2026年04月14日
高血圧にて降圧剤を服用している高齢(97歳)の患者さんです。 嗄れ声、咽頭痛、咳を主訴に自ら歩いて受診、食欲会話は良好です。血圧130/80 SPO2 92-94% 胸部に喘鳴みとめるため胸部レントゲン施行、X-Pにて右肺野に軽度肺炎影ありCRP2.6mg/dl WBC 7,110の結果から外来にてロセフィン2g+オーグメンチン3錠分3を開始しました。3日経過した時点でSPO2 88%CRP10.9mg/dl WBC 8,630 胸部に喘鳴・小水泡音をみとめ肺炎像は改善しておりません。高齢のため外来での治療には慎重な対応が求められ、発熱・食欲・活動性ならびにSPO2・CRPの推移に着目することが重要です。状況に応じて入院治療が必要になります。肺炎像の改善までは1ヶ月は要すると予想しています。
【高齢者の肺炎重症度】
A-DROP : 肺炎の重症度スコア(CAP, NHCAP)
• A(Age):男性70歳以上、女性75歳以上
• D(Dehydration):BUN 21mg/dL以上または脱水あり
• R(Respiration):SpO2 90%以下(PaO2 60torr以下)
• O(Orientation):意識変容
• P(Blood Pressure):血圧(収縮期)90mmHg以下
軽症:上記5つの項目いずれも満たさないもの
中等症:上記項目の1つまたは2つを有するもの
重症:上記項目の3つを有するもの
超重症:上記項目4つ以上有するもの、または敗血症が疑われるもの
【参考】高齢者肺炎を疑う初期症状
・軽いかぜ症状
・何となくいつもと違うという感覚
・平熱より少し高い状態が続く
・呼吸が速い、息切れが強い
・食事量や水分摂取が減っている
・ぐったりして反応が鈍い
・痰の色が黄色や緑色に変化している
・胸の痛みや強い息苦しさがある
2026年04月13日
散歩の途中右股関節大腿部外側に軽い痛みを感じ、歩行速度についてゆけず中断、家で休んでいましたが、翌朝になると痛みで足がつけず歩行できなくなってしまいました。近くの整形外科を受診、骨には異常ないとのことで鎮痛剤の服薬と安静を指示されました。改善傾向はその後もみられず2週間後に再受診、さらに鎮痛剤(ロキソニン・ノイロトロピン)メチコバ-ルを投与されましたが、歩行できない状態が続いています。股関節レントゲン(1ヶ月後)では右大腿骨頸部に石灰化陰影(化骨形成)をみとめ左に比べて頸部が短縮したみえます。不完全骨折から頸部が圧迫され短くなった状態と考えます。専門病院に紹介したところ人工股関節の手術を予定するとのことでした。大腿頸部骨折では発症直後骨折線がわからないことが少なくありません。頸部骨折は骨粗鬆症が重要な原因になるためその対策が大切です。

2026年04月11日
2026年04月10日


家庭内血圧がここ1~2年 高くなっているため心配になって受診した患者さんです。受診時血圧178/98 体重59.8kg 両下腿に浮腫をみとめ諸検査を施行したところ心拡大CTR 0.51(写真) 貧血Hb10.g/dl BNP 251.7pg/mLCr 3.34 BUN 33.7mg/dL の結果から高度の腎機能の低下をみとめ慢性腎不全と診断しました。オルメサルタン・ラシックスを開始しましたが今後腎機能低下が進行して透析になる可能性もあり専門施設に紹介しました。
【採血検査】RBC328 ×104/mm3 WBC5,310/ mm3 PL 17.2×104/mm3 Ht32.5%
Hb10.0g/dl BS 101mg/dl
GOT 21 GPT 22 LDH 367 TG 83 HDL57mg/dl
LDL 138mg/dl TP 7.0g/dl Cr3.44 BUN 33.7 mg/dl Na
143 K4.8 Cl 106mEq/L BNP
251.7pg/mL e-GFR 15.7ml/min/1.73m2
尿検査 蛋白(-) 尿潜血(-)
【慢性腎臓病Stageと進行】webより引用

慢性腎不全:簡単にいえば腎臓の機能が正常時の30%未満にまで低下した状態を指すことが多い。
2026年04月09日
2026年04月08日
6日間発熱が続き他医受診(新型コロナウイルス抗原検査陰性・インフルエンザ迅速検査陰性)していましたが、解熱せず咳鼻水も改善しないため受診した10ヶ月の乳児です。何らかのウイルス感染が考えられるためSpotFire多項目PCR検査を施行したところパラインフルエンザウイルス陽性、胸部X-Pでは両肺野に間質性パタ-ンの透過性不良(呼気注意)をみとめ、ウイルスによる肺炎と診断しました。アスベリン・ムコダイン・ホクナリンテープのみで2日後に解熱、咳痰も少なくなり1週間で治癒しました。2026年04月06日
2026年04月05日
前日よりの発熱のため受診、血液検査にてCRP 1.3mg/dl WBC 12,870 Hb 8.7g/dlの結果、細菌感染初期を考慮してセフゾン1.5分3日間投与しましたが解熱せず、咳鼻水も出現してきたため1週間後再受診。。発熱期間が長いためSpotFire(多項目PCR検査)と胸部レントゲンを施行、パラインフルエンザウイルス感染による間質性パタ-ンの肺炎と考え、アスベリン・ザイザル等を処方しました。同時に右耳後部のリンパ節腫脹(3カ月前より気づきここ1カ月増大したとのこと)と胸部写真上、縦隔の腫瘤様陰影(上縦隔右縁)・気管支の変位をみとめることから、こどもによくみられるウイルス感染に合併するリンパ節腫脹
以外の可能性(悪性リンパ腫等)を否定する必要があるため、専門施設に紹介しました。レントゲ写真で右下葉の結節様の陰影はエアブロンコグラムを伴っており、要注意の所見です。
【検査結果】初診時 WBC 12,800 /μl RBC 372×104/μl Hb 8.7g/dl Pl 27.9 ×104/μl CRP 1.3mg/dl
1週間後 SpotFire (他項目PCR検査)パラインフルエンザウイルス陽性(妹10日前陽性)
【参考】
| 悪性リンパ腫 | B細胞リンパ腫 | |
|---|---|---|
| T細胞リンパ腫・ NK細胞リンパ腫 |
| |
| ホジキンリンパ腫 | ||
2026年04月02日
2026年03月29日
2026年03月27日
咳鼻水が1週間続き前日より39~40゜Cの高熱が出現したため受診した2歳児です。SpotFireによるPCR検査を施行したところ、新型コロナウイルス・アデノウイルス・パラインフルエンザウイルスに加えてライノウイルスが陽性の結果でした。PCR検査では感度が良好のため過去の感染でも残存しているウイルスで陽性のことがあります。このケースでは確認のためのCOV-2(新型コロナウイルス迅速抗原検査)は陰性の結果でした。ライノウイルスは幼児では良く罹患して風邪症状を繰り返します(今回ライノウイルス感染が先行していたと考えられる)。アデノウイルスは高熱の持続、結膜炎、扁桃腺炎などの変化がみとめられます。これらを考慮するとパラインフルエンザが現症状にもっとも関連していると考えるのですが、PCR検査が複数陽性にでた場合の解釈は難しいところがあります。患者さんの経過は良好で2~3日後に対症療法のみで改善しました。10日後に姉がパラインフルエンザ陽性の肺炎に罹患したため、このケースでもパラインフルエンザが原因のウイルス性肺炎だったと診断しています。
2026年03月24日
2026年03月23日
2026年03月21日
2026年03月20日
2日前より倦怠感咽頭痛鼻水が出現、迅速検査(インフルエンザ・新型コロナウイルス)を希望して受診した50代の患者さんです。息子さんは元気です。COV-2(新型コロナウイルス)・クイックチェイサ-(インフルエンザ)ともに陰性の結果、ロキソニン・ゼスランを処方しましたが同日夜より38゜C台の発熱をみとめ翌日来所、インフルエンザ迅速検査を施行したところ、再び陰性の結果でした。3日目38゜C台の発熱がいて喀痰が膿性となり再度受診しました。
血液検査ではCRP 0.9mg/dl WBC 5,460 胸部レントゲン検査で左肺にごく軽度のスリガラス様の透過性不良をみとめたため、前2者以外のウイルス感染を想定してSpotFire(PCR)検査を施行したところヒトメタニュ-モウイルス(hMPV)陽性の結果が得られhMPVによる気管支炎もしくは肺炎と診断しました。治療は二次感染を考えてオーグメンチンを処方しました。【参考】おとなでも3%程度に感染がみられるありあれた感染症(これまでは検査が簡単にできなかったので知られていなかった)。
• 発熱
2026年03月19日
前日より39゜C台の発熱と激しい咽頭痛で受診した30代の患者さんです。頸部顎下リンパ節の痛みも強軟口蓋に粘膜疹、発赤と膿栓を伴った扁桃腺肥大がみとめられストレプトAの迅速検査でA-β溶連菌陽性の結果からおとなの溶連菌感染症と診断、オーグメンチン・サワシリン(オグサワ療法)を10日間+ロキソニンを対症的に処方、治癒をはかりました。
2026年03月17日
~となり低血糖症状もなく目標範囲内(血糖70~180mg/dl)で推移しています。リブレ2の値は血漿の血糖値より20mg/dl前後低い値(組織液の血糖値のため)となりますが、インスリン導入時にリアルタイムに血糖の動きが把握でき、外来でのインスリン量の決定に安心感(低血糖高血糖時を認識させてくれる)をもつことができます。

2026年03月13日
咳鼻水痰が2週間続き他医受診するも改善しないため受診した幼児です。初めに発熱が2日間程度先行、その後より咳嗽がひと゛くなり、嘔吐をともなうようになってきたとのことです。RSウイルスもしくはマイコプラズマ、インフルエンザ感染後の気管支炎肺炎等が想定されるためSpotFire(自動PCR検査)にて15項目のウイルス・マイコ等をチェックしたところアデノウイルス陽性(同時にライノウイルスも検出)の結果が得られました。胸部レントゲン写真では右肺に軽度浸潤影、左肺にすりガラス様の間質性陰影をみとめ同ウイルスによる肺炎と診断しました。治療は対症的にアスベリン・ムコダイン、ホクナリンテープを処方し改善をはかりました。2026年03月11日

A銀β溶連菌感染症(GAS)
・咽頭炎、扁桃炎 ・猩紅熱(上記+発疹) ・膿皮症 ・丹毒
B群溶連菌感染症(GBS)
・早発型(日齢0-6) ・遅発型(日齢7~89) ・超遅発型(90~1歳)
劇症型溶連菌感染症(Streptococcal Toxic Syndrome)
GAS,GBS, C群、G群
・壊死性筋膜炎 ・菌血症 ・産褥敗血症など
水痘時発熱4日以上の発熱は要注意
2026年03月10日

[参考] clinical manifestations of hMPV in children (Nelson 22 edition)
Common(>50%)
- Fever >38.0゜C ・・・発熱
- Cough・・・咳嗽
- Rrhinitis, Coriza・・・鼻炎、鼻水
- Wheexing・・・喘鳴
- Tachypnea Retractio・・・頻呼吸、陥没呼吸
- Hypoxia(SPO2<94%)・・・低酸素症
- Chest radiograph demonstration of infiltration or hyperinfiltration・・・ 浸潤影
2026年03月07日
2月21日より発熱、その後ずっと解熱しないため3月2日に受診した患者さんです。眼瞼が浮腫様(写真はラシックス服用5日後、改善するもやや浮腫残る)胸部レントゲンでは左下肺野横隔膜にシルエットサイン陽性の間質性の陰影をみとめCRP 1.1mg/dl WBC 9,650 Hb 9.3g/dl Cr0.8 GOT130 GPT113 エルナスマイコ(IgM)陽性の結果からマイコプラズマ肺炎(家人3週間後にPAP:左写真)
に伴う肝障害と診断、オゼックスとラシックスを処方しました。その後も解熱傾向(この後平熱にもどったとのこと)がみられるものの38~40゜Cの発熱が続き4日後再検査したところ肝機能(表参照)がさらに悪化しており。マイコ感染に伴うEBVの再活性化(リンパ球62%異型リンパ球42%上2番目写真)の可能性が高く、関連する項目(EBV各種抗体価)を外部検査センタ-に委託しました。発熱してから2週間以上が経過するため、病院に紹介としました。高熱が遷延したのは異型リンパ球の出現、肝障害、EBウイルス抗体価(下記)の変動からこれまで潜伏していたEBウイルスが再活性化したことが原因と考えています。重症度が高くない場合、経過観察のみで回復が期待できます。[EBウイルス抗体価検査]
EBVVCA IgM(EIA) 4.8(正常0.5未満) 陽性
EBVVCA IgG(EIA) 6.3(正常0.5未満) 陽性
EBV EAIgG(EIA) 0.8(正常0.5未満) +/- ⇒陽性と判定
EBNA 0.6(正常0.5未満) +/- ⇒陽性と判定
紹介先の抗体検査(足利日赤提供)
CMV IgM 1.60(正常0.85未満)
CMV IgG 0.6↓(陰性)
以上からサイトメガロウイルスも再活性化の可能性大。
【参考】
【サイトメガロウイルス(CMV)感染の宿主による違い】
【参考】 血清学的マーカー(抗体)の推移
EBV再活性化では、初感染とは異なる抗体パターンを示します。
- EA-IgG(特にEA-D)が上昇
- EBV VCAIgG の高値
- VCA-IgMは通常陰性
- 抗体だけで確定はできない。(PCRと組み合わせる)
【症状】
- 発熱、肝機能障害、リンパ節腫脹
- 血球減少
- 肝脾腫
- 臓器特異的病変(肺、肝、腸管など)
2026年03月06日
【採血検査】 TSH 1.26μIU/mL fT3 3.40 pg/mL fT4 0.91 ng/dL サイログロブリン 10.3ng/mL

①5mm以下②6~10mm 悪性所見なし③10~20mm 嚢胞
①6~10mm 悪性所見②11~20mmd 充実性③21mm以上
2026年03月03日
2月24日 前夜39゜Cの高熱が出現しため受診した学童です。軟口蓋に粘膜疹をみとめ扁桃腺も発赤肥大していたため、ストレプトA迅速検査を施行したところ陽性の結果から溶連菌感染症と診断、セフゾンを5日間投与しました。その後も解熱せず3月2日再受診、咽頭の粘膜疹は消失(写真上)していましたが、咳が頻回になり右背部に異常な肺呼吸音(小水泡音)を聴取、胸部レントゲンにて右中肺野にすりガラス様陰影、採血検査にてCRP0.3mg/dl WBC 6,840 エルナスマイコ(IgM):陽性の所見が得られマイコプラズマ肺炎の混合感染と考え、オゼックスを処方しました。経過は良好で翌日より解熱1週間後に症状は改善しました。
【参考】浸潤影:consolidation⇒肺胞内細胞診潤、肺胞性陰影
すりガラス様陰影:ground- glass otacity⇒間質に細胞診潤、間質性陰影
成人のすりガラス様結節は要注意(肺癌の可能性があるため)

1週間発熱が続き喘鳴が出現してきたため受診した1歳児です。胸部に連続性(呼気時の笛様音)と非連続性ラ音(小水泡音)を聴取、胸部X-Pにてスリガラス様陰影(左肺優位)をみとめ、SpotFire多項目PCR検査を施行したところhMPW陽性の結果が得られ、同ウイルスによる肺炎と診断、アスベリン・ムコダイン・ホクナリンテープを対症的処方のみで症状は改善しました。hMPW感染では喘息様気管支炎(細気管支炎)・肺炎の合併は良く見られるので注意が必要です。































