名駅JAZZ and CAFE BASSLINEのブログ

BASSLINE http://music.geocities.jp/nagoyajazzbass/ のHPに入りきらない部分をBlogにしました。

オーディオ

絶対音感がなくても絶対音高を再現する方法

音響、音声コミュニケーション業界からと聞くと、うさん臭そうなセミナーの講師を名乗る怪しげなおっさんが出てきそうですが、日本音響学会は立派な社団法人の学術団体であり、音声コミュニケーション研究会はその中の一分科会です。

 絶対音感がないと思っている人でも、「ミ」とか「ラ」とかの音高を声に出せる方法があって、誰でもがスマホで簡単に確かめることができます。

絶対音感がなくても絶対音高を再現する方法



オーディオ

アナログレコードの音溝の刻まれ方・・・45/45方式もDECCAのVL方式も同じこと

ラジオ「音楽とオーディオと○○と」の内容補足説明

パラゴンについて

当店のオーディオについて

当店のオーディオについて(その2)

当店のオーディオについて(その3)

当店のオーディオについて(その4)

当店のオーディオについて(その5)

当店のオーディオについて(その6)



「JBLが聴ける店」に載りました

JBL:ハーマンWEBサイト「JBLが聴ける店」に掲載されました。

JBLが聴ける店
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ラジオ「音楽とオーディオと○○と」の内容補足説明

FMいちのみや毎週日曜日20:00~20:30(再放送水曜日19:00~19:30)での「音楽とオーディオと○○と」の放送の内容、言葉だけでは足りなかった部分を補足させて頂きます。

(なお、リンク場所の日付は、本当の日付にするとブログ内の順序が乱れるので、過去の適当な日付になっています。これに限ったことではなく、当ブログ全般に言えることではありますが。本当の日付は文章内に書いています。)


               主な内容

H29年6月4日放送  第1回目
   音楽を聴く・鑑賞するのではなく音を聞く

H29年6月11日放送 第2回目
   スピーカーケーブルで音が変わる?(笑)

H29年6月18日放送 第3回目
   音楽、音の情報量

H29年6月25日放送 第4回目
   デジタルとアナログ

H29年7月2日放送  第5回目
   可聴周波数より高い周波数の再生は必要か

H29年7月9日放送  第6回目

   差音だけでなく単音でも可聴周波数外の再生が必
   要な場合がある。

H29年7月16日放送 第7回目
   6回目の復習とカッチーニのアヴェ・マリア

H29年7月23日放送 第8回目
   他社の実売価格9800円のCDプレイヤーをケースだけ
   変えて140万円で売っていた会社!
H29年7月30日放送 第9回目
   ①エコーが必要な場合と要らない場合
   ②ノリの良いリズム
H29年8月6日放送 第10回目
   音の認識 イデア論的もしくはゲシュタルト要因的
   観点から
H29年8月13日放送 第11回目
   ①気が付いたときより前にさかのぼって認識する脳
   ②高級中華料理店のラーメンはどうしてまずいのか
H29年8月20日放送 第12回目
   認識と実在 デカルト的観点から 
H29年8月27日放送 第13回目
   完成された芸術作品であるレコードやCDの再生では
   音源に色彩を加えては台無しだが、ライブの現場で
   は奏者と一緒に音作りも有り
H29年9月3日放送 第14回目
     
PA, ミキサーの役割

   ステージと客席の音場

H29年9月10日放送 第15回目
   
ジャニーズ事務所のスターや松○聖○さん、その
    他有名アーティストの楽屋での裏話
   ②ライブ現場のヒヤリ, ハッ
とした出来事

H29年9月17日放送 第16回目
    ①PAを通した段階で生音ではなくなる
   ②生に近付けるために音を加工することも時には
    必要
H29年9月24日放送 第17回目
    ①エレキギターでもボディの「鳴り」は重要
   ②ネジの締め付け方によっても音は変化する

H29年10月1日放送 第18回目
   ①スタジオと演奏会場のセッティングの違い
   ②良い音の思い方は環境によって変わる

H29年10月8日放送 第19回目
   ①アナログとデジタル
   ②
スタジオの音響
H29年10月15日放送 第20回目
   ①レコードの音の刻み方
   ②演奏の前に物理の問題を解く理系女サックス
    プレイヤー
H29年10月22日放送 第21回目
   ①音楽で図形を感じたりする共感覚
   ②ニュートンの国会での発言記録
H29年10月29日放送 第22回目
   レコードの現行45/45方式も採用されなかった
   DECCAのVL方式も実は同じ音溝だった
   これについては
   
レコードの音溝の刻まれ方・・・45/45方式もDECCAのVL方式も同じこと
   をご参照下さい。

第4回では「可聴周波数より高い周波数の再生は必要か」について、差音を聴く場合を述べ、第6回では差音だけでなく、単音でも、その音波が可聴周波数で振幅が変動する場合、その変動頻度を周波数とする音を聴くことができると述べました。

これについて補足説明します。

可聴周波数XとYの音が出た場合、その中間の周波数の音(周波数[X+Y]/2)がX-Yの頻度で音の「大きさ」が変動し、それをうなりと感じます(WaveGeneなどのフリーソフトで波形も音も確認することができます)。

これは弦楽器の調弦のとき、うなりをゼロにすれば結果的にX→Yとなるということでよく使われますね。


さて、このうなりの頻度XーYは、「音の大きさ」の「変動(回数)」が1秒間にXーYということで、「周波数が」X-Yの音を聴いている訳ではありませんね。うなりの音自体の周波数はあくまでもXとYの中間(周波数[X+Y]/2)です。

では、周波数の差が大きくなってX-Yもだんだん大きくなっていくとどうなるでしょうか。


うなりがだんだん早くなって音の「大きさの変動」は感じとるのが難しくなり、そのうち、2つの音が分離して聞こえてきます。

が、X-Yが可聴周波数(仮に50~2万Hzとします)となると、今度は、「周波数が」X-Yの音として感じるようになります。


これは、X,Yの音よりもかなり小さい音なので、よほど注意しないと気が付かない場合が多いと思いますが、音の感じ方に微妙に影響を与えている可能性は否定できません。

これはX, Yが超音波でも成り立ち、ラジオの仕組みを知っている方には、一言で次のように言った方が簡単かも知れません。


AM変調された高周波を検波すれば低周波が聴こえるように、可聴周波数で振幅変調された超音波も、耳で検波されて振幅変化の頻度を周波数とする音が聴こえる。


以前より、差音の存在は知られていて、超音波が可聴周波数の差音を生じさせる可能性があり、超音波も音楽再生に必要であるという議論はあったかと思いますが、

2つの音の差によらなくても、単音でも、振幅変調していればよいというのが、この回の主題でありました。


20000Hz+20400Hz

これは20200Hzの超音波が400Hzで振幅変調されているのと同義
20000+20400

 
      ↓↓

400









上の図で、耳では超音波の速い動きについて行けず、下に動くべきが遅れているうちに次の音波に下から突き上げられて(つんつんの法則)、Envelope(包絡線:ピークをつないだ概形線)の上側を波形とする音波(下の図)が聴こえます。

この、(恐らく)鼓膜~音の「感知機構の戻りの遅れにより検波されて」振幅変化を音波として感知することが最もインポーイント(important point : 重要な点)です。



2017/07/09

 

アナログレコードの音溝の刻まれ方・・・45/45方式もDECCAのVL方式も同じこと

ラジオで解説したアナログレコードの音溝について補足説明します。

現行の
45/45方式のレコードの音は45°ずつ傾いてV字型に掘られた溝に、右の音は右の壁に、左の音は左側にというように刻まれています。

そして、右の音は右の壁の凸凹を、左の音は左の壁の凸凹をそれぞれ独立に感知しています。

 

中学校で習ったxy座標でいうならば、yx, y=-xというような直行する直線で、yxを右の壁、yxを左の壁と考えることができます。

そしてそれぞれをX軸、Y軸とすれば、その座標系で針の位置を(X, Y)とすることができます。

音の刻みを感知するということは、右の音はYの値(右音の壁がX軸に垂直に=Y軸方向に変動するため)を、左の音はXの値を感知することになります。

 

これに対して、採用されなかったデッカのVL方式では、音溝は同じV型ではありますが、そのV字型の刻み方が違って、右+左の音が左右方向に刻まれ、上下方向に右-左の音が刻まれています。

そして、それぞれLat(左右方向)、Ver(上下方向)の信号を取り出して、

右の出力としてはLatVer=(右+左)+(右-左)=2×右

左の出力としてはLatVer=(右+左)-(右-左)=2×左

として左右独立して音を取り出しています。

 

さて、この一見、違う方式に見える2方式は、ビデオでβ方式とVHSが最初並立して存在したようにはせず、最初からどちらか一方を採択することとなり、45/45方式が採用されることとなりました。

が、実は、どちらとも同じ音溝になる訳であり、どちらかに決める必要はなかったのです。

どういうことか。

 
以下、針先の座標について書いていますが、カッティングマシーンが音溝を刻む際の力のベックトルを位置ベクトルとして考えて頂くと、入力、出力ともに同じことになるのがお分かりになると思います。

先に、45/45方式はXY座標系でXYの値を見ることになることを説明しました。

これを45°右に倒したxy座標系ではどうなるかを考えてみます。

(一次変換をご存知ならばそれでやるともっと簡単ですが)

以下、下図参照して下さい。

 
IMG_2444

















xy
座標でy=xで表される直線をX軸、それに直交する直線yxY軸としてXY座標を考えます。

針先の位置をXY座標で(X1, Y1)とします。

この場合、Y, Xの値は左右どちらか決めた信号を刻んだ値となります。

例えばX軸が右信号を刻んだ壁、Y軸が左信号を刻んだ壁とする。

 

X1, Y1)をxy座標で表した(x, y1)は図より、

x1=OAxAXcos45°-Ycos45°

xAx軸上でのx1とA点との距離)

1/2X1Y1

 

y1=OB+By1X1cos45°+Y1sin45°

1/2X1Y1

 

従って、一般的にXY座標上の点{X, Y}は、xy座標で

1/2XY, 1/2XY)}と表すことができます。

 

ここで、上述のデッカのVL方式を考えます。

VL方式では、水平方向+垂直方向で右側、水平方向-垂直方向で左側の音を拾っていたのだから、右のつもり(というか実際はまんま右なのですが)の出力は

水平方向(即ちxの値)+垂直方向(yの値)なので

右のつもり=1/2XY+1/2XY

2/2X
2X

となり、X2の係数をかけただけの純粋な右信号となる。

同様に

左のつもり=水平方向-垂直方向

     =1/2XY)-1/2XY

     =-2/2Y
     =-2Y

となり、-2の係数が付いただけの左信号そのものとなる。

負の値がついて驚くひとがいるかもしれませんが、頭の中で設定を変えるか、実際に即して言えば接続の極性を逆にするだけの話で全く問題はありません(-が付かないように最初の設定を変えてもよかったのですが、逆に言えば設定でどうにでもなるほどのどうでもよい話)。
方式としては別物ではあったが、結果的にできる音溝は物理的にも数学的にも同じことになるということがインポーイント(重要な点)なのです。

 

また、2の係数については、X, Yが45度傾いたX, Y方向での値だったので、水平方向に換算したらその係数がかかるだけのことですね。

 

お時間のある方は、今度はデッカのVL方式を45/45方式に投影した場合どうなるか考えて見てください。

同じ結果となり(逆のことが言えて)驚くと思います。

ときにデッカのVL方式のカートリッジは接続を換えると45/45方式と互換性があり、45/45方式のレコードを聴くことができると誤解している人がいますが、接続を変えて互換性を出すとかでなく、同じ音溝なので接続を換えるまでもなくそのまま聴くことができます。
なお付け加えるならば、デッカのVL方式で録音されたレコードを現行の45/45方式のカートリッジでそのまま聴くこともできます。

同じ音溝なので当たり前であることは、以上お読み頂いた方には明らかですね。

 

(追記)

VL方式も45/45方式も、モノラルの場合は、左右に同一信号が刻まれることになり、結果として、ステレオが始まる以前のモノラルレコードと同様、水平方向に左右同じ信号が刻まれることになります。

 

すなわち、

VL方式では、そもそも水平方向が右+左でしたので、右=左より、水平方向=2×右=2×左となり垂直方向=右左=右右(=左左)=0で、水平方向にのみ動き、上下には動かないことになります。

 

45方式では、仮に先に設定した式(X, Yx,y座標で表している)

X, Y}={1/√2XY, 1/√2XY)}

でモノラルではXYより、

X, Y}={1/√2XX, 1/√2XX)}

={0, 2/√2X

となり、横方向には動かず縦方向に揺れることになります。

 

が、実際は、横方向に触れるように設定されていることから、

最初の設定で、XもしくはY方向を感知するコイルの極性を逆にすればよいことなります。

 

すなわち、

X, Y}={1/√2XY, 1/√2XY)}

で、X=-Yとおくと、

X, Y}={1/√2(-YY, 1/√2(-YY)}

={-2/√2Y, 0

となり、水平方向のみの運動となります。

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