陽だまりの図書館

溶けた雪で濡れた、夕暮れに近い堤防道路を美味しそうに鯛焼きを食べる小山内さんと並んで帰る小鳩くん。高校3年生の12月、受験はもう目前に迫っている中のつかの間の穏やかな時間。しかし、そんな2人に1台の車が迫り、弾き飛ばされた小鳩くんは……。

なんと、いきなり小鳩くんが轢き逃げに遭ってしまう!?病院で痛みと不自由な体になった彼が思い出したのは、中学校時代、2人が小市民を目指すきっかけとなったある事件のこと。
満を持して、この時が来たか!タルト事件が出てからはや20年近くの時が流れて、あの日の高校生は今や30代!?何はともあれ、読めてよかった、見届けられてよかった。さみしくて、うれしくて、満足だけどこれからのこともあれこれ空想して笑ってしまう。またいつか、美味しいものを用意しながらまた読み直したいな♪

まだ平和な?高校1年生の9月半ばの放課後。有名パティシエの新店にマカロンを食べに行こうと小山内さんに名古屋まで連れ出された小鳩くん。しかし、3個しか選んでないはずの小山内さんのマカロンがいつの間にか4個に増えていて……。

『巴里マカロンの謎』『紐育チーズケーキの謎』『伯林あげぱんの謎』『花府シュークリームの謎』の4編。たわいもない会話から畳み掛けるよう進んでいく推理が見事。小鳩くんも小山内さんも、お互い全然ストッパーになっていないのだけど、それはそれとして。小山内さんには申し訳ないけど、やっぱり笑ってしまいました。

※再読

 連続放火事件に深入りする瓜野。一方で小鳩くんは、小山内さんに不信感を抱き、密かに動き始める。犯人は果たして誰なのか!?

 それぞれの関係も、事件の真相も、そうだよね〜そうなるよね〜と納得。ラストも「だよね〜、そうなるよね〜」と激しくうなづく。さて、次は『巴里マカロンの謎』に行ってきます。

 高校2年生の秋。クラスメイトの女の子から、呼び出され、告白された小鳩くん。小市民らしく、戸惑いながら交際をすることに。一方小山内さんは、新聞部で健吾の後輩にあたる瓜野と親しくなって……
 
 瓜野が学校新聞「月報船戸』を盛り上げようと取り上げることにした、連続放火事件の行方とともに、小鳩くん、小山内さんの関係も気になるところ。

小山内さんが、夏休みに計画した「スイーツコンプリート計画」。甘いものが好きでない小鳩くんだが、しぶしぶ付き合うことに。しかし、小山内さんの計画には小鳩くんさえ気づかないある意図が……。

 お互いが暴走しないように、「小市民」としていられるようにと結んだ小鳩くんと小山内さんの互恵関係。しかし、行く先に暗雲立ち込めて……といった、不穏な展開とは裏腹に、美味しそうなスイーツのオンパレード。これは間髪入れずに読まなくては!!

 1960年代のアメリカ。優秀な化学者でありながら、男性優位の社会で不利益を被るエリザベス。唯一自分と同等に接してくれるキャルヴィンと出会うが、優秀な化学者に近づく計算高い女とみなされて……。

 女性は庇護される者として、社会的な地位が低かった時代にあって、自分らしくあろうともがくエリザベスから目が離せず、波瀾万丈な日々に心を揺さぶられながら、読み終えました。自分で気付かぬうちに流されていること、違和感すら感じなくなっていることもあるのではとふと我が身を振り返ったり。性別に関わらず、多くの人に読んでほしい1冊。

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