうしようもなく恋しい男。五人の女性たちが出会ったひとときの夢物語。
「デリバリーサンタクロース」東大に合格した。フジロックのルーキー・ア・ゴー・ゴーで歌っていた。NYで個展を開いた。バンコクでトゥクトゥクの運転手をしていた。女をたぶらかして風俗に売り飛ばす、たちの悪い女衒をやっている――
そんな眉唾のような噂を中学生の時から纏っていたヒトリ。長いあいだ忘れられずにいた彼が、二十年近くのときを経て再び目の前に現れた。サンタクロースの姿をして……
「漂白シャネル」学生時代ずっと一緒にいて結婚すると思っていた本木と別れて以来買い物症候群に陥ってしまった奈緒。質屋にブランド物を売り食べ物にありつこうと思ったところに靴を見つけキャッシングしてしまった。また自己嫌悪に陥り帰宅するところで男性を拾った。ヒトリはいつのまにか居候するようになった。
「東京タイガーリリー」ナミは友人理亜無から何でも屋の存在を聞かされる。ナミはその何でも屋、ヒトリに誘拐してと頼む。占い師として有名になり娘そっちのけで働く母親に脅迫状を送るよう頼む。
「ウェンディ、ウエンズデイ」真知子は夫と2人の息子と暮らしている。夫を丸め込んで週に1度、脚本のカルチャーセンターに行くことにした。その時であったのがヒトリ。それ以来週に1度、真知子はヒトリと会うようになる。
「ティンカーベルは100万回死ぬ」母親が再婚した相手に連れ子としてやってきたヒトリ。タカコはヒトリと共に「ネバーランド」で働いている。ヒトリとかつてバンドをしていた今井が店にやってきて現実を突きつけられると、タカコは動揺してしまう。
「屋根裏のピーターパン」部屋の外に置かれていたものに、ヒトリは驚愕する。それを見てヒトリは途方に暮れた。でもヒトリはずっと途方に暮れていた。

以前「少女病」という本を読んでから気になっている作家さんです。
帯に女性書店員さんが読めばヒトリに惚れると書いていたけど、私はきっとこういう人は好きにはならないなぁなんて、元も子もないことを思ってしまった。
でも、どの女性にも言えることだけど、自分のこころの中に隙間があったら、そこに付け込んでスルリと入ってきたりするのかなぁなんて、ちょっと怖いことを思った。
10代にも30代にも見えるヒトリ。端正な顔立ちで歩いてるだけで周りの女性が見るんでしょうね〜。
好きだったのは最初の「デリバリーサンタクロース」かな。かつての中学生の同級生だったヒトリと鏡子。ヒトリがいた期間はとても短かったからきっと覚えていないんだろうなと思いつつ過ごす2人のクリスマス。何だか可愛かった。男性をデリバリーっていうのがなんですけど。
最後のヒトリの言葉にやられた。あれは確信犯ですよね。ずるいったら。
5人の女性たちがヒトリの事を物凄くよく言っていたけど、確かに傷を埋めてくれたのかもしれないけど、最後の「屋根裏のピーターパン」を読んでいたら何だかフツーの男の子だなと思いました。
ヒトリの役、あの人にやってほしいなぁっていうのがあるのだけど、批判があったら困るからやめておこう。映像化嫌いだって豪語してるし。でもまずふわっとした髪型にしないとね。

〈実業之日本社 2012.7〉H24.8.19読了

ご近所美術館 森福都5

ご近所美術館 (創元クライム・クラブ)ご近所美術館 (創元クライム・クラブ)
著者:森福 都
東京創元社(2012-07-27)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

オススメ!
平凡なサラリーマンの「ぼく」こと海老野が勤める会社の近所に、突如できた小さな美術館。居心地のよさと旨いコーヒー目当てに常連となった海老野は、引退した館長に代わってやって来た川原姉妹の姉・董子に一目惚れする。来館者から持ち込まれる不可思議な謎を解いて董子を振り向かせようと、生意気でオタクなその妹・あかねの力を借りつつ奮闘を重ねるが……。恋する一青年が、美術館専属の探偵となって活躍するほんわかミステリ連作集。
「ペンシル」小さな美術館の常連となり館長の西園寺と仲良くなったのだが体調を崩して辞めることに。代わりに雇われたのが西園寺の親戚の若い姉妹。海老野は姉董子に一目ぼれする。董子は前の職場の男性と付き合っていたがアルバイトの女の子と彼が一晩を過ごしたことで心を病み退職し、引きこもった生活をしていた。久しぶりに出かけた董子は財布を落としてしまう。数日後財布を拾った男性が届けに来たのだが、海老野の恋敵になることは間違っていなかった。
「ホワイトボード」常連客の一人に池谷妙子という女性がおり、杏奈という子供もいる。もう一人の常連客今野と一緒にいるときに池谷は女性っぽさが出てくる。しかし今は杏奈が気がかりだ。杏奈は数か月前、ある殺人事件の目撃者となっていた。
「ペイパー」美術館の向かいに建つカフェのギャルソン、伊福部が美術館にやってきた。いつも見かけていた老人を見なくなったため病気にでもなったのではないかと心配しているという。その老人に助けられたことのある伊福部はお礼を言いたいと思っていた。海老野たちがチロリさんと呼んでいたその男性は数日前にお礼を言って以来来なくなっていた。
「マーカー」船瀬という常連客には楓子という娘がいた。娘はおとなしいいい子だがよく謎を船瀬に吹っかけてくるのだという。今回も謎の文字が。船瀬は美術館で事件を解決した探偵と噂されている海老野にこの問題を持ちかける。
「ブックエンド」海老野の大学時代の後輩である実穂に久しぶりに再会した。その際に双子の片割れがいることを知り、海老野が関わったことで片割れ、詩帆と出会うことが出来た。すると2人とも別々にだが頻繁に美術館に訪れるようになった。ある日、テレビで観覧車が止まったニュースが流れ、実穂が巻き込まれていたのを知る。ニュースは詩帆も一緒に見ていた。それをきっかけに2人はパタリと美術館に来なくなってしまった。
「パレット」美術館開館1周年記念パーティをすることになった。常連客で楽しんでいる所へ董子とあかねが昔住んでいたところの近所のおばさん、寺西がずかずかと上り込んできた。パーティが盛り上がってきたところで、一つゲームをすることになった。
「スケール」あかねに彼氏ができたらしい。その男性となぜか海老野と川原姉妹が食事をした帰り、美術館前で2人の男性が倒れているのが見つかる。一人はかつての董子の婚約者の尾形。もう一人はすでにこと切れていた。男性はピッキングをして室内に侵入しようとしていたらしい。

森福都さん、初読です。お名前は拝見していましたが読むのは初めてでした。森絵都さんと名前が似てるなぁと思って・・・っていう覚え方は失礼ですよね^^;
今回タイトルに惹かれて読んでみました。
いやー面白かった。好きです私!
内容は日常ミステリ…なんでしょうか。で、ラブコメっぽい恋愛要素もあります^^;
主人公の海老野が館長である董子に惚れたことで美術館にさらに通うようになり、事件に巻き込まれていきます。
それにしてもこの海老野は真面目で一生懸命なんだろうけど若さゆえか報われない^^;
最大のライバルである南田に負けじと奮闘するもいつも玉砕している可哀相な人です。
でも、ミステリの解決は見事。なるほどな〜と思うものばかりでした。
若干無理やりというか出来すぎ…と思う作品もありましたけど、それでも幸せな気持ちになれるなら良いかなという気もします。
また似ていない姉妹がそれぞれ個性的で良いんですよね。姉、董子はとても美人ですが前の職場の恋愛によりひきこもりになり、今もやや臆病。一方の妹あかねははっきり言って太っていて同人漫画家。それなりの接客は心得ているしっかり者。
海老のんとあかねぶーの言葉の掛け合いがとても面白くてほほえましいです。
結末が何となく予想がついたけど、それでも何だか心がほっこりとして温かい気持ちで本を読み終えることが出来ました。
やっぱり東京創元社の本は面白いです。

〈東京創元社 2012.7〉H24.8.17読了

マリア 女性秘匿捜査官・原麻希 吉川英梨5

マリア 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫 『日本ラブストーリー』大賞シリーズ)マリア 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫 『日本ラブストーリー』大賞シリーズ)
著者:吉川 英梨
宝島社(2012-07-05)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

警視庁鑑識課に勤める原麻希は、奈良での失態を受けての謹慎中に、友人の離婚式で原田という刑事から相談を持ちかけられる。とあるアパートの一室で見つかった女性の自殺体が、他殺ではないかと言うのだ。現場に残っていたゲソ痕から、麻希は恵比寿の女子高へとたどり着く。そしてそこで、第二の事件と遭遇するが―。ついに宿敵リクルーターの素性が明らかになる!?映像化もされた人気シリーズ第3弾。

第三弾です。前作から話が続いてます。
麻希の娘菜月は反抗期?により麻希とは冷戦中。でもまあ、常に公安の目にさらされてると思ったらストレスも溜まりますよね。
宿題等に関しても勉強が出来ないわけじゃなくて母親に対する反発なんですよね。
麻希も言ってましたよね。「あなたのためを思って」正直それは子どもには負担ですよ。母親の常套句だとしか子供は思わないです。
一つの舞台となった高校の学長さん凄いですね。すべてを悟っているかのような…
いくつもの仮面をかぶっている学生の事もちゃんと分かっていて。
でも分かっていても本人が変わらなきゃ変わらないですよね。
犯人がしたことは許されることではないけど、本人だけのせいでは決してないと思う。
麻希もこの事件を通して菜月の見方も変わったようで良かったです。
少しずつ進展しているけど、次でクライマックスかな?
それにしても伊達は何者なんでしょう…。謎です。それも次回明らかになるのでしょうか。

〈宝島社 2012.7〉H24.8.11読了

スワン 女性秘匿捜査官・原麻希 吉川 英梨5

スワン〜女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)スワン〜女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)
著者:吉川 英梨
宝島社(2011-09-06)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

背望会テロ事件から一年。警視庁鑑識課・原麻希のもとに、公安部の広田達也から「背望会リクルーターの指紋が見つかった」という連絡が入る。捜査のため奈良県に向かったふたりのもとに、新たな事件の一報が。奈良県知事選候補者が誘拐され、身代金の運び屋には麻希が指名されたというのだ。またもや背望会の仕業なのか、それとも――!? 大阪府警vs.警視庁の熾烈な捜査バトルが繰り広げられる、人気長編警察小説シリーズ第2弾。

アゲハの続編です。アゲハであの事件は終わりで新しい事件の事かと思ったら繋がっていましたね。怖い怖い。
麻希と達也は奈良に向かい、そのまま事件に巻き込まれます。奈良県知事候補者の誘拐事件なのになぜか運び屋に麻希が選ばれる。
大きな事件になったために大阪府警が登場したのだけど、その女刑事がまーーーイケ好かない!オバちゃん情報を駆使してたくさんの警察官の弱みを握って大した階級でもないのに偉そうにして。自分に不利な状況になると相手の弱みをぶちまける。それがどんなことでも。その卑劣さが本当に嫌でした。
吾川さんの方がよっぽど刑事らしくて熱い男の人でした。この人の情報屋のほうが健全でしたよ。麻希といいコンビでした。吾川さんが言う「ハラマキちゃん」っていう言い方が好きでした。言っているのを聞いたわけじゃないのだけど。
それにしてもラストが怖い〜。怖いよ〜。
どうなっちゃうんだろう。菜月ちゃんは大丈夫かなぁ?大丈夫かなぁ!?
リクルーター怖いよ。ある意味マインドコントロールですよね。
自分の手は汚さずに計画だけを提案するなんて、まるで金田一少年の事件簿の高遠遙一のようだ…。
先月新刊が出て、手元にあるので近々読みます。気になる…。

〈宝島社 2011.9〉H24.8.2読了

アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希 吉川英梨5

アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希 (宝島社文庫)
著者:吉川 英梨
宝島社(2011-01-12)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

オススメ!
警視庁鑑識課に勤める原麻希は、ある日、子供を預かったという誘拐犯からの電話を受ける。犯人の指示のもと、箱根の芦ノ湖畔へと向かった麻希だが、そこには同じく息子を誘拐されたかつての上司、戸倉加奈子の姿があった。殺人現場に届く「アゲハ」からのメッセージの意味は? 誘拐は、麻希と加奈子の運命を変えた八年前の事件が関係しているのか?
女性秘匿捜査官・原麻希が社会の闇に挑む、長編警察ミステリー。

6月15日に放送予定だった2時間ドラマの原作です。オウム真理教の特番のせいで7月13日に伸びちゃいましたけど。
この作品は以前読んだ「しあわせなミステリー」の中でスピンオフとして登場し、その話が面白かったので興味を持ってました。ドラマ化されるのを知ったのはその後でした。
警視庁鑑識課に勤めているにも関わらず、捜査に必要なものをあれこれ発見するので捜査一課に重宝されている原麻希は何者かに娘と息子を誘拐されます。同じように子供を誘拐された戸倉加奈子と一緒に子供の行方を追います。
二転三転する犯人像に、怒涛の展開。もう読む手が止まりませんでした。面白かった!
今回起きた誘拐事件と殺人事件は8年前に2人がかかわった事件が絡んできます。
その絡み具合も見事です。でも、犯人は全然気づきませんでした。
確かにちょっと気になる部分はあったんです。こんなエリートの人が選ぶのにふさわしい相手じゃなさそうだなとか^^;
物語の展開としては現代と8年前の事件の絡みの過去と交互に進んで行きます。その中に伏線がいくつも敷かれています。もうそれが面白くて面白くて。
警察内部での出世のための争いが醜くかったり、だから道を踏み外してしまう気持ちも全く分からなくはないけど、それでも変わらず信念を持って事件の真相を暴こうとしたハラマキさんは凄いと思いました。彼氏が警察官になるからって警察官になった人とは思えない^m^きっと天職だったんですよね。寿退社はもったいないです。
始めに上がってきた犯人に関しては、アンソロジーを先に読んでいるために絶対に犯人じゃないだろうなと分かっていたのでそれがもったいなかったかなと思いました^^;
でもアンソロジーを読まなければこの作品とは出会えなかったので、結果良かったんですよね。
続編「スワン」も読みますよー。

〈宝島 2011.1〉H24.6.30読了

ダンス・ウィズ・ドラゴン 村山由佳4

ダンス・ウィズ・ドラゴンダンス・ウィズ・ドラゴン
著者:村山 由佳
幻冬舎(2012-05-25)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

「地獄だっていい。ふたりでいられるなら、地獄でいいの」
愛する人の顔を見るたびに甦る、濃密な哀しみ。でも、離れてはいられなかった――。
井の頭公園の奥深くにある、夜にしか開かない図書館。<龍>を祀る旧家に育った血のつながらない兄妹が、吹き抜けの読書室で時を経て再会した。互いの親に連れられ、初めて目と目が合ったとき、幼い妹はほろほろと泣いた。記憶と今を結ぶため、ふたりは哀しい秘密をのこした故郷を訪れる。
心は、とっくに一線を越えていた。
ファンタジーよりロマンティックで現実より生々しい、ひたすらな愛の物語。

村山さんの作品は久しぶりでした。どうも書かれる傾向が変わってから読もうという気が起きなくて…すみません。何だか…濃厚すぎて^^;別にカマトトぶっているわけではありません。
夜にしか空かない図書館に滝田オリエは求人広告を見て面接に来ます。でも、応募したのは一人だけの即日採用。オリエは選ばれるべくして選ばれたらしい。
いいな…この図書館、私も勤めたいんですけど。どっかに求人広告ないですか?私にも龍のお告げありませんか?←ヤメロ
この物語は4章に分かれていて、1章はオリエの話、2章は巽スグルの話、3章はスグルの妹、巽マナミの話、4章はキリコ+αという感じでしょうか。
それぞれ抱える問題が重すぎです…。オリエの問題は現実の問題なのだけど、それ以外の話は龍が絡んでいるのでどこか幻想的のようなファンタジーのような、御伽話のようでした。
マナミの大学の先生の宮前先生もなかなかいい味出してました。私もああいう先生が近くにいたら、悩んでいることを何もかもしゃべってしまうかも。
スグルは何だかうじうじしてましたねぇ・・・。何だかイラっとしましたけども。どうして全部知った後にああいう態度になるの。マナミの「地獄じゃ、いけないの?」という言葉がとても深く心に入っていきました。マナミの方がよっぽど現実を受け入れているなと思いました。
最後はいろんな捉え方がありますよね。私は正直もっとはっきりした結末がほしかったのだけど、これでいいのかなという気もします。

〈幻冬舎 2012.5〉H24.6.26読了

少女病 吉川トリコ4

少女病少女病
著者:吉川 トリコ
光文社(2011-08-17)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

この家には男はいない。ぶっ飛んでいる少女小説家の母・織子と、父親の違う三人の娘たち。「このまま一生処女で終えるのだろうか」と長女・都。「結婚を逃げ道にしている」「と次女・司。「欲しいばかりで、与えるより与えられたい」と三女・紫。四人の女たちが、自分の中の「少女」と大人になることへの折り合いをつけたりつけられなかったりする、吉川トリコの現代版「若草物語」。

そうか、若草物語がモチーフだったのか(遅)
大きな屋敷に母親と三人の娘が住んでおり、三人の娘は全員父親が違います。
家事の全般を長女の都がこなしています。都は32歳で1度も男性に振れたことがない。もう一生男性に触れることはないのではないかと思いつつも、王子様が現れてくれるんじゃないかという希望も捨てられない。
都のその夢見る夢子ちゃんの気持ちは物凄く分かって。あぁ、自分もやばいなと若干危機感を覚えました。心の中で思うくらいは良いかなぁ^^;
ただどこか現実離れしている姉妹だけどそれでもちゃんと現実的に考えている部分もあって。その現実部分を織子が乱してる感じでしょうか。
三姉妹はどこか現実離れしているけど共感できるところがあって、愛おしさも感じるのだけど、織子に関しては何一つ共感できなかった。香苗の言うとおり、妹のことも三姉妹のことも小説の一部くらいにしか思っていないんじゃないかなと思いました。妊娠に関しても復讐にしか感じなかったし。
でも、三姉妹に関してはそれぞれ幸せになってほしいと思いました。
私も都のように素敵な人に出会いたい。都が分かりやすく変わっていったところがまたかわいかったです。
でも、きっと男の人は何一つ共感できない内容なんだろうな…とも少し思う。

<光文社 2011.8>H24.1.22読了

しあわせのパン 三島有紀子5

しあわせのパン (ポプラ文庫)しあわせのパン (ポプラ文庫)
著者:三島有紀子
ポプラ社(2011-12-06)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

北海道洞爺湖畔の静かな町・月浦に、りえさんと水縞くんの営むパンカフェ「マーニ」があった。実らぬ恋に未練する女性・香織、出ていった母への思慕から父親を避けるようになった少女・未久、生きる希望を失った老夫婦・史生とアヤ……さまざまな悩みを抱えた人たちが、「マーニ」を訪れる。彼らを優しく迎えるのは、りえさんと水縞くんが心を込めて作る温かなパンと手料理、そして一杯の珈琲だった。映画界の俊英・三島有紀子による初の小説執筆作品。映画「しあわせのパン」から生まれた、とびっきり香ばしくて温かい物語。特別付録として絵本「月とマーニ」を巻末に収録。
「さよならのクグロフ」
香織にはとてもイケメンの彼氏、岡田がいた。二人で沖縄旅行へ行く予定だったのに空港に彼は現れない。香織は真逆の北海道へ行くことにした。
「ふたりぼっちのポタージュ」
未久のお母さんは出て行った。それ以来未久は父親を避けるようになる。母親が作ってくれた「かぼちゃのポタージュ」が大好きだったのに、もう食べられない。
「壊れた番台とカンパニオ」
史生は年上の妻が病気となり死に場所を求め、月浦の地へやってきた。
「カラマツのように君を愛す」
水縞はたった2度しか会っていないりえに「月浦で暮らそう」と言った。
東京で出会った二人が月浦へ移り住み、カフェマーニを開店させそして今。
今までのこと、そしてこれからのことが水縞の日記で綴られる。

映画の予告を頻繁に目にするようになり、この作品のことがとても気になっていました。
洋ちゃんが出ているっていうだけで興味を引かれるのだけど。といいつつ以前ずっと気になっていた「探偵はバーにいる」も結局見ていないのだけど^^;
監督さんが小説版も書かれているという事だったので読んでみました。
何となく想像していたけど、その想像以上にとても素敵で温かい作品でした。
やはりりえと水縞の雰囲気が良いです。とても暖かくて包んでくれるような雰囲気。
さりげない気配りも、人を落ち着かせているような気がする。
それぞれ人の悩みはあるのだけど、みんなマーニへ行くと次第に心を取り戻していくような。そんな感じがしました。
監督さんの書かれている作品だからかわかりませんが、もうりえさんと水縞くんがまんまあのお二人にしか感じませんでした。
そうか、水縞くんはかっこいい顔ではないんだ、でも親しみのもてる青年っていうのが洋ちゃんぽいなって思ったり。りえさんの微笑みは原田さんがにこって笑っているような感じがしたし。
にしても水縞くんとりえさんは夫婦のようだけどどこか距離が離れているような。でも、絆は深そうなような。何だか不思議な関係だなと思ったら最後の章の水縞君の日記を読んで驚きました。
そんな感じの2人の出会いでそんな感じで月浦に来たのかと結構驚く展開だった。
でも、それが良かったのかもしれないですね。
月浦で2人の関係を築いていけたのかなと思います。
2人のお互いへの言葉がとても好きでした。
2人の未来はきっと明るいと思います。
何だか読んでいる私まで癒された作品でした。
やっぱり映画観たいなぁ。

〈ポプラ社 2011.12〉H24.1.17読了

勝手にふるえてろ 綿矢りさ2

勝手にふるえてろ勝手にふるえてろ
著者:綿矢 りさ
販売元:文藝春秋
発売日:2010-08-27
おすすめ度:3.5
クチコミを見る

賞味期限切れの片思いと好きでもない現実の彼氏。どっちも欲しい、どっちも欲しくない。恋愛、しないとだめですか。
片思い以外経験ナシの26歳女子が、時に悩み時に暴走しつつ「現実の扉を開けてゆくキュートで奇妙な恋愛小説。3年ぶりの注目作!

綿矢さんの3年ぶりの新刊。私は読むのはカナリ久しぶり。
主人公が同い年で、何となく共感できるかなと思ったのだけど、やっぱり綿矢さんの作品は合わないなということを再認識しました。
何となく読みにくくて、主人公には全く共感は得られなかった。
オタクなことはかまわないけど、12年片思いをしていた子に対してだったり、告白されている男性に対してだったり、いちいち納得できない。
だいたい、同窓会を開く事も、東京組で会う事も、中学生の時に目立たなかった子がいきなりやろうとするかな・・・。
それに、処女とか、結婚願望が強いとか、簡単に言わないほうがいいよ。
信頼している人でも、そういうことは言わないほうがいい。
そして段々暴走してくる主人公だけど、最後に結局一緒になりそうなニの意思も分からない。
すみません、辛口で。

〈文芸春秋 2010.8〉H22.9.23読了

吉野北高校図書委員会3 山本渚4

吉野北高校図書委員会3 トモダチと恋ゴコロ(MF文庫 ダヴィンチ) (MF文庫ダ・ヴィンチ)吉野北高校図書委員会3 トモダチと恋ゴコロ(MF文庫 ダヴィンチ) (MF文庫ダ・ヴィンチ)
著者:山本 渚
販売元:メディアファクトリー
発売日:2009-12-23
おすすめ度:5.0
クチコミを見る

好きと友達の境界線は、どこ?
友達でいたいと言ったのは、自分なのに。それがいまさら、こんなにさみしいなんて……。
男友達の大地に彼女ができて動揺していたかずらに、藤枝はまっすぐ想いをぶつけてきた。あれから約1年。高校3年生になり、かずらは進路に悩んでいた。そして変化しつつある自分の想い。友達でいたいと、そう言ったのは自分なのに、いまさらそれをさみしいとおもうなんてと戸惑うかずらを、大地は、「女の子」として意識しはじめて……。好きと友達の境界線は、どこ? もどかしい想いの交錯する、人気シリーズ第3弾!

うぅ・・・甘酸っぱい・・・甘酸っぱいぜ・・・。
何だかいろいろ鈍いしもどかしいしで叫びたくなりました・・・
かずらも藤枝も大地も、いろいろいいたいことが満載でしたよ。
今回は大地も割りと登場。そして意外と鈍くて空気の読めないことが判明^m^
誰も教えてくれなくても、空気で察するべきでしょ。紳士?としては。
かずらの想いも鈍すぎやっちゅーねん。私は前作から気付いていましたよ。
でも、私もかずらと大地がくっつくものだと思ったら、違うんですね。
恋愛を超越した友情ってあるんだなと、2人を見ていたら思いました。
いいな、本の趣味が合う友達って。
本が好きでも、合わない場合が多いんですよね。
私もあまりいないです。すっごく合う人は僅かですね。
この話は、もう最終章なのでしょうか。
でも、まだ続きそうなあらすじですね・・・
展開がとても気になるので、卒業らへんのことを書いてほしいな。
にしても今回のツボは壬生っちの「走れメロスや娼年をブックカバーなしで読む男性は腐女子には萌える」っていう台詞かな。
わりと同感です^m^
ま、容姿にもよるけどねぇ(ひどい)

〈メディアファクトリー 2009.12〉H22.8.31読了

告白 湊かなえ5

告白
告白
クチコミを見る

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。
ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。
選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。

予約者が多すぎて、予約していたのすら忘れていたのですが、映画の公開日が明日というタイムリーな時に読めてよかったと思います。
でも、感想は上手くかけません。
これ程、命の重さや尊さを感じた作品はないと思います。
この作品がデビュー作とは思えないです。構造も文章も素晴らしかった。引き込まれてあっという間に読んでしまいました。
一つの事件によって起きた様々な出来事。
でも、それはきっかけに過ぎなかったのかなとも思う。
出てくる人みんな、どこかゆがんでる。どこかおかしい。
2人に課した制裁も、2人が反省するためには正しかったのか。
何が正しいのか、何も分からない。
読み終えても、心の中では納得できないまま、ずしんと何かが残っている気がします。
でも、それが嫌なわけではないのです。
この作家さんは素晴らしいです。他の作品も、読んでみたいと思います。

〈双葉社 2008.8〉H22.6.3読了

遥かなる水の音 村山由佳5

遥かなる水の音
遥かなる水の音
クチコミを見る

「僕が死んだら、遺灰をサハラに撒いてほしい」
パリの旅行代理店に勤める緋沙子は、若くして逝った弟の遺言を叶えるため、モロッコを旅することになる。
同行者は、弟の友人だった浩介・結衣という若いカップルと、中年のフランス人男性。資産家の彼はゲイであり、晩年の弟と同居していた。
互いを理解できないままに、さまざまな事情を抱えながら、4人は異国を旅する。
ムスリムのガイド・サイードも加わり、異文化に触れていくなかで4人は徐々に、互いの抱える問題や思いに気がついていく。
そんな折、仕事のトラブルから浩介がパリに戻ることになり・・・。
魂の拠りどころを求めて彷徨う男女の姿を通じて、同性愛、姉弟の愛など多様な愛のかたちを描いた意欲作。

ネタバレあります

村山さんの作品はほんっとうに久しぶり。読むのは4年ぶりでした。
別に避けていたわけではないんですけども。気付いたらそんなに経っていたって言う感じ。
この作品は、とても綺麗な作品でした。
言葉も、この旅自体も、周という青年も、サハラまでの道のりの出来事も、みんな。
でも、始めはジャン=クロードの事が嫌いだった。緋沙子に対する憎まれ口がイライラして。浩介も嫌いだった。結衣の想いを踏みにじっているような気がして。
読み終えた後は、そんな事は全く思わなくなってました。
自分の身も財産も何もかも全て捧げようと思っていた人に先立たれるのは、どんな気持ちなのか。私には想像できない。
ジャン=クロードの、最大の強がりだったんですよね。
本当に、ほんっとうに周の事を愛していたんだという事が伝わってきました。読み終えた後は、彼のその憎まれ口が、痛々しくて切なく感じました。
浩介が登場した段階で、周にとってどんな人か、想像がついたけど、こやつは絶対に気付かなそうだなと思いました^^;
結衣は気付いているだろうなと思ったら、やっぱり気付いていた。
周は、死んでからも後悔していたけど、浩介はともかく、結衣には伝えても良かったんじゃないかなと思いました。
そんな事を言っても、何もかもが遅いのだけど。
ハールーンという男性が、ほんの少ししか出てこないけど、印象的でした。
この人も素敵だけど、周が、死んでしまった弟に対する言葉がとても印象的。事実を言ったまでなのかもしれないけど、ハールーンはかなり、救われたんじゃないかな。
周の病気は、性病だったのかな。
病気については明らかにされていないけど、そんな気がする。
周は素晴らしい人。若くして亡くなってしまった事が悔やまれてならない。
そしてもう手遅れだけど、想いを愛する人に告げて欲しかったと思わずにはいられない。

〈集英社 2009.11〉H22.5.19読了

吉野北高校図書委員会2 山本渚3

吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋 (MF文庫 ダ・ヴィンチ や 1-2)
吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋 (MF文庫 ダ・ヴィンチ や 1-2)
クチコミを見る

「委員長の初恋」
図書委員長・ワンちゃんの憧れは、いつものほほんと穏やかにみんなを見守ってくれる司書の牧田先生。ある日、進路の事で家族と揉めたワンちゃんは、安らぎを求めて図書室へ。だけど、そこで出会った牧田先生の意外な素顔に動揺して・・・。
「希望の星」
提出しなければいけない進路調査票、かずらへの想いと微妙な関係に悩む藤枝は・・・。

前作に続いてあまずっぺーですね。
こんな純情な感情はどこへ行ってしまったのでしょう。
委員長の想いは好きだって気付いていないのとか鈍すぎ!
なんて可愛らしいのでしょう。
でも、人は見た目で判断しちゃいけないよ。
綺麗で穏やかな人がパンクを好きだっていいじゃないか。
25歳の女性がV6を好きだっていいじゃないか(あれ?)
にしても。
図書委員の幹部達は本当にみんな良い人ですね。
相手を思いやるし、アドバイスもするし、怒りもするし。
藤枝が将来について悩んでいたけど、それが普通ですよ。
高2で将来を決められるわけがない。
いや、いる人はいるけど。私も相当悩んだもんな。進学校だったから。
そういう悩む時期も、必要だったとは思うけど。
みんな、それぞれの道へ進みつつありますね。
藤枝も一念発起したけど、ぜんっぜん進展してねぇ^^;
甘酸っぱいなぁ。ピュアだなぁ。
またまた続編があるらしいですね。
みんなそれぞれどうなっていくのか、とっても気になります。

〈メディアファクトリー 2009.2〉H21.12.17読了
自己紹介
苗坊と申します。
生まれも育ちも生粋の道産子。読書とゲームとマラソンとV6を愛してやまないオーバー30です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。
過去記事にもTB、コメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
Categories
Archives
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

アクセス解析
記事検索
Recent Comments
ブログリスト
カウンタ





  • ライブドアブログ