苗坊の徒然日記

読書とV6をこよなく愛する苗坊が気ままに書いてます。 お気軽にどうぞ。

宮木あや子

手のひらの楽園 宮木あや子5



私はこの手で、どこまでいけるのかな―。夕陽ノ丘高校「エステ科」2年園部友麻の毎日は、なんだかとっても波乱万丈。美容科・看護科・調理科など職業に関わる学科が揃う「仕事を学ぶための高校」で、疲れたお母さんを癒すためエステティシャンを目指す友麻。実家が離島で寮暮らし、家は貧乏で、肝心のお母さんは行方不明でも、楽しい学園生活を満喫中!世間の価値観に振り回されず、素の自分のままで問題にぶつかっていく彼女がたどりついた場所とは―。オタク、ツンデレ、ギャル、ジコチュー…すべての青春を肯定する成長物語。

友麻は島の出身で生まれた時から父親がおらず、奨学金で高校に通っているため貧乏で、更に高校入学と同時に母親は島から出て行方不明に。そんな境遇であるにもかかわらず友麻はとても前向きで日々一生懸命に生きているなと眩しく感じました。
周りの子たちもちゃんと自分を持っていて、将来も見据えていてしっかりしているなと思いました。だからみんな言いたいことを秘めずに言っちゃうのかな。
2年生で同室になったこづえちゃんは友麻の事をあからさまに避けていて、始めはどうなるかと思ったけど、ちゃんと理由が分かるととても素直でいい子なんだなと思えました。
友麻の高校生活は専門学科だから少し特殊だけど、青春って感じでしたねー。
友麻に告白した男の子に関しても青春。でも、ちょっと真っ直ぐすぎて周りが見えてなさ過ぎて自分の事しか考えていなくて大人になれと思ったけど(言い方酷い)
越智の真っ直ぐすぎる友麻に対する意見もなぜか私も傷つくくらいに^^;酷いと思ったけど、わだかまりがないのはやっぱりみんな素直で言いたいことをちゃんと言えるからなんだろうな。
中でも友麻は本当に素直ないい子。
その真っ直ぐさを育てたであろう島の中には友麻に隠し続けていたこともあって不穏なこともあってそれが消えることは恐らくないのだろうけど…。でもそれは仕方がないで片づけないでほしかったな。それこそ仕方がないのかもしれないけど…。友麻のお母さんが可哀想すぎました。
読んでいて私も友麻には幸せになってほしいなと思いました。
それでも学校内でもそれ以外でも、味方がたくさんいるみたいで良かったです。冬休みのあれこれ、めちゃくちゃ楽しそうでした。西谷さんの「俺はしばらく死なないから」という言葉にじんわりしたし、こづえの兄の亨も格好良かったですね。
あっという間に読んでしまいましたが、読み終わるのがもったいないくらい、面白かったです。

<新潮社 2019.7>2019.8.19読了

あまいゆびさき 宮木あや子5

あまいゆびさき (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA ミ 15-2)あまいゆびさき (ハヤカワ文庫JA) (ハヤカワ文庫 JA ミ 15-2)
著者:宮木 あや子
早川書房(2016-10-06)
販売元:Amazon.co.jp

団地の隅のシロツメクサの野原で幼い少女たちは出会った。親が過保護すぎる純粋な真淳と、親にネグレクトされる大人びた照乃。正反対の環境で育った二人はたちまち惹かれあう。照乃が真淳に教えた秘密の遊びは二人の絆を強めたが、まもなく遊びが親に発覚して二人は引き離され……すれ違いと邂逅を繰り返し、傷つけ合いながらも互いを全てで求め合う少女たち。複雑で純粋な恋心と大人になるまでの軌跡を描く傑作恋愛小説!

ずっと積読になっていた本です。
内容から百合っぽいのかなぁと思ってはいましたけど、そういうくくりを作ってしまうのが何だか申し訳ないような失礼のような気がします。ただその人の事が好きなだけなのに。
照乃と真淳2人の幼いころからの境遇が哀しくて、読んでいて辛かったです。2人は自分よりももっとすごい人がいると言っているけど、いや、私から見れば子供に暴力をふるうっていうだけで許せませんから。2人の親どちらとも自分勝手だもの。そのせいで2人は離れ離れになってしまったようなものだし…。
それでも二人は自分の力で自分がやりたいことを見つけて前向きになっていく姿が輝いて見えました。
奥井やユリカの存在も良かったです。いい友達。良い仲間。
自分の利益のためにくっついたり離れたりする友人という名前の人たちよりもよっぽど信頼できますよね。
単行本の装丁にはちょっと驚いてしまったのですが^^;
読んで良かったです。

<一迅社 2013.4
 早川書房 2016.6>H30.6.24読了

ヴィオレッタの尖骨 宮木あや子5

ヴィオレッタの尖骨ヴィオレッタの尖骨
著者:宮木 あや子
河出書房新社(2017-09-14)
販売元:Amazon.co.jp

あとどのくらい私たちはこうやって肌を合わせられるのですか。世間から隔絶された場所で生かされている美しい少女たち。快楽に溺れながらも、真実の情愛を求める彼女たちに救いはあるのか?儚くも美しい恋愛小説集。

「校閲ガール」を読んだから読んでみようと思ったら度肝を抜かれる作品ですよね^^;まあ今までもこういう作品は書かれているから宮木さんの作品を日頃読まれている方は驚きませんけど。そして私は宮木さんが書かれるこういう世界観は嫌いじゃないです。暗いけど。
今作は4編からなる中編小説です。それぞれの作品が百合と一言で表したくないけどそんな雰囲気の作品たちでした。
出てくる主人公たちの感情は少し凶器的で怖さもありました。でも、気持ちが全く分からないというわけではなかったです。毎日を生きていく不安、未来の不安。それは私も少なからず持っているから。
表題作「ヴィオレッタの尖骨」はとても凶器的で、でも綺麗さや美しさも感じる作品でした。ひづると絵梨はそれぞれ突出した音楽の才能を持っているのに身近な人間が2人を外の世界へ連れていこうとはせず、籠の中の鳥のよう。そんな高校生活の中で出会った紫菫という美しい少年。3人の関係は儚さもあったけど美しさも感じました。
「星の王様」戸籍を持たない売春婦の弌花と双葉。二人は外へ出て行きたくても戸籍がないから生きていけない。自分たちを育ててくれたババアはもうすぐ死にそうで2人はそれぞれこれからの事を朧気ながら想い始める。弌花が抜毛症で文章からもだんだん髪の毛が無くなっていく姿が分かって切なくなった。
「紫陽花坂」この作品が1番長かったですね。主人公が夕子という少女なのかと思ったら最後は意外な展開に。意外なような、予想できたような。
演劇部、文学部に所属する少女たちの深い傷痕に読んでいて辛かった。

<河出書房新社 2017.9>H29.10.9読了

校閲ガール トルネード 宮木あや子5

校閲ガール トルネード校閲ガール トルネード
著者:宮木 あや子
KADOKAWA(2016-10-27)
販売元:Amazon.co.jp

ファッション誌の編集者を夢見る校閲部の河野悦子。恋に落ちたアフロヘアーのイケメンモデル(兼作家)と出かけた軽井沢で、ある作家の家に招かれて…。そして社会人3年目、ついに憧れの雑誌の編集部に異動!?

校閲ガール第3弾!ですね。
まさかドラマ化されるとは思わなかったですねー。原作が出てる時は河野悦子のような校閲はいないなんて誰も言わなかったのにドラマ化された途端あーだこーだ言われてますよね。うっせー!と思いました←
前回はスピンオフということで悦子の周りの人たちのお話でしたけど、今回は悦子の話!
アフロとの出会いとか付き合うきっかけとかキレイサッパリ忘れてましたけど←
軽井沢での諸々話は面白かったなぁ。
悦子があんなに恋愛に疎いとは思わなかった。心の中の混乱具合が面白かったし共感しました。分かる分かる。
ファッション誌の編集部へ異動してからの話も面白かったな。本当に分かる。分かるよ。
好きな仕事が、向いてる仕事とは限らないってこと…。私も一度諦めちゃったもん…。もう諦めないけど!
でもやっぱり悦子は校閲部が向いている気がするな。周りの同僚たちも良いし!
ドラマはどんなだったんだろうなー。見たかったようなそうじゃないような←基本的に映像化が好きではないので^^;
でも、前作の感想を書いたときに濁したけど、米岡の雰囲気は健君が似合いそうだなぁとは思ってたんですよねー。中性的な感じ、ファッションに詳しい感じ、おねぇっていうかゲイっていうかそういう役以前やったときのあの仕草とか表情とか素晴らしかったからさ!どうせ無理だろうけど!…とは思っていたけど、まさか健君と同い年の人が演じるとは思わなかったなぁ…。そして好きな俳優さんだからもう何も言えねぇ←
最後にマンガがちらっとあって、もうシリーズはありません!みたいなことが書いてありましたけど、もう出ないのかなぁ。このシリーズはもっとどんどん続いていってほしいなぁと思っているのですが・・・。

<角川書店 2016.10>H28.12.8読了

校閲ガール ア・ラ・モード 宮木あや子5

校閲ガール ア・ラ・モード校閲ガール ア・ラ・モード
著者:宮木 あや子
KADOKAWA/角川書店(2015-12-18)
販売元:Amazon.co.jp

憧れのファッション雑誌の編集者を夢見て、総合出版社・景凡社に就職した河野悦子。
しかし、「名前がそれっぽい」という理由で(!?)、悦子が配属されたのは校閲部だった。
入社して2年目、ファッション誌への異動を夢見て苦手な文芸書の校閲原稿に向かい合う日々を過ごす悦子。
そして明るく一直線な彼女の周りには、個性豊かな仕事仲間もたくさん。
悦子の同期で、帰国子女のファッション誌編集者、これまた同期の東大出身カタブツ文芸編集者、校閲部同僚でよきアドバイスをくれる、グレーゾーン(オネエ系)のお洒落男子、
悦子の天敵(!?)のテキトー編集男、エリンギに似ている校閲部の部長、なぜか悦子を気に入るベテラン作家、などなど、彼ら彼女らも、日々の仕事の悩みや、驚くべき過去があって……。
読むと元気が出るワーキングエンタメ!

続編!嬉しい!と思っていたけど今回の主役は悦子の脇を固める個性的な面々が主人公だったんですね。読んだのが結構前だったので森尾って誰だっけ?って最初から不安になりましたけども^^;でも読んでいたら思い出しました。良かった。
にしても宮木さん勇気がありますね。森尾、米岡、藤岩はまだしも最後の3人おっさんですからね^^;まあ貝塚は青年か。
みんないろんな想いで仕事に打ち込んでいるんだなぁと羨ましくなりました。米岡のお話はちょっと切なかったなぁ。でも米岡はどうも芸能人の某人を思い浮かべてしまって調子が狂います←
藤岩の話も良かった。でも私ならそんな彼氏は別れるな〜。私が大人気ないのかな。
衝撃だったのは茸原部長の過去かな。なんすかそのドラマのような展開。っていうかドラマでしょ…。でも校閲部は河野と米岡がちょっと異質だけどなんだかんだで和やかそうで良いですね。
そして少し他の作品とリンクしているのも嬉しかったです。最後の漫画も可愛かったなー。
いろんな視点でこの物語をもっと読みたいと思いました。

<角川書店 2015.12>H28.3.11読了

喉の奥なら傷ついてもばれない 宮木あや子4

喉の奥なら傷ついてもばれない喉の奥なら傷ついてもばれない
著者:宮木 あや子
講談社(2015-10-20)
販売元:Amazon.co.jp

二十歳で八十歳の巌夫と打算ずくの結婚をした麻貴は、巌夫の息子、さらに孫とも不倫をしている。ある日、ふらりと赴いた旅先で出会った女学生に抱いた気持ちは、未だかつて経験のないものだった。(「金色」)。狂おしく愛を求める女たちの物語。

うわあああ…恐ろしい…恐ろしい…
いろんな愛の形が怖かった…。
「天国の鬼」かつて虐待を受けていた明日香は明良と10数年ぶりに再開したことでそれを思い出し自分の子供にも虐待をし始める。子供に対する想いが怖い。2人が駆け落ちし、それに失敗したことで今はそこからの余生を過ごしているという感覚すら怖かったです。
「味蕾」オーガニックカフェで働く主婦の話。
「金色」本当に何もかも計算ずくなのが怖い^^;でも親からそうやって育てられたんだからそうなってしまうよね…。むしろ若いのに何でもこなしてしまうのがまたすごい。
「指と首、隠れたところ」ピアノを教える主婦の話。大人の生徒も募集するというくだりで何となく予想がついてしまったけど。でもこの人も共感できないけど旦那さんはもっと怖いなぁ。
「ろくでなし」この作品が1番展開がぶっ飛んでいましたけど、私はこの話が1番好きだったかも。
「泥梨の天使」過干渉な親の話。いくら自分に親がいなかったからってここまで言ったらただただオソロシイ。奈々ちゃん、逃げたほうがいいと思う、お父さんと一緒に。
もしくはお母さんがカウンセリング受けるか精神科行ったほうがいいと思う…こんな人が家にいたら1日だって耐えられない…。

<講談社 2015.10>H28.2.15読了

帝国の女 宮木あや子5

帝国の女帝国の女
著者:宮木 あや子
光文社(2015-07-17)
販売元:Amazon.co.jp

大手テレビ局「帝国テレビジョン」での仕事に昼夜、オンオフの区別はない。恋も夢も曖昧なまま、それぞれの“戦場”に向かう日々―憧れと現実のあいだで揺れる5人の女性の切実な生き様がここにある。仕事、恋愛、夢、希望、葛藤…。等身大の思いが胸に響く、すべての戦う女性たちに捧げる物語。リアルにビター、だけど必ず前を向きたくなるお仕事小説!書下ろしエピソードを加えて刊行!

仕事に生きる5人の女性の物語です。皆さん職種は違いますがテレビという媒体に関わる仕事をしているので連作短編のようになっています。
いやー…ここまで仕事漬けの日々、いくら好きでも私には出来ないなぁ。でもみんな有能そうで、かっこよかったです。
そしてテレビにまつわる仕事や裏話も知ることが出来て勉強になりました。
私がいうのも凄くなんなのはわかっていますが^^;出てくる女性たちはみんな、仕事は出来るけど不器用だなぁと思いました。
始めに登場した松国は仕事は出来るけど、付き合ってた男酷すぎないか?女性をバカにするにもほどがありますよ。でも見てる人はちゃんと見てる。ただ、実らない恋で切なかったけど。
脇坂も仕事が出来るけど不器用そうだなぁと思いました^^;でも素敵な人ですよね。一葉がねえさんと言って慕うのがわかる気がしました。
そして、5人の中で1番印象的で何度も読み返してしまったのが山浦の章でした。
山浦の仕事に対する想いとか結婚観が似ていてわかるわかる!と思うのもあったのですがそれだけではなく。
山浦に突き付けられた現実が辛すぎる…!でも山ちゃんは強いですね。ホント強い。
山ちゃんが周りに言われ続けていた言葉は私も同じく言われ続けてます。
でも好きなことに終わりなんてないし終わらせようとも思わない。終着点なんてないんです。山ちゃんが大好きな人に言われた一言。文字で読んでも頭の中で思い浮かべても私は涙が出てきます。ただ嬉しいというだけではなくて自分の人生を捧げた人に言われた言葉だからいろんな思いがあふれてきますよね。
私は山ちゃんのようなことを言われることは永遠に来ないと思うけど、でも大好きな人がいるから頑張ろうって思えるという気持ちは同じです。私もちゃんと生きようって大袈裟だけど思いました。あぁ・・・記事を書きながらも涙が出そうです。
そして最後の野良ルーム。3っていうのが良いですね。いつも女性5人が出てくる小説はみんな集まって飲んだり食べたり。楽しそうで羨ましいです。
それからこれは思いっきり余談ですけど。イケメン男性アイドルがたくさんいる事務所ディセンバーズのヨウコさんって、某事務所の某人がきっとモデルですよね…出てくるたびに笑っちゃったんですけど^m^宮木さんも会った事あるのかな。私は1度あります。顔忘れちゃったけど^^;

<光文社 2015.7>H27.12.16読了

砂子のなかより青き草 宮木あや子4

砂子のなかより青き草砂子のなかより青き草
著者:宮木 あや子
平凡社(2014-06-20)
販売元:Amazon.co.jp

寂しい。寂しい。寂しい。でも強くなりたい。清少納言が枕草子に綴った嘘と真実とは?R‐18文学賞デビューの実力派による平安時代小説の大本命!

宮木さんの新刊だ!と思い、内容を知らずに読み始めたのですが、清少納言のお話だったんですね。以前冲方さんの「はなとゆめ」を読んでいたので、大まかな清少納言の生涯を知っていたのでそれを辿って読むような感じでした。
冲方さんの作品の方が歴史にそって堅実に?正確に?書かれているような印象です。
宮木さんが正確じゃないってわけでは決してないんですけど、こちらの方が中宮様や少納言、宰相の君や伊周の心情が深く書かれているような気がしました。
学生の時に紫式部と清少納言を同時に習いますけど、何となく紫式部の方が印象が強かったのですが、2作品読んで清少納言の方が好きになりました。紫式部目線の小説を読んでいないのがなんですが、清少納言の生き方が凄く人間味があるというか・・・。あとこの時代は当たり前なのかもしれませんけど忠義の尽くし方がハンパないというか・・・。
ここまで人に尽くせるかなぁ・・・と。そこまでできる人と出会えるのは幸せなことだなと思いました。
最後の清少納言と宰相の君のシーンが切ないけど好きでした。

〈平凡社 2014.6〉H26.9.18読了

校閲ガール 宮木あや子5

校閲ガール校閲ガール
著者:宮木あや子
KADOKAWA/メディアファクトリー(2014-03-14)
販売元:Amazon.co.jp

憧れのファッション雑誌の編集者を夢見て、根性と気合と雑誌への愛で、 激戦の出版社の入社試験を突破し 総合出版社・景凡社に就職した河野悦子(こうの・えつこ)。
しかし、「名前がそれっぽい」という理由で(!?)、悦子が配属されたのは校閲部だった。
入社して2年目、苦手な文芸書の校閲原稿に向かい合う日々。 「こんなところ早く抜け出してやる」とばかりに口が悪い演技をしているが、 段々自分の本性がナマイキな女子であるような錯覚に陥ってくる毎日だ。
そして悦子の原稿や周囲ではたびたび、ちょっとしたトラブルや事件が巻き起こり!?

タイトルにまず惹かれました。装丁はちょっと可愛すぎたかな。
校閲部に配属となり、直接作家さんとはかかわらないのに大作家本郷大作とかかわった諸々の事件がものすごく面白かったー。大御所だろうが何だろうがタメ口で毒を吐きまくっているのが清々しさすら感じました。
ただ、上司にもこういういわゆるお得意様にもこんなにふてぶてしい20代って今はいないと思いますよ、ゆとりだろうとなんだろうとそこはわきまえてると思うよ…と違和感を感じてしまったのがちょっと残念。貝塚に対する毒はすんごいスカッとしましたけどね。
私はゆとり世代ではないんですけど(世代が始まる人より3つ上←)貝塚と同世代とは思いたくないアイツ腹立つ。でも営業ってそんな人がたくさんいるよねー知ってるー私も嫌な思いいっぱいした。悦子みたいな図太い神経持ちたかった(意見には個人差があります)
校閲という仕事、広告代理店にいたことがあるので知ってました。私は細かいミスをしょっちゅうするので向いていないと思うんですけど^^;でも私は校閲の仕事をしてみたいなと思いました。べ、別に小説たくさん読めるって思ってないですよ!←いや、本当に。
なんだかんだありましたけど上手いことまとまってよかったです。
にしても宮木さんの作品は最後に5人くらい集まって酒盛りする展開多いね←
物語の中にスコップやスノーホワイツの名前が出てきてリンクしていて嬉しかったです^^

〈メディアファクトリー 2014.3〉H26.4.30読了

野良女 宮木あや子3

野良女野良女
著者:宮木 あや子
光文社(2009-07-18)
販売元:Amazon.co.jp

恋だ!仕事だ!婚活だ!彼氏いない歴二年の鑓水。年上社長と同棲中の朝日。遠距離恋愛に焦る壺井。DV男にハマる桶川。果てなき不倫に溺れる横山。彼女たちは悩めるアラサー女子「野良女」。今宵もお酒片手にあけすけなガールズトークに花咲かす。飲んで笑って、ちょっぴり泣いて―。アラサー女子のおかしくも切ない日々を軽快に描く連作小説。

以前読んだ「婚外恋愛に似たもの」と姉妹作品で、あちらは主人公が35歳でこっちはアラサーが主人公だったので近いかなーと思ったのだけど。生き方は完璧「婚外恋愛に似たもの」の方だから今回は共感とは違ったかな。
私もしっかりアラサーですけど、アラサーってこんなにみんな肉食系なの?こんなに露骨?カマトトぶっているつもりは毛頭ないんですけど、途中若干辟易した時がありましたよ…最初は面白いなーってケラケラ笑うような余裕があったのだけど、だんだん露骨すぎて気持ち悪くなってきちゃって…読んでて疲れちゃった…。
多分ちょっと酔っぱらってる時に読んだのがいけなかったんだな。私、酔っぱらうといつも以上に気持ち暗くなるから…
でも、30歳ってやっぱりちょっと意識しちゃいますよね。結婚もそうだし仕事もそうだし。年齢じゃないってきれいごとを言いたいけど現実もあるもの。
私は結婚する気はないからいいのだけど、だから躍起になって男を探して翻弄していて、身を粉にして頑張っていて、そこまでしないとダメ?なんて思っちゃったりして…
私がおかしいのかな。私は今のところ2.5次元だけで良い。
大して恋愛で傷ついたり依存したり楽しかったりそういう諸々が薄いからなんだろうな、私は。
多分読んだ時期が悪かった。アラサーな今読まないでいつ読むっていう気もするけど。
そうそう、今回もユーラシア大学が登場しましたね。凄く気になるネーミングです。
「情景☆カトマンズ」に出てきた29歳の2人の方が共感できたかな…ってあの2人も結構露骨だったんだった…
でも、最後の5人の焼肉での会話は良かった。紆余曲折あって、みんな考えて考え抜いた答えが良いなと思いました。
そういえば、どこでだか忘れたけど「V6のイノッチ」っていうフレーズが出てきた。お!と一瞬思ったけど、どこでどうこの言葉が使われたのか、私の口からは決して言えない…(じゃあ言うなや)

〈光文社 2012.11〉H25.6.12読了

太陽の庭 宮木あや子4

太陽の庭 (集英社文庫)太陽の庭 (集英社文庫)
著者:宮木 あや子
集英社(2013-02-20)
販売元:Amazon.co.jp

一般人には存在を知られず、政財界からは「神」と崇められている、永代院。地図に載らない広大な屋敷に、当主の由継を中心に、複数の妻と愛人、何十人もの子供たちが住まい、跡目をめぐって争っていた。そんな中、由継の息子・駒也は、父の女・鞠絵に激しく惹かれてゆく。許されぬ愛は、やがて運命の歯車を回す。破滅の方向へ―。「神」と呼ばれた一族の秘密と愛憎を描く、美しく、幻想的な物語。

凄いなぁ。この世界観。宮木さんならではですね。
現実の世界なのだけどどこか異世界のような浮世離れした場所、永代院。
ここで生きる子供たちは月に1度外へ行く以外は全てこの土地の中だけで過ごす。
学校へも行かず、中に住む人たちだけの小さな世界で生きる。
物凄く閉鎖された空間で生きている人たちはどこか狂気じみてました。
駒也も葵も和琴も鞠絵も、どこかおかしかった。
それでもこの封鎖された空間を楽しんで読んでいたのだけど、表題作でいきなり現実がやってきて、永代院が現実味を帯びてきて、柿生と山下が永代院とはなにかと探っている所はまだ面白かったのだけど、それ以降がちょっと現実的すぎて悲しかったかな。
泉水の言うとおり、内部では人が平気で死んでいくけど別に他の一般の人たちには迷惑をかけているわけではなかったと思うのだけど…
だから破滅の方向へ進んでいく姿が私はとても悲しかったです。
でも、形は悪かったかもしれないけど破滅の道へ進んで行ったのが良かったのかもしれないですね。骨肉の争いは男だろうと女だろうと醜くて痛々しくて、誰かが勝つのかもしれないけど、何も生まれないのだなと感じました。

〈集英社 2009.11
  集英社文庫 2013.2〉H25.5.16読了

学園大奥 宮木あや子4

学園大奥 (実業之日本社文庫)学園大奥 (実業之日本社文庫)
著者:宮木 あや子
実業之日本社(2012-04-05)
販売元:Amazon.co.jp

女子校に憧れた和実は、猛勉強のすえ中の丸学園に合格。だが入学すると、学園は共学になり、「大奥」と呼ばれる生徒会に牛耳られていた!憧れの「上様」はまるで雲上人。クラスメイトは外部入学者に冷たい。さらに、大嫌いな幼馴染み・鼻くそギルバートに愛を告白されてしまい…。子どもから大人まで全ての女子をときめきと笑いの渦に巻き込む、学園ラブコメの決定版。

ホント、ラブコメっていう言葉が合う言葉ですね。
中学生の可愛らしいお話でした。ただ学校の中が「大奥」になってるのが凄いなと思いましたけど^^;そして「外部」からやってきた生徒には軒並み差別!っていうのが潔いくらいだったなぁ。和実も初めは一人で寂しそうだったけど、麻紀と侑子っていう親友が出来て良かったなと思う。四季折々のいろんな行事をバカだけど楽しそうに過ごしていて良いなと思いました。
面白い作品だったのですが、連載中に東日本大震災が発生し、2話分の話が初めに想定していた内容と変わったのだそうで。ちょっとスパッと終わったので「あれ?」とも思ったので、宮木さんが最初に想定していた物語も読みたかったなと思いました。
でも、解説の豊島さんがおっしゃるように、この物語を作ったのは著者自身なんですからまるっとこれが一つの作品なんですよね。っていう言い方は失礼でしょうか。
細かいところで笑える部分がたくさんあって面白かったです。

〈実業之日本社 2012.4〉H24.11.30読了

婚外恋愛に似たもの 宮木あや子5

婚外恋愛に似たもの婚外恋愛に似たもの
著者:宮木あや子
光文社(2012-10-18)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
愛したひとは、2.5次元。35歳人妻、夫以外の男に溺死寸前。
容姿も、仕事も、家族も、生い立ちも、社会における立ち位置もバラバラの5人の女。彼女らの共通項は、35歳。夫あり。そして男性アイドルユニット「スノーホワイツ」の熱狂的ファンであること。彼女たちの愛は、夫ではなくステージで輝く若く美しい「恋人」に遍く注がれる。哀れでも、歪んでいても、これはまぎれも無く、恋。だからこんなに愛おしい―。“最凶恋愛小説”
「アヒルは見た目が10割」桜井美佐代は常に3番目の女だった。美人だけど1番じゃない。勉強も仕事も恋愛も。結婚して8年が経つが子供が出来ず姑から嫌味を言われる日々。夫もテレビ関係の仕事をしているためいつも愛人がおり、KGB64に夢中。桜井は家を出てINAZUMAのコンサート遠征に向かった。心の支えはデビュー前のグループ、スノーホワイツの神田みらいだった。
「何故若者は35年生きると死にたくなるのか」益子昌子は20歳で結婚して母になった。そして35歳の今。夫は借金を作り、息子もバカでぐれた子になった。昌子は東京にあこがれて千葉から東京のスーパーまでパートに出かけている。そんな昌子の支えは理想の「息子」である 八王子だった。
「ぬかみそっ!」隅谷雅は会社経営者だ。彼女は心に結婚を誓っている人がいる。スノーホワイツの高柳主税だった。彼と出会った24歳の時から、彼女は彼しか見えてない。雅は会社経営者の父と元タカラジェンヌの母を持つが29歳の時に決別していた。親が決めた縁談を受け入れたくなかったからだった。
「小料理屋の盛り塩を片付けない」夫は商社マンだったが作家デビューし、作家の妻になった。それでも公立に通う娘撫子のため、ママ友には夫が作家だと隠している山田真美。姑と同居したために行けなかったスコーピオンズ(略してスコップ)のコンサートDVDを買って見ていると、バックで踊る可愛らしい少年に心奪われる。その子は皐月ジルベールというらしい。それ以来すっかりジルが所属するスノーホワイツにはまってしまった。
「その辺のフカフカ」片岡真弓は乙部しろまるという名でBL作品を出している。しかし、最近は自分の作風が認めてもらえず、もう3年も出していない。夫は小説を書いているというのは名ばかりで何もしないヒモ状態。ある日本屋でBLコーナーへ行こうとしたとき、ある雑誌に目を奪われる。そこに写っていたスノーホワイツの大船眞秀に惹かれた。その姿を見て、スノーホワイツの小説をネットにアップするようになる。
「茄子のグリエ〜愛して野良ルーム2」スノーホワイツ初の単独コンサートが代々木第一体育館で行われ、終えた後に5人は焼肉を食べに来た。

面白いー!!面白いー!!予想はしていたけど面白くてたまりませんでした。大満足です^^あらすじを読んで、てっきりアイドルを追っかけるイタイ女性の話かと思ったんです(失礼な)で、自分もそうだからどんと来い〜と思っていたのですが、それもまた違いました。メインは登場する5人の女性の生活が主でその心の隙間にスノーホワイツがいるという感じでしょうか。生活のほぼすべてがスノーホワイツって人もいましたけど^^;
宮木さんの新刊が出るということでブログを拝見し、この作品を読むのを楽しみにしていたのですが、ブログで宮木さんがこの作品を読んだら宮木さんが誰が好きなのか分かりますと書いていてそれも楽しみにしてました。
そして、分かりましたよ。分かってびっくりしました。そして宮木さん好き〜!!!って物凄く思いました。もちろん前から好きでしたけど。
5人の男性アイドルグループだから、モデルは嵐だろうなと思ったんです。違った。違いました。おそらく嵐のバックで踊っている(た)子たちでした。
私もそのグループは大好きです。本当に苦労している人たちだからデビューした時は凄く凄く嬉しかった。だって私が中学生の時からJrだった人もいるし。この作品の中で「スノーホワイツが今度初めて単独でコンサートをやります!」って発表するシーンがあるのですが、私、全く同じ言葉をおそらくモデルになっているグループの口から生で聞いたな〜って思い出しました。V6のコンサートのMC中にね^^;礼儀正しくて本当にいい子たちなんだろうなって見ていて思ったんです。デビューが決まった時も私も担当じゃないのに良かったね〜って目を潤ませましたよ。
・・・話が逸れました。
スノーホワイツとは、人気アイドルグループINAZUMA(←注目)のバックで踊るユニットグループ、神田みらい、大船眞秀(マシュー)、八 王子、高柳主税、皐月ジルベールの5人。それぞれの担当の女性たちが登場します。
それぞれ色んな愛の形があるんですけど、特に雅が凄い。私もお金と時間があれば最初から最後まで追っかけたい…。
ジャニーズの誰かが好きな人。ジャニーズじゃなくても好きな気持ちが分かる人は読んでほしいです。
ちょいちょい登場する専門用語とかあるあるなネタが読んでて面白かったです^^;まさか小説系まで来るとは・・・読んでて吹き出しそうになりました、職場で。
後はスコーピオンズ、略してスコップ。初めは6人組だったけど一人が突然「俺は新世界の海賊王になる」と言って脱退っていうくだりに爆笑しました。
もう「面白い〜」「面白い〜」ってひーひー言いながら読みました。
宮木さんの編集者さんは「男性には読ませません」っておっしゃったそうですが^m^全てを受け入れることが出来る男性なら読んでほしいです(V6のコンサートで男の人見かけるし)
内容ではないけど、短編のタイトルもベストセラーのパロディっぽいのも好きでした^^
この作品を書いて下さってありがとうございますと言いたいです。

〈光文社 2012.10〉H24.11.8読了

セレモニー黒真珠 宮木あや子5

文庫 セレモニー黒真珠 (MF文庫ダ・ヴィンチ)文庫 セレモニー黒真珠 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
著者:宮木 あや子
メディアファクトリー(2011-10-22)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
町の中小葬儀屋・セレモニー黒真珠は、忙しかったり、ヒマだったり。
いちおうまだ20代なのに40代にもまちがわれるほどシッカリしすぎな29歳女性・笹島に、悩めるメガネ男子26歳・木崎、何やらワケアリ気味の新人女性派遣社員21歳・妹尾。
葬儀屋を舞台に男女3人の仕事と恋愛を描く連作短編集。
宮木あや子流ラブコメは、泣けるラブコメ。
「セレモニー黒真珠」派遣で入ってきた妹尾はとてもしっかりしている女性だった。ある日病院から一人の男性が亡くなったと連絡が入る。その人物は妹尾が「死ぬのを待っていた」男性だった。
「木崎の秘密」木崎は幼少のころから火葬場の煙突から上がる煙を見るのが好きだった。そしていつからか死んだ人が見えるようになる。大学時代の磯部から祖母が亡くなったと連絡が入る。彼の家へ行くと掃除は施されておらず、鬼のような形相の霊が木崎をにらんでいた。
「主なき葬儀」妹尾は音信不通だった父が亡くなったことを郵送されてきた手紙から知る。葬儀をしてくれる人がいるはずもなく怪しんで葬儀場へ行くと、父の亡骸があった。
「セレモニー白真珠」5年前の想いをいまだに引きずっている笹島。その相手から5年ぶりに連絡が入る。彼の妻が亡くなったらしい。
「あたしのおにいちゃん」私はお兄ちゃんが大好きだ。それを素直に伝えるとたいていの相手はドン引きする。その兄が近々結婚をするらしい。私はそれを何とか阻止しようとたくらむ。
「はじめてのお葬式」転校していった、好きだった村崎が交通事故で死んだと連絡が入る。長岡から見知らぬ土地の東京へ行き、彼を弔いに行く。

この本の前に読んだ「ご近所美術館」よりもこちらの方が返却期限が先だったのだけど、15日から読み始める際に自分の誕生日に葬儀屋の話はちょっとなぁ・・・と思い読むのを後に回しました^^;で、次に読んで読み終わりました。返却期限も守れました。ほっ。
でも、この作品なら別に関係なく読んでも良かったなと思いました。
この本はとても良いといろんなところでうかがっていたので気になっていました。ようやく読むことが出来ました。
葬儀屋が舞台なので「死」が絡んでくるためにやはり暗い話が多いのかなと思いましたが、それだけではありませんでした。
セレモニー黒真珠に勤める笹島、木崎、妹尾のそれぞれの過去に向き合う死が出てくるんですけど、出てくる男性が何だかことごとくいけ好かなかったな。
特に笹島の元婚約者。笹島のようにしっかりしている女性が、どうしてこんな男の人に引きずられているのか不思議でしょうがない。彼が別れて5年も経った笹島に対して放った言葉は許されることではありません。絶対に。それでも何だかいい方向へ行っちゃうんだから、それは宮木マジックなんだろうなと思いました。
妹尾についても何だかやりきれないです。家族だとは思っていなくても家族の死って、向き合わなきゃいけない問題なんですね。
木崎の能力?は本人には辛いと思いますけど、村崎を想っていた鳥居にとっては良かったのかなと思う。木崎はまだ若くて少し頼りないけど、とてもいい男だと思いました。
読んでよかったです。素敵なお話でした。

〈メデイアファクトリー 2009.3
             2011.10〉H24.8.18読了

官能と少女 宮木あや子4

官能と少女官能と少女
著者:宮木 あや子
早川書房(2012-07-06)
販売元:Amazon.co.jp
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「小さな白い花は可愛いのに、食べると死ぬ。甘酸っぱい花と薄荷煙草。そして無垢なふりをして耽嗜へ誘い死に至らしめる毒」折れそうなほど華奢な身体の女は、可愛らしい動物のような女を抱きしめる……(「ピンクのうさぎ」)。淫靡な宝石に恋する女、自らの幼児体型を哀しむ養護教諭、美しい顔の男を「夫」にした女、おじさまに「連れ去られた」少女、「眠り姫」という綽名の病んだ女子大生。恋の痛みと愛の毒が満ち溢れる、R‐18文学賞受賞作家の濃密な恋愛短篇集。

読みました。うーん、とにかく凄いです。官能的です。
割と主立ってるのはレズビアンと童女?^^;その言い方は酷いか。
宮木さんの新刊だと思って内容も知らずに読んだのだけど、いやはや。びっくりした。でもタイトルも見たら「官能と少女」だもんね。そりゃそうだ。
どの作品も一癖も二癖もある感じだったなぁ…。
ただ、思うのは出てくる女性たちにはみな心に深い傷があるということ。それがとても重々しくて読んでいてつらくなります。
幼いころに両親からの愛を受けなかった女性や、恋愛でつらい思いをした女性。自分の中の何かが欠落していて、それを埋めるために狂気にもにた愛を求める。
愛ゆえに狂おしい女性たちのある意味純粋でまっすぐさが描かれていると思いました。
痛々しくて、でも自分の力ではどうすることもできないもどかしさ。
短編だと思ったら微妙に連作になっていて何度か前のページをめくってしまいました。
その連作の形はあまり良くない形でしたけど…。
私は「春眠」が好きでした。岸田とささやかな愛情を育んでくれたら良かったのになと思う。
そして「春眠」が好きだったからこそ「モンタージュ」はあまり知りたくなかったなとも思う。それほど、少女の傷は深くて抉れていたんだとも思いましたけど。
ところで「光あふれる」はどこまで本当なのだろう?少女が「夫」と呼んでいる人はきっと芸能人なんだろうなと思ったけど…。全部妄想だったんだろうか。
私にはわからなかった。

<早川書房 2012.7>H24.7.29読了

情景☆カトマンズ 宮木あや子5

憧憬☆カトマンズ憧憬☆カトマンズ
著者:宮木 あや子
日本経済新聞出版社(2011-06-25)
販売元:Amazon.co.jp
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オススメ!
「もうすぐ30歳だけど、自分探しなんて、しない。きっと、私たちは大丈夫!」ハケンと正社員、外見と内面、偶然と運命? 仕事に、恋に、ゆれるワーキングガール必読! 痛快! 爽快! ウルトラハッピーストーリー!!
「憧憬☆カトマンズ」
後藤は29歳。外資系のITセキュリティベンダー「シマカンド」へ派遣社員として働いている。仕事が出来るため正社員にならないかといつも言われている。数年前から不倫をするようになり、今は佐野という上司と不倫している。新しく入社してきた山内君が着ていたTシャツを見てカナリの音楽マニアだと悟り、2人は仲良くなっていく。
「脳膜☆サラマンダー」
中尾は29歳。人材派遣会社で営業をしている。中尾が担当する会社の派遣社員橋野が3ヶ月で辞めたいといって行方をくらました。後輩の村内が不審に思い、橋野の派遣先の会社を調べ始める。
「豪雪☆オシャマンベ」
後藤・中尾・山内・村内の4人でスキー旅行へ行くことになった。しかし道中、事故に巻き込まれてしまう。
「両国☆ポリネシアン」
後藤の後輩である通称パティは実家が鯛焼き屋。実家の店番をしていると大きな外国人が、店で1番不評のパイナップル餡の鯛焼きを10個購入していった。後日パティは車に轢かれそうになるが、その男性に助けられる。彼はサイパン出身の力士で南国という名前だった。

宮木さんの作品は気になっていて徐々に読んでいきたいと思ってます。ということで、新刊を読んでみました。
主人公が29歳の女性ということできっと共感できるところがたくさんあるんだろうなと思ったんですけど、あったようななかったような^^;とにかくぶっ飛んでいましたね〜
後藤ちゃんと中尾ちゃんがすっごくいいキャラクターでした。
29歳という、女性で言うところのターニングポイントにいる2人。でも2人はちっとも焦っていないんです。結婚にしても将来に関しても。
中尾ちゃんの結婚に興味がないというくだりとか、後藤ちゃんさえいればもう楽しくて生きていけるって思う部分とか、とても共感できるんです。
下世話な話も、本当に仲のいい友達だからいえるんだろうなと思ったし。
私もそこまで結婚に興味がないし、友達と入る時が1番幸せだし。まだ、自分のことしか考えられないんだと思うけど、うんうん。って頷きながら読みました。
でも、途中で2人に彼氏が出来て、ちょっと裏切られた気分になったけど^^;
でも、山内君も村内君もとっても素敵でした。さりげなく、男らしいんですよね。上手くいえないですけど、一緒にいて疲れなさそうな気がします。こういう男の人が傍にいたらいいなと思う。特に、事故に巻き込まれた時の山内と村内の対応。それぞれ、良かったなぁ。そして後藤ちゃんがした行動も、中尾ちゃんのことを理解しているからこそだと思うし。
パティの回も面白かったです。南国との関係がとても素敵。幸せになってほしいなと思う。
共感とは違うけど、楽しそうで面白そうで、一緒にいたら明るくなれそうな気がしました。
仕事も頑張ろうって思える作品。あ〜面白かった!
いろんなネタが出てきたんだけど、個人的にはマッチさんの「アンダルシアに憧れて」の歌詞のくだりが出てきたのが面白かった。どこで登場したかは忘れたけど^^;
あとはオシャマンベという地名がタイトルがあるのが面白かったです^^めっちゃ知名やん。オシャマンベは長万部と書きます。カニが有名?ラジウム温泉も良いです。何回か行った事があります。でも、スキー場があるのは知らなかった。

<日本経済新聞出版社 2011.6>H23.10.13読了

ガラシャ 宮木あや子5

ガラシャガラシャ
著者:宮木 あや子
新潮社(2010-11)
販売元:Amazon.co.jp
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嫁いだ後にはじめての恋を知った玉子はガラシャと名を改め、異国の神に祈り続ける。彼女に献身的な愛を捧げる侍女・糸もまた、報われぬ愛に身をこがし…戦国に散った細川ガラシャとその父・明智光秀、夫である細川忠興、舅の幽斎―想えば想うほどすれ違う恋人たちを描く渾身の恋愛長編。

細川ガラシャについては何かの歴史の本で読んだはずなのに、すっかり忘れていました。明智光秀の娘なんですね。
いろいろ変えているところもあると思いますが、面白く読みましたし、明智光秀についても勉強になったかなと思います。
にしても、これはどこまで史実なんでしょうか。何だか気になるところがたくさんあったんですけど・・・。
ガラシャと忠興は仲が良かったようなイメージがあるのですが、この作品の中の忠興は大嫌いです。というか、情けなくて女性にすがらなければ生きていけない弱い人間のように思いました。幽斎や興元の方がたくましく見えました。
お前を必ず連れ戻すとガラシャに言った言葉は本音だったのか、私には分かりません。
秀治の存在も本当なのでしょうか。彼とは本当に魂の片割れのような気がして、別れのときは悲しくてしょうがなかったです。
何よりも印象深いのは糸の存在でした。愛する自分のマリア様のために、命を懸けて守っている姿は本当に凄い。ガラシャのためなら男相手にも立ち向かう姿は、忠興なんかよりもよっぽど逞しく感じました。
この方も実在する方なんですね。本名は清原マリアというそうですが。
ガラシャの最期の後の話は史実ではどうなのかは分かりませんが、驚きました。
本当であって欲しいとも思うし、本当だったら糸が可哀相過ぎるとも思いますし、何だか気持ちは複雑です。
宮木さんの作品はずっと読みたいと思っていたんです。
ようやく読めて、良かったと思いましたし、他の作品も読んでみたいと思いました。

〈新潮社 2010.11〉H23.3.15読了
自己紹介
苗坊と申します。
生まれも育ちも生粋の道産子。読書とゲームとマラソンとV6を愛してやまないオーバー30です。47都道府県を旅行して制覇するのが人生の夢。
過去記事にもTB、コメント大歓迎です。よろしくお願いいたします。
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