2014年12月

社労士事務所差別化のための認証・表彰などの活用

10487465_918048264913221_5065359646107660743_n 日頃は忙しく、ゆっくり本を読むような時間がなかなか取れないので、この年末は毎日1~2冊の本を読むような生活をしています。昨日は石坂典子さんの「絶体絶命でも世界一愛される会社に変える!」という本を読みました。内容としては、所沢ダイオキシン報道で経営危機に陥った産廃会社を女性社長が立て直すというものなのですが、全編を通じ、産廃というあまりイメージがよくない会社を、様々な取り組みを通じて、社会的な信用を勝ち得ていく姿が描かれています。

 その中で印象的なのが、様々な認証や表彰制度の取得・活用です。この会社では、以下のような認証等を取得することによって、地域社会に対し、その会社の姿勢を示し、信用を勝ち得ていったのです。
・ISO9001/ISO14001/OHSAS18001
・日本生態系協会「JHEP認証」
・経済産業省「おもてなし経営企業選」
・日本掃除協会「掃除大賞」「文部科学大臣賞」

 産廃というだけで、社会的なイメージはマイナスの状態にあり、会社がいくら自分のスタンスを説明してもなかなか理解してもらえなかったようです。そこでこうした外部認証を活用していったということですが、社労士もこうした取り組みを参考にすることはできるでしょう。私どもの社労士法人でも、名古屋市女性の活躍推進企業の認定を受けたり、プライバシーマークの取得を行いましたが、こうした外部認証は企業に対する一定のアピールになり、他の事務所との差別化の要因にもなっています。

 自治体のものも含めれば非常に多くの認証や表彰の制度があります。みなさんの事務所のスタンスを明確にするためにも、こうした制度を活用されてはいかがでしょうか?
関連blog記事
2014年2月2日「社会保険労務士法人名南経営 平成25年度「名古屋市女性の活躍推進企業」の認定を受けました」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52025321.html

参考リンク
amazon「絶体絶命でも世界一愛される会社に変える!」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00R216QZS/roumucom-22
名南コンサルティングネットワーク「社会保険労務士法人名南経営は「プライバシーマーク」を取得しました」
http://www.meinan.net/news/13724/

(大津章敬)
最新ニュースは名古屋社労士探究会 facebookページもご覧ください。
https://www.facebook.com/nagoyasr/

社労士の資格を活かそうと考えてはいけない

1 先週の日曜日、東京リーガルマインド(LEC)様の各種資格合格祝賀会に参加してきました。会場には社労士だけではなく、司法書士や土地家屋調査士など様々な資格の合格者が参加されており、また豪華な来賓も加わり、なかなかの盛り上がりとなっていました。

 その中で、社労士の合格者のみなさんとは(たぶん)全員お話させて頂きましたが、その中で全体的に少し気になったのが「社労士の資格をどう活かそうか?」という考え方が強いことでした。頑張って、合格率9.3%(昨年度は5.4%)という社労士に合格することができた訳ですから、それを活かしたいというのは当然だとは思います。しかし、この考え方は危うさを孕んでおり、所詮「資格」に過ぎないと考えてみることをおススメします。

 どの士業も今後、更に厳しい環境が待っています。社労士の資格を取ったのでそれを活かそうという発想は、「社労士ができる仕事」の中でどの仕事を行っていこうかという発想に繋がりやすく、結果的に自らの選択肢を狭めることになり兼ねません。よって今年合格されたみなさんには社労士資格を活かすという発想ではなく、自分がどう顧客、そして社会に貢献できるのかを中心に自らのキャリアとビジネスを考えて欲しいと思います。その結果として社労士の資格が活きてくる分野が見つかるはずです。

 資格を持っているからこそ、いったん資格を外してなにをすべきか考えてみてください。見えなかった何かが見えてくるはずです。

日本経済新聞「中小の電子申請を省力化 社会保険、入力データ再利用」という記事の背景と影響

電子申請 先週土曜日(2015年12月20日)の日本経済新聞の夕刊に踊った「中小の電子申請を省力化 社会保険、入力データ再利用」という記事。この内容は衝撃的でした。内容を要約すると、政府は21年度までに行政手続きの電子申請の利用率を70%以上に引き上げる目標を達成するため、中小企業でも社会保険・労働保険の電子申請が簡単にできる新たな電子システムを2015年4月にも導入するというもの。利用するには2~3万円程度の専用アプリケーションを購入する必要があり、電子申請をしたことのない人でも低コストで手続きできる環境を整えると、かなり踏み込んだ内容になっていました。

 まずはこの話の背景について取り上げましょう。記事の中にもあったとおり、社会保険・労働保険分野の電子申請の利用率は非常に低迷しています。内閣官房IT総合戦略室が今年2月に発表した「オンライン手続の利便性向上に向けた改善方針(案)について」によれば、平成24年度において、輸出入・港湾が95.6%、登記が57.8%、国税申告が52.7%がオンラインで実施されている一方、社会保険・労働保険ではたった4.2%に止まっています。総務省にしてみれば、「社労士に任せていても電子申請は一向に普及しない。普及のためには中小企業自らが利用しやすいような環境を整備するしかない」ということなのでしょう。社労士会でも電子申請の利用を強く促してはいましたが、状況は大きく変わることはなく、旧態依然の紙による手続きを続けた結果がこれですので、残念ながら我々の自業自得という要素が強いのではないかと思います。もちろん、社労士からすれば使い勝手が悪いということも主張したいところではありますが、これが結果なのでしょう。

 もっともこの記事の裏に、なにか最新の情報があったのかというと、いまのところ、それはよく分かりません。しかし、2014年11月26日のブログ記事「e-Govの外部連携API仕様公開が与える社労士手続業務への激震」の中で取り上げた総務省が今年6月に公表した「電子政府の総合窓口(e-Gov)における外部連携APIの整備に関する計画」では、今回の記事に繋がる以下の内容が含まれていました。


外部のソフトウェアを通じた申請・届出が可能となるためには、当該ソフトウェアとe-Govとの連携を必要とする。従って、第3四半期に予定する外部連携APIの仕様公開後、外部のソフトウェアを通じた行政手続のオンライン利用が即座に可能となるものではなく、仕様公開後に民間ソフトウェアの設計開発や機能拡充がなされ、e-Govとの連携テストを完了したものから順次、オンライン利用が可能となる。
 その上で、左上の画像にあるように、平成27年度第1四半期から「民間ソフトウェアベンダーの対応」=アプリケーションのリリースがなされるとしていたのです。実際に民間ソフトウェアベンダーがどのような対応をしているのかについての情報はまだありませんが、もしかすると年明けくらいからは具体的な話が出てくるのかも知れません。

 この記事の内容がどの程度の影響があるかは未知数ではありますが、社労士業界に一定の影響があることは確実です。これをもって直ちに、社労士業界から手続き業務がなくなると悲劇的に考える必要まではないと思いますが、少なくとも従来同様の業務形態を維持することは困難になり、新たなビジネスモデルが業界を席巻する可能性もあるでしょう。今後、すべての社労士は単なる利便性向上のための代行業ではなく、社労士が関与するからこその価値を真剣に探していかなければなりません。
関連blog記事
2014年11月26日「e-Govの外部連携API仕様公開が与える社労士手続業務への激震」
http://blog.livedoor.jp/nagoyasr/archives/41452498.html

参考リンク
総務省「電子政府の総合窓口(e-Gov)における外部連携APIの整備に関する計画」
http://www.e-gov.go.jp/doc/pdf/api_plan_140624.pdf
内閣官房IT総合戦略室「オンライン手続の利便性向上に 向けた改善方針(案)について(平成26年2月)」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/densi/dai6/siryou4.pdf

(大津章敬)
最新ニュースは名古屋社労士探究会 facebookページもご覧ください。
https://www.facebook.com/nagoyasr/

次回勉強会の同日に大津章敬の「人事制度構築[超基礎]講座」を開催

otsuakinori 2015年の探究会は2月27日(金)からスタートしますが、その勉強会の前、同会場で午後1時30分から午後4時30分まで、大津章敬が人事制度に関するセミナーを開催します。オープンセミナーですので、是非探究会と連続してご参加ください。
これから人事コンサルを始める社労士のための人事制度構築[超基礎]講座
~人事制度構築は人材不足時代に求められる社労士の基本サービス
講師:株式会社名南経営コンサルティング 執行役員人事労務統括 大津章敬
 最近は企業を訪問すると、人がなかなか採用できないという相談を受けることが増えています。このような人材不足の時代には、既存社員の定着促進と効果的な人材育成が不可欠になることから、人事制度の構築ニーズが大きく高まります。また今後予定される労働時間法制改革は、人の働き方を大きく変えることに繋がるため、労働時間制度の見直しと同時に人事制度改革が求められることも増加するでしょう。こうした環境の変化から、今後の社労士にとって人事制度構築は、顧客獲得のための重要サービスとなっていくことは間違いありません。

 しかし、人事コンサルという分野は多くのみなさんにとって「敷居の高いもの」であるようです。そこで、そうしたコンサルティング未経験のみなさまを対象に「これから人事コンサルを始める社労士のための人事制度構築[超基礎]講座」を開催することとしました。この講座では人事コンサルで取り扱う資格等級制度、賃金制度、賞与制度、退職金制度、人事評価制度の全体像を掴むことを目的に、最低限知っておきたい人事コンサル業務の基礎について分かりやすくお伝えします。この講座を3号業務実施のきっかけにして頂ければ幸いです。
[セミナー内容]
人事コンサルってなにを行っているの?
人事制度構築の全体スケジュールと進め方のポイント
最低限知っておきたい専門用語・基礎知識
   ベアと定昇、昇格と昇進、モデル賃金の使い方など
人事コンサルで取り扱う各分野の全体像を掴もう!
 (1)資格等級制度って何のために設けるの?
 (2)すべての基本給制度に共通した制度設計のポイント
 (3)諸手当はどう考えるの?設計のポイントは?
 (4)貢献度反映型の賞与制度や退職金制度のポイント
 (5)人事評価制度はお金を決めるためのものなの?
労働時間制度改革と人事制度改革が不可分の時代

[会場および日時]
日時:2015年2月27日(金)午後1時30分~午後4時30分
会場:名南経営本社(丸の内)
※このセミナーの後、午後6時30分から探究会第24回勉強会「マイナンバー制導入の社労士業界への影響と社会保険手続に関する電子申請のゆくえ(講師:株式会社Cells(セルズ)取締役 加藤雅也氏)」を開催します。是非連続でご参加ください。
http://blog.livedoor.jp/nagoyasr/archives/40530160.html

[受講料]
 3,000円(税別)

[対象者]
 本講座は、人事制度改定を行うにあたっての基礎知識や業務の全体像の習得を最大の目的としますので、原則として人事コンサル業務の経験がない方、もしくは指導歴の浅い方を主として対象とした講座内容となっております。業務の実績のあるみなさんには基礎知識の確認になる部分が多くなると予想されますので、ご了承願います。

[詳細および申し込み]
 以下よりお願いします。
http://www.lcgjapan.com/seminar/2015consul_1/

マイナンバーガイドライン 社労士はここを読むだけで「冷や汗もの」

マイナンバーガイドライン 社労士はここを読むだけで「冷や汗もの」 2014年12月11日のコラム「マイナンバー施行により社労士に押し寄せる事業継続の危機」は、なかなか大きな反響を頂きました。マイナンバーの施行まで実質1年となり、様々な情報が出てきており、それに伴い、一部の社労士はプライバシーマークの取得など積極的に対策に乗り出していますが、全体としてはまだまだ様子見という雰囲気を強く感じています。しかし、それでは絶対にまずいのです。

 ということで、今日は先週発表された特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)の中で、社労士が最低限読んでおかなければならない「委託先の監督(番号法第11条、個人情報保護法第22条)」に関する部分を引用して、紹介しましょう。これを読むだけで間違いなく冷や汗ものです。
A 委託先における安全管理措置
 個人番号関係事務又は個人番号利用事務の全部又は一部の委託をする者(以下「委託者」という。)は、委託した個人番号関係事務又は個人番号利用事務で取り扱う特定個人情報の安全管理措置が適切に講じられるよう「委託を受けた者」に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。このため、委託者は、「委託を受けた者」において、番号法に基づき委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう必要かつ適切な監督を行わなければならない。なお、「委託を受けた者」を適切に監督するために必要な措置を講じず、又は、必要かつ十分な監督義務を果たすための具体的な対応をとらなかった結果、特定個人情報の漏えい等が発生した場合、番号法違反と判断される可能性がある。

B 必要かつ適切な監督
 「必要かつ適切な監督」には、委託先の適切な選定、委託先に安全管理措置を遵守させるために必要な契約の締結、委託先における特定個人情報の取扱状況の把握が含まれる。委託先の選定については、委託者は、委託先において、番号法に基づき委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるか否かについて、あらかじめ確認しなければならない。具体的な確認事項としては、委託先の設備、技術水準、従業者(注)に対する監督・教育の状況、その他委託先の経営環境等が挙げられる。委託契約の締結については、契約内容として、秘密保持義務、事業所内からの特定個人情報の持出しの禁止、特定個人情報の目的外利用の禁止、再委託における条件、漏えい事案等が発生した場合の委託先の責任、委託契約終了後の特定個人情報の返却又は廃棄、従業者に対する監督・教育、契約内容の遵守状況について報告を求める規定等を盛り込まなければならない。また、これらの契約内容のほか、特定個人情報を取り扱う従業者の明確化、委託者が委託先に対して実地の調査を行うことができる規定等を盛り込むことが望ましい。
 このガイドラインの中で、「しなければならない」及び「してはならない」と記述している事項については、これらに従わなかった場合、法令違反と判断される可能性があるというものです。これを社労士事務所を前提に読み替えると、「企業が社労士に社会保険等の事務を委託する場合には、マイナンバー法で求められるレベルの安全管理措置が講じられている事務所を選定し、それを監督しなければ、社労士事務所が情報漏えいした場合にその企業も責任を問われる」ということになります。つまり、マイナンバー法に対応できていない社労士事務所は淘汰される恐れがあるのです!このテーマは業界にとって本当に重要なものですので、今後も積極的に取り上げていきます。
特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)は以下でダウンロードできます
http://www.cao.go.jp/bangouseido/ppc/guideline/pdf/261211guideline2.pdf
関連blog記事
2014年12月16日「マイナンバー 特定個人情報取扱ガイドラインのQ&Aが公開」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52058833.html
2014年12月12日「ついに正式公布された「マイナンバー 特定個人情報取扱ガイドライン」」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52058469.html
2014年12月11日「マイナンバー施行により社労士に押し寄せる事業継続の危機」
http://blog.livedoor.jp/nagoyasr/archives/41736282.html
2014年12月8日「マイナンバー制 徐々に明らかになる民間企業での様々な活用プラン」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52058037.html
2014年11月28日「マイナンバー制 各府省の取組状況についての現状と将来的な活用イメージ」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52056917.html
2014年11月23日「マイナンバー制 通知カードの提供等に関する省令公布」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52056617.html
2014年11月9日「マイナンバー制 行政手続における利用分野に関する案の概要」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52054983.html
2014年10月9日「平成28年より源泉徴収票がA5サイズに変更」
http://blog.livedoor.jp/roumucom/archives/52052055.html

参考リンク
特定個人情報保護委員会「ガイドライン」
http://www.cao.go.jp/bangouseido/ppc/guideline/guideline.html

(大津章敬)
最新ニュースは名古屋社労士探究会 facebookページもご覧ください。
https://www.facebook.com/nagoyasr/
現在のメンバー数
476名

※2019年5月28日現在。新規メンバー絶賛募集中です。毎回、受講料だけで参加できますので、お気軽にご参加ください。
過去の勉強会開催実績
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

  • ライブドアブログ