高校古典の教科書に必ず登場する伊勢物語。しかし、この物語は俵万智曰く「三角関係アリ、老婆とプレイボーイの関係アリ、切ない片思いアリ、浮気話アリ、許されぬ恋アリ、もう何でもアリ」の恋のお話でいっぱいの物語なのだ。元国語教師で、恋の歌を詠む歌人がとらえる「伊勢物語」とは。(学図)
毎年11月は日本の良さを見直す月間と勝手に定め、図書館では古典や日本語や漢字や風習などの特集をやっています。と、いうことでこの1冊。
恋のお話が満載の伊勢物語を、同じく恋多き(?)歌人俵万智が語るという趣向がまずおもしろい。通説に加え、彼女のフィルターを通して見ると、また新しい境地が開けてきます。
『小袖日記』を読んだあとだけに、恋の歌のやりとりやかけひき、通い婚という独特のスタイルもなんとなくなじみが…。とはいえ、女性も必ずしも弱い立場ではなく、きちんと意思表示をしており、その心意気のよさに感嘆する場面もありました。
俵さんのエッセイを読んでいると原文も読みたくなるので、中高生にもぜひ読んでほしいです。古典の知識ももちろんだけれども、恋の物語としても現代に通じるものがあるので。
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テーマに合わせて、今月はちょっと雅な世界を表現してみました。ちょっと派手すぎか…。